ルイヴィトンといえば、代名詞ともいうべきモノグラムや、市松模様のようなダミエ柄、波のような流れが美しいエピ柄などを思い浮かべる人も多いだろう。また、タイタニック号の沈んだ船室の中から数年後に引き上げられたルイヴィトンの中身が全く濡れていなかったなどの逸話を知っている人もいるかもしれない。
ブランド名を知っている、あるいは財布やバッグを持っているとしても、その柄が生まれた時代のことや中古市場でどの価値がつくのかを知らない人も多い。
今回の記事ではルイヴィトンの歴史、モノグラム柄の生まれた時代や現在の販売金額、買取価格などをご紹介する。あなたが今持っているルイヴィトンのモノグラムアイテムを販売した場合、どのような査定結果が出るかの参考にしてみてほしい。
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ルイヴィトンの歴史
ルイヴィトンというブランド名は、創業者の名前ということはご存じの人も多いだろう。そんなルイヴィトンがブランドを設立したのは1854年。2019年現在既に165年もの歳月が流れている圧倒的な老舗ブランドだ。ルイヴィトンのブランドを創業するより前、ヴィトンは16歳の時、トランク職人としてのキャリアをスタートした。当時は馬車や船などという交通手段が一般的な時代だった。
しかし荷物は放っておくと手荒に扱われてしまうため、上流階級は特に専門の職人に依頼して荷物をパッキングしてもらい、保護してもらうということが常識だったのだ。そこに目をつけたルイヴィトンはマレシャルという職人のアトリエでトランク職人として働き始めた。
ルイヴィトンはクライアントの要望を聞きながら、オーダーメイドでトランクをつくっていったのだ。このオーダーメイド事業は非常に人気が高く、マレシャルのアトリエでは17年の歳月をかけて腕を磨いた結果、フランス王室からオファーが来るほどの一流職人になった。
自分のアトリエをオープン
1854年に旅行かばん専門の工場を作り、パリ・カプシーヌ通りに店をオープンさせたのがルイヴィトンブランドのスタート。当時は鉄道ができ、馬車から鉄道に移り変わっていった時代。それまでは丸蓋のトランクが主流だったのだが、移動手段を考えて平らなトランクを開発。そして1859年には革から防水加工をしたコットン素材に変更することで、軽量で取り回しのいいトランクに仕上げた。
これがクライアントとなる上流階級の不便さを解消することとなり、一大ブームを引き起こした。ルイヴィトンのトランクはナポレオン皇妃であるウジェニーも夢中になるほど。ウジェニーは社交界で注目を集めるファッションリーダーでもあったため、彼女が注目することでさらに人気を博したのだ。
1867年には万国博覧会で銅メダルを獲得したことでフランス国内だけでなく、世界中にルイヴィトンが知られることとなる。また、1869年にはエジプト総督、1877年にはロシアのニコライ皇太子が注文したことでも注目が集まった。その間模倣品がたくさん出回ったため、レイエキャンバスというベージュに赤のしま模様をデザインしたトランクを発売した。その他、ワードローブをしまう日本のタンスのようなデザインのトランクを開発し、人気となった。
海外に店舗をオープンし、さらに急拡大
1878年には二代目のジョルジュに経営権を移管。1885年にルイヴィトンストアとしては初の店舗をロンドンにオープンさせた。また模倣品が増えてきたため、ダミエ柄を配したダミエラインを作製。あの市松模様のようなデザインに商標登録をしてあるルイヴィトンのブランド名がデザインされた柄だ。そこから130年余り経った今でも人気のデザインであるため、その息の長さには圧倒される。
さらに革新的な取り組みとして1886年にルイヴィトンとジョルジュは新たな錠前システムを数年かけて開発。特許を取得した。1892年、これまでの主力であったトランクから派生させ、ハンドバッグの販売を開始した。しかし、この年に創業者であったルイヴィトンは逝去。その後もジョルジュは万国博覧会などでルイヴィトンブランドを広めていっていた。
その4年後の1896年にまた模倣品防止のためにモノグラム柄を開発した。LとVを組み合わせたデザインや花、星のモチーフなどを用いてモノグラム柄を完成させた。万国博覧会で見かけた日本の家紋にヒントを得たといわれている。
ダミエは市松模様のような同様のパターンであったため、模倣品は減らなかった。しかし、モノグラムはたくさんのモチーフが複雑なパターンで並ぶものであるため、模倣品を大きく減らすことに成功したのだ。このモノグラムも言わずもがなだが、現在でも大変人気のラインだといえる。
