琥珀(こはく)はアンバーとも呼ばれ、アクセサリーやパワーストーンとしてあまり流行に左右されずに安定した根強い人気を誇る宝石である。琥珀は宝石の中でも比重がとても軽く、また加工しやすいので大ぶりなアクセサリーも多く作られている。大きなアクセサリーでも身につけていて疲れにくく、肌になじんでくれるのだ。
そのように大きなアクセサリーを加工できるほど、大きな原石が採掘されることがある。その原石の中には虫や草木、花、まれに小さな生物(トカゲなど)が閉じ込められていることがある。これは、琥珀という宝石の作られる過程に理由があるのだが、大地の歴史を感じることができる他の宝石にはない魅力の1つと言える。
琥珀の原石は、色合いや風合いが1つ1つ異なり、同じように加工しても全く違う印象になることがある。はちみつ色、アメ色とも言われ多彩な表情を持つ琥珀は、他の宝石のように美しくきらびやかに輝くというよりは、身に着けたときの温もり、優しい色合い、上品な輝きが人の心をひきつけるのではないだろうか。
今回は、琥珀の原石(アンバー)がどういうものなのか、特徴や価値、偽物についてなどわかりやすくまとめて、買取相場を調査した。宝石にご興味のある方、琥珀などの宝石の原石をお持ちの方は、ぜひ参考にしてほしい。
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琥珀(こはく)とは
琥珀とは、宝石の一種で天然の樹脂が固まってできた化石である。数千万年とも、数億年とも言われる前から長い年月をかけ作られた天然の芸術品だが、前述の通り虫や植物、小さな生物、水や空気が取り込まれ一緒に固まり化石化することがある。この琥珀の中の生物は古代生物の研究資料としての価値も高く、比較的大きな生物が発見されると研究者からも熱い視線を注がれる。
また、琥珀の大きな特徴として宝石の中ではやわらかく加工しやすいという点だろう。古来から装飾品として加工されてきた歴史の背景には、特別な技術を必要としなくても加工できる手軽さもあるのではないだろうか。
鉱物の硬さを示す基準に使われるモース硬度というものがある。1〜10までの段階で表される硬さの指標であるが、数字が大きくなると硬度が高い、つまり硬いという意味になる。ダイヤモンドは一番硬い10、琥珀は2程度である。
琥珀は石膏(せっこう)と同程度の、指の爪でも傷がつく可能性があるくらいの固さなのである。加工するという点では扱いやすいが、逆を言えばデリケートなため傷がつかないよう注意が必要だ。
琥珀の産地で有名なのは、バルト海沿岸のロシア、ポーランド、リトアニアだろう。アジアでも産出されることがあり、中国や日本(岩手県や千葉県の一部地域)でも産出される。琥珀は産地により色合いが異なり、価値や価格に影響を与える。
琥珀原石の特徴と価値
琥珀の価値は、色合い、大きさ、内包物の有無、透明度、マーブル状かどうか(マーブルの美しさ)、年代など、さまざまな指標で鑑定され価値もかなり変わってくるので、参考にしてほしい。
色合いについて
色に関しては、色の薄い黄色より赤みがかった濃い色の方が価値があるとか、基本的に色合いはあまり関係ないなど諸説あるが、希少性の高い色ほど高値がつくようだ。琥珀はどのような環境で樹脂が固まったかにより、色合いが変わってくる。価値が高いことで有名なものにバルト海沿岸産の乳白色の琥珀があり、希少性が高く価格も高騰している。
琥珀の色は主に黄色やだいだい色、褐色、茶色などだが、他に白、赤、珍しい色としては青や黒など、その多彩な色は200色とも250色とも言われる。他に希少性の高いことで有名な青い琥珀(ブルーアンバー)は、ドミニカやメキシコ、インドネシアなどで産出され、紫外線によって色合いが変化して見え、青や青緑色の輝きを放つ。産出される量が少ないこと、採掘方法が普通の琥珀よりも手間がかかることなどから、こちらも価格が高騰している。
注意が必要なのは、鮮やかな緑色の琥珀は天然の原石そのままの色ではなく、熱処理を加えることで美しい緑色になる。天然の色ではないものの、この鮮やかな緑の琥珀で作られたアクセサリーは他にない美しい輝きがある。どのような琥珀も熱処理をすれば緑色になるわけではなく、美しい緑色になる琥珀は限られるため、価値は下がるが珍しい琥珀の1つと言えるだろう。
琥珀の透明度
一般的に琥珀は濁りのある半透明なものより、透明なものの方が価値が高いと言われている。しかし、前述のバルト海沿岸産の乳白色の琥珀は濁っており、一概に言えるものではないようだ。琥珀の中には、色合いがマーブル状に変化しているものもある。このマーブル模様の入り方や美しさも、価値に影響を与えている。
内包物の有無
虫などの生物や草木などの内包物が入っているかどうかによっても、価値が変わる。何も入っていない琥珀より、生物などが入っている琥珀の方が高値で取引されている。虫の入った琥珀は、虫の大きさ、完全な形ではっきり見えるかどうか、虫の種類によっても価値が変わり、よく見るアリやハエなどよりクモなど珍しい昆虫が入っている琥珀は価値が高くなる。
