国土交通省が発表した「土地問題に関する国民の意識調査」によると、一戸建て住宅を希望する人々の割合が3年ぶりに70%を超え、各建築メーカーでも「家を建てるための土地」を多く買い求める時代が再来している。
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一方で土地を手放す人が増加
土地の売却や買取は、遺産分割協議における揉め事解消や多大なる相続税の節税にも役立てるため、近頃では相続人トラブルを解消するために「土地を手放す」といった選択肢を検討する人たちも増えているのだ。
土地売買の動向の変化
また、近年、周辺の景観にも影響する土地問題の解消目的で売却などの手段が使われることも多いため、「土地を売る・買う」という双方向に少し変わった動向が生じていると考えて良さそうだ。今回は、土地売買の目安として欠かせない存在である参考買取相場について、その調べ方や基礎知識などを紹介していきたい。
Calculating Taxes Up And Down / kenteegardin
1つの土地に関連する金額は5種類ある
不動産評価基準について詳しく調べてみると、土地に対する効用、相対的希少性、有効需要の3つにより、1つの土地につき4~5種類の価格が存在することがわかる。このような状態を不動産用語では「一物四価」または「一物五価」と呼んでおり、一物一価である一般商材とは一線を画する存在として知られているようだ。そんな土地に関する価格は、下記のとおりとなる。
・基準地価、公示地価
・相続税評価額
・固定資産税評価額
・鑑定評価額
・実勢価格
ここからは、それぞれの価格における特徴と、その情報を集める方法について詳しく紹介していく。
基準地価と公示地価の特徴と調べ方
都道府県が年に1回公表する基準地価と、国土交通省によって公表される公示地価は、「全国で最も高い地価上昇率」などのニュースで取り上げられることの多い存在である。
この両者の評価基準は同等と考えるのが一般的となっているため、もし自分の土地に関する情報を集める際には、「所在地住所に近い基準地価もしくは公示地価を探す」という方法で調査ができると考えて良いだろう。
資産評価システムセンターから調べることが可能
都道府県地価調査価格とも言われる基準地価や、地価公示価格と呼ばれる公示地価は、後述の固定資産税路線価や相続税評価額と同じ「資産評価システムセンター」のサイトから調査可能となるため、自分が売却予定の土地に関する価値を多角的に調査することも可能と考えて良いだろう。
特徴
そんな公示地価や基準地価には、「標準値の価格が表示される」という特性があるため、具体的な参考買取相場に対する直接的な調査にならない難点があると言えそうだ。
相続税評価額の特徴と調べ方
相続税算出に欠かせない「相続税評価額」は、国税庁によって毎年7月に公開される金額である。この数値は、将来的に発生する相続の準備として「どのぐらいの相続税が発生するか?」を確認する人たちに多く用いられる存在となっている。
資産評価システムセンターで調査
調査時には、資産評価システムセンターのサイト上部にあるタブから相続税路線価を選ぶ形となっており、表示された路線価に土地の面積を乗算すれば、誰でも簡単に土地の評価額が算出できる。
特徴
この金額は基準地価や公示地価の8割程度の金額になることが一般的のため、わざわざ相続税路線価の調査を行わなくても公示地価などから概算が求められると考えて良いだろう。
そんな相続税評価額には「相続税を算出するために設けられた数字」という特徴があるため、遺産相続とは無関係で単純に「土地の売買を行いたい」といった人たちには参考買取相場とは繋がらない存在と位置づけて良さそうだ。
固定資産税評価額の特徴と調べ方
市町村により3年ごとの4月に発表される固定資産税評価額は、相続税評価額と同様に「税金の算出をするために設けられた数字」である。
特徴
相続税評価額などと同様に資産評価システムセンターから閲覧可能なこの金額は、これから購入予定の土地に対して「どのぐらいの固定資産税がかかるのか?」を知りたい人たちが調査する傾向が高いと言われている。
またインターネットから見た金額は、固定資産税課税明細書との差異がほとんどないため、前述の2種類と比べて精度の高い内容であると言えるだろう。そんな固定資産税評価額は、公示地価や基準地価と比べて7割程度になることが一般的とされている。
鑑定評価額の特徴と調べ方
不動産鑑定士によって算出される鑑定評価額は、道路の価格を表す四価よりも遥かに参考買取相場との関わりの強い存在である。公示地価や基準地価とほぼ同じ比率で導き出される鑑定評価額は、不動産鑑定士に依頼すればいつでも求めることが可能な金額となっている。
またこの数字の算出には国土交通省によって提供された鑑定評価基準が使用されるため、不動産鑑定士によって発行された「不動産鑑定評価書」は、公的機関に提出できるレベルの高い証明力を持っているのだ。
特徴
そんな鑑定評価額には「合理的かつ適正な土地の価格であること」といった特徴があるため、土地やマンションなどの売却を仲介する業者の価格査定と比べて遥かに高い法的効力があると考えて良いだろう。
