舟越桂は、近年国内での注目度が高まる彫刻家だ。彼の制作物の中には、本の装丁に使われることもある油画やエッチングといった絵画作品も存在している。また美術やデザイン書を得意とする古書店には、舟越桂の展覧会図録や作品集などがたくさん並んでいるため、彼の活動の主軸とも言える彫刻以外であっても高く売れる要素の多いアーティストと言えるだろう。
今回は、舟越桂のプロフィールから見えてくる作品の特徴と、彫刻や絵画作品の価値、買取相場などを詳しく紹介していきたい。
本記事のポイント
- 舟越桂は1000万円以上も期待できる高額取引される画家
- 父・舟越保武の買取事情も紹介
CONTENTS
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舟越桂とは
舟越桂は、岩手県盛岡市出身の彫刻家だ。精力的な制作活動を続けながら国際的な現代美術展への挑戦を続ける彼の作品は、書籍の装幀といった少し特殊な分野から日本人の目に触れる機会が多いと言われている。また舟越桂は1989年から母校・東京造形大学において教鞭をとっているため、教育の分野においても日本の現代美術に多大なる貢献をしていると言える。
舟越桂の略歴
東京藝術大学教授の彫刻家・舟越保武の次男として生まれた舟越桂は、父と同じ彫刻の道へと進むために、現在自身が教鞭をとっている東京造形大学彫刻科に進んだ。その後、東京藝術大学大学院を修了した彼は、文化庁芸術家在外研究員としてロンドンに滞在しながら、サンパウロ・ビエンナーレなどの大規模国際展覧会への出品を続けていた。こうした継続的な努力により1980年代後半に実力が認められた彼は、1989年以降、客員教授として東京造形大学で後進の指導を行うようになる。
舟越桂の作品への想い・コンセプト
1980年代より木彫りに彩色を施した人物像を発表するようになった舟越桂は、村上春樹の小説に出てきそうなこざっぱりとした都会的な男女を描く作家として注目を集めるようになる。しかし1990年代半ばになると、背面に顔がついたり、肩にこぶが生じたりしただけでなく、両性具有やバロック化といったキーワードにふさわしい作品を描くようになっていく。
こうした制作を通して混沌を鮮明に描き、人間と知ろうとする舟越桂の葛藤と格闘は、多くの人々を魅了した結果として、近年の高額査定実績に繋がっているのだろう。
数多くの出品と挑戦
舟越桂が出品を行った展覧会について調べてみても、彼の作品における高い価値と挑戦が見えてくる。例えば、1998年に出品をしたヴェネツィア・ビエンナーレについては、国同士の威信をかけて賞レースが行われる「美術のオリンピック」と呼ばれるイベントだ。またその5年後に出品したドクメンタについては、現代美術の最先端を担うアーティストを世界から集めて紹介するイベントとなっているため、こうした挑戦を繰り返す舟越桂の作品は国内だけでなく欧米でも注目される存在だ。
国内における受賞実績も豊富
舟越桂は、さまざまな賞の受賞実績も豊富な彫刻家だ。芸術、学術、スポーツ分野の功労者に与えられる紫綬褒章については、2011年の受賞となっている。これに対して芸術分野では、中原悌二郎や平櫛田中といった日本を代表する彫刻家の名の付いた3度も受賞しているため、彫刻分野における彼の実力や業界への貢献は、国内でも高く評価されている。
近年増えている個展や展覧会への参加
現在でも制作を続けている舟越桂の名は、展覧会への出品や個展開催といった記事でニュースメディアに掲載されることが多い。2017年1月には、「History on paper」という展覧会シリーズにて、人物をモチーフとした版画作品が多く紹介されている。また2015年には東京新宿にて、草間彌生などと一緒に現代アート展に並んでいるため、精力的に制作を続ける舟越桂の作品と遭遇できる機会は非常に多い。
舟越桂の絵画作品・彫刻作品における買取相場
舟越桂の現代美術における価値と活動が見えてきたところで、続いて彼の絵画作品や彫刻作品における落札実績や買取実績からわかる、買取相場についてまとめていきたい。
砂漠のスフィンクス
両性具有の人物をモチーフとしたエッチング銅版画「砂漠のスフィンクス」は、国内のギャラリーにて250,000円で買い取られた実績がある。作品の詳細を確認してみると、比較的コンディションが良い良品Aの査定基準に当てはまったことがわかる。彫刻をメインに活躍する舟越桂は、どちらかと言えば絵画作品が少ない傾向があるため、「砂漠のスフィンクス」のような人気作品を所有しているなら、その価値が下がらないうちに査定依頼にかけたいところだ。
フェイス
その名のとおり人間の顔をモチーフとした「フェイス」は、木炭を使ったドローイング作品だ。2006年に描かれた「フェイス」には、国内アートオークションで770,500円もの落札額が付いた実績がある。また古物市場では舟越桂の作品が多く見受けられるため、買取業者だけでなくオークション市場においても、彼の絵画作品への注目は非常に高いと考えられる。
大きな柱の下
ここから紹介するのは、舟越桂の世界的価値と魅力のわかる実績だ。2014年に行われた国内オークションでは、1985年に作られた木彫作「大きな柱の下」に14,000,000円もの高額落札が付いている。この価額は、落札予想価格の下値の2倍を超える結果とされているため、舟越桂の作品を良い市場に出品することができれば、査定士も想像のつかないレベルの価額が付く可能性もあると言える。
