日本刀の市場価値を調べたいときに、ヤフオクなどのオークションサイトを利用している人も多いのではないだろうか。市場価値を知る1つの手がかりになるのが、この手のサイトの落札価格だ。オークションは購入を希望する人がいるほど価格が上がるシステムになっているため、人気がある品は最終的な取引価格も上がりやすい。
ここでは、ヤフオクなどのオークションの情報からわかる日本刀の売買相場について解説していく。これから買取店に相談する人も、市場価値を知っていたほうが有利に取引ができるだろう。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
刀の売買相場
江戸時代の武士が日常生活のなかで使用していたのが、打刀や太刀などの日本刀だ。打刀は刃の長さが60センチほどの日本刀で、反りが比較的浅いのが特徴と言える。太刀は刃渡りが60センチを超えるやや大きな刀で、刃の部分の反りが深い。江戸時代は徳川幕府が公布した武家諸法度によって、こういった日本刀のルールが定められていた。
例えば、身分によって所持できる日本刀の長さや種類が決められていたため、武士でも自由に好きな日本刀を選んで持つことはできなかったと言える。
ヤフオクでの取引価格
オークションサイトであるヤフオクには、真剣の打刀や太刀も数多く出品されている。ヤフオクの真剣の刀は落札価格にかなりの幅があるが、売買相場の平均は20万円から30万円前後といったところだろう。
例えば、昭和の時代に制作されたある打刀は、22万円台で落札されている。こちらの刀剣の場合は、制作者の名前や日付を刻印した銘があるのが特徴になっている。刃の黒ずみや柄の擦れなどが多少見られるが、有名な刀工の作ということ、白鞘やケースがついていること、などから、金額が上がった1品と言えるだろう。
また、18万円で落札された刀は、銘がないため制作者などは特定できない。しかしながら、高級感のある拵えが付属している、美濃(岐阜県)の刀工として知られる兼元を彷彿させる刃文がある、といった特徴が見られることから、18万円台という比較的高い金額で落札された。
その他のオークションでの取引価格
日本刀のオークションは、日本刀の専門店などが行っている場合もある。例えば、刀剣の専門店である葵美術が行っているオークションでも、さまざまな日本刀が取引されているので、相場を知りたいときにはチェックしてみる価値があるだろう。
買取価格
スピード
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許可番号
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ウイルス
対策
こちらのオークションの場合は、取引価格の相場がヤフオクよりも少し高くなっている。50万円台の値がつく日本刀もあり、売買の相場も20万円台から40万円台とやや高額だ。専門店が行うオークションの場合は、出品前にお店のスタッフがチェックを行うことが多く、質が高い日本刀が多いのが特徴と言える。
脇差の売買相場
脇差は、刃の長さが30センチから60センチ前後の刀を指す。打刀よりもやや短いのが脇差の特徴になっており、打刀の補助として使われてきた歴史がある。ちなみに、脇差は武士以外の身分でも所持することができた。
脇差の場合、買取では打刀や太刀よりもやや査定価格が下がる傾向があると言われているが、実際の価値は品物によって変わるのでオークションの取引価格もケースバイケースと言えるだろう。
ヤフオクでの取引価格
ヤフオクに出品されている一般的な脇差は、だいたいが10万円前後で落札されている。例えば、美品として出品されたある脇差は、14万円台で取引が行われた。こちらの日本刀は、刃の長さが約28センチ。「正宗」の銘があり、刃文の状態をかなり正確に見分けることができる。
刃文は、日本刀の個性や価値を知りたいときにも重要なポイントだ。保存状態がいい品はこのような刃文をしっかりとチェックできることから、鑑定価格も上がる傾向がある。
また、武蔵守藤原兼中の銘が刻印された脇差は、13万円ほどで落札された。こちらの日本刀も比較的状態がよく、銘がはっきりと確認できる。
その他のオークションでの取引価格
刀剣の専門店である葵美術のオークションの場合は、脇差の売買相場も20万円から40万円とやや高めになっている。「信濃大掾藤原忠国 二代」や、「紀伊国康廣」などの銘が入った脇差は、「保存刀剣」としての保証がついている。
「保存刀剣」は、日本美術刀剣保存協会が行っている審査のカテゴリーの1つ。作りや保存状態がよく、美術品としての価値が高い日本刀でないと「保存刀剣」として認められない。そのため、買取店などでも「保存刀剣」に合格をした品物については高額査定をすることが多い。
ちなみに、「信濃大掾藤原忠国 二代」の脇差は、40万円台、「紀伊国康廣」の脇差は20万円台で出品されている。
短刀の売買相場
刃渡りが30センチに満たない日本刀は、一般的に短刀と呼ばれている。このような短刀は、懐に入れて持ち歩くことも多かった。短刀も脇差と同様に買取価格がやや下がるのが一般的だが、とりわけ出来がいいものや希少性があるものは、鑑定価格も高額になる場合がある。
ヤフオクでの取引価格
短刀のヤフオクでの取引相場は、だいたい10万円台から20万円台。12万円台という比較的高い金額で落札されている短刀は、両刃づくりで制作されており、金の象嵌で「包永」という銘が刻印されている。
