自宅に眠っている骨董品は、ヤフオクで売ることも可能だ。しかし真贋が大事な要素となる骨董品をヤフオクに出す場合は、さまざまな注意事項がある。こうしたポイントを知らずに出品をすると、効率よく現金化するはずの骨董品がトラブルの原因になることもあるため、ヤフオク側で公開している出品ルールや注意点などを把握した上で行動を起こす心掛けも必要だと言えるだろう。
今回は、骨董品や美術品のヤフオク出品を考えている皆さんと一緒に、メリットやデメリット、注意点、落札相場などを確認していきたい。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
ヤフオクとは?
ヤフオクは、1999年に9月に日本に上陸した入札オークションだ。2008年に出品総数が2,000万件を超えたヤフオクは、他のインターネットサービスを大きく引き離す存在として独走状態を続けている。
またヤフオクには、他サービスよりも遥かに落札率が高い特徴もある。そのため、より早く購入希望者を集めたいと考えて人にとって使い勝手の良いツールとして 捉えて良いだろう。
ヤフオクと美術品オークションは同じ?違う?
入札方式のヤフオクは、競売方式の美術品オークションとは全く異なるサービスだ。
ヤフオクを含めたインターネットオークションは、敷居が低いことによって多くのユーザが集まる場所となっている。
これに対して競売方式の場合は、自分の気になる骨董品や美術品を何が何でも手に入れたい富裕層がたくさん集まる。そのため、世界的な価値ある作品であれば想像以上の高値に繋げられる可能性があると言える 。
こうした形で方式によって全くスタンスの異なるオークションは、そのメリット・デメリットを把握した上で自分の所有物に合ったサービスや会社を選ぶのが理想と言えるだろう。
ヤフオクで骨董品を出品するメリットとは?
実際に骨董品の出品や売却をした人の体験談を見ていると、ヤフオク利用で下記3つのメリットが得られることがわかる。
自宅から簡単に出品ができる
ヤフオクは、忙しい人でも自分のタイミングで骨董品出品のできるサービスだ。ヤフオクを活用すれば、昼間に買取業者に出向く余裕のない皆さんでも、自分のペースで出品や配送手続きを進められる。またはこBOONを使えば面倒な送り状の手書きも必要なくなるため、オークション出品におけるさまざまな事務処理にストレスを感じている人でも、簡単に使える要素の多いサービスと言えそうだ。
はこBOONの安さと安心補償
ヤフオクと提携するはこBOONを使えば、リーズナブルな料金で品物の発送を行える。またオークションで落札されたプレミアム商品の場合は、落札価格をベースとした補償内容となるため、破損の不安や恐れのある陶磁器や茶器などの発送にも適したサービスと捉えて良いだろう。
手数料が安い
ヤフオクの手軽さや敷居の低さは、リーズナブルな手数料にもあらわれている。特にたくさんの骨董品や美術品、ブランド品などを売却しようと考える人達にとっては、利用料の安さが非常に有り難いと言えるだろう。これに対して競売方式で行われる美術品オークションの場合は、カタログやWEBサイトで宣伝などが行われる分だけ、手数料の高さを感じる人が多い実情があるようだ。
自分の希望する価格で出品できる
「どうしてもこの金額で骨董品を売りたい!」という強い想いを抱えた皆さんにも、ヤフオク利用はおすすめだ。オプション設定で自動再出品を選べば、自分の決定した価格で落札する人があらわれるまで、自動で骨董品をオークション内に並べることができる。またオプションメニューの中には、自動値下げの機能もあるため、自分の許容範囲の中で割引もできると捉えて良いだろう。
ヤフオクに骨董品を出品する場合のデメリットと注意点
骨董品という少し特殊なカテゴリのヤフオク出品をする場合は、ここまで紹介したメリット以上にデメリットや注意点が多いと捉えた方が良い。またヤフオク側で定めた出品ルールを無視すると、これまで積み重ねた評価やYahoo! JAPAN IDに影響が出ることもあるため、これから紹介する11つの難点注意点を頭に入れた上で慎重に準備を進める心構えが必要だと言えるだろう。
