自宅に古いダイヤモンドがある人は、高く売却できるかもしれない。30年前に購入したダイヤモンドが現在高い価格で買取ってもらえるという事例は多いのだ。
過去50年間、ダイヤモンドの価格は常に上昇してきた。大幅な下落を見せることなく、安定して価値が上昇し続けていることから、富裕層の中にはダイヤモンドに投資する人も少なくない。今後も価値は上昇し続けることが予想されている。
どうして30年前のダイヤモンドの価値が上昇しているのだろうか?この記事では価値が上がった理由について説明していく。また、以前に購入したダイヤモンドが買取業者によって高く買取ってもらえる理由についても触れていこう。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
ダイヤモンドの価値は上がっている
30年前に購入したダイヤモンドが自宅にある人は、一度査定に出してみることをおすすめする。なぜならば、ダイヤモンドの価値は30年前に比べて格段に上がっているからだ。当時安く手に入れたダイヤモンドであっても、あらためて今価格をつけてみると驚きの価格がつくことも珍しくない。
親族から譲り受けたものや、ずっとしまってあるダイヤモンドがある場合は査定に出してみよう。価値を再認識すると所有しているダイヤモンドをどう扱うかを考え直すきっかけにもなる。今と30年前とでどのようにダイヤモンドの価値が変化していったのかを説明していこう。
過去30年で2倍近く上がった
今と1990年前後の頃とでは、ダイヤモンドの価値は2倍近く違う。1カラットで透明度が非常に高い「フローレス」であり、ダイヤモンドの価値を示す全ての指標で最高品質とされたダイヤモンドの価格で比較すると30年前は150万円前後だったのに対し、現在では300万円以上の価格がつく。
過去50年で見てもダイヤモンドの価格は常に上昇している。同じ品質のダイヤモンドでも、50年前と今とでは10倍の違いがあるのだ。
特に2000年以降はダイヤの値上がりは顕著になっている。1960年から2000年の間では5倍程度しかダイヤモンドの価値は変化していないのに対し、2000年から2010年の間だけで一気に価格は急上昇する。
30年前に安く買ったダイヤモンドが驚きの価格に
さらに実際に30年前に購入したダイヤモンドが、現在オークションで高額落札される事例もある。30年前に日本円にして約1400円で購入したダイヤモンドの指輪が、鑑定の結果5000万円以上の価値を持つことが判明したのだ。ダイヤモンドの大きさは26〜27カラットとかなりの大きさではあるが、指輪を所有していた男性は本物だとは思っていなかったようだ。
どうして男性がこのダイヤモンドを偽物だと思っていたかというと、カットの仕方に原因があった。このダイヤモンドは19世紀の手法でカットされていた。当時ダイヤモンドの価値は透明度や輝きよりも、ダイヤモンドの質量を保つことを重視する加工方法がとられていた。そのためこのダイヤモンドは現在の手法でカットされたものほど光を反射しない。
しかしダイヤモンドには変わりはなく、26〜27カラットとなると巨大なダイヤモンドとも言え、特に現在では所有することは困難だ。そういったことから30年前には偽物と思われ、1400円の価値しかなかったダイヤモンドに5000万円以上の値段がつけられた。
ダイヤモンドの価値が上昇している理由
どうしてダイヤモンドの価値がこんなにも上昇しているのだろうか。その理由を今後のダイヤモンドの価値を踏まえて以下に説明していく。
希少価値が以前よりも上がっている
そもそもダイヤモンドの希少性自体が現在上昇し続けているのだ。希少価値が高くなればなるほど、ダイヤモンドの価格は上昇する。
一時期ダイヤモンドが熱狂的に採掘された時期があった。南アフリカでダイヤモンドが採れることが世界中に知れ渡り、ダイヤモンド・ラッシュが起こった。たくさんのダイヤモンドが採掘され、世界中に流通するようになる。