ルイヴィトン モノグラムの特徴
ここでルイヴィトン モノグラムの特徴について述べていこう。まずモノグラムという言葉は組み合わせた文字という意味。ルイヴィトンのLとVを組み合わせているためそう呼ばれるようになったのだろう。高級ブランドであるため、全て革製品で作られているのだろうと思う人も多いかもしれない。
しかし、モノグラムはポリ塩化ビニール(PVC)加工をしたエジプト綿で作られているのが特徴。柔らかく弾力があるため耐久性が高いこと、そしてPVCによって防水性も高いことから耐久性が高いブランドとして有名になっていった。単なる模倣品防止というだけでなく、その高いデザイン性から欲しがる人が多かったこともルイヴィトンブランドのセンスの高さがうかがえる。
ルイヴィトン モノグラムの種類
ルイヴィトン モノグラムには、13種類のモノグラムがあるのはご存じだろうか。モノグラムと一口にいっても、素材によってたくさんあるのだ。
モノグラム・ライン
こちらが一般的なモノグラム。カラーはブラウンにライトブラウンのLVの組み合わせロゴと星と花が描かれている。
モノグラム・ヴェルニ・ライン
ヴェルニはエナメル加工をされたモノグラムで、カーフスキンと呼ばれる高級な革に型押しされているデザイン。エナメルだから強度も高く、カラーも豊富に作ることができるので自分の好きなカラーのモノグラムが欲しい場合はおすすめだ。
モノグラム・マルチカラー・ライン
モノグラム自体がカラフルなマルチカラーで描かれているデザイン。村上龍とのコラボで作られたのだが、人気が高く定番化した。ブラック地とホワイト地の2種類がある。
モノグラム・マット・ライン
光沢感のある素材のモノグラムで上品な印象からとても人気になったライン。
モノグラム・ミニ・ライン
通常のモノグラムはLVと星や花などのモチーフが同じ大きさだが、LVよりも他モチーフが小さい。素材はキャンバス地と珍しいライン。
モノグラム・サテン・ライン
続いてこちらも布地のモノグラム・サテン・ライン。上品な光沢で人気を博した。
モノグラム・グラセ・ライン
モノグラム・ヴェルニ・ラインとは違い、カーフスキンにエナメル加工をせずそのままモノグラムの型押しをしているメンズライン。控えめなデザインでオンオフ両方使えることで人気に火がついた。
モノグラム・デニム・ライン
デニムにプリントという形式の珍しいモノグラムライン。これまでにないカジュアルさが人気となった。
モノグラム・シマー
カーフスキンにバラジウム加工をしたライン。金属のような輝きが魅力的なモノグラムラインだ。
モノグラム・ミロワール
ルイヴィトンのデザイナーになったマーク・ジェイコブスが担当した限定シリーズ。ビニール素材で鏡のような印象だったため、ミロワールと名付けられた。
モノグラム・ジョークス
こちらもマーク・ジェイコブスが関係しているライン。昔の雑誌に載っていたジョークなどを載せたキャンバス地というかなり新しい試みだった。
モノグラム・フラージュ
日本でとても話題になった村上龍とのコラボコレクション。モノグラムのカモフラージュ柄ということでモノグラム・フラージュと名付けられた。
モノグラム・ウォーターカラー
リチャード・プリンスというアーティストとのコラボ作品。
ルイヴィトン モノグラムのアイテム種類と販売価格
モノグラムのアイテムと、それぞれの中古での販売価格をご紹介しよう。
ボストンバッグ
トランクの次に人気が出たボストンバッグは今でも人気の高い商品。革の持ち手部分にスレがあったり、カバンの片方側面についているルイヴィトンのブランドタグが擦れてしまっているが問題なくキレイに使えるレベルの使用感のものが65,000円程度で販売されている。
ポシェットツイン
とても人気の高いポシェットツインは全面がモノグラムとなっており、縁部分が革で縁取られたデザイン。内側に少々の汚れがついているが、キレイに使えるレベルの使用感だ。ストラップをつければ小さなショルダーとして、ストラップなしの場合はクラッチとして愛用できる一品。定価は73,000円弱だが、中古品ということで43,000円程度で購入することができる。
メッセンジャー ヴォワヤージュMM
伊勢丹限定で男性用の斜めがけバッグ。男性用というだけあって、ブラックにグレーのモノグラム、シルバーの金具とスタイリッシュなデザイン。手持ちのハンドバッグとしても、斜めがけのショルダーバッグとしても使えるデザインだ。レザー部分に少しスレがある程度でほぼ新品のアイテムかつ限定品ということもあって、38万円弱の価格で販売されている。