真贋を自分で調べなければならない
取引における信頼性やトラブル防止を重視するヤフオクでは、骨董品カテゴリに含まれる絵画などについて、真贋に関する注意点を多く掲載している。例えば特定作家の作品を出品する際には、真作もしくは模写の明記をしなければならない。また真贋が不明であることを示唆した商品や偽ブランドの出品は禁止行為となっているため、出品者側で骨董品の真贋の調査や確認をする必要があると言えるだろう。
真作でない場合は返品受付が必要
絵画カテゴリの商品説明で真作と明記した場合は、万が一模写や偽物だった場合に、返品の受付に応じなければならない。出品ルールの中では、絵画の商品説明内でノンクレームノンリターンと書くことも禁止しているため、ノーブランドの洋服や日用品を出品する感覚では利用が難しいと捉えて良いだろう。
コンディションが悪すぎても売れない
落札者にアピール可能な情報が限られるヤフオクでは、汚れや破損の大きな骨董品に関しても、入札されにくくなる。例えば壺や茶器などの陶磁器に大きなヒビが入っていれば、「配送中に壊れないだろうか?」といった不安により、落札者があらわれにくいと言えるだろう。このように骨董品の現物を人々が自由な視点で見る・触るといったことのできないヤフオクは、明らかにコンディションの悪い作品には不向きなサービスと捉えて良いかもしれない。
タバコの臭いが評価に影響することもある
落札者から確認のできないタバコなどの臭いは、今後の取引に大きく影響する評価を下げる要因となる。自分の部屋で日常的にタバコを吸っている側からすれば、独特の臭いは苦にならない存在かもしれない。しかしタバコの臭いが付着した商品は、骨董品や美術品に限らずマイナス査定の対象となるため、オークションや買取業者を利用して作品を手放す場合は、保存環境の臭いについても注意をすべきだと言えるだろう。
写真の腕やタイトルの付け方も落札率や価格に影響する
ヤフオクで骨董品を高値に繋げるためには、多くのユーザの目を惹きつける写真撮影や、商品紹介のテクニックも必要となる。こうした技術や知識の全くない初心者が、スマホで撮った簡易的な写真で出品をすれば、商品情報から骨董品の価値判断ができないことで、高く売れるはずの作品に1人も落札者が現れない可能性も出てくるのだ。
説明文を書くだけの作品知識も必要
多くのユーザに興味を持ってもらうためには、骨董品のサイズや制作年代、作家、希少性といった情報を多く伝える必要もある。また情報が少ない場合は質問が上がってくることもあるため、自分の所有物に対してある程度の説明ができない人は、ヤフオク利用で高値に繋げにくいと言えるだろう。
評価は高い方が良い
骨董品のように贋作である疑いのある品物を売る場合は、多くのユーザが評価を重視することも頭に入れておくべきだ。例えば1つ数万円する骨董品や古美術品の出品を評価ゼロのユーザが行った場合は、詐欺やトラブルに巻き込まれるリスクによって、出品者と同レベルのヤフオク初心者しか興味を示さないと捉えて良いだろう。また「非常に悪い」もしくは「悪い」の評価が多い場合も、入札数は少なくなるため、さまざまな商品を出品しながら評価という信頼性を高める心掛けも必要だと言えそうだ。
刀剣類や古式銃砲の出品時は特に注意点が多い
刀剣や銃器類については、都道府県の教育委員会に登録された骨董品または美術品の価値あるものに限って出品が可能となる。刀剣類や火縄式銃砲等の古式銃砲をオークションに出す場合は、当該商品の銃砲刀剣類登録証を画像として掲載しなければならない。また落札者については銃砲刀剣類所持等取締法にもとづき教育委員会への所有者変更届が必要となるため、刀剣や銃を出品する場合はさまざまな注意があることを忘れないようにして欲しい。
迅速な現金化には不向き
落札者があらわれる保証のないヤフオクは、確実かつ迅速に現金化を考える人にとっては、適さないサービスだ。誰もが簡単に落札できる即決価格を設定し、さまざまなオプションによって出品商品を目立たせれば、2~3日で落札価格があらわれることもあるかもしれない。しかしこの方法で大事な骨董品を二束三文で手放すことを考えると、無理な価格でオークション出品をするより、買取業者に売却した方が、確実に現金化ができると言えるだろう。
