銀を金やプラチナのように運用資産として活用している人にとって、気になるのが価格推移や現在の相場だろう。売却価格の特徴も金やプラチナと異なり、国や時期によっても大きく変わってくるため、銀の売却を検討するならば、過去の銀相場や価格推移を知っておくことは非常に大切である。
今回は銀の価格の相場や2009年から2019年の10年間の価格推移を比べ、今後どうなっていくのか紹介していこう。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
銀の特徴
銀は金と比較すると、非常に安価であり、一部の海外投資家を中心として人気は高い。金は価格が高いが銀は安価なことから金に手が届かない人でも小口で投資できることから、値動きも金に似る傾向がある。
しかし、市場規模そのものが小さいことや安価な理由から、金よりも値動きが大きいという特徴がある。過去にも、投資家であるウォーレン・バフェット氏によって買い占められたことで、銀の価格が大幅に上がったということもあった。
銀は工業分野でも多様な需要がある
銀の需要は工業用が約6割で、半導体などの電子材料分野などさまざまな分野で使用されている。写真はデジタル化によって需要は激減したが、新たに太陽光発電などの新しい需要も生まれている。
つまり、需要によって値幅が変わる、ということである。銀は工業需要によって価格が左右されるということであり、これが金と大きく異なる点である。金は経済が危機状況となったときに安全な資産として買われ値が上がる。銀と金とでは対照的な価格変動がある場合があるのだ。
ベースメタルとして使われる銀
銀の生産地は、メキシコ、ペルー、中国など世界中の広い地域で採取されている。銀のみを目的として採取されるというよりも、鉛や亜鉛、銅など他の鉱石の副産物として生産されることが多くベースメタルと呼ばれ、それらの需給も銀の相場に影響がある。
銀は金との価格差が66分の1
金と銀とでは価格差が非常に大きく、国内価格はおよそ66分の1となっている。銀は生産量が多く、希少性のある金と比べ価格差は大きい。この価格差は、長い歴史の間に生まれた価格差で、これも銀相場のひとつの指標になるといえるだろう。
2009年から2019年5月までの10年間の銀の価格・相場推移
では、現在の銀の相場とともに、10年間の価格と推移をみていこう。銀は10年前と比較すると平均値は上がっているものの、ここ10年は相場はあまり変動がない。つまりは安定しているかのように見える、ということである。
これは太陽光パネルの生産と大きく連動している。太陽光発電はこの10年の間に需要が拡大し、現在、世界最大の太陽光パネルの生産国は中国である。過去には日本が太陽光パネルの最大の生産国であったが、中国の過剰な生産、低価格によって形勢は逆転しているのである。
この太陽光パネルの生産によって、銀相場は大きく値上がりしたのだが、再生エネルギーに大きな興味を持っていたオバマ大統領から再生エネルギーに全く興味のないトランプ大統領に変わったことで、再生エネルギー業界は一変してしまう。今後の銀相場もアメリカによって大きく左右するのではないかと考えられる。
太陽光パネルの生産により10倍となった銀相場
銀は2009年より前に2008年くらいから相場が上がり始め2011年1月には価格が大幅アップしている。その上昇値は1990年ごろと比較し、10倍以上にもなっている。
これは太陽光ビジネスのブームによって、投資家であるウォーレン・バフェット氏が銀の年間供給量の20%を買占めたという発言によるものではないかといわれている。その後、2013年に大きく下落し、現在は日本国内ではグラムあたり60円前後で動いている。
2019年5月の銀の価格と相場
フジデンタル株式会社の相場推移表を見ると、現在の銀相場(2019年5月10時点)で55円~57円台のようである。
※引用元:フジデンタル株式会社
ここ価格帯は2019年1月から相場を維持しているようであるが、5月に入ってからはじわじわと相場は下がっているようである。
2009年5月の銀の価格と相場
今からちょうど10年前の5月の銀の相場と推移を同じくフジデンタル株式会社の相場表を見ると今よりも約10円低い45円台であることがわかる。
※引用元:フジデンタル株式会社
今後、銀相場が上がる見通しは?