しかし、供給量をコントロールするため、ダイヤモンドの採掘をおこなっていたデビアス社が採掘に規制を設けるようになった。さらに過去50年間でダイヤモンドの人気が高まり、一時は世界中のダイヤモンドは採り尽くされたとも言われるようになる。ダイヤモンドへの需要は高まる一方で世界的にダイヤモンドの採掘量は減少したことから、ダイヤモンドの価格はずっと右肩上がりなのだ。
デビアス社は一時期ダイヤモンド市場の9割を占有していたが、現在は5割程度までおさえられている。しかし占有率が低下した今でもデビアス社のダイヤモンド市場における影響力は絶大だ。デビアス社が供給量をコントロールし、ダイヤモンドの価格を決めれば、ダイヤモンドの国際相場基準も変動する。
相場が安定しているため投資がしやすい
かれこれ50年来、ダイヤモンドの価格は右肩上がりを続けている。大幅な下落を見せたことがない。常に相場が安定しているだけでなく、国際基準で相場が定められているため、ダイヤモンドは投資にも向いていると言える。富裕層の中にはダイヤモンドの購入に力を入れている人も少なくない。
上記の通りダイヤモンドの供給量にはデビアス社が影響を及ぼしている。デビアス社は月に1度、ダイヤモンドの相場基準である「ラパポート・レポート」を出している。大きさや品質ごとの相場が一覧になったレポートだ。ダイヤモンドはこのラパポート・レポートの価格を参考に取引されている。さらにダイヤモンドの原石の購入はサイトホルダーと呼ばれる権利を持つ特定の企業のみと定められている。
このようにダイヤモンドは流通量がコントロールされているため、国際的な相場がはっきりしている資産なのだ。相場が安定しており、今後も価格が上昇することが見込まれているため、投資のためにダイヤモンドを購入する人は多い。
古いダイヤモンドでも売れる
ダイヤモンドの価値は以前と比べて格段に上がっていることが分かった。30年前に購入したダイヤモンドや、親類などから譲り受けたダイヤモンドの価格も当時とは大きく変わっているかもしれない。自宅に眠っているダイヤモンドがある場合は一度査定に出して価格を調べてみるのもおすすめだ。
しかし、こんなダイヤモンドでも価格がつくのかと不安になる人も多いだろう。以下ではそのような不安を解消する、古くなったダイヤモンドが現在高価格で売れる理由を説明していく。
ダイヤモンドの価値は4Cで決まる
ダイヤモンドの価値は「4C」と呼ばれる4つの観点で定められる。4Cとは以下の観点だ。
- ・色(Color)
- ・透明度(Clarity)
- ・重さ(Carat)
- ・カット(Cut)
この4つの観点でダイヤモンドを見ることによって価格が定められる。無色透明であり、傷や内包物などが少なく、重量があり、熟練の職人によって美しくカットされたダイヤモンドは「最高品質」とされる。
あくまでもこの4Cでダイヤモンドの価値は決められるので、年代などは関係ない。アクセサリーとしての流行が過ぎ去り、古くなったものであってもダイヤモンドは4Cを元に値段がつけられる。
例えグレードが低い場合であっても、4Cによって決められた相場に基づいた値段がつけられる。相場そのものが上昇しているので、30年前に購入したグレードの低いダイヤモンドであっても以前よりも高い値段がつく可能性はあるのだ。
汚れている場合はクリーニングをすることで解決する
ダイヤモンドの表面に汚れが付着している場合はきれいにすることができる。必要なものは中性洗剤と歯ブラシだけなので個人が自宅で掃除することも可能だ。柔らかい布で拭くだけでもダイヤモンド本来の輝きを取り戻すこともある。
傷がある場合でも買取ってもらえる
ダイヤモンドは傷がつきにくいことで有名な宝石だ。しかし、なんらかの理由で傷をつけてしまうことがないわけではない。傷がついたダイヤモンドは価値も下がってしまう。
かといって傷がついたダイヤモンドは買取ってもらえないわけではない。また、価値がないわけでもない。価値が落ちてしまう恐れもあるが、傷ついたダイヤモンドであっても買取業者は買取ってくれる。