トートバッグ
持ち手部分がヌメ革、それ以外はモノグラムのキャンバスというシンプルなトートバッグ。持ち手が長めなので、肩掛けにするのも楽。バッグ上部にファスナーがついたデザイン。少々持ち手部分にシミなどがあるものの、ヴィンテージ商品であるにも関わらずとてもキレイに使うことのできる商品だ。価格は88,000円。
リュックサック モンスリMM
ルイヴィトンのモノグラムが入ったヴィンテージのリュックサック。コロンと丸みのあるデザインで、背負う時に使うベルト部分と底面はヌメ革でデザインされている。キズはあるものの、こちらもヴィンテージとしてはかなりキレイに使っているものなので、価格は68,000円。
ショルダーバッグ トロカデロ30
こちらもモノグラムとヌメ革でデザインされたショルダーバッグ。男女兼用でショルダーの長さも調節できるからとても便利。長方形の形でマチは一定のサイズであるため、中にかけたときもあまりジャマにならないが意外に500mlペットボトルもしまえる便利なサイズ感だ。ヴィンテージのため、少々使用感はあるものの、ヴィンテージにしてはキレイなので87,000円程度で取引されている。
モノグラムマルチカラー 長財布
未使用の新古品。二つ折りの財布で、フラップ部分を開けると内側のデザインが淡いピンク。とてもかわいらしいデザインとなっている。かわいいだけでなくとても機能的で紙幣、小銭、カードポケットなども使いやすくたっぷり収納できるデザイン。新古品ということもあって、価格は15万円弱。
こう見てみると、ルイヴィトン モノグラムの人気はとても高く、中古品であっても高値で販売されていることがわかる。
ルイヴィトン モノグラムの買取相場・査定情報まとめ
では次に、ルイヴィトン モノグラムの買取相場を見てみよう。
ショルダーバッグ
昔のものであってもかなりキレイな状態(若干のよれはある)をキープしているものの買取価格は、7万円程度だった。使いやすくて人気のショルダーバッグというのも高額買取の理由。
ボストンバッグ
表面などにキズが無く新品並みにキレイなボストンバッグは10万円程度で買取されていた。
バックパック
外についたポケット部分のみ、少し明るいカラーのモノグラムになっているバックパック。中古品ではあるもののキレイな状態であったため、15万円で買取されていた。
ルイヴィトンは人気が高いため、中古品でもキレイに使うことを心がけるかキレイに保管をしていれば、高値で買い取りしてもらえる可能性が高いことがわかる。では高値で買い取ってもらうために、他に何ができるだろうか。
高値で買い取ってもらうためにできること
ルイヴィトンはたくさんブランドショップに持ち込みがあるものの、同時に人気も高いため品薄になることもよくある。そのため、品薄の状態になったタイミングで査定をお願いすれば、高値で買取してもらえる可能性が非常に高い。
また、バッグや財布の内側の角、バッグであれば持ち手部分の根元部分、ファスナーの隙間などには汚れがたまっていることも多いのだ。まずは男性物の革靴を磨くような柔らかいブラシで外側、持ち手、金具部分、内側の隅、縫い目などデコボコしているところをブラッシングし、汚れを出しておこう。知らぬ間に溜まっているホコリなどを取り除くだけでもバッグや財布はかなりキレイになってくれる。
ブラシでも取り切れないような汚れがついている場合は、掃除機にブラシをつけて優しく吸い取るか、粘着性の低いテープなどで優しくくっつけて内側の生地を傷めないようにしながら汚れを取り除くのがおすすめだ。ファスナーの隙間などは狭いため、すこし固めのブラシやつまようじなどで優しく丁寧に取り除いておくといいだろう。
まとめ
165年もの間人々に愛されるブランドを作ってきたルイヴィトン。なかでも人気の高いモノグラムのラインについて、歴史や販売価格、買取価格などをご紹介した。自分のクローゼットや実家のクローゼットなどにもしルイヴィトンがあって、あまり日の目を見ていないようであれば、新しいオーナーに譲るという手放し方を検討してみてはいかがだろうか。
ずっと使えない状態で置いておくよりもはるかにいい気持ちになれるだろうし、買取価格に満足できるかもしれない。ぜひ自分の納得がいくようにたくさんの業者に査定依頼をしてみてほしい。
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