平成に活躍した日本画家を代表する存在とも言える大山忠作。その作品の売却を考えている人は、買取価格の相場が気になるところだろう。この記事では、大山作品の中古市場での買取相場と合わせて、作品をさらに高値で売るためのコツなどを紹介していく。
大山の略歴や作風なども解説するため、大山本人に興味がある人にも参考にしてもらえたら幸いだ。
本記事のポイント
- 大山忠作は、文部大臣賞や日本芸術院賞受賞など数多く受賞している画家
- 人気があるモチーフは?

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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
日本画家・大山忠作とは
大山忠作は昭和後期から平成にかけて活躍した日本画家である。1922年に生まれ、2009年に没した。精緻な描写力で花鳥風月や宗教的題材などのモチーフを描く作風が高く評価されている。
文部大臣賞や日本芸術院賞受賞などの受賞も多い。福島県の二本松市には、大山忠作美術館も設立されており、没後の現在も多くの愛好家が訪れている。
大山忠作の日本画の特徴と画風を紹介
大山忠作の日本画が持つ価値を適正に判断するには、その絵の特徴を知る必要がある。ここでは5つの作品をもとに、大山忠作の日本画の特徴を説明する。
游鯉
大山忠作の作品には、2匹の鯉が登場するものが多い。正光画廊のホームページでは、作品は「最も得意とした悠然と泳ぐ2匹鯉の作品」と評価されている。このような評価からも、大山の日本画を象徴する作品の1つと言えるだろう。
双鯉
上の「游鯉」に次いで、2匹の鯉が泳いでいる作品である。朱色と白の、日本庭園の池などでよく見かけるオーソドックスな色合わせの2匹鯉だ。こちらは「游鯉」とは異なり、日本画ではなくリトグラフである。
限定200部という条件で刷られているため、手元にこの作品がある人も比較的多いと言える。
飛翔
大きな羽を広げて空を舞う2羽の鶴を描いた作品だ。日本画らしいモチーフとタッチであり、王道的な日本画を好む人に受け入れられやすい作品だろう。技法はリトグラフを用いている。
赤富士双鶴
「飛翔」と同じく2羽の鶴がモチーフになっているが、こちらのメインはタイトル通り赤富士である。富士山が朝焼けか夕焼けによって赤く染まっている。その景色をバックに2羽の鶴が羽ばたいているという図だ。
この技法もリトグラフで限定200部である。制作は2009年で、大山忠作のキャリアのなかでも最晩年に描かれたものだ。
明けゆく富士
「赤富士双鶴」と同じく、富士山がモチーフとなった作品だ。タイトル通り明け方の富士山を描いている。こちらに鶴は登場しない。
大山忠作はこのように富士山を単独で題材にした作品を多く描いている。その他に、富士山を描いた絵では「暁富士」などがある。
大山忠作の作品の買取価格をチェック
大山忠作の日本画を売却しようと考えていたら、やはり値段が一番気になるだろう。業者による買取価格は当然公表されていないが、販売価格やネットオークションでの落札価格はわかる。ここでは、これらの値段を買取価格の参考データとして紹介していこう。
データは2019年6月25日時点のものであることに留意されたい。
ヤフオク
Yahoo!オークションでは、大山忠作の作品が多数出品・落札されている。落札されたもので、特に価格が高いものを抜粋すると下記のとおりだ。
- ・花菖蒲…234,700円
- ・游鯉…180,000円
- ・鉄線花宮地…161,500円
15万円を超える作品が多数あり、なかには20万円を超えるものもある。これらは出品価格ではなく実際に落札された価格だ。つまり、同レベルの人気がある作品なら、今後もこの水準の値段で売れる可能性があるということだ。
ミライカ美術
買取価格
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許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
買取業社であるミライカ美術では、大山忠作の作品ページが設けられている。いくつかの作品が紹介されているが、その中でも、「洋上旭」は買取相場を25万円として紹介している。「コントラストを強く付け絶妙な構図で描かれた傑作」ということで、高く評価され高額で扱われている作品の1つであることがうかがえる。
おいだ美術
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
銀座で絵画販売・買取を営む老舗の画商であるおいだ美術も、大山忠作の日本画を多数取り扱っている。この記事の執筆時点では、11作品中10作品が売約済みであり、値段は記載されていない。しかし、1点だけ「散華 紅葉」が販売中であり、この値段は48,600円だ。
日本画だが、技法は木版画である。ジャンルは版画とされることもあるだろう。サイズは縦が16.8cm、横が12.5cm、額装代は別途となっている。