ダイヤモンドは落下などによる衝撃には弱い。人間の力でこすって傷つけることは不可能かもしれないが、落とすことで傷つけてしまう可能性もあるので扱いには注意しよう。
ダイヤモンドの鑑定書について
本物のダイヤモンドであることを示す鑑定書がダイヤモンドにはつけられている。買取業者に買取ってもらう際には鑑定書も必要になってくることもあるので注意しよう。
中には鑑定書なしでも相場で買取ってくれる買取業者も存在する。信頼できる鑑定士が在籍している買取業者を利用するようにしよう。
ダイヤモンドの鑑定書とは
鑑定書にはダイヤモンドの品質および価値について書かれている。本物のダイヤモンドかどうかを示す材料にもなるので非常に重要なアイテムだ。ダイヤモンドの価格相場は国際的に決められている。買取業者に買取ってもらう際には、国際的にも権威ある機関から出された鑑定書が必要だ。
- ・GIA(米国宝石学協会)
- ・HRD (ダイヤモンド・ハイ・カウンシル)
- ・IGI(インターナショナル・ジェモロジカル・インスティテュ―ト)
- ・中央宝石研究所
これらの機関がダイヤモンドの品質を証明する鑑定書を発行している。GIAはアメリカの機関であり、その他2つはベルギーだ。中央宝石研究所は日本の鑑定機関であるため、日本人でも利用しやすいだろう。
信頼性が高い鑑定機関から発行された鑑定書でないとあまり効力が期待できないことがある。上記以外の機関による鑑定書だと高品質であることが書かれているのに、買取業者の鑑定士からは価値を低く見られてしまうことは珍しくない。
鑑定書が発行された年代にも注意
買取の場では鑑定書が発行された年代にも注意しなければならない。鑑定書は発行する年代によって品質の鑑定基準が異なることがある。古い鑑定書では、現在とはまた別の基準で品質が定められている可能性があるのだ。
なるべく2010年以降に発行された鑑定書を用意するようにしよう。それ以前だと鑑定の基準が現在と異なるため、ダイヤモンドの品質が違ってきてしまう。
買取業者を利用する際の注意点
ダイヤモンドの買取を買取業者に依頼する場合は、なるべく複数の買取業者に査定をしてもらうようにしよう。業者によって買取価格が大きく異なることは珍しくない。
ダイヤモンドの鑑定に長けた鑑定士がいる買取業者を利用しよう
ダイヤモンドの鑑定には宝石に関する適切な知識が必要になってくる。宝石の鑑定を専門におこなっている鑑定士が在籍している買取業者も少なくない。適切な知識を持ち、経験豊富な鑑定士に価格を決めてもらった方が安心できるだろう。
なかには鑑定書がなくても国際的な相場にのっとった価格で買取ってくれる買取業者も存在する。ダイヤモンドの国際相場を熟知した宝石鑑定士が在籍している買取業者であれば、鑑定書がなくても価値を正確に見定めた上で買取価格を決めてくれるのだ。
ダイヤモンドの鑑定ができる資格
ダイヤモンドを買取ってもらう際には、ダイヤモンドの鑑定士が在籍している買取業者か宝石を専門に買取っている買取業者を選ぶことをおすすめする。
ダイヤモンドの鑑定が可能であることを示す「G.G. 」や「FGA」といった資格を保有している鑑定士が在籍している買取業者は特におすすめだ。国際的な相場基準をもとに買取価格を決めてくれるだろう。
まとめ
過去30年にわたってダイヤモンドの価格は安定して上昇してきた。そして今後も上昇することが予想される。採掘量がコントロールされ、希少価値が高くなっているためだ。
デビアス社が世界的なダイヤモンドの流通量をコントロールしており、価値を定めているため、ダイヤモンドには国際的な相場基準が存在している。価値が安定して上がっており、明確な相場基準があるため、ダイヤモンドは投資としても人気の商品だ。
アクセサリーなどに加工された年代によってダイヤモンドの価値が変動することはない。そのため自宅に眠っているダイヤモンドがある場合は1度査定してもらうのもいいだろう。現在の正確な価値を理解した上で、所有し続けるか売却するかを考えるのもおすすめだ。
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