現状の日本の消費税は8%だが、日本で金を購入するとこの分の消費税が掛かってしまう。そこで、金に消費税が掛からない、もしくは消費税の安い国で金を購入すれば消費税分金が安くなるのでは、と考えるのは自然なこと。実際、消費税分金は安くなるが、果たして本当にお得なのだろうか。
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台湾から金を日本に持ち込む場合、お得になるの?
台湾在住の方は日本に金を持って帰ってくる必要はないが、日本に住んでいる方の場合、台湾で購入した金を持ち帰る必要がある。そこで考慮すべきことは、関税だ。関税の対象になれば、かえって損をする可能性もある。
消費税の差額分が儲かる
まず台湾の消費税は5%で、これは金を購入する際にも掛かってくる。一方で日本の消費税は8%なので、単純計算すれば3%分得をすることになる。3%と言えば小さいように思えるが、購入価格が大きくなれば当然3%と言えど馬鹿にできない。
たとえば、1億円分金を購入すれば、3%は300万円。300万円はかなりの大金なので、この金額を得をするなら日本で金を購入するよりも台湾で購入して日本に持ち込んだ方が良い。
台湾から日本への持ち込み上限額は20万円
しかし、残念ながらそれはできない仕組みになっている。20万円を超えて日本に持ち込む場合、課税対象になり、日本で購入するよりもむしろ損になるのだ。結局のところ、台湾から日本に持ち込める金の上限は20万円分までということになる。
また、この20万円は金だけでなく持ち込む物全部の合計金額となっている。たとえば台湾でお土産を5万円分購入していた場合、金を持ち込めるのは20万円-5万円=15万円となる。仮に20万円分フルで台湾から金を持ち込んだとすると、20万円×3%=6,000円の消費税がかかる。
たった6,000円と思うかもしれないが、たった6,000円。6,000円が少額というわけではないが、わざわざ海外まで行って金を買ってきて6,000円ではどう考えても割に合わない。
労力だけでなく当然移動費なども掛かってくるので、金を買ってくることだけを目的に台湾に行くのであれば、確実に赤字である。消費税分で得をするのは難しいのだ。
金の価格は通貨相場で決まる
消費税分で儲けようと思っても、あまり大きな金額にはならないということだった。結局台湾で金を買っても無意味なのだろうか。結論としては、多少台湾で購入した方が得な場合もある。
海外から金で儲けるのはむずかしい
金の価格はその国の通貨相場で決まるが、台湾は比較的金相場が安い。消費税分で儲けるのではなく、単純に金が安いということになる。そうは言っても台湾に行ったり輸入するほどの価格差ではないので、結局金を海外から日本に持ち込んで儲けるのは難しいようだ。
密輸業者の逮捕は後をたたない
消費税が増税された際には、消費税分儲けるために金密輸する業者や個人が増えた。結局のところ合法分で持ち込んでも儲けにならないので、本格的に儲けようと思うと密輸するしかなくなる。
もちろん、密輸した業者から逮捕者が多数出ているので消費税分で儲けることや、そもそも輸入によって儲けようとすることは辞めた方が得策かもしれない。
金投資にはどのような種類がある?
海外から金を持ち込んで儲けるのは難しいということだった。旅行のついでに購入して少しお得、といった感じだ。健全に金投資していくなら、国内で購入することをおすすめする。しかし、いざ金投資すると言ってもいくつか種類がある。
金投資の種類を紹介し、またそれぞれのメリットやデメリットについても解説する。主な金投資には以下の種類がある。
- ・純金積立
- ・金地金
- ・地金型金貨
- ・金ETF
- ・金商品先物取引
- ・金CFD
純金積立
このなかでも特に初心者におすすめなのは純金積立だ。月々1,000円から始めることが可能で、ローリスク。テレビコマーシャルでも純金積立コツコツと言われているが、純金積立は長年かけてコツコツ積み立てるものになる。
金地金
金地金とは、金の延べ棒のこと。金と言われれば真っ先にこの延べ棒をイメージする方が多いのではないだろうか。金地金は価格の変動が緩やかなのでローリスクだが、リターンもそれほど多くない。また、保管にコストが掛かることがデメリットと言えるだろう。
金貨
金貨には収集型金貨と地金型金貨の2種類があるが、収集型金貨とは希少価値や骨董価値により高額で売買されているものだ。一方で地金型金貨は金地金の時価相当分に少額の上乗せ金を加算した時価で売買されるもの。金地金に比べると少額から購入可能だがスプレッドが大きい。
金ETF
金ETFは、金価格に連動した上場投資信託のこと。一般的な投資信託では株や不動産を中心にプロが資産運用するが、金ETFではプロが金商品を選んで投資する。ミドルリスクミドルリターンの投資方法だ。
金商品先物取引
金商品先物取引は、先物取引の商品が金ということ。そういう意味では、他の金投資とは異なる。先物取引は将来のある時期における商品の売買を約束する取引になる。
金CFD
金CFDは金先物取引とほぼ同じだが、より大きいレバレッジが掛けられるようになっている。その分リスクはあるが先物取引よりも少額から始めることが可能で、ハイリターンが期待できる。
どの金投資を選ぶ?