ギャラリーダッドアート
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
有限会社ダッドアートが運営する、創業37年の卸専門画廊がギャラリーダッドアートである。同店のホームページでも大山作品が多数取引されている。この記事の執筆時点ではすべて売却済みだが、発表価格を見ることは可能だ。
作品ごとに下記のようになっている。
- ・游鯉…260,000円
- ・朱富士…260,000円
- ・双鯉…280,000円
発表価格ということで、実際に販売された価格は異なる可能性がある。これは「卸専門」という事情も関係していると考えられる。しかし、Yahoo!オークションでの落札価格と比較しても、それほどかけ離れているわけではない。ある程度上記に近い価格で売買されたと考えていいだろう。

SHINWA AUCTION
多くの絵画を扱っているシンワオークションでは、大山忠作の落札事例が存在する。作品ごとに下記となっている。
- ・富士翔鶴…380,000円
- ・八重桜…260,000円
- ・游鯉…220,000円
買取業社の利益を想定した査定ではないため、買取業社の買取価格と比べるとやや高額になる傾向が見える。とはいえ、落札形式のため、必ずしも高額な買取になるわけではない。ここから手数料などが差し引かれるはずだ。
大山忠作の作品を高値で売るための4つのポイント
現代日本画の巨匠である大山忠作の作品は、単純に売るだけでも高値で売却できるものだ。しかし、高値で売るためのポイントをおさえておくことで、さらに高い値段でも売れる可能性がある。ここではそのようなポイントを4つ解説しよう。
版画・リトグラフは「同じ作品が売られていない業者」に売る
大山忠作の作品には、リトグラフと版画が多い。特にこの記事で紹介している鯉や富士山の絵はリトグラフが多い。こうした作品は限定200部などの条件で、多数刷られている。
そのため、買取業者に売ろうとしたら「その業者のページで同じ作品がすでに売られている」ということもあるだろう。このような場合、業者の在庫のなかで供給過剰となってしまい、買取価格が下がる恐れがある。そのため、別の業者に売るほうが高値になることが多い。
必ずしもそうとは限らないが、別の業者の査定も合わせて受けることは、かなりの確率でプラスになると言えるだろう。
他の作品とまとめて売る
先述のとおり、大山作品は版画やリトグラフが多いため、手元に複数の作品がある人もいるだろう。その場合、それらの大山作品をまとめて売ることで、一つひとつの価格がさらに上がる可能性がある。理由の1つ目は「業者が買い手の多様なニーズに対応しやすくなる」ことだ。
絵を買う人々の目的や嗜好はさまざまである。たとえば、インテリアの都合で「大山忠作の鯉の作品を5点買いたい」などのニーズもあるだろう。そのとき、鯉の作品がそろっていなければ、その買い手を逃してしまう恐れがある。仮に5点あっても、その5点が買い手の好みに一致するとは限らない。逆に10点ほどあれば、買い手が望む作品をすべて自社で売れる可能性が高まるだろう。いわば「品ぞろえのいい業者」になれるため、作品のまとめ売りは多くの業者が歓迎しているのである。
理由の2つ目は「多く仕入れて売るほど業者の利益が増える」ためだ。これは単純な計算で、業者は絵を1回売るたびに利益が出る。その回数が多いほど年間の利益が増える。その回数を増やすためには、まず仕入れを増やさなければいけないということだ。仕入れることは業者にとって一時的には出費となるが、計算通りに売れれば最終的には利益になる。そのため、仕入れは「多ければ多いほどいい」のが原則がある。加えて、出張買取などの場合、多くは買取業社が費用を負担しているため、同じものを買い取るのであれば回数が少ない方が負担が少ないのは当然のことだ。
こういった事情から、まとめ売りによって値段が高くなることが多い。ただ、現時点で仕入れの資金が足りない業者だと、逆に安くなってしまうこともあるだろう。逆効果になってしまった場合は、他の業者でも査定を受けることをおすすめしたい。>なお、まとめ売りは大山作品だけでなく、他の画家やアーティストの作品を一緒の場合にも効果を期待できる。
できるだけ多くの業者から査定を受ける
大山忠作の日本画に限らず業者に何かを売るのであれば、可能な限り多数の査定を受けるのが鉄則だ。1社や数社では、それぞれの業者が適正価格を提示してくれているのかわからない。しかし、5社以上など多数の業者で査定を受ければ、おおよその適正価格が見えてくるだろう。取引の途中で価格を変更するような業者でなければ、そのまま査定価格が一番高いところで売るのがいい。
自分で出品する場合はサインなどを確認しヤフオクなども活用する
