骨董品や美術品は、近頃人気のせどりや転売を行うことで投資に近いイメージで利益を得られる品目だ。しかし贋作の存在やトレンドの変化といったさまざまなポイントのある美術品は、せどりや転売を行う上で多くの注意事項がある。また一般的に行われている古本せどりと同じ感覚で仕入れを始めてしまうと、想定外のトラブルによってせっかくの事業が成り立たなくなることもあるため、当ページで美術品転売の基本を学んだ上で準備に入るのは理想と言えるだろう。
今回は、骨董品や美術品せどりに興味を持つ皆さんに、このカテゴリならではの特徴やノウハウを徹底解説していきたい。
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せどりとは?転売との違いは?
せどりというのは、オークションや業者から仕入れた商品を販売することで、手数料や中間マージンとも言えるお金を得る方法だ。古い時代は書店同士の売買における仲介をすることに対して、せどりという言葉を使っていた。これに対してインターネットを使った商品売買がしやすくなった今の時代は、古本に限らず骨董品や古美術品を含めて、さまざまな品物と通して利益を得るせどらーと呼ばれる個人や業者も登場している。
せどりと転売の違いは?
せどらーの増加によってせどりが古本用語ではなくなりつつある近頃では、せどりと転売が同じ概念として用いられるシーンが増えている。またせどりに関するノウハウ本が多く登場する今の時代は、ビジネス雑誌などで転売が紹介されるケースも多く見受けられるため、この両者の違いについて厳密な境界線を引く必要はないと捉えて良いかもしれない。
転売は買取業者で行われることもある
転売は、画廊や美術品や骨董品買取専門店でも行われているビジネス手法だ。例えば人気作家の絵画の買取を行った場合に、店頭に並べておくといつまで経っても買い手が付かない可能性が出てくる。こういった時には、店舗在庫のターンオーバーを良くするために、画廊によく出入りしているコレクターやその作家の買取に力を入れている画廊などに転売が行われることもあるのだ。このように専門店でも多く行われる転売は、美術品市場でもポピュラーなビジネス手法と捉えて良いだろう。
一般商品と骨董品・美術品のせどりは大きく特徴が異なる
ここで注意をしなければならないのは、古本を含めたリーズナブルな一般商品と、世界的な富裕層にも注目される古美術品では、せどりや転売を行う際の注意点が全く異なる実態だ。ここからはこの実態を明確にするために、一般商品のせどりにおけるメリット・デメリットを詳しく紹介した上で、骨董品・美術品ならではの注意点をまとめていきたい。
一般商品におけるせどりのメリット・デメリット
初心者でも簡単にできる一般商品のせどりや転売には、多くの人がブログで紹介する下記7つの利点と難点がある。
せどりノウハウの情報が豊富
古本や中古のDVD、CD、スマホなどの電子機器といった一般商品のせどりを始める際には、専門雑誌や体験談などの情報源が非常に多いことがメリットとなる。例えば、人気通販サイトAmazonで「せどり」と検索すれば、入門や裏技の書かれた書籍などが600件以上ヒットする。また実際にせどりを行うユーザの場合は、Kindleなどの電子書籍や自身のブログなどでノウハウの紹介をしているため、情報収集のしやすさが多くの人の算入に繋がっていると言えだろう。
高い利益率
多くの人がせどりに挑戦する背景には、このビジネスにおける利益率も大きく関係している。例えば、400円で仕入れた書籍を5,500円で販売し、諸経費を差し引いた利益が4,482円だったとすると、粗利益率は81.5%となる。もちろん全ての商品でこの利益率をキープすることは難しい。しかし継続的な転売によって高く売れる商品・あまり売れない商品の傾向がわかってくれば、仕入れが上手くなることによってビジネス全般の利益率が高まると捉えて良いだろう。
リスクが少ない
マンガ本などの書籍やCD、DVDといった品目は、中古品の仕入額が安いことによって、初心者でもリスクの低い存在と位置付けられている。これに対して後述する美術品や骨董品などは、書籍のように気軽に買える商品ではないため、取引リスクの部分については仕入れの方法や初期投資、品目によっても変わってくると捉えて良いだろう。