銀相場は今後も上下の変動はあると考えられるが、相場が60円台以上になる可能性は低いと予測される。銀の需要が増えない限りは銀相場が上がることはない。
太陽光パネルのように、他の事業において銀の需要が大幅にアップすれば、銀の相場も上がるだろう。しかし、現在、銀は工事用や電気工事などに使われることが多く、アクセサリー等もあるが、他の事業において銀の需要が高まれば相場も上がっていくだろう。
銀の売却の2つの方法
このように銀の相場は銀の需要が高まらなければ上がることはない。そのため、銀相場が安定している今のうちに売って現金化したいと考えるのも当然である。今持っている銀を高く売りたいと考えるのであれば、まずは含有量を調べることから始めたい。というのも銀が高く売れるかどうかは、含有量によって決まるからである。
銀は純度が999と925の2種類がある。999は99.9%の銀の純度を示し、925は92.5%の純度を示している。金と同じように、純度が高いほうが高く売れるため、99.9%の銀製品は高く売れる。銀製品のほとんどのものに銀の含有量の記載がある。例えば、Ag999、SILVER999などの刻印があれば純度99.9%の製品ということになる。
このことを念頭においた上で、銀の売却を考えた時には以下2つの方法がある。
- ・銀の取り扱い専門の買取店に依頼をする
- ・アクセサリーや貴金属の取り扱いを行う買取店に依頼をする
この2つの方法について順に紹介しよう。
銀の取り扱い専門の買取店に依頼をする
銀を専門に取り扱う買取店に査定依頼をすることで、買取の適正価格を知ることができる。銀の取り扱い専門の買取店は1社に限らず、複数者あるため、少なくても3社以上に査定依頼をし、一番高い価格で買取を行う買取店を探してほうが、無駄もなく損もしない方法である。
もちろん銀相場は現在56~62円のため、持っている製品の銀の含有量にもよる。持っている銀がどのような形のものかにもよるが、買取の前の査定に関しては、無料で行っている業者が多い。遠慮せずに、どんどん査定を依頼すべきだろう。
アクセサリーや貴金属の取り扱いを行う買取店に依頼をする
持っている銀がクロムハーツやティファニーなどブランドアイテムであれば、ブランドジュエリーの買取や貴金属の買取を行っている業者に査定依頼をしたほうが、価格は高くつきやすくなる。
ブランドジュエリーの場合は、銀の含有量だけではなく、製品のブランドの価値やデザインも加味された上で買取価格を査定してくれるため、高い価格で買取が可能となる場合がある。
今は、どの買取業者も査定見積は無料はもちろんのこと宅配査定なども設けており、宅配査定に関しても送料やキャンセル料なども無料のところが多い。こちらも銀の取り扱い専門の買取業者同様、数社選び査定を依頼し、一番高く買取ってくれる買取業者に買取を依頼するようにしよう。
銀の買取業者を1gあたりの買取相場から紹介
銀の買取業者を比較するために、1gあたりの買取価格を提示している買取業者を紹介していこう。なお、銀の1gあたりの買取価格は2019年5月13日時点のものである。
複数者に査定を依頼するのは買取を行う上では当然のことである。銀製品の買取を検討しているのであれば、こちらで紹介する買取業者に査定依頼をしてみてほしい。
徳力本店
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
徳力本店の銀の買取価格は55.30円である。1727年に創業の徳力本店は銀以外にも金やプラチナの買取も行い、比較的高い買取相場で買取を行う業者である。銀の買取相場も高く、日本金地金流通協会(JGMA)に所属する正会員のため、安心して銀を売却できる。
フジデンタル株式会社
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
フジデンタル株式会社の銀の買取価格は55.30円である。デンタルの名前の通り、歯科材料を未開封、開封問わずに買取を行っている業者である。1gから買取を行っているので、売却もしやすい。
発送日と到着日での銀価格を調べた際に、相場が良いほうでの価格で取引をしてくれるのもフジデンタルの特徴である。買取キャンペーンなども行っているため、公式サイトをチェックし、査定依頼をしてみてはどうだろうか。
石福金属工業
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
石福金属工業の銀の買取価格も55.30円である。上記3社と同額のため、比較的高い価格での買取が行われることがわかる。石福金属工業は申し込んだ日の相場によっての買取となるが、公式サイトの掲載されている買取価格と申し込み時の際の価格に相違がある場合には店頭価格が優先される。あらかじめ相場を確認してから査定を依頼したほうがよいだろう。
銀買取本舗
