家電リサイクル法の施行によって対象となっている家電は簡単に粗大ゴミとして捨てることはできなくなった。リサイクルに出して有効活用することが社会的に求められるようになり、定められた通りに手続きをしなければならないのが現状である。家電リサイクルでは家電を捨てる人が料金を負担しなければならないが、どの程度の費用がかかるのだろうか。住んでいる市区町村による違いがあるのかも考慮し、少しでも負担を減らして処分する方法を理解しておこう。
Finether 空気清浄機 (9) / GEEK KAZU
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家電リサイクルの基本的な方法
家庭で使用した家電を市区町村が回収して処理するのが基本だが、大型家電のように処理が大変な粗大ゴミについてはリサイクルが進められている。家電リサイクル法によって小売業者が家電の引き取りと製造業者への引き渡しをし、製造業者は使用済み家電の引き取りとリサイクルをする義務を負うことになった。
その際に引き取りにかかる費用負担を廃棄する個人が行うことが家電リサイクル法によって定められているのである。そのため、該当する家電となっているエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機についてはリサイクル券を購入した上で適正に処分することが求められている。家電リサイクルの基本的な方法として料金販売店回収方式と料金郵便局振込方式がある。
料金販売店回収方式
料金販売店回収方式では家電を取り扱っている小売販売店がリサイクル料金の徴収と廃棄する家電の引き取りを行っているのが特徴である。家電リサイクルをしたい人は小売業者に連絡してリサイクルを依頼し、廃棄したい家電を引き取ってもらう代わりにリサイクル料金を支払えば良いという簡単なシステムになっている。
捨てたい家電は自宅まで引き取りにきてもらうことも可能だが、その場合には運搬料金が発生することになる。業者によっては店頭での引取も行っていて、運搬料金はかからなくなる。ただし、その代わりに手数料を申し受けていることが多いので確認した上で申し込んだ方が良い。
料金郵便局振込方式
一方、料金郵便局振込方式の場合には、家電を廃棄したい人は郵便局でリサイクル券を購入することになる。郵便局には家電リサイクル券の振込用紙が用意されているため、まずは廃棄予定の家電のリサイクル料金を調べてその金額を振り込む。その後は、リサイクル券を使用して向こう10年間にわたって引取を業者に依頼することができるようになる。
小売販売店に連絡して引き取ってもらうこともできるが、市区町村などの各自治体でも業者と提携して引取先を用意している。自治体で窓口を作っていることもあるため、そこに連絡するか、指定された業者に連絡して引き取ってもらえば良い。業者に持ち込めばリサイクル券を渡すだけで引き取ってもらえるが、自宅まで取りに来てもらう場合には運搬料金がかかるのが通例である。
家電リサイクルにかかる費用
家電リサイクル法に従って家電を処分するためには費用を負担しなければならない。かかる費用はリサイクル料金とも呼ばれるリサイクル券の購入費用、家電を処理業者に引き取ってもらうためにかかる運搬費用の二つである。リサイクル料金については家電リサイクル券センターによって費用が定められていて、毎年改定されている。基本的には家電のメーカーと仕様によって価格が設定されているのが特徴である。リサイクル料金一覧表が配布されているので、該当する家電のリサイクル料金がいくらなのかを確認するのは難しくはない。
エアコンと洗濯機についてはメーカーごとに一律に価格が設定されている。テレビについてはブラウン管式、液晶・プラズマ式に分類され、それぞれが15型以下あるいは16型以上の二つに分けるか、あるいはサイズの区分なしで価格が定められている。冷蔵庫・冷凍庫については容積によってリサイクル料金が決められていて、170リットルが境界線である。基本的にはサイズが大きいものほど高くなるが、エアコンと洗濯機はメーカーが同じなら金額も同じと考えておくと良い。
エアコン
エアコンについては972円のものが多いものの、アイリスオーヤマの製品のように2,041円もかかるものもある。
テレビ
15型以下のテレビの場合、1,836円程度のものが多く、16型以上になると2,916円が標準的になっている。
冷蔵庫・冷凍庫
冷蔵庫・冷凍庫では170リットル以下なら3,672円、170リットル以上では4,644円のメーカーが多数派である。
洗濯機
洗濯機は2,484円のものがほとんどだが、中には、アイリスオーヤマやアルミスなどのように3,202円もかかるメーカーもあるので注意が必要だろう。
衣類乾燥機
衣類乾燥機のリサイクル料はほとんどのメーカー製品も同じで、2,530円程度となっている。
常に変更の可能性があるので注意
なお、リサイクル料金はしばしば改定されているので適宜確認することが重要になる。新料金が設定された後、移行期間が設けられることが多いが、予めリサイクル券を購入していて差額が生じるときにはあらためて払わなければならなくなる。家電購入時にリサイクル券の購入を勧められる場合もあるものの、紛失のリスクや支払いの手間を考えると廃棄するタイミングで購入するのが賢明である。最新のリサイクル料金は以下で確認できる。
市区町村によって違う部分とは
リサイクル料金は全国一律
家電リサイクルは市区町村のような各自治体によって行われている部分も多い。方法や料金について市区町村による違いがあるのかというのはよく抱かれる疑問である。
