ニッカウイスキーは、創業者である竹鶴政孝が北海道余市の豊かな風土でより良いウイスキーを生むべく生産を始め、今では国内ウイスキー市場の最大手と言われている会社だ。ブラックニッカ、竹鶴ピュアモルト、シングルモルト余市など、国内を代表とするウイスキーを数多く輩出しており、本場スコットランドのウイスキー愛飲家からも、その評価は高い。この記事では、日本を代表とするニッカウイスキーの買取相場などについてまとめた。
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長い歴史と、情熱によって生み出された
ニッカウイスキーは、前身となる大日本果汁株式会社が1934年に創業したところから、長い歴史を刻んできた。製造方法にもこだわりがあり、世界的にも珍しい製造方法を選んでいる。
製造する風土も重要視しており、自然へのこだわりも見受けられる。まずはニッカウイスキーの歴史や製造される風土、受け継いでいる技について解説する。
ニッカウイスキーの歴史
ニッカウイスキーは、1934年に北海道余市に工場ができるところから始まる。そして、1940年に、ニッカウヰスキー、ニッカブランデーの第一号が発売される。このように約85年前から製造されているという、長い歴史があるのだ。
それから兵庫や青森、千葉、宮城に工場を展開した。ピュアモルト、シングルモルト余市、ブラックニッカ クリアブレンド、竹鶴12年ピュアモルトなど、数々のウイスキーを製造してきた。
2000年代に入ってからは下記のように、あらゆる場面で高評価を獲得している。
- ・BEST OF THE BEST 2001で最高得点を獲得
- ・ザ・スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティがモルトウイスキー蒸溜所として、日本で初めて北海道余市を認定
- ・WWA2007で竹鶴21年ピュアモルトがブレンデットモルトウイスキー部門で、世界最高賞を受賞
数多くのウイスキーを生み出し続け、世界から高評価を集めてきたのが、ニッカウイスキーなのである。
ニッカウイスキーを生み出す風土
ニッカウイスキーは、ウイスキーを製造する風土にもこだわっている。創業者の竹鶴政孝は、美しい自然が美味しいウイスキーをつくると語っていた。
北海道余市は、ウイスキーを製造するのに非常に適しているという。ウイスキーをゆっくり熟成させる気候と適度な湿度、良質で澄んだ水。これらをそなえていたのが、北海道余市だった。
蒸溜所の風土によって、異なるおいしさをもつウイスキーが生まれる。その思想から、北海道だけでなく宮城にも蒸溜所がつくられた。
寒冷でありながらも、北海道に比べると暖かい気候の宮城峡蒸溜所は、その風土を活かした柔らかな口あたりのモルトをつくることを理想としている。ニッカウイスキーは、風土にこだわりウイスキーの製造をおこなっているのだ。
ニッカウイスキーが受け継ぐ技
創業者の竹鶴政孝は、ウイスキーづくりにおいてブレンドの技術が重要だとして、実践していた。竹鶴政孝が本場スコットランドでたたきこまれたブレンド技術を持ち帰り、それを余市蒸溜所の人に伝え、今でも高い水準が受け継がれている。
ウイスキーの個性は、樽ごとに異なる。その個性を一つずつ把握し、微調整を繰り返す。そんな職人技を持つブレンダーが、ウイスキーの製造をおこなっているのだ。
また、本場スコットランドでも珍しい、石炭による直火炊きで蒸溜がおこなわれている。ガス燃料の使用が一般的になった現代において、世界でも稀な存在だ。
石炭をくべる量によって、火加減を調整する。この調整もまた職人技が必要で、体得するまで10年は必要だと言われている。石炭をくべる量だけでなく、燃えカスをとりだすタイミングも重要だ。石炭直火蒸溜の技術も、長い間継承されているのだ。
代表作3種の特徴と相場
ニッカウイスキーはたくさんのウイスキーを発売しているが、その中でも代表とされる3種について紹介する。味わいが全く違うので、それぞれの特徴・良さは知っておきたいところだ。また、その買取価格についても解説する。
余市
余市は北海道余市の蒸溜所で作られる、ニッカウイスキーの代表的な銘柄である。石炭直火蒸溜ならではの、重厚な味わいと香ばしさを楽しめる。寒冷な大地でときを重ね、この味わいが生み出されている。
2019年に高額で取引されている主な銘柄の買取参考価格を、以下に記載する。