入金スピードが早い
インターネットオークションを利用したせどりに挑戦する人の多くは、アフィリエイトなどと比べて遥かに入金が早いことをメリットとして挙げている。例えばAmazonなどを開いてランキング上位の書籍を仕入れることができれば、当然転売もスムーズに進められると捉えて良いだろう。しかしせどり商品の回転率は転売価格によっても変わってくるため、こちらについてもそれなりの経験が必要になると言えそうだ。
特別な技術が要らない
ヤフオクやAmazonといった既存のWEBサービスを用いるせどりには、アフィリエイトサイトの制作やブログ運営を行うような専門知識やテクニックが要らない。また一般書籍や中古DVDなどの場合は、誰でも簡単に商品情報の登録などができるため、WEBクリエイターなどと比べて遥かに簡単に見えるところも、多くの人が転売に算入する理由と捉えて良いだろう。
商品在庫を置くスペースが必要
せどりを使って生計を立てるためには、転売前の在庫を保有する部屋などを用意しなければならない。こうした置き場所がきちんと確保されていない家では、発送予定の商品が紛失したり、在庫管理が出来ないことによるトラブルが多発する。これに対して本格的にせどりを行うユーザの家では、仕入れた書籍やCDなどを五十音順の棚などで管理しているため、月10万円以上の取引を目標としているなら、管理方法についても学ぶべきだと言えるだろう。
古物商許可を得なければならない
本業または副業で継続的にせどりや転売を行う際には、古物商営業法にもとづく古物商許可を受けなければならない。この許可を得ないままヤフオク大量出品などを続けていると、古物商営業法違反で逮捕される可能性も出てくる。古物商許可申請は各地域の警察署で受け付けられており、申請時には審査料として19,000円を支払わなければならない。
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骨董品・美術品のせどりにおける特徴と注意点
多くのユーザが算入するせどりや転売の基本がわかったところで、ここからは応用編と言える骨董品や美術品を取り扱う場合の注意点を整理していこう。
骨董品・美術品の知識がなければ損をすることもある
骨董品や美術品のせどりで高い利益を得るためには、市場価値やトレンドを含めた知識をきちんと習得しなければならない。またせどり初心者が骨董品や美術品の転売を行なえばそれだけ失敗する確率も高まるため、せどりの知識と、古美術品の知識の2つを習得する必要もあると言えるだろう。
仕入れにはそれなりの資金が必要
美術品や骨董品の転売をする際には、古本屋やリサイクルショップで簡単に手に入る書籍や中古CDと比べて遥かにたくさんの資金が必要となる。またヤフオクで二束三文で売られている美術品は、所有者自身も価値がないとわかっている可能性が高いため、古本のように手当たり次第購入するスタイルでは間違いなく失敗すると言えそうだ。
本物を仕入れなければならない
美術品や骨董品の仕入れは、本物か?偽物か?といった部分もきちんと確認しなければならない。査定士や鑑定士の在籍する画廊や買取業者では、基本的に真贋のはっきりした本物を取り扱っている。これに対してヤフオクやメルカリの場合は、出品者自身も真贋が曖昧な状況で出品しているケースも多く見受けられるため、転売用の仕入先としては難しいツールになると言えるだろう。

ヤフオクは出品する側にも面倒なことが多い
利用者間のトラブルを防ごうと考えるヤフオクでは、特定作家の絵画作品に対して真作もしくは模写と明記することを義務付けている。また真作と明記した作品について落札者側の手に渡った後で贋作である事実がわかった場合は、返品に応じる必要も出てくるため、真贋が曖昧な骨董品や美術品の出品にはヤフオクは手間や面倒な要素の多いサービスと言えそうだ。

骨董品・美術品の転売を上手に行うコツとノウハウ
ここまで紹介したとおり、書籍などの一般商品と比べて遥かに注意事項の多い美術品や骨董品も、下記で解説していくポイントをひとつずつ実践していけば、少ないリスクでせどりや転売を進められるようになる。