江戸時代の合口拵えつきで出品されたこちらの日本刀は、短刀のなかでもとくに高い金額がついた。保存状態もよく、減額の対象になるような大きな問題がないのも特徴だ。出品価格は1千円だったが、80件以上の入札があり、最終的には12万円を超える金額で落札されている。
また、白鞘つきのある短刀も12万円台で落札された品の1つに挙げられる。こちらは、「了戒」の銘が入っており、刃の部分に独特の彫りが見られる。傷や錆などが多少あるが、この短刀も80件以上の入札があった。
その他のオークションでの取引価格
葵美術のオークションは、短刀の売買価格が20万円台から70万円台とかなりの幅がある。例えば、「大阪住月山貞勝作」の銘が入ったある短刀は、出品価格が75万円となっており、オークションを開始する時点から高額だ。ランクの高い上々作として出品されているため、短刀と言えども売買価格は高くなっている。
銘に刻印されている月山貞勝は、大正時代に活躍した宮内庁御用達の刀工として知られている。このような名工が制作した品は、短刀でも高額な金額で取引されるケースが少なくない。また、室町時代中期のものとされる短刀も、出品価格が28万円と高く設定されている。「国光」の銘があるが、真偽が定かでないため、室町時代の著名な刀工の作品としてはやや低めの金額になった。
名刀の売買相場
日本刀のなかには、名刀として扱われるとくに価値が高い品もある。このような名刀は、売買相場も一般的な日本刀の取引相場とは少し異なる場合が少なくない。有名な刀工が制作した品や逸話のある品などは、名刀として扱われることが多い。
また、希少価値が高い日本刀も、名刀の1つとして高値で取引が行われている。国宝や重要文化財に匹敵する品であれば、ほぼ間違いなく名刀として扱われるだろう。
ヤフオクでの取引価格
ヤフオクに出品されている名刀の売買相場は、30万円から40万円ほど。ただ、出品されている名刀のなかには、2千万円を超える品もある。ちなみに、落札価格が40万円台になった日本刀の場合は、「貴重刀剣」として出品された品だ。「大和守安定」の銘が金象嵌で彫られており、「貴重刀剣」の認定書がついている。
大和守安定は、江戸時代に腕を振るった刀工として知られる。新選組の沖田総司も愛用していたと言われており、刀剣好きからも人気が高いのがこの刀工の日本刀だ。日本美術刀剣保存協会が発行する「貴重刀剣」の認定書がある場合、本物である可能性が高い。出品された品はやや短めの脇差であるため、40万円台という価格で取引が行われた。
また、30万円台で落札された土佐の太刀などは100件以上の入札があり、ヤフオクでも高い人気を得た品に挙げられる。この日本刀には「寿秀」の銘が刻印され、刃文の状態もはっきりと確認ができる。鍔などの拵えの部分にも風格が感じられ、出品された日本刀のなかでも名刀として人気が集まった。
その他のオークションでの取引価格
葵美術のオークションに出品されている名刀は、100万円前後のものが多い。ただ、大慶直胤の花押がついた脇差などは200万円以上の値がついている。この刀剣は日本美術刀剣保存協会の「特別保存刀剣」の鑑定書つきで、品物の質も保証されている。大慶直胤の作品のなかでもとくに優れた出来であると評価されており、高額な金額で取引が行われた。
また、130万円台の金額がついた日本刀は、無銘ながらも刀剣の流派として名高い古一文字の品であるため、金額が上がったと考えられる。鎌倉時代に一世を風靡した一文字派の日本刀は、名刀として現代でも人気がある。
オークションには業者買取にはない特徴がある
オークションの特徴
ヤフオクなどのオークションは、取引の仕方や価格の決まり方が業者の買取の場合と少し異なる。例えば、次のような点はオークションならではの特徴と言える。
- ・出品価格を自由に決められる
- ・売れるまでに少し時間がかかる
- ・落札された品は金額にかかわらず引き渡しが必要
オークションは、出品する人が自分で金額を決められるのが一般的だ。1円からオークションを開始する出品者もいるので、価格の設定は比較的自由にできる。できるだけ高く売りたいときには、出品価格を高めにするという方法も可能だ。
ただ、オークションの場合は落札をする人が1人もでてこない可能性もある。取引が終わるまで少し時間がかかる点も、場合によってはデメリットになるだろう。入札をする人がなかなか現れないときや、入札者が増えて価格が上昇しているときなどは、最終的に品物を売れるまで多少の時間がかかる。
また、落札された品は落札者に引き渡さなければならないのがオークションのルールであるため、落札後のキャンセルは難しいケースが多い。
業者買取の特徴
一方、業者買取の場合は、金額に不満があれば、売るのをやめて他のお店でもう一度査定を受けることもできる。実際、いろいろなお店で査定を受けておくことは高く売るためのコツになるので、売却の前に複数のお店で買取相談をしている人も多く見られる。
オークション、買取のいずれの方法をとる場合でも、日本刀は保存状態や鑑定書の有無などで価値変わるため、売るときにはしっかりと準備をしておこう。
まとめ
日本刀・刀剣のヤフオク・ネットオークション売買相場をご紹介した。ヤフオクよりも刀専門の買取店が行っているネットオークションの方が質が高い日本刀が多い為、相場が高い傾向にある。
また、オークションは出品する人が自分で金額を決められる一方で落札額が思ったより低い場合でも落札者に引き渡さなければならない決まりがある。複数の店舗で査定をして一番高いところへ売却できる買取とは違ってくるので、どちらが良いか慎重に検討しよう。
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