- ・余市 1984 20年貯蔵 シングルモルト…700,000円
- ・余市 1985 20年貯蔵 シングルモルト…680,000円
- ・余市 1986 20年貯蔵 シングルモルト…650,000円
- ・余市 1987 20年貯蔵 シングルモルト…300,000円
- ・余市 20年 ゴールドラベル シングルモルト…150,000円
- ・余市 20年 シングルモルト…120,000円
- ・余市 12年 シングルモルト 70周年記念ボトル…85,000円
- ・余市 瓶 リミテッドエディション 2019 …380,000円
- ・余市 蒸留所限定 1980 500ml…70,000円
- ・北海道余市蒸留所 25年 原酒 500ml…140,000円
- ・北海道余市蒸留所 25年 原酒 180ml…30,000円
- ・北海道余市蒸留所 20年 原酒 500ml…90,000円
ときが経過しているものや、記念品は高額で取引されている傾向にある。銘柄によっては、かなり高額に取引されている。その他の余市の買取参考価格は、ヒカカクで確認することができるので、そちらで検索してみてほしい。
竹鶴
竹鶴も、ニッカウイスキーを代表するウイスキーの一つである。上品で甘酸っぱい味わいと、品があり華やかな香りが特徴だ。ウイスキー初心者にも飲みやすく、おすすめできる逸品だ。
2019年に高額で取引されている主な銘柄の買取参考価格を、以下に記載する。
- ・竹鶴 35年 ピュアモルト…400,000円
- ・竹鶴 25年 ピュアモルト…80,000円
- ・竹鶴 21年 ポートウッドフィニッシュ…50,000円
- ・竹鶴 21年 マディラウッドフィニッシュ…110,000円
- ・竹鶴 21年 ノンチルフィルタード…40,000円
- ・竹鶴 21年 ピュアモルト…15,000円
- ・竹鶴 17年 ノンチルフィルタード…20,000円
- ・竹鶴 シェリーウッド フィニッシュ…28,000円
その他の竹鶴の買取参考価格は、ヒカカクで確認することができるので、そちらで検索してみてほしい。
宮城峡
華やかでフルーティーな香りの宮城峡。その名のごとく、宮城峡蒸溜所の風土から生まれたこのウイスキーは、深みと華やかさを兼ね備えている。さわやかな余韻も、宮城峡の魅力の一つだ。
2019年に高額で取引されている主な銘柄の買取参考価格を、以下に記載する。
- ・宮城峡 1988 20年貯蔵 シングルモルト…320,000円
- ・宮城峡 1989 20年貯蔵 シングルモルト…200,000円
- ・宮城峡 1990 20年貯蔵 シングルモルト…230,000円
- ・宮城峡 瓶 リミテッドエディション 2019…380,000円
- ・SMWS 124.5 宮城峡 23年…115,000円
- ・SMWS 124.4 宮城峡 17年…90,000円
- ・宮城峡 蒸留所限定 1980…60,000円
- ・仙台宮城峡蒸留所 25年 シングルカスク 500ml…120,000円
- ・仙台宮城峡蒸留所 20年 シングルカスク 500ml…120,000円
- ・仙台宮城峡蒸留所 15年 シングルカスク 500ml…43,000円
- ・仙台宮城峡蒸留所 10年 シングルカスク 500ml…37,000円
その他の宮城峡の買取参考価格は、ヒカカクで確認することができるので、そちらで検索してみてほしい。
ニッカウイスキーの買取相場
ニッカウイスキーの買取額は、その銘柄や経過年数によって大幅に異なる。細かい銘柄についてはヒカカクなどで検索してもらいたいが、代表的な銘柄の相場感を以下にまとめて記載する。
- ・竹鶴 35年 ピュアモルト…400,000円
- ・竹鶴 ピュアモルト…1,000円
- ・余市 1984 20年貯蔵 シングルモルト…700,000円
- ・余市 シングルモルト…1,500円
- ・宮城峡 1988 20年貯蔵 シングルモルト…320,000円
- ・宮城峡 15年 シングルモルト…28,000円
- ・宮城峡 シングルモルト…1,000円
- ・仙台宮城峡蒸留所 25年 シングルカスク 500ml…120,000円
- ・ザ・ニッカ 40年 プレミアムブレンデッドウイスキー…500,000円
- ・ザ・ニッカ ピュアモルト 35年…350,000円