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
銀買取本舗での銀の買取価格は50円である。銀の関する取扱い品目も多く、銀製品や銀メダル、壊れたシルバーアクセサリーや銀製のトロフィー、銀食器や工業用銀素材など、非常に幅広い銀製品の買取を行っている。銀買取本舗という名前も納得である。
なんぼや
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
なんぼやの銀の買取は種類によって異なる。
- ・インゴット Sv1000・・・53 円
- ・スクラップSv1000・・・50 円 /g
- ・Sv925・・・45 円 /g
これはすべて宅配買取用の価格のため店頭買取価格とは異なる。店頭での買取を希望するなら問い合わせてみることをおすすめする。また、宅配買取は取引重量は10g以上となる。
また、なんぼやはブランドジュエリーの買取も行っているため、銀製品ならびにそれがブランドジュエリーだった場合には、査定額のアップも可能であると考えられる。
リファスタ(Refasta)
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
リファスタ(Refasta)の銀の買取価格は種類によって異なる。
- ・Sv1000(999)シルバーインゴット・・・42円
- ・Sv1000純銀・・・37円
- ・Sv925スターリングシルバー・・・31円
- ・Sv900コインシルバー・・・29円
これだけだと、他の銀買取業者に比べて非常に安い価格での買取に思えるが、ブランドジュエリーとなると、リファスタ(Refasta)の場合には、さらに買取価格がプラスされる。例えば、ティファーやクロムハーツなどとなると、ブランドの買取を行っているリファスタ(Refasta)お得意分野となる。
ブランドジュエリー類の銀製品の買取を検討するなら、デザイン含めた上での買取となるため、銀専門の買取業者とともに査定依頼をするのがおすすめだ。銀を高く売るためのポイント
銀の売却方法とおすすめの買取業者を紹介したが、ただ買取業者に持ち込むだけではなく、高く売るためのポイントをまずは押さえてから査定依頼をすべきである。ただ持ち込むのと、これらのポイントを押さえてから査定依頼をするのとでは、買取価格に差が生じてくる。今からでもぜひ取り組み、高額買取を実現してほしい。
こまめにメンテナンスしておく
銀は放置しておくと、黒く変色してしまう。これは硫化と酸化によるものだ。黒く変色したままの銀製品を買取に出しても、銀の価値が落ちることはないが、鑑定士の印象は悪く、買取価格も期待はできない。
重曹や、シルバー磨きで手入れすることで、銀本来が持つ渋みや輝きを取り戻すことができる。買取査定に出す前には必ず、メンテナンスを行っておこう。
証明書、鑑定書は保管し査定時一緒に出す
買取査定に出す際に、購入時についてきた箱や袋はもちろんのこと、銀の証明書もしくは鑑定書は必ず一緒に出してほしい。レプリカが多く出回る銀製品は近年は技術や完成度が高く、プロの鑑定士でも見分けが困難な場合がある。
その時、必要となるのが証明書や鑑定書である。新品同様で中身がすべて揃っていれば、買取価格も高くなりやすい。
傷をつけないようにしておく
銀は多少傷がついただけでも、価値が大きく落ちてしまう。メンテナンスを行っていても傷がついていれば、高値で売れることは難しい。
特に、アクセサリーの場合には毎日つけていることが多いため、細心の注意を払っておく必要がある。着用時以外は皮脂や汗を拭き取り、すぐにケースにしまうなど意識して行おう。
プロの鑑定士が所属している買取店を選ぶ
買取店にはプロの鑑定士が所属している店とそうではない店がある。行き届いたメンテナンスと購入時の保存箱や袋、鑑定書や証明書を付けて査定してもらっても、鑑定士の判断次第で本来の価値よりも安い価格で査定される可能性がある。
例えば、レプリカ製品など近年は非常に精巧に作られているため、プロの鑑定士が所属していなければ、本物なのにレプリカであると査定されてしまう可能性もあるのだ。プロの鑑定士が所属しているかどうか、で査定額が左右されてしまうこともあるため、買取店を選ぶ際には、プロの鑑定士が所属しているかどうか、必ず確認してから買取査定を依頼すべきである。
まとめ
今回は、この10年間の銀の相場・価格推移とともに、銀の買取店を紹介した。銀相場は値上がり続けた2013年以降は緩やかに下がってきている。
※引用元:フジデンタル株式会社
大きな変動があるとすれば、太陽光パネルのような工業用需要が大きく拡大した時と思われるが、現時点では、そのような値上がり要素はないと考えられる。大きな値下がりはないものの、緩やかに下がってきているため、銀が手元にあるならば、この機会に買取査定を依頼してみてはどうだろうか。