年代
琥珀には、化石になりきれていない若い琥珀のコパール(コーパル、コパルとも言われる)がある。コパールの年代は、100〜1000万年前くらいもの。化石になりきれていないため、やわらかく熱にも弱い。一見すると琥珀のようにも見えるが、価値は低い。
やわらかく粘性の高いコパールは、ワニス(塗料)や接着剤の原料として使われることがあり、そもそもの用途が違うのだ。コパールの中でも硬いものは砕いて熱処理し、再び固めて琥珀製品を作ることがある。
本物と偽物の見分け方
市場に出回る宝石につきものなのが、偽物の存在だ。琥珀の場合、プラスチックで作られた偽物が出回っていたり、コーパルを砕いて熱処理して固めたもの、本物の琥珀を砕いて熱処理した再生琥珀なども出回っている。中には、わざわざ中に虫を封入した精巧に作られたものもある。
琥珀には、グリッターと呼ばれる放射状に広がる小さなひび割れが見られる場合がある。琥珀が固まるときに小さな空気の気泡を含み、それが加熱され冷やされていく過程でできる細かいひびで、これがあるものは本物であるという証明になる。
またプラスチック製の偽物は、水に入れると本物かどうかわかるようだ。本物の琥珀は比重が軽いため、飽和食塩水に入れると浮く。一方、プラスチック製は沈むため、簡単な鑑別方法として有名だ。
ただし、コーパルや本物の琥珀を使って作られた偽物は、比重が軽く浮いてしまうものもあるため、それだけで全ての偽物を判断することはできない。色合いや手触りなどを経験豊かなプロがしっかりとした目で見て鑑定しないとわからないケースも多い。最高級の美しい本物の琥珀が桁違いな低価格で手に入ることはないので、本物にこだわるなら信頼できるところから買う、ということが一番重要なのである。
琥珀の原石アンバーの買取相場
2019年6月9日現在の価格を調査した。琥珀は原石のほかアクセサリーなどさまざまな商品が買取、販売されている。今回はアクセサリーではなく原石、裸石に限定して調査したので参考にしてほしい。
ネットオークション、ネットフリマ
ヤフオクでは、琥珀原石が多数出品されており、安いものではバルト海のウクライナ産琥珀原石44gが3,000円、岩手県久慈産の琥珀原石約50gが48,000円で出品されていた。希少性の高い青い琥珀(ブルーアンバー)も出品され、ギャラリーメイスン社から購入したブルーアンバー389gが299,000円で出品されていた。他に、ドミニカ産ブルーアンバー約68gが190,000円など、色により価格にかなりの差が生じていた。
大きさにもよるが、普通の黄色や褐色の琥珀で大体数千円~数万円くらいが多く、ブルーアンバーとなると十万円前後〜数十万円前後の価格で出品されているものが多かった。中にはインドネシアのスマトラ島産ブルーアンバーの原石2447gが即決価格で1,321,300円という驚きの値段で出品されていた。また、虫入り琥珀原石と書かれた出品でも、文章をよく読んでみると琥珀ではなくコパールだった、というものもあった。
メルカリでも琥珀原石の出品は多数あった。大きさや形により価格はばらばらだが、ブルーアンバーの出品も多く、ブルーアンバーは1,000円ほどの価格から9,000円くらいの価格までの出品がほとんどだった。その他の色は、500円くらいから10,000円くらいまでが多かった。
ヤフオク、メルカリを見ると、琥珀の価値を十分にわかった上で出品しているかどうかにより、価格に大きく差が出るということがわかる。さらにネットで見ただけでは琥珀の質の良さがわかりにくいので本物かどうかの判断がつきにくいという印象を受けた。書かれた文章を読まずにタイトルだけ見るとコパールだと気がつかないケースもあるので、トラブルにならないようしっかりとチェックする必要がある。
また現在ヤフオクやメルカリでは出品手数料や換金時の振込手数料がかかってしまう。落札された売上金の全てが自分のお金になるわけではないことも、覚えておかなければならない。
宝石などの買取業者
買取業者の公開している琥珀で値段がついて買取実績のあるものは、原石というより裸石(カットや研磨はされているが、アクセサリーに加工はされていないもの)がほどんどである。大きさや質にもよるが琥珀の裸石で大体5,000円~数万円くらいの価格で買取されていた。アクセサリーの買取も多く、アクセサリーは琥珀の質や大きさにに加えデザイン性も重視されており、価格は数千円〜数十万円までかなりの差があった。
買取業者は、そのジャンル専門の鑑定士が厳しいプロの目でチェックしてくれるので、価値を十分理解した上で値段をつけてくれる。また査定に関する手数料が無料の業者も多く、ネットオークションやネットフリマのように落札を待たずに素早く現金化できるのも大きなメリットだ。買取業者は査定額アップキャンペーンなどを実施していることがあり、キャンペーンを利用するだけで簡単に査定額を上げることができるため、ヤフオク!などに出品するのは買取業者に相談してからでも遅くないだろう。