- ・ザ・ニッカ 34年 1998…300,000円
- ・ザ・ニッカ 12年…1,500円
- ・ニッカ ピュアモルト 北原酒 15年…40,000円
上記の通り、ニッカウイスキーにも高額なものが存在する。本数限定で販売されているものもあり、ときの経過によってその価値は増すばかりだ。
ニッカウイスキーを高く売るコツ
ニッカウイスキーを売却する場合、銘柄によっては高額な値がつく可能性は大いにある。せっかく売却するのであれば、なるべく高値で売却するべきだ。そのためのコツを紹介する。
買取業者に鑑定士が在籍しているか確認
買取業者を選定する際、鑑定士が在籍しているか確認するべきだ。特に、自分が売却したいウイスキーについて詳しいかを確認しよう。
売却するウイスキーについて詳しくない業者に頼んでしまうと、もっと価値があるものなのに理解してもらえず、安価に買取されてしまう可能性がある。ホームページでウイスキーについて詳しいかリサーチしたり、電話などで相談したときにあいまいな返事が返ってこないか確認したりすべきだ。
店舗やホームページがあるが確認
店舗やホームページが存在するかというのも、一つのチェックポイントだ。店舗があったり、ホームページで情報の発信をしっかりとおこなっていたりする業者であれば、少なくとも悪質な業者ではない可能性が高いだろう。
発信している内容が濃ければ、その業者が知識をもっているという証明にもなる。品物は渡したのにお金が支払われなかったなど、悪質な業者は実際に存在しているため、真っ当な業者なのか確認すべきだ。
複数の買取業者に見積もりを依頼する
なるべく高く買取してもらうために、複数の買取業者に見積もりを依頼してみよう。1つの業者で決めてしまうと、その価値に見合わない値をつけられてしまう可能性もある。
また、貴重な銘柄のウイスキーであれば、多少高額になっても買取したいという業者も存在する。複数の業者に見積もりを依頼し、それを見せて交渉をおこなえば、より高額に売却できる可能性もある。そのため、なるべく多くの業者に見積もり依頼を出すことが重要だ。
保存状態をチェックする
ウイスキーを売却する際、開封・未開封や、保存状態は査定の際に重要な判断材料である。古いウイスキーの場合、未開封品しか扱ってもらえない場合もあるのだ。
まず、開封されているのか、未開封なのかを確認する。ウイスキーのキャップには、ビニールや封印紙が貼ってあることが多い。実は、このフィルムが破れている場合、ウイスキー自体は未開封であっても、開封品として鑑定されてしまうのでビニールや封印紙を破いてしまわないよう、扱いには注意が必要だ。
また、液漏れや蒸発が見られる場合、保存状態が良くないと判断されることがある。キャップのビニールが黄ばんでいたり、内容量が減っていたりする場合は安価な取引になる可能性があるので注意が必要だ。
付属品をそろえておく
箱や保証書などの付属品もそろえておくと、高額な取引につながる。高額なウイスキーの場合、半透明のフィルムが付属していることが多い。こちらの有無も査定に影響するので、そろえておくべきだ。箱の中に入っている小さな紙なども影響するので、細かい付属品もしっかりと保管しておく必要がある。
Amazon、ヤフオク、メルカリなどの価格もチェックする
ウイスキーの売却といえば、買取業者に依頼することを思い浮かべるかもしれないが、インターネットで売却する方が高額な値段がつくことも多い。より高額に売却したいなら、買取業者に見積もりを依頼した後にAmazonやヤフオク、メルカリなどの相場も確認するべきだ。思いがけず高額な取引ができる可能性も、十分にある。
まとめ
ニッカウイスキーは世界的にも認められている味と品質で、多くのファンが存在する。銘柄によっては、どうしても手に入れたいという人が存在し、かなり高額で取引されている。特に、年代物や記念品、本数に限りがあるものはときを経るごとに高額になっている
手元にあるウイスキーがどの銘柄にあたるのか、一度確認してみてはいかがだろうか。年代によってかなり金額が変わるので、注意して確認してみてほしい。
買取に出す際は、複数の業者に見積もり依頼を出したり、インターネット上でも相場をリサーチしたりすると、より高額で買取してもらえる可能性が高まる。2～3割金額が変わることもあるので、少し面倒かもしれないが、手間をかけてみる価値はある。
