チリカン(和装小物) の買取相場・査定情報まとめ

チリカンは和装小物であるかんざしのひとつだ。処分するのではなく業者に買い取ってもらったり、オークションやフリマアプリで売却したりすることで、利益を得られる可能性もある。ここでは、そんなチリカンの歴史やかんざしの種類、おすすめの買取業者を紹介する。

チリカンとは

チリカンとは、かんざしのひとつだ。芸者の女性などが、前髪の両脇に挿す金属製のかんざしを『チリカン』と呼ぶ。

チリカンという名前は、飾りが揺れて触れ合い、ちりちりと音を立てることが由来となっている。頭の飾り部分がバネで支えられているため歩くたびにゆらゆら揺れ、芸者の美しさを際立てせる役目を持っている。

かんざしとは

かんざしとは、女性が髪を結ぶときに使う日本の伝統的な装身具だ。単に髪留めとしてではなく、時が経つにつれファッションアイテムや飾りとして用いられることも多くなり、髪型の種類が多くなった江戸時代中期・後期には、さまざまな種類のかんざしが作られた。

ここでは、そんなかんざしの成り立ちや種類について説明する。

かんざしの歴史

かんざしは日本独自の文化だ。かんざしの歴史を知ることは、日本の歴史を知ることでもある。

縄文時代

かんざしの歴史は、縄文時代にまでさかのぼることができる。縄文時代の日本では、鋭くて細い棒には呪力が宿ると信じられていた。そのため、細い棒を髪に挿すと、魔を払うことができると考えられており、髪飾りはお守りのように用いられていた。

かんざしという言葉の語源は、『髪に挿すもの＝髪挿し（かみざし）』に由来するとも言われている。また、出土品の中には、髪挿しを束ねたくしの原型と考えられるものも発掘されている。

奈良時代～平安時代

奈良時代に入ると、かんざしは、お守りから髪飾りとしての色合いが強くなる。その理由は、中国からさまざまな文化が導入されたからだ。その中には、髪飾りの文化も含まれていた。かんざしの漢字である『簪』は、中国からもたらされたものだ。

ただし、中国から導入された髪飾りの文化はすぐに廃れてしまう。平安時代になると国風様式が流行し、髪を束ねずに下ろす垂髪が盛んになった。そのため、かんざしの必要性がなくなり、髪飾りとしての役目はすぐに消えてしまった。

安土桃山時代～江戸時代

安土桃山時代になると、髪型の流行も変化する。国風様式の『垂髪』から、ポニーテールのような下げ髪やお団子のような唐輪などといった、さまざまなバリエーションを持つ『日本髪』が盛んになった。日本髪を作る際に用いられたのが、かんざしだ。かんざしは江戸時代に入ると、さらに幅広く用いられるようになる。たとえば、緊急時には護身のために用いられたとも伝えられている。

江戸時代になると、女性の髪型はバリエーションを増す。そのため、かんざしもさまざまなものが作られるようになる。江戸時代初期には、京都で『花びらかんざし』が作られ、それが江戸に伝わり『つまみかんざし』が発祥した。

江戸時代～

かんざしは、江戸時代末期に最大の隆盛を見せる。髪飾り専門の飾り職人が誕生し、平打かんざし、玉かんざし、花かんざし、びらびらかんざしなど、技術の粋を凝らしたさまざまな種類のかんざしが作られた。

近代になると、ストレートヘアやパーマといった洋髪が流行し、かんざしの文化も衰えていった。2019年現在では、日常的にかんざしを使うことは少なくなり、神前結婚での花嫁や芸者などで使用されている。

かんざしの種類

かんざしには、チリカン以外にもさまざまな種類がある。時代の変化や髪型によって、多種多様なかんざしが生み出されてきた。ここでは、かんざしの種類についていくつか解説する。

玉かんざし

玉かんざしは、もっともポピュラーなかんざしだ。かんざしの先に、玉のモチーフを挿しているものをいう。もっともベーシックな形でありシンプルなものが多いため、着物や浴衣はもちろんのこと、洋風の服に合わせることもできる。

