Yahoo! JAPANが運営しているオークションサイトが「ヤフーオークション(ヤフオク)」である。貴金属・宝石・ダイヤモンドといった高級品も売買でき、専門ショップよりも安価でほしい品物を手に入れられることも少なくない。また、高価で品物を売りたい人にとっても便利なサイトだと言えるだろう。
しかし、ヤフオクでは取引相手とのトラブルが相次いでおり、利用する際には注意が必要だ。この記事では、ヤフオクで貴金属・宝石・ダイヤモンドを売買する際のトラブル事例をまとめてみた。
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いたずら入札によるトラブル
ヤフオクの基本的な仕組みは、出品者と入札者のオークションによって成り立っている。出品者はいらなくなった品物をヤフオクに掲載し、希望価格を伝えておく。入札者はヤフオクを閲覧し、ほしい品物について名乗りをあげる。その際、希望価格通りで申し込んでもいいし、他の入札者に対して有利に立ちたいなら、より高額の買値を設定してもいい。
出品者は名乗りをあげた入札者の中から、もっとも好条件を提示してくれた人物を選び、取引が成立する。後は、ヤフオクの決めた規定に従い、出品者は入札者に品物を郵送し、入札者は代金を支払う。ヤフオクにはシステム利用料が支払われ、利益が入るようにできている。
落札後連絡がつかなくなった
誰もが簡単にオークションに参加できるヤフオクは、多くのネットユーザーから親しまれている。ただし、取引相手の顔が見えないことから「いたずら入札」と呼ばれるトラブルも起こりやすい。貴金属・宝石・ダイヤモンドなど、高額商品ほどいたずら入札に遭いやすいので、出品者は気をつけたいところだ。
いたずら入札とは、本人に代金を支払う意思がないのに入札をする行為である。もちろん、出品者は落札されたと思っているので郵送や支払いの手続きを進めていく。
しかし、落札者からは一向に連絡が来ない。こうした場合に出品者は品物を郵送する義務がないので、無料で品物を引渡すような損害は出ないだろう。そのかわり、ヤフオクに出品するため支払ったシステム利用料は丸々無駄になってしまうのだ。
いたずら入札トラブル申告制度
出品者がいたずら入札を避けるには、常識外な入札価格を危険視する習慣が大切だ。たとえば、希望価格が1万円の商品に対し、「20万円」もの入札価格をつけているユーザーは非常に怪しい。
しかしそれでも、いたずら入札を完璧に防ぐための方法はない。もしもいたずら入札に遭遇したら、必ずヤフオク側に報告しよう。犯人にアカウント停止などの措置を施してもらわなければ、再犯の可能性は消えないからだ。
そして、ヤフオクが設けた「いたずら入札申告制度」に訴え出る。いたずら入札申告制度とは、いたずら入札によって発生したシステム利用料などの経費を返還してもらえるサービスである。こうした申告制度を利用すれば、少なくとも金銭的に損失が出ることはないだろう。
ヤフオクでは送料をめぐるトラブルも
あらゆるオークションサイトでは、当然ながら落札した品物を出品者から送ってもらわなければならない。そして、郵送してもらったからには「送料」が発生する。ヤフオクにしても同様で、入札者は送料を含んだ額を提示し、品物を落札するのである。
つまり、ヤフオクでは基本的に落札者が送料を負担する。送料については、品物によって変わってくるので一概にはいえない。サイズ、重さ、取扱方などさまざまな条件で送料は設定される。詳しくは、ヤフオク内に送料を計算するためのシステムがあるので利用してみるのが得策である。
ただし、ヤフオクでは送料を利用した「詐欺」に近い行為も横行しているのだ。
手元にない品物を出品する人々
たとえば、貴金属・宝石・ダイヤモンドはヤフオクでも高額の送料がかかってくるケースが多い。取扱を厳重にしなければいけないうえ、物によっては重量も大きいからである。
ただし、ヤフオクでは手元に品物がないにもかかわらず、堂々とこれらの高級品を出品してしまう人がいるのだ。いざ落札してみると、送られてくるのは本人からではない。アマゾンなどのショッピングサイトからである。
つまり、落札者へのギフトとして品物が届けられてくるのだ。そうすれば、出品者は送料を立て替える必要がない。送料が自分の収支にプラスされる。
ただし、ヤフオクでは所持していない品物を出品できないので、こうした行為は違反にあたる。
送料は慎重に確認しよう
そのほか、送料をわざと多く申告してくる出品者もいる。こうした行いはルール違反を超えて詐欺にあたるため、見つけ次第ヤフオク側に報告するのが必須だ。
ただ、「報告されたら逃げればいい」と考えている違反者も多いため、こうしたタイプを根絶することは難しい。入札者側があくどい出品者と取引をしないよう、気をつけるのが一番である。オークションの段階で少しでも怪しい点を感じたら出品者に確認するか、そもそも入札しないようにしよう。
ヤフオクでは送料を自分で確認できるし、品物の出品価格も比較検討できる仕組みになっている。他の出品者よりも大幅に高い価格を提示している場合、関わり合いにならないほうが安全である。
「保証書付」という言葉にはトリックがある!