多数の業者で査定を受けて、それでも満足できる買取価格を提示されなかった場合、自分で直接売るのも悪くないだろう。その場合は、ネットオークションやフリマアプリなどのツールをできるだけ多く活用しよう。手数料が高いものはあまり試すと赤字になってしまうが、手数料が無料か格安のものであれば、複数試すことのメリットは大きいと言える。
ネットオークションなら、定番はやはりヤフオクである。フリマアプリはメルカリやラクマを使うのがいいだろう。大山忠作の作品も含めて、日本画をフリマアプリで買う人は少ないと思うかもしれない。
しかし、インターネットが登場した頃、おそらくネット全体に対して同じことがいわれていただろう。今はネットで高額の美術品を売買することは当たり前になった。フリマアプリでも今後、日本画のような高額商品を売買することは一般的になっていくと想像できる。手数料の安いアプリなら試してもリスクはほとんどないため、気軽に利用してみるといいだろう。売却の際には、サインや付属品も確認しよう。

LINE査定に対応している買取業社
大山作品を高値で売る方法を紹介してきたが、やはり一番重要なのは「そもそも高値で買い取ってくれる業者に出会う」ことだ。ここでは、大山作品に関してそのような期待をできる業者を紹介する。
【ヒカカクおすすめ店】総合美術買取センター
買取価格
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手数料
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ウイルス
対策
日本画や版画、洋画などのメジャーな絵画にとどまらず、中国美術などのさまざまなアートを積極的に買い取っている業者が、総合美術買取センターだ。同社は公式サイトで「取り扱い作家一覧」をまとめているが、このなかに大山忠作も入っているのである。この作家一覧に名前がない画家でも同社は買い取っている。
これは「買取可能」という意味にとどまらず、積極的な買い取りをしてくれると期待できる。また、大山作品のジャンルは日本画と版画がメインだが、同社はどちらのジャンルでも豊富な買取実績がある。その点でも作品を高値で売りやすいだろう。
LINE査定や訪問査定など、あらゆる方法で査定を受けられるため、忙しい人でも利用しやすい。査定は無料となっているため、相場を知るために一度気軽に申し込んでみてはいかがだろうか。
アート買取協会
買取価格
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ウイルス
対策
絵画を売るという経験は、人生のなかでそれほど多いものではない。「今回初めて検討している」という人もいるだろう。そのように初めて絵画を売る人に特におすすめできる業者がアート買取協会だ。同社は公式サイトのトップページで「選ばれている理由」を掲載しており、その1つ目が「初めてでも安心のサポート」となっている。強みの1つ目でこの点を強調するほど、絵画売却の初心者にやさしい業者ということだ。同社は東京や名古屋、大阪や福岡など、全国の各地に営業拠点を持っている。
どの地域に住んでいても出張査定を無料で受けられるため、自宅にいながら大山作品の売却が可能だ。この点で、忙しくて時間の余裕がない人や、絵画を持ち込んで売却するための足がない人などにもおすすめできる。このように、多くのメリットがあるため、大山作品で初めての絵画売却を考えている人は、同社のホームページをチェックしてみてはいかがだろうか。
出張買取に対応している買取業社
古美術 永澤
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ウイルス
対策
出張買取を行っている古美術永澤は、掛け軸・絵画・茶道具・中国美術・陶器・仏像・勲章・軍装品・書道具・彫刻・古銭など幅広く買取を行っている。絵画においては、日本画家の大山忠作の紹介ページがあり、人物紹介や略歴が紹介されている。代表作として「五百羅漢」「池畔に立つ」をあげており、大山忠作の作品を高く評価している。創業25年の豊富な買取実績があるため、安心して依頼できるのではないだろうか。
本郷美術骨董館
買取価格
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ウイルス
対策
40年以上も買取を行っている本郷美術骨董館は、鑑定力を評価され、大企業はもちろん、国税庁や東京都などの公官庁からも査定・買取の依頼があるという。高く評価されているために、多くテレビ出演をしているだけでなく、美術骨董品の買取件数日本1(帝国データーバンク調べ)という実績も誇る。定期的に、無料鑑定会を開くほどの規模である点も、特徴的だろう。
まとめ
大山忠作の作品に限らず、自分が持っているアイテムの価値を正しく知ることは確実にいいことだ。売るにしても持ち続けるにしても、正しい価値をわかっているほうが的確な判断をしやすいだろう。そのような情報を得るための手段として、大山作品を気軽に見積もりに出すことをおすすめしたい。もし高値がついたら、そのまま売却するのもいいだろう。