琥珀原石の買取をおこなっているおすすめの買取業者
いくつか琥珀などの宝石を扱う買取専門店をご紹介しよう。どこに査定依頼をすれば良いかわからない人は参考にしてほしい。
色石BANK
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
色石BANKは色石がついた製品や裸石など宝石を専門に取り扱い、自社工房で研磨やリカットが可能で、加工することでより宝石の価値を高めることができる。しっかりした社内研修制度があり、鑑定機関監修の研修で知識が豊富な社員の育成をおこなっている。業界で最も権威のあるGIA認定のグラジュエイトジェモロジスト(GG)資格を有する社員が常駐するため、鑑定書や保証書のない商品の買取も可能。
東京にある店舗での買取か、全国のどこに住んでいても自宅から利用できる宅配買取に対応しており、宅配買取は送料が無料で業者の指定なし。宅配買取は事前に無料画像査定をおこなった後、着払いで商品を送り、見積もり連絡が来るシステム。業者からの買取実績も多数ある。
さすがや
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ダイヤや宝石、金やプラチナ、ブランド品、金券などを取り扱う買取専門店のさすがや。査定では査定資格者の基準に従い、確かな知識と経験の専任スタッフが査定をおこなう。全世界のブローカーとの連携で高額買取を実現している。北海道、東北、関東、北陸・甲信越に店舗があり、店舗での店頭買取、出張買取、全国で利用可能な宅配買取に対応している。
宅配買取の流れは、電話か無料買取査定フォームから問い合わせ後に、商品を着払いで送る。こちらも配送業者の指定なし、送料無料だ。商品到着後その日のうちにプロが査定し、電話で連絡をもらえる。忙しくて電話対応できない場合でも、査定フォームの連絡方法でメールを選択することも可能。
琥珀を高く売るためのコツと保管に関する注意点
琥珀の原石やアクセサリーを高く売るためのコツと保管に関する注意点をまとめたので、売る予定がある方、売ろうか迷っている方はぜひチェックしてほしい。
宝石は早めに査定に出そう
琥珀は前述の通りやわらかく傷がつきやすい。少しの衝撃で傷がつく可能性があり、それで減額査定になってしまってはもったいない。保管中に傷がついてしまう前に、早めに査定に出そう。
また、アクセサリーなどに加工されたものも、早めに査定に出すことをおすすめする。琥珀自体の価値がどうのというよりは、デザインに流行があるものは流行が過ぎてしまえば当然価値が下がる。もう使わない、売ろうと思ったときが吉日、すなわち売りどきなのかもしれない。
付属品があるかどうか必ず確認しよう
本物であることの証の鑑定書がついている商品であれば、必ず鑑定書をつけよう。他に、箱やいつどこで買ったかわかる書類などがあれば、それも忘れずに一緒に添えてほしい。琥珀に限らず、宝石の価値は本物であってこその値段と価値なのだ。信頼できるところで買ったことがわかるか、鑑定書がついていないと買取ができないこともあるので、注意してほしい。
高額査定してくれる買取業者を探す
買取業者によって、査定額に大きな差が生じるのはどのジャンルの商品にも言える。査定する人の経験や知識、買取業者の資金力や販売ルートにより、得意不得意があるようだ。このため、焦らず複数の買取業者から見積もりを取ることをおすすめする。
どうやって買取業者を見つけて良いかわからない場合は、当サイトヒカカクの一括査定を利用すると良いだろう。最大20社からの見積もりが1回のフォームの入力で簡単におこなえる。この一括査定の結果を見て売るかどうかの判断基準にしても良いし、便利なのでぜひ利用してほしい。
琥珀の保管に関する注意点
琥珀はとてもデリケートな宝石なので、直射日光の当たる場所での保管は避けよう。他の宝石と一緒に保管すると傷がついてしまう可能性があるため、琥珀は別で保管することをおすすめする。やわらかいジュエリーポーチかしっかりしたジュエリーボックスでの保管が望ましい。
原石やアクセサリーが汚れてしまったという場合も、洗剤をつけて洗ったりせず水で優しく洗う程度にしておこう。見た目がきれいな商品の方が査定額がアップする傾向にあるが、きれいにする過程で欠けたり変色したりしてしまったら減額されてしまう。琥珀の取り扱いには十分注意が必要と覚えておこう。
まとめ
琥珀の価値は、内包物を含めた色合いの美しさによって大きく変わる。もちろん好みもあるので、価格が高いものが良いというわけではないが、安価な琥珀は質が悪かったり偽物だったりする可能性が高いようだ。高品質の琥珀は、人気もありそれなりの値段で取引されている。
宝石には定価というものがなく、値段をつける人が価値をどのように判断するかで価格が大幅に変わる。このためどこで売るか、どこで買うかが非常に重要だと言える。見た目の美しさだけでなく品質にもこだわりたい人は、この記事を参考にして売る場所、買う場所を選んでほしい。