貴金属・宝石・ダイヤモンドの価値は「本物」かどうかで決まる。純金でできているアクセサリーと、メッキのアクセサリーでは価値が変わるのは一目瞭然だろう。また、ダイヤモンドであればカラット数によって値段が変わるし、宝石類には模造品も多い。
もちろん、こうした品物が悪いわけではない。相応に安い値段で出品されていたら、何の問題もないのである。
保証書付をアピールする出品者は多い
ところが、ヤフオクでは模造品をさも本物かのように偽って出品するユーザーが続出している。こうした出品者にだまされないためには、「保証書」があるかどうかを確かめてから入札する人も多いだろう。
ただし、「保証書付」は品物が「本物である」と証明することにはならないのだ。
保証書は何のためにあるのか
貴金属・宝石・ダイヤモンドにおける保証書とは、「この品物が模造品ではない」という保証ではない。あくまでも、購入店やサービスを保証するために発行された書類である。たとえば、保証書がある限り品物に不良があれば返品を受け付けてもらえる。保証期限内であれば、無償で修理を引き受けてもらえることもあるだろう。
保証書といえばおおげさな書類を連想してしまうが、レシートが保証書の役割を果たしている販売店も多い。品物によってはパッケージに保証書が印刷されているケースもある。
そして、保証書は品物の価値とはまったく別である。「保証書付だから本物」と出品者が述べているのだとすれば、入札者をだますために言葉のトリックを用いているのだ。
保証書よりも鑑定書で真偽を確かめよう
入札者が貴金属・宝石・ダイヤモンドの価値を知りたいなら、保証書よりも「鑑定書」を重視するべきである。鑑定書とは、専門知識のある鑑定士によって、品物を調べてもらったという証明である。品物がどのような成分で構成され、どれほどの価値があるかがしっかりと書かれている。鑑定書には鑑定士の署名もあるため、素人が偽造するのは難しい。そもそも、偽造は重大な犯罪行為にあたる。
ヤフオクでは「保証書付」と説明があるだけで高額な出品価格を設定している人がいる。こうした品物には「怪しい」と感じる感覚を養おう。一方、「鑑定書付」との文言があれば出品価格が高くても相応の価値があると言える。本物の宝石を手に入れたいなら、鑑定書付の品物を探すのが賢明である。
ヤフオクのガイドライン細則に違反すると?
ヤフオクでは売買でのトラブルを避けるため、ガイドライン細則を設けている。ガイドラインは出品者と入札者のやりとりをスムーズにして、オークションが適正な形で行われることをサポートしている。そして、ガイドラインは悪徳業者、悪徳ユーザーから健全なユーザーを守るための楯にもなってくれているのだ。
ガイドラインの内訳を読んでいくと、少々堅苦しく感じられる部分はある。健全なユーザーでも知らず知らずのうちにガイドラインを犯している可能性はあるだろう。
それでも、ヤフオクで思わぬトラブルに巻き込まれないためには、ガイドラインを厳守する意識を持っておきたい。ヤフオク側から「悪徳ユーザー」と認定されてしまい、アカウント停止などの措置を受けてしまうリスクがあるからだ。
別のオークションとヤフオクで同時出品しない
ヤフオク以外にもオークションサイトは数多い。そのため、ヤフオクと別のオークションサイトを同時に利用しているネットユーザーもいるだろう。それ自体、大きな問題ではない。
ただし、ヤフオクと同時に別のサイトにも、同一の品物を出品するのは止めておこう。また、類似品を同じ日に、別々のIDを使って出品することもガイドラインにより禁じられている。
誇大広告は重大な違反
ヤフオクでは「誇大広告」が認められていない。そして、貴金属・宝石・ダイヤモンドは意図せずして誇大広告を使ってしまいがちなカテゴリである。たとえば、「世界一美しい」「この品物だけの輝き」といった、品物の希少価値をあおるような宣伝文句は危険だ。
実際に、鑑定書などを使って「この品物が世界で唯一無二の存在である」と証明できるならいい。しかし、そんなケースはほとんどないだろうし、大げさすぎるフレーズは最初から使わないようにするのが安全である。
なお、商品説明文を画像データとして載せるのも禁じられているので控えよう。
出品者は自分の品に入札しない
いわゆる「自演」行為はヤフオクにおける重大な違反である。具体的には、自分の出品した品物について満足のいく入札価格がつかなかったとしよう。そこで、入札価格をはね上がらせるために自分自身で入札し、他のユーザーを煽る。その結果、他のユーザーがつられて入札価格を上げてしまうのである。
こうした不正が発覚すれば単なる「うっかりミス」ではすまされないケースも出てくるだろう。ガイドラインはしっかりと確認し、堅実にヤフオクを利用したいところだ。
まとめ
ヤフオクで貴金属・宝石・ダイヤモンドを売買する時のトラブル事例をまとめた。ヤフオクなどの個人間取引では、貴金属や宝石、ダイヤモンドなどの高額商品ほど出品者を困らせるいたずらやトラブルが起こりやすい。自分の不利になるような事態が発生した場合はすぐにヤフオク側に申告し、損をすることがないよう気を付けてほしい。
また、あなた自身もヤフオクのガイドラインにしっかり目を通し、うっかり違法行為をしてしまわないよう注意をする必要がある。出品者と購入者どちらの立場でも、堅実な取引を心がけてほしい。