岸田劉生(きしだ りゅうせい)に関して、岸田劉生の娘の肖像画、通称麗子像のひとつである「麗子微笑」は国宝・重要文化財に登録されるなどの功績も持つ。また、白樺派の理念が生まれるきっかけを作った武者小路実篤や、『智恵子抄』などを執筆した高村光太郎とも交流があり、随筆なども執筆している。絵画のみにとどまらず、手掛ける芸術の領域が広いため、天才と称されることもある。
とは言え、洋画家ということもあり彼の作品の中で、高い査定額がつきやすいのは洋画と言えるだろう。本記事では、岸田劉生の洋画作品の価値や評価、買取相場や鑑定情報についてまとめていく。
本記事のポイント
- 岸田劉生は国宝に登録された作品がある
- 代表作である「麗子像」シリーズは1億円以上の値段がつくこともある
- 中でも油絵の価値は高い

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岸田劉生(きしだりゅうせい)の略歴・プロフィール
岸田劉生(きしだりゅうせい)は、明治から昭和にかけて活躍した近代日本を代表する洋画家の1人で、静物画や風景画、肖像画などの油絵を制作していた。1891年(明治24年)に東京で生まれた岸田劉生は、1908年(明治41年)に白馬会葵橋洋画研究所に入り黒田清輝に師事すると、1910年(明治43年)の文展で入選し、日本史や美術史に名を刻んだ。
美術家集団であるフュウザン会の結成に関わり、その後草土社を起こすなど近代の日本の洋画界に多大な影響を与えた。後に、洋画だけでなく日本画なども制作した。
1929年(昭和4年)に38歳の若さで死去したが、娘である麗子を描いた「麗子像」シリーズなど、独特の画風の作品を多く残し、現在でも大変人気がある洋画家である。その他の代表作としては、「信行之像」「鮭」などが挙げられる。38歳で旅先で亡くなり、「徳山風景」が未完で絶筆となった。

岸田劉生の絵画の価値は
「麗子像」シリーズなど独特の画風の作品で高い人気があり近代日本を代表する洋画家の1人である岸田劉生の絵画は、高額で取引されることが多い。
岸田劉生の作品としては、油彩、水彩、鉛筆画、日本画、版画などがあるが、版画は、数万円から数十万円、日本画、水彩、鉛筆画は、数十万円から数百万円、油彩は、数百万円から数千万円で取引されており、代表作である「麗子像」シリーズとなると、1億円以上で取引されることもあるようだ。
岸田劉生の作品の価値を決めるポイントについて
前述のように1億円以上で取引されることもある岸田劉生の作品であるが、作品の価値を決める要素は様々なものがあり、たとえ高額で取引されることの多い岸田劉生の作品であっても、それらの要素の中に作品の価値にマイナスとなるようなものがある場合は、作品の価値が下がり、それに伴い取引価格も下がる可能性がある。
ここに、岸田劉生の作品の価値を決めるポイントについて簡単に記載していく。
作品の中でも油彩の価値は高い
岸田劉生の作品の技法としては、油彩、水彩、鉛筆画、日本画、版画などがあるが、作品の価値としては油彩が一番高くなるようだ。日本画なども多く手掛けているが、やはり油彩のほうの人気が高く、取引価格もより高額となる傾向がある。
所有している岸田劉生の作品の技法を確認しておいたほうがいいだろう。技法がわかれば、ある程度の取引価格がわかる場合もあるので、取引する時の参考となるだろう。
作品中に岸田劉生のサインがある場合は需要が高くなる
作品中に岸田劉生のサインがある場合は需要が高くなり、取引価格も高くなる傾向にある。
サインは、作品の制作過程の最後に入れられるものであるが、作品によってはサインがないものもある。作品として完成されていればサインがなくても問題はないが、サインがあることで、作家がこの作品を完成した、と認めたと考える人もいて、そのような人は、サインがある作品を好む。
作品を購入することが多い収集家には、サインがある作品を好む傾向があることから、サインがある作品のほうが需要が高くなり、取引の値段も高くなる傾向があるのである。
所有している岸田劉生の作品にサインがあるか確認をしたほうがいいだろう。作品が洋画の場合は、作品の裏にサインがある場合があるので、作品の裏も確認したほうがいいだろう。
作品の状態は作品の価値に影響する
前述のように高額で取引されることも多い岸田劉生の作品であるが、作品の状態が悪い場合は、作品の価値が下がってしまう可能性が高いことから、期待したような価格で取引できない場合も出てくる。作品の状態は、作品の価値を決める要素の中でも特に作品の価値に影響するもののためである。
作品の状態が悪い例としては、作品の取扱いが悪いことで発生する折り目やシワ、作品の一部がなくなる欠損、湿気が高い場所に保管したことにより発生するシミやカビ、日光など紫外線を含む外光にあたることにより色あせが発生する日焼け、温度変化などにより発生する絵具の剥離などがある。
これらが発生する原因としては、作品が制作されてから長い時間が経過したことにより発生する経年劣化の場合もあるが、作品を保管する環境や作品の取扱いが悪いことにより発生する場合もある。
作品の状態を悪化させて作品の価値を下げないためにも、作品を保管する環境や取扱いには十分に注意したほうがいいだろう。