以前は、飾り玉にさまざまなものが用いられた。たとえば、サンゴやメノウ、ヒスイ、べっこう、象牙などだ。幕末頃にはギヤマン、大正頃にはセルロイドなども登場している。京都の花柳界では、普段はサンゴ玉を挿し、夏場になるとヒスイ玉は用いるというしきたりがある。

平打かんざし

平打かんざしは玉かんざし同様、棒部分は一本または二本になっており、頭の部分は耳かき状になっているかんざしだ。玉かんざしと違い、薄く平たい飾りが付いている。この飾りは円形、亀甲形、菱形、花型の場合が多く、透かし彫りや毛彫りで模様が入っていることもある。

平打かんざしは、武家の女性がよく身につけていた。武家の女性が使っていた平打かんざしは銀平とも呼ばれ、銀や銀メッキしたもので造られていた。江戸後期の芸者の間では、平打かんざしに自分の家紋ではなく、恋人や想い人の家紋を入れるのが流行した。

ビラカン

ビラカンは、『扇』、『姫型』とも呼ばれる金属製のかんざしだ。ビラカンという言葉は、ビラが付いたかんざしの略。頭の周りに、ぐるりと細長い板状ものがぶら下がっているのだが、これがビラと呼ばれるものだ。チリカンと違って平面的な分、存在感があり音も鳴らない。頭の部分にはさまざまな種類がある。扇子のような形状や、丸い形のものだ。

現代の舞妓が前挿しに用いていることが多く、右のこめかみ辺りにビラカン、左にはつまみかんざしを挿す。ビラカンは芸者になると使用しなくなる。

チリカンの買取相場について

チリカンは、2019年の現代では、あまり日常的に使われないものだ。そのため、要らなくなると処分されてしまうことが多い。しかし、チリカンは売却することも可能だ。その場合、2つの方法がある。チリカンを売却する2つの方法とは、以下のとおりだ。

• ・買取業者に依頼する
• ・オークションやフリマアプリを利用する

どちらを選ぶかによって、相場が変わってくる。また、メリットやデメリットも違う。ここではそれぞれの相場について説明する。

買取業者に依頼する場合

買取業者に依頼する場合の買取相場は、2019年4月29日現在、買取業者に直接問い合わせるしかない。チリカンだけの買取実績や買取額を公開している買取業者が存在しないからだ。チリカンは、ブランド物として作られたりコレクション目的で流通していたりするわけではないため、高額買取が難しい。

かんざしの買取にもっとも力を入れていたのは、ネットオフだ。チリカンではないが、ヒスイかんざしを10,000円で買い取ったという実績を公開していた。

オークションやフリマアプリを利用する場合

オークションやフリマアプリを利用する場合、2019年4月29日現在、1,000円前後がもっとも多かった。ヤフオク！では、15,000円で出品されているものがあるが、入札はされていない。

フリマアプリでは、2,600円の商品に2つの『いいね』が付いていた。基本的に、オークションやフリマアプリを利用すると、買取業者に依頼するよりも高い利益が手に入る。

おすすめの買取業者

チリカンを買取してもらう際は、買取業者を慎重に選ぶ必要がある。買取業者によって、査定額が大きく変わってくるからだ。チリカンや和装小物についての知識がなければ、本当の価値を見いだしてもらうことはできない。ここでは、おすすめの買取業者をいくつか紹介する。

ネットオフ

ネットオフは、大手買取専門店だ。ブランド＆総合買取コースでは、2019年4月29日現在、ヒスイかんざしを10,000円で買い取ったという実績を公開している。他にも、壊れたり石が取れていたりしても、買い取れる場合があると公表している。

ネットオフの買取方法は、以下のとおりだ。

• ・宅配買取

ネットオフは実店舗を持たないため、宅配買取のみだ。ただし、非常にスピーディーで、最短2日で入金される。最大5箱まで宅配キットを無料で送ってくれるため、品物がたくさんある方にとっては便利だろう。

骨董買取市場

骨董買取市場は、骨董品買取専門店だ。骨董品買取専門店であるため日本の文化や伝統に造詣が深く、和装小物の取扱も充実している。専任の鑑定士が、納得のいく査定額を提示してくれることだろう。