鑑定評価額の算出は有資格者のみ行える
鑑定評価額の算出は、不動産鑑定士の独占業務となっている。無資格者による算定は法律違反となるため、不動産や土地に関する知識のない素人が「自分の力で数値を導き出すこと」は現実的ではないと捉えて欲しい。
また不動産鑑定士に不動産鑑定評価書の作成を依頼する際には、安くても15万円前後の鑑定料がかかることが唯一の難点とされている。そんな鑑定料には土地の価格と比例して金額がアップする特性があるため、立地環境が良く面積の広い土地に関する依頼を考えているなら、売却に関する諸費用の準備として不動産鑑定士に支払う手数料が多く必要となることを忘れないようにして欲しい。
鑑定評価書が高額な理由
このように鑑定評価額の算出に高い料金を支払う背景には、この数字に「証明書としての重い責任があること」が大きく関係している。万が一不動産鑑定士による算出が誤っていると、売買時のトラブルや損害賠償請求が発生することもあるため、高い料金をもらって慎重かつ丁寧に作業が行われていると考えて良いだろう。
法的効力の高い評価基準によって導き出される鑑定評価額は、これまで紹介した相続税評価額や固定資産税評価額などと比べて遥かに参考買取相場に近い存在と位置づけて良さそうだ。
実勢価格の特徴と調べ方
実際の取引実績から導き出される実勢価格は、仲介業者や土地買取業者が買取相場を調べる上で参考にすることの多い金額である。類似条件の土地に関する取引事例を収集すると、不動産に関する難しい知識のない人でも簡単に実績価格に辿り着くことができる。
また同じ道路に接している隣接した土地であれば、大きな価格の差異も生じにくいため、一般的な考え方で金額が導き出せる点もこの方法における最大のメリットと言われているのだ。
土地情報総合システム
そんな実績価格の調査をする上で多くの人が利用しているのは、国土交通省の「土地情報総合システム」である。
このWEBサービス内のデータは、「国土交通省が不動産売買を行なった当事者にアンケートを行い、調査結果から得られたもの」となっている。
システムを使って実際に物件検索してみると、駅からの距離や土地の形状、面積、敷地内にある住宅物件の情報なども確認できるため、「売却予定の土地周辺の情報から参考買取相場を予想する」といったことも可能なWEBサービスと捉えて良いだろう。
仲介業者の販売価格
またさまざまな業者が自社の成約実績を公開するようになった近頃では、「仲介業者の販売価格」も実勢価格に近い存在として注目度を高めている。
情報を併用して精度の高い相場が調査可能
比較的取り扱い物件の多いホームズやスーモ、アットホームなどの複数サイトと前述の「土地総合情報システム」を併用すると、更に精度の高い参考買取相場を調査可能となる。またこれらの金額は鑑定評価額のような公的な指標ではないものの、その分時代の流れに沿った数値となるため、不動産鑑定士に鑑定料を支払う余裕のない人達でも、自分が売却する土地に対して「どのぐらいの価値があるのか?」を判断しやすくなっていると考えて良いだろう。
土地の参考買取相場を調査するメリットとは?
一物五価を通してこれから売却予定の土地に関する情報収集をしていると、「その物件にどのぐらいの価値があるか?」ということを客観的に判断できるようになる。特に不動産鑑定士による鑑定評価額や土地総合情報システム、仲介業者の実績などから導き出される数字には、「参考買取相場の近似値」とも言える特性があるため、これから買取業者との間で価格交渉を進めていく上でも知っておいた方が良い存在として注目度を高めているのだ。
忙しい人でも簡単に参考買取相場を調査する方法とは?
ここで紹介した一物五価をじっくり調査している余裕のない人には、たったの60秒ほどの入力で「この土地を買いたい!」と考える業者から査定価格が届く、不動産一括査定サイトの利用がおすすめである。
一括査定サイトのメリット
このWEBサービスを使えば、簡単入力だけで土地買取業者とのマッチングが行われるため、高額な鑑定料を払って不動産鑑定士のお世話になる必要がない点も大きなメリットと考えて良いだろう。
またそれぞれの業者が競い合っている一括査定サイトを利用すれば、土地買取の難点と言われていた「買取費用の安さ」も解消しやすくなるため、ひとつひとつの企業に自分で問い合わせをするよりも遥かに良いサービスが受けられると言えそうだ。もし参考買取相場を含めた「土地の価値」の調査で不安を抱えているなら、一括査定サイトで繋がった業者にさまざまな相談を持ちかけてみても良いかもしれない。
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まとめ
相続税や固定資産税なども関係する土地には、その価値判断に欠かせない評価額が5つも存在している。これらの調査法や選択を間違うと売却に向けた手続き全般に停滞が生じることもあるため、「自分は何を調べるべきか?」といった基礎知識をきちんと把握した上で、的確な方法で情報収集や比較検討を行うようにして欲しい。