なんでも鑑定団、という番組をご存知だろうか? 誰でも一度は見たことがあるだろう。出演者が自慢のお宝を持ってきて、それを鑑定してもらう番組だ。
小さい頃から何気なく見ていた番組であるが、番組の裏では数多くの苦労がある。まずお宝が本物がどうかを正確に判定しなければいけない。もし間違っていたら、視聴者からたくさんの苦情が来てしまう。
実はなんでも鑑定団では、過去に「鑑定ミス」だと言われる事件が実際に起こったのをご存知だろうか。番組の鑑定結果に対して、一部の視聴者か「それをおかしい」と疑問を投げかけたのだ。
本記事ではその事件について記載していく。その事件が結局どのようなことになっているのかまで触れていく。
また、なんでも鑑定団へ鑑定してもらう際の手順についても紹介していく。今後なんでも鑑定団に鑑定してもらいたいと思っている方は、是非とも参考にしてほしい。
CONTENTS
こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
なんでも鑑定団とは?
なんでも鑑定団という番組を見たことがない人は少ないかもしれないが、念の為番組の概要を載せておく。なんでも鑑定団がなぜ人気番組となったのか、その理由についても推測していく。
なんでも鑑定団は25年以上続く長寿番組
なんでも鑑定団はテレビ東京で放送されている番組だ。1994年から放送されていて、現在では毎週火曜日の20時54分から放送されている。
もともとこの番組は「家宝鑑定ショー」という番組の内容をリメイクしたものである。そのときから、司会は島田紳助が行っていた。
今でこそ人気番組の一つとして数えられているが、なんでも鑑定団は最初は視聴率が低かった。番組の内容的に地味に映ってしまうのが原因であったかもしれない。
しかし根気よく放送を続けていくうちに、徐々に視聴率が伸びていった。様々のジャンルのお宝に対して鑑定士が値段をつけていくという形態が、少しずつ茶の間に受け入れ始めたのである。
ちなみになんでも鑑定団の現在の平均視聴率は12%である。テレビ東京の番組としてはかなりの高視聴率だ。恐らく今後も番組は継続して放送されると思われる。
視聴者の予想を裏切る鑑定結果か番組の見どころ
なんでも鑑定団の見どころは、なんといっても視聴者の予想を裏切る鑑定結果であろう。
一件すると価値が全くないように見えるものが、実はプレミアだったりして、高額がつけられることがある。印刷ミスのお札など、何の価値がなさそうなものが実は貴重なものであり、鑑定士に大きく評価される。
最近ではポケモンカードのコレクションに対して予想を遥かに上回る高額がつけられていて話題になった。
その逆でものすごい価値のありそうに見えるものが、低額だったりすることもある。偽物だったり、どこにでも販売されているものだったりした場合、鑑定額は大幅に下げられてしまう。
鑑定前には、鑑定を依頼した出演者が「自分のお宝の予想金額」を発表する。その金額ぴったりであることもあれば、全く見当はずれであることもある。鑑定額に対する出演者の反応も番組を面白くしていると言えるだろう。
また、お宝に対する司会書やゲストの感想も面白い。お宝を鑑定するという地味な番組内容にも関わらず、出演メンバーは華やかであることが多いため、番組全体は明るい雰囲気で纏まっている。
2016年より番組内容をリニューアル
なんでも鑑定団は2016年より番組内容をリニューアルした。と言っても、中身はそこまて変わってはいない。司会の今田耕司も属役である。
吉田真由子が降板し、変わりに福澤朗が司会となった。司会が今田と福沢の二人で、女性がいないということで片渕茜アナをアシスタントに起用した。
偽物の声が上がった「国宝・曜変天目茶碗」
さて本題に入ろう。なんでも鑑定団では一度、「鑑定したお宝が偽物ではないか」という声が上がった。そのお宝は、「国宝・曜変天目茶碗」というものだ。このお宝には、なんと2,500万円という値段がついた。これまで番組でた金額の中でもかなり高額な方である。
しかし番組で提示された国宝・曜変天目茶碗は、本物とは見た目が異なる部分があるという指摘があった。
国宝・曜変天目茶碗とは?