また舟越桂は彫刻分野における受賞実績や知名度の方が高い特徴もあるため、絵画よりも木彫りやブロンズ像などを収集した方が効率良く美術品投資ができるのではないだろうか。
冬の先触れ
ベースとなる楠に彩色やブリキ、鉄、大理石で装飾を施した「冬の先触れ」も、15,000,000円~25,000,000円もの落札予想価格の付いた話題の作品だ。この彫刻の展覧会歴を見てみると、舟越桂自身の個展だけでなく、ドイツのハイルブロン私立美術館や東京都現代美術館などに飾られていたことがわかる。こうした有名美術館を回った作品はそれだけコレクターの目に触れる機会も増えるため、積極的な入札に繋がる可能性がかなり高い。
世界的に著名な彫刻家・舟越保武も高価買取対象
舟越桂の経歴や買取実績を調べていると、彼の父である舟越保武についても、買取市場で高い評価があることに気付かされる。またセカンダリーマーケットにおける買取相場の上昇は、作家の死没から20年~30年ほどで生じるとも言われているため、舟越保武の買取相場は息子以上の上昇が期待可能な時期に来ていると考えられる。
舟越保武の作品は規模が大きい
さまざまなブロンズ像や石像を制作していた父・舟越保武の作品は、田沢湖畔にある「たつこ像」や大分県国東市にある「ペトロ岐部像」といった大規模なものばかりだ。そのため、買取市場においては数万円~数十万円の買取実績が多い傾向があるが、彼の国内における知名度を考えれば、作品の価値は間違いなく高いと判断して良いだろう。
舟越桂の絵画作品・彫刻作品を高価買取に繋げる査定ポイント
最後に、当ページのまとめとして舟越桂の絵画や彫刻作品を効率良く売却する際の注意点をご紹介しておこう。
舟越桂作品の買取に適した業者の選び方
舟越桂の作品を売る際に適しているのは、現代美術と彫刻カテゴリの買取査定に積極的な業者だ。こうした専門店に問い合わせをすれば、作品の特徴やコレクション理由などについても査定士に伝えやすくなる。また現代美術買取が得意な業者は資金力も高い傾向があるため、数百万円~数千万円を狙える舟越桂の作品であっても、納得の査定に繋げやすくなることだろう。
運び出しの難しい美術作品はどのように売れば良いか
彩色だけでなく木や大理石といった幅広い材質を使った舟越桂の作品は、査定前のトラブルを防ぐためにも、査定士が自宅に来てくれる出張買取の利用を検討したい。このサービスを利用すれば、宅配買取や店頭買取時に生じる「どうやって梱包すれば良いのだろうか」「ちゃんと自宅から持ち出せるだろうかか」といった不安や疑問も解消できる。
また良心的な業者ではその場で支払いもできるため、スピーディーな現金化を求める皆さんにとっても利用のメリットが高いサービスになりそうだ。
業者選定における注意点
買取業者の選定で悩んだ時には、各社がサービスで行っている無料対応の数や内容で比較検討をしてみて欲しい。例えば、お客様の負担を軽減しようと努力する業者では、出張料、宅配料、査定料などの全てを無料で対応してくれる。また査定士に自宅に来てもらうことが申し訳ないと感じるレベルの地方都市であっても出張費無料となるため、コレクター自身の売却経費を抑えるためにも、無料にこだわった業者選定をすることは大変重要な心掛けだと言えるだろう。
LINE査定に対応している買取業社
【ヒカカクおすすめ店】総合美術買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
総合美術買取センターは、絵画に関する知識がない人に対しても相談に乗っており、買取を行った後も8日以内であれば無条件でキャンセルできるクーリングオフ制度を導入している。初心者でも安心できる買取業社の1つと言えるだろう。買取方法は宅配、もしくは出張買取となる。
八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
古美術の中では大手となる八光堂は、創業40年以上の買取業社で、テレビなどに多く出ている。買取方法は店頭、出張のいずれか。出張買取の場合に、「8日間以内返品対応OK」と記載がある。
出張買取に対応している買取業社
本郷美術骨董館
買取価格
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ウイルス
対策
同じく大手の本郷美術骨董館も、テレビに多く出ている買取業社だ。買取実績ナンバーワンの称号を得ており、店頭、宅配、出張買取のほか、オークション代行もおこなっている。全国で定期的に無料鑑定会を実施しているため、まずは雰囲気をみてみるのもよいだろう。
アート買取協会
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ウイルス
対策
アート買取協会は、年間3万点の取引実績がある買取業社。買取方法は店頭、宅配、出張のいずれかだ。高額な作品であっても、スムーズな入金が期待できる。
舟越桂の作品は1,000万円を超えることもあるため売却は慎重に
買取相場が高い作品ほど、業者に提示される買取価格に乖離がある傾向がある。特に、1,000万円を超えるような絵画の場合に、そもそも十分な財源がなく、満足がいく買取ができない買取業社もあるだろう。売却する場合には、後悔がないように慎重に話を進めたいところだ。