まず、リサイクル料金については全国一律で定められているので市区町村による違いはない。たとえ東京都で購入した冷蔵庫を引っ越しで北海道へ持っていき、そこでリサイクル券を購入した後、さらに、大阪に引っ越してから業者に引き取ってもらったとしてもリサイクル料金は同じなのである。家電の購入場所、リサイクル券を購入する場所、引き取りを依頼する場所のどれもが料金に影響を与えないと覚えておくと良い。
利用できる方法には違いはない
また、方法についても大枠はどの市区町村でも同じである。利用できる方法として料金販売店回収方式と料金郵便局振込方式のどちらも利用できる。手続きの流れも全く同じなので引っ越してから処分した方が良いか、今処分すべきかといったことはあまり悩む必要はない。
連絡先や連絡方法に違いがある
ただし、市区町村によって違う部分もある。地域によって家電リサイクルのために自治体が提携している業者が異なり、自治体に引き取りを依頼したいときの連絡先や連絡方法については違いが生じている。業者に直接連絡して日程調整を行い、引き取りに来てもらうという手続きをする地域もある。
一方、自治体の窓口に連絡すれば適切な業者に連絡をしてもらえて、自分で日程だけ合わせれば良いという地域もあるのが実情となっている。また、業者が回収に対応する日時にも違いがあり、市区町村によっては土曜日や夕方以降の引取にも対応してもらうことが可能である。
運搬費用に違いがある
このように業者による対応の違いもあるが、運搬費用についても違いが生じている。自治体側が一部を負担する、あるいは業者側が格安で対応するといった形で1,000円程度で引き取ってもらえる地域もあるが、3,000円以上もかかってしまうケースもある。
また、エアコンや洗濯機などのように取り外しが必要な場合に追加料金がかかる、自宅の前まで家電を運んでこないと家からの運び出し料金がかかるといった地域もあるので注意しなければならない。一方、処分手続きに関してもう一つ違いがあるのが持ち込みによる回収が行いやすいかどうかだろう。自治体が提携している業者の中には持ち込みで依頼すれば運搬費用がかからない業者もある。その数の多さや便利な場所にあるかどうかは自治体による違いが大きい。
ただし、小売業者に依頼して引き取ってもらう場合には市区町村による違いはあまりない。大手の家電量販店では全国一律で運搬料金を設定しているため、特別な地域を除けばどの場所でも同じ費用で回収を依頼できる。持込の場合の料金設定も同じになっているので安心して利用できるだろう。
指定場所に持ち込む方法もある
自分で運搬し、指定場所に持ち込む場合はリサイクル品の改修費用を抑えることができる。自分で車などで運ぶことになるため、やや大変な方法ではあるが、以下の記事をチェックしてみよう。
不用品処分は望ましくないが買取は問題なし
家電リサイクルのやり方とは別の方法で家電を処分することも可能である。よく用いられているのが不用品回収業者だが、国や地方自治体はエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機については不用品回収業者に依頼して廃棄しないように呼びかけをしている。これは、不用品処分業者の廃棄方法が適切ではない場合があるからであり、小売店として確かな手続きを行っている業者か、自治体に認められていて正しく処分できることが示されている業者に依頼して家電リサイクルをすることが求められているのである。
不用品処分を業者に依頼すると費用がかかり、あまり量が多くないときにはリサイクル券を買うよりもかなり大きな費用がかかってしまいやすい。しかし、他のものとまとめて大量に処分するときは費用が安上がりになることもあるため、不用意に利用しないように呼びかけが続けられているのである。
この点についてもう一つ留意しておきたいのが、買取業者の利用については特に呼びかけが行われていないという点だろう。家電は中古品としても価値が高いものが多く、中古品市場は大きい。買取はリサイクルの方法の一つで、まだ使えるものを他の人が利用したいと考えているのなら国や地方自治体としても望ましいことである。そのため、家電が不要になったときには買取も検討してみた方が良いだろう。値段が付けば処分費用がかからないどころか、換金できてしまうからである。
比較と交渉を通して処分しよう
買取を利用するなら少しでも高く売れるように工夫をした方が良い。買取業者にはじゃんぱらのように家電を専門としている業者もあれば、一般的なリサイクルショップのようにあらゆる品物を扱っている業者もある。どの業者が高く買ってくれるかはケースバイケースなので、見積もりを取って比較してみるのが重要になるだろう。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
通常は査定を受けるだけなら無料であり、自宅まで訪問して査定してくれるサービスもある。また、見積もりを取ったら比較し、低い値段を付けている業者にもっと高くならないかと交渉してみるのも良い工夫だろう。他の業者の数字があるからこそ、どの程度までなら引き上げられるかがわかり、適当な落とし所を見つけられる可能性が高い。このような努力を少しすればリサイクル料金をかけずに家電を処分できるのである。
まとめ
今回は、家電のリサイクルについて基本的な処分方法とかかる費用について紹介した。家電リサイクル法に基づき二通りの処分方法があり、それぞれ市区町村によって連絡方法や運搬などにかかる費用が異なるので自分に合った方法で処分してほしい。また、買取業者を利用する場合、査定に出す前に業者の見極めをしっかりと行いたいところである。