国宝・曜変天目茶碗とは何であろうか。曜変天目とは南栄時代の中国・福建省で制作された陶器である。
曜変天目茶碗は現在、完全な状態では世界で3つしか存在しておらず、いずれも日本に存在する。
- ・藤田美術館
- ・静嘉堂文庫美術館
- ・大徳寺龍光院
この3つの場所にそれぞれある。全て国宝ということにされており、言わずもがな貴重品である。曜変天目茶碗は天目茶碗のうち最上級とされるものである。器の内側には星のような斑文が散らばっており、「器の中に宇宙が見える」などと評されている。
この器の作者は現在不明。日本では室町時代から最高峰として位置づけられている。しかしこの曜変天目茶碗は、色々と謎が多い。
まず二度と焼かれていないのはなぜなのか判明していない。更には、中国で作られた茶碗なのに、なぜか3つとも日本に存在する。一応中国にも存在するが、全て欠けてしまった状態であり、完璧なものはない。
そんな謎が多い国宝の曜変天目茶碗に新たな4つ目のものが存在したとなれば、反響を呼ぶのは至極当然のことである。
鑑定したのは中島誠之助
曜変天目茶碗を鑑定したのは中島誠之助という人物だ。中島は日本の鑑定士であり、なんでも鑑定団ではレギュラーを務めている。
穏やかな口調で人気を集めており、鑑定を依頼した出演者に優しい言葉をかけることで評判が高い。更にはタレント業としても活躍し、声優活動まで経験があるという。
曜変天目は偽物?
曜変天目が偽物だと言われているのには、いくつか理由がある。
- ・陶器の外側に曜変天目にはない斑紋がある
- ・内側の斑紋の色合いは、18世紀以降に開発された顔料が使われている
- ・曜変天目には『供御』の文字が記されたものは一つもない
これらの指摘は番組を拝見した専門家の意見である。曜変天目は、斑文に特徴がある器であるからか、斑文に対する指摘が多い。斑文は本来のものにはない種類のものがあるという指摘や、斑文の色合いがおかしいという指摘が寄せられている。更には曜変天目に書かれた文字がおかしいという指摘もあった。
しかしいずれの指摘も、曜変天目が偽物であるという確実な証拠にはならない。番組には多数の苦情は寄せられたもの、裁判になったりはしなかった。
偽物だという指摘に対する反論
曜変天目が偽物だという指摘に反論する声もある。曜変天目に関するある調査が行われた。物質に含まれる元素を検出する「蛍光X線分析装置」を利用して、器表面の色ごとにX線を当てる。そして元素の種類と量を調査するという内容だった。
結果、器のどの色にX線を当てても、だいたい同じ成分が検出された。使われた釉薬は1種類だとということである。この調査内容から寄せられた指摘は誤りであると反論した。
だがこれだけでは、まだはっきりとしない。分析方法も良くない、という指摘もあった。しっかり調査するなら、中国で作られた陶器の成分との比較が必要という声もあった。
結局、曜変天目が本物かどうか、真相は未だはっきりしない。いずれの主張も根拠が足りず、本物であるとも偽物であるとも断言できない状況になっている。
特に訴訟されたわけではない
誤解を招かないように言っておくが、曜変天目のトラブルに関しては別に訴訟された訳ではなく、番組に苦情が寄せられただけである。
曜変天目を鑑定した中島も番組に出演し続けているし、特にキャリアに大きく影響を及ぼした訳ではないと思われる。
そもそも鑑定結果が間違っていたかどうかは分からない。特に問題はなかった可能性もある。
特に他にトラブルは起こっていない
なんでも鑑定団では、これ以外に特に視聴者から「鑑定結果が間違っている」という指摘が寄せられたことはない。なんでも鑑定団はこれまで数多くのお宝を鑑定している。にも関わらずトラブルを一度しかないのは凄いことだと言えるのではないだろうか。
視聴者に対してもお宝の価値を十分に説明した上で鑑定をしているため、トラブルが起こりにくくなっていると推測される。本来お宝の価値は鑑定士によっても差額が大きくでることがある。誰しもが納得できる鑑定結果を出すのは難しい。