転売する品目やカテゴリを絞る
骨董品や美術品のせどりを行うなら、商品知識を深めるためにも自分が得意とするカテゴリを設定するのがおすすめだ。例えば、外国人にも人気の高い茶道具を軸にせどりを始めれば、人気作家や茶器の特徴についてもスムーズに整理できるようになる。またひとつの分野をそれなりにマスターしてから新たなカテゴリに挑戦しても良いため、最初から一気に幅広い美術品を扱うことはやめるべきだと言えるだろう。
そのカテゴリに関する知識を深める
カテゴリが決まったら、その分野に関する情報収集をしながら知識を深めていこう。例えば、自宅にある既存の茶道具から転売やせどりに算入する場合は、その品物をオンライン査定に出して査定士に価値判断を仰ぐと良い。また自分が想定していたよりも査定額が低い場合は、「どうしてその金額になるのか?」といった少し突っ込んだ話をすることで、自分の所有物に関する知識が深められることだろう。また骨董品や美術品はヤフオクでも転売が行われているため、気になるカテゴリの相場などを確認することも立派な勉強になることだろう。
骨董品・美術品の人気やトレンドにも目を向ける
骨董品や美術品の買取市場にも、流行はある。例えば、中国人富裕層がオークションに算入するここ3~4年は、中国骨董の市場に世界的な注目が集まっている。また数年前までは爆買い目的で美術品店を訪れる中国人観光客もたくさん存在していたため、こうした時代の流れに合ったカテゴリを選ぶこともせどりや転売成功の秘訣になると言えるだろう。
仕入れに不安があるなら古物市場や美術商の利用がおすすめ
ヤフオクを使った仕入れによって贋作を掴むリスクを防ぐためには、プロの集まる古物市場や信頼性の高い画廊、美術商を利用するのが最も良い。こうした業者のスタッフと仲良くなれば、人気や重要の高い作家や作品の特徴なども教えてもらえる。しかし古美術商では基本的に転売やせどりを目的とした取引を歓迎しない傾向があるため、査定士とのコミュニケーションを図る際には会話内容にも注意をして欲しい。
転売した美術品や骨董品には税金がかかる?
美術品や骨董品のせどりでは、1個の価額が30万円を超えた場合に譲渡所得の課税対象となる。また譲渡所得の計算時には、購入から5年以上経った長期譲渡所得については2分の1が課税対象になるため、30万円を超える高額美術品の転売を続けるなら短期間での売却よりも5年間以上所有した上での取引の方が遥かに高い節税効果が得られると捉えて良いだろう。転売サポートを行う買取業者もある
画廊や古美術商の中には、直接的な買取や販売以外に転売のサポートを行う業者も存在している。こうしたところに相談をすれば、所有している美術品を業者の抱える販売ルートに紹介をしてもらえる。転売のできる専門店ではそれなりに資金力のあるコレクターを多く抱えているため、一般人がほとんどのヤフオクなどに出品するよりも遥かに高値で売れる可能性が高いと捉えて良いかもしれない。


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高額作品は美術品オークションの利用もおすすめ
所有作品の購入価格が数百万円といったレベルの場合は、美術品オークションで転売する方法がおすすめとなる。美術品オークション会社は、日本国内にもたくさん存在している。また世界の企業が日本人コレクターに注目する近頃では、サザビーズやクリスティーズの日本事務所も開設されているため、海外の富裕層に注目されるレベルの美術品を所有しているなら、こうした会社を利用することで数百~数千万円以上の価額で手放すこともできると言えるだろう。



まとめ
美術品・骨董品におけるせどりや転売について調べてみると、これらの商品が上級者向けの品目であることに気付かされる。しかし古美術商や買取業者のオンライン査定などを上手に利用すれば、仕入れだけでなく情報収集についてもスムーズに行えるため、こういったサービスが普及する前の時代と比べれば遥かに骨董品や美術品のせどりがしやすくなったと捉えて良いかもしれない。