鑑定証は非常に重要
高額で取引される作家となると、その作家が手掛けた作品と偽った贋作が流通することがある。岸田劉生は、残念ながら贋作が非常に多い作家として知られており、「劉生作と言われる作品を見たらニセモノと思え」と言われるほどである。
贋作は、その制作方法により様々な種類があるが、共通しているのは、岸田劉生の作品と偽っている限り、作品の出来に関係なく作品の価値は皆無に等しいということである。もし、贋作を贋作と気づかずに岸田劉生の作品として取引した場合、取引に費やした費用は無駄になってしまうだろう。
そのため、取引の際には、鑑定証が必要な場合が多い。鑑定証は、所定の鑑定機関が、これは岸田劉生が手掛けた作品と鑑定したことを証明するもので、作品と鑑定証があれば、岸田劉生の本物の作品として安心して取引ができるといえる。つまり、取引の際には鑑定証の存在が非常に重要となってくるのである。
取引の前に所有している岸田劉生の作品の鑑定証を確認したほうがいいだろう。鑑定証については、前述の所定の鑑定機関に依頼すれば取得することができるが、手続きなどが複雑なため、鑑定証を取得する際は、鑑定証の取得を代行する業者などに依頼したほうがいいだろう。
LINE査定に対応している買取業者
おいだ美術
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東京の銀座で30年間、美術品を取り扱ってきたおいだ美術は、その豊富なネットワークが強みの画廊。専門家によるスピード査定も魅力で、ネット買取のパイオニアとも言える存在とされる。
岸田劉生の作品も高価買取を実施しており、桃図などが買取実績に上がる。査定は、LINEの他、店舗への持ち込み、配送で実施している。
美術品・絵画買取センター
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美術品・絵画買取センターでは、他社と違い、基本的に査定額がそのまま買取額となっているそう。人気の高い岸田劉生の作品も高価買取をおこなっており、最新買取実績としては麗子像がある。
買取方法が幅広く、LINE査定に加え、宅配・訪問・店舗買取をおこない顧客の様々なニーズに応えている。
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若いスタッフが中心のひるねこ堂は、遺品の仕分けや買取もおこなっている骨董品買取店。切手やトレカなど幅広いジャンルの品物を取り扱っているのが特徴で、絵画の買取もしている。
ひるねこ堂の出張買取エリアは、兵庫・大阪・京都・奈良・和歌山を中心とした関西圏。しかし、全国各地の出張買取にも対応しているため、遠方への買取も相談してみても良いかもしれない。
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絵画骨董買取プロは、秋華洞が運営する買取専門店。鑑定から査定、買取、販売、保存修復といったサービスをワンストップでおこなっているのも運営会社の秋華洞の特徴のひとつだ。近代絵画、現代絵画の取り扱いをメインのひとつにしているため、岸田劉生の作品買取にも力をいれている。
店舗が東京にあるため、積極的な買取エリアは、関東を中心に京都・大阪・愛知となる。また全国の出張買取鑑定会も不定期に開催中だ。
岸田劉生の作品を売却する場合について
岸田劉生の作品を売却する場合についてだが、美術品の取引の経験があまりない場合は、専門家に依頼した方がいいだろう。
買取業者であれば、岸田劉生の作品、もしくは岸田劉生同様に明治から昭和にかけて活躍した作家の作品の取引実績が豊富な業者、オークションであれば専門家が対応するアートオークション、もしくは出品を代行するオークション出品代行業者などである。
美術品を取引する時は、複雑な手続きや問い合わせやクレーム対応などにおいて、美術品の取引に対する豊富な経験や美術品に関する深い知識が必要である場合があり、それらを持ち合わせていない一般人では対応は困難であるが、専門家であれば、その経験や知識によりスムーズに対応できる可能性が高いといえる。
専門家に依頼する場合は、それ相応の費用が必要な場合もあるが、安心して取引するためには必要な費用であるといえよう。