なんでも鑑定団に鑑定してもらう方法
本記事を読んで「なんでも鑑定団に鑑定してもらいたい」と思った人のために、なんでも鑑定団に鑑定してもらう方法についてご紹介しよう。
番組への応募方法には、以下の2つの手段がある。
- ・Eメールでのご応募
- ・封書でご応募
Eメールでのご応募
Eメールで手軽に応募ずることも可能である。公式サイトに書かれた注意事項を読み、下記の必要事項を記入し、お宝の写真を添付すれば良い。
- ・お名前
- ・性別
- ・年齢
- ・都道府県
- ・電話番号
- ・ご職業
- ・メールアドレス
- ・鑑定を希望する品
- ・依頼品のエピソード、売りたい理由
件名は「一般鑑定依頼」と書く必要がある。
封書でご応募
封書で応募する方法もある。注意事項を読み、先程と同じ必要事項を記入し、お宝の写真を添付する。メールだと不安な方は、封書で応募しよう。
応募の際の注意事項
応募する際にはいくつか注意事項があるので説明する。
まず一回の応募につき、お宝は何点も応募できる。業者に鑑定を依頼するときもそうなのだが、纏めて鑑定して貰った方がコレクターの目を引き鑑定額がアップすることがある。似たようなお宝がいくつかあるときは纏めて依頼した方が良い。
当然だが、応募したからといって必ず番組に呼ばれる訳ではない。落選する可能性もある上に、落選時には特に連絡はいかないから注意だ。また落選しても落選理由に関しては、問い合わせはできない。
落選した場合は諦めて、業者に売ることを考えた方が良いだろう。業者に査定して貰えば、「なぜこの金額なのか」ということを丁寧に説明してもらえる。
お宝の写真についての注意点
応募する際には、お宝の写真を撮る必要かある。お宝の写真は、お宝全体とお宝の特徴的な部分をはっきりと写す必要がある。陶芸品に関しては、底面の銘柄や印などを強調した写真にするのが良いだろう。
写真の出来不出来は恐らく選考にも関わるだろうから、慎重に行おう。
また写真には付属品も載せるようにしよう。お宝の箱なども別で写真を撮るのが良い。
切手やコインといった小さい物は、どんなものか分かるように大きく写そう。
お宝に関するエピソードを書く必要がある
なんでも鑑定団は応募する際に、お宝のエピソードについて記載する必要がある。ただ単にお宝の価値が知りたいというのは、不採用になる可能性が高い。
お宝を手入れたきっかけや、お宝に対する思い入れ、鑑定しようと思った理由などなど、お宝に関する様々なエピソードを書こう。
熱意が感じられれば、採用される可能性が高まるかもしれない。少し面倒くさいかもしれないが、エピソードはしっかり書く方が良いだろう。
なんでも鑑定団の鑑定基準
最後になるが、なんでも鑑定団の鑑定基準をご紹介する。これらの鑑定基準は基本的なことであるため、普通の買取業者とそこまで差がない。
お宝を鑑定してもらうなら、最低限これらの鑑定基準は頭に入れておくようにしよう。
- ・名前は本物の書体か
- ・傷が付いていないか
- ・箱や蓋などの付属品はあるか
- ・保管状況は良好か
- ・購入場所はどこか
これらの条件が一通り揃っていると高額になる可能性が高まる。なんでも鑑定団は番組内で鑑定のポイントをある程度解説してくれるので、そこに注目してみよう。他にも鑑定のポイントが見つかるかもしれない。
応募する場合は、これらの基準を考慮して写真やエピソードを送るようにしよう。
まとめ
いかがだっただろうか。本記事ではなんでも鑑定団での鑑定ミスがトラブルや訴訟に繋がったことがあるかどうかについて解説した。
なんでも鑑定団ではトラブルになったことは一度あった。しかし、お宝が本物だったかどうかは未だ分かっていない。あれだけ多くの数を鑑定しても一度しかトラブルが起きてないのは、むしろすごいと言えるだろう。
本記事を読んで番組で興味を持った方は、自慢をお宝の写真を撮って応募してみてはいかがだろうか。もしかしたらテレビに出られるかもしれない。