金投資の種類や概要を紹介してきたが、結局どの金投資を選択すれば良いのだろうか。もちろん投資する人の資産状況、許容リスク、期待リターンなどによって変わってくる。あくまでも一例だが、要望ごとにパターン分けしておすすめ商品を紹介する。
金に興味を持ち、とりあえず金投資にチャレンジしてみたい方
とりあえず金を持ってみたいという方は、純金積立がおすすめ。投資のプロから初心者まで幅広く取り入れている投資方法で、ローリスクローリターンな投資だ。
ミドルリスクミドルリターンである程度本格的に投資したい方
株やFXや不動産投資の経験があり、金にも投資していきたいといった状況の方は、金ETFがおすすめです。金ETFは投資信託と同じ仕組みで、プロが具体的な商品を選定して投資してくれます。
実物投資をしたい方
数字上のやり取りだけでなく、実物を保有したいという方は、金地金がおすすめだ。金地金は保管コストが掛かり必ずしも効率的とは言えない。余剰資金があり、金を保有したい方にベストだ。
少ない手持ちで最大限のリターンを狙いたい方
金CFDはレバレッジを掛けて投資することが可能なので、最大20倍まで倍率アップして投資することが可能だ。リターンを最大化することが可能な反面、もちろんリスクも高い。投資上級者向けの投資と言えるだろう。
金投資のメリット・デメリット
金投資を他の投資商品と比較した場合、どのようなメリット・デメリットがあるのだろうか。
リスクが最小限
まず金投資の前提として、リスクへの備えという発想がある。株価が下落した際にも、金の下落幅は小さい。たとえば、2000年代前半のITバブルの崩壊やリーマンショック時にも金の相場は安定していた。これは金の大きなメリットと言えるだろう。
金価格が安定している理由の一つに、インドや中国の経済成長による需要拡大がある。また、ユーロの経済危機が危惧されているが、通貨への不安が高まると金への出資に動く可能性もあるだろう。
また、当然金は無国籍通貨なので、特定の国の政治リスクや経済リスクに左右されることもない。リスクが少ない投資なので、投資の相場観を養う練習として金に投資するのも良い。
利息がないので保管にリスクがある
ただし、金にもデメリットはある。それは、金自体に利息がないということである。また、現物で保管する場合は保管コストや紛失・盗難といったリスクがある。
金投資は儲かるの?
金投資には複数種類がある、金は有事の際に強い、といったことを紹介した。では、結局のところ金投資は儲かるのだろうか。結論としては、大きく儲けたいのであれば金以外の金融商品に目を向けた方が良いだろう。
金は「守りの資産」と言われている
レバレッジを掛けて金投資するような商品も紹介したが、それでも株やFXや不動産に比べると大きく儲けることは難しい。金は有事の際に強いということからも、守りの資産と呼ばれることが多い。つまり、資産を積極的に増やすというよりも、資産を守る観点から金に投資するという発想だ。
金投資は資産価値が上がることを期待して購入するよりも、資産価値が下がらないことを期待して購入する人が多いのだ。また金はそれ自体が付加価値を生むものではないので、持っているだけで儲かるというものではない。
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金を国内で買っても海外で買っても大きく儲けるのは難しい
金を台湾で購入しても日本で購入しても、基本的には守りの資産運用である。消費税分や通貨レートの違いから多少の儲けが発生することもあるが、あまり期待はできない。どこの国で購入しても大差ないということであれば、住んでいる日本で購入するのがもっとも効率的になる。
金投資で守りの投資をしつつ儲けたいのであれば、その他の投資商品にも目を向ける必要がある。具体的には、株、FX、仮想通貨、不動産などだ。
仮想通貨が注目されている
現在は仮想通貨バブルで、急速に注目度が高まっている。現在レートは右肩上がりで、その傾向は今後しばらく続くだろう。攻めの資産運用を行いたいのであれば、金だけでなく特に仮想通貨にも注目した方が良いだろう。
金が守りの資産運用であるならば、仮想通貨は攻めの資産運用である。それぞれの役割を把握したうえで投資戦略を進めていくと攻守揃った運用になる。
まとめ
台湾で金を購入すれば消費税3%分得だが、20万円分までしか持ち込みできないので、結局はそれほど儲からないということだった。旅行のついでに数千円お得になるのは良いが、金を購入するためだけに台湾に足を運ぶのは明らかに赤字となる。
そして、金投資はそもそも守りの資産運用だ。大きく儲けるというよりは資産価値を守るためのものなので、儲けるための資産運用とは分けて考えると良いだろう。