数十~数百万円以上の骨董品・美術品にも適しているとは言えない
骨董品や美術品の価値がわからないユーザが多く参加しているヤフオクは、美術品の海外オークションで売却できるような価値ある作品の出品にも適さないと考えられる。また資金面で余裕のある富裕層や美術品コレクターは、ヤフオクよりもサザビーズやクリスティーズといった海外オークションに参加するため、どこに出しても数十~数百万円以上になる骨董品を所有しているなら、無理にヤフオク出品せずにオークション会社や買取業者に問い合わせをした方が良いだろう。
トラブルも多い
さまざまな人が利用するヤフオクは、競売方式オークションのような厳しい参加資格がない分、トラブルに巻き込まれるリスクが高いと考えられる。ヤフオクでは未着・未入金トラブルお見舞い制度を用意しているようだが、こうしたサービスを利用するまでに規約に合った対応を求められることを考えると、1度のトラブルでたくさんの労力を使うこともあると捉えた方が良いだろう。
またトラブルが解決するまでの間は入金完了しない可能性もあるため、急な入用などによって切羽詰まった状態の皆さんにも、おすすめ度は低いサービスと言えるかもしれない。
骨董品のヤフオク落札相場 まとめ
ヤフオクでは、過去120日間に行われたオークションの落札価格などを公開している。こうした情報を確認すれば、自分の所有物がいくらぐらいで売れるのかをイメージしやすくなるだろう。ここからは、骨董品カテゴリで人気の高い5品目について、落札相場をご紹介していきたい。
茶器・茶道具
実用性の高い茶器・茶道具は、ヤフオクの中でも比較的高値の付くカテゴリだ。この120日間における実績では、平均落札価格が9,875円だったことがわかる。素材としての価値が高い鉄瓶や銀便の中には、2,000,000円を超える高額落札実績も存在するため、品物の価値判断をきちんとできるコレクターと出会うことができれば、納得の価格で茶道具を手放せると捉え良いだろう。
古書
歴史的資料にもなる古書も、6,532円の落札相場で取引されている。青木恒三郎によって明治時代に編集された世界旅行 萬國名所図絵については、この期間の最高となる615,000円で落札されたこともある。
絵画
買取業者への持ち込みが難しい絵画も、ヤフオク出品されることの多い存在だ。古美術品カテゴリにも含まれる絵画は、12,944円という比較的高い価格で落札されている。買取業者や画廊が出品した千住博や川合玉堂などの絵画については、出品者の信頼性によって2,000,000円~2,200,000円前後の落札額も期待できそうだ。
中国骨董
ここ数年の人気が高まり続けうる中国骨董にも、120日間で800件以上の落札実績がある。落札相場については8,878円となっているため、日本国内の骨董品や古美術品と同じように高値の付きやすいカテゴリと捉えて良いだろう。2017年2月に落札された瑞渓硯については、200,000円スタートのオークションで458,000円もの価格がついている。
時代家具
江戸時代に使われていた時代家具も、ヤフオク出品の多いカテゴリだ。和カフェのインテリアとして購入されることの多い船箪笥については、平均49,317円という驚きの落札相場となっている。また伊藤久内の欅を使った船箪笥には、2,000,000円で即決した実績も存在するため、良いコレクターとの出逢いが納得の取引を生むと捉えて良いだろう。
まとめ
出品ルールが非常に多い骨董品や古美術品をヤフオクに出す際には、落札者のことを考えた商品情報の作成や価格設定などが必要になる。また数十~数百万円を超えるレベルの骨董品は、評価を含めた出品者の信頼性も重視されるため、ヤフオク初心者の個人にとっては難しい要素が多いと捉えた方が良さそうだ。もし自分の所有している骨董品や美術品の鑑定や現金化の方法で頭を悩ませているなら、オンラインで無料査定を行っている買取業者にも問い合わせをしてみて欲しい。