骨董買取市場の買取方法は、以下のとおりだ。

• ・宅配買取
• ・店頭買取
• ・出張買取

査定は、メールフォーム査定、二次元コード査定、LINE査定などに対応している。出張買取には女性スタッフも同行してくれるため、女性にとっても安心だろう。

TOP堂

TOP堂は、着物買取専門店だ。振袖、留袖、訪問着、小紋や帯など着物・和装小物の買取をおこなっている。もちろんチリカンも取り扱っており、事実や相場に基づいた鑑定をしてくれるだろう。

TOP堂の買取方法は、以下のとおりだ。

• ・宅配買取
• ・店頭買取
• ・出張買取

出張買取は、北海道、京都府、大阪府、奈良県、滋賀県に対応している。宅配買取は全国対応だ。査定方法には電話やLINE査定などがある。

いわの美術

いわの美術は、着物買取専門店だ。買取額は公表されていないが、実際にかんざしを買い取った実績もあるため、安心して利用できることだろう。

いわの美術の買取方法は、以下のとおりだ。

• ・宅配買取
• ・出張買取

持ち込みでの買取も対応しているが、予約が必要だ。査定は、メール査定、オンラインフォーム査定に対応している。

チリカンを高く売るコツ

チリカンは、コツを知っておけば高く売ることもできる。コツは、誰にでもできる簡単なものばかりなので、ぜひ実践していただきたい。ここではいくつかのコツを紹介する。

複数の業者で査定してもらう

チリカン含む和装小物を売却する際は、複数の業者で査定してもらおう。複数の業者で査定してもらうことで、リアルな相場を知ることができ、他の買取業者と交渉がしやすい。

一社だけで決めてしまうと、すぐにお金を手に入れることができるが、交渉の余地が極めて少ない。複数の業者に査定してもらうことで、「◯◯はこの金額だった」と提示しやすく、査定額アップの交渉がしやすくなる。

まとめ売りをする

まとめ売りをすれば、査定額がアップする。業者にとって交通費や人件費などが削減できるからだ。一般的に、品物は多ければ多いほど査定額が上がる。

買取業者によっては、壊れていたり部品が欠けていたりする場合でも、買い取ってくれる可能性がある。自分で「これは売れないな」と判断するのではなく、一度、査定に出してみることをおすすめする。

キャンペーンを利用する

買取業者によっては、キャンペーンをおこなっていることもある。キャンペーンとは、LINEの友だち追加で10%アップというものだったり、買取額30,000円以上で現金プレゼントというものだったりと、さまざまだ。

これらのキャンペーン時期に買い取ってもらうことで、得ができる。キャンペーンは期間限定であることが多いため、こまめに業者のサイトをチェックしておこう。

ホコリや汚れを取り除く

ホコリや汚れを取り除くことで、チリカンを高く売ることができる。買取の査定は、見た目や状態がもっとも大事だからだ。査定してもらう際は、あらかじめ柔らかい布などで綺麗にしておこう。

オークションやフリマアプリを利用する際も、綺麗にしておくことが大事だ。ネットオークションやフリマアプリでは、買う人にとって写真が購入の要因になるからだ。

写真や説明を工夫する

オークションやフリマアプリを利用する場合、写真や説明文を工夫することで、落札額アップが見込める。写真は一枚だけではなく、さまざまな角度から撮ったものを複数枚掲載しよう。

オークションやフリマアプリは、写真撮影から発送まで、すべて自分ひとりでおこなわなければならない。特に、状態はきちんと記入しよう。パーツが欠けていたり壊れていたりするのであれば、明記しておかないとトラブルの原因になりかねない。

まとめ

チリカンは、日常的に使うことが少ないため、役目を終えれば処分してしまう可能性が高い。しかし、芸者や舞妓の女性にとっては欠かせないものであり、ファッションアイテムの一つとして2019年現在も使われている。安易に要らないと判断して捨ててしまうことは、非常にもったいないと言えるだろう。

チリカンは単品でも売却可能だ。しかし、まとめ売りをすることで、より高い利益を得られる。家に和装小物が眠っており、もう使わないのであれば査定だけでも出してみてはいかがだろうか。