買取市場では、新しいものや旬なものだけが高い金額で売れるというものではなく、古いものにも高額な価値があるケースがよくある。工芸品や絵画、古い硬貨など高く売れるものはあるが、当コラムで取り上げる「書物」に関しては、古い書物に価値がないというイメージもあるだろう。
だが、そのような古い書物である古書が、高い金額で売れることも多々あるようだ。本コラムでは、そんな古書の買取相場や査定情報などを紹介していく。
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古書とは
古書とは昔の書物であり、また古い文書の事を総称して古書という場合が多い。ただし、買取市場では、ただ古いだけの書物のことをいわゆる古書とは言わない。あくまで骨董的な価値があるものを古書というのである。
また、その価値は買取業者でも大きく違い、先述したように価値が高い古い書物を古書ということが多く、厳密には古書というものの定義はない。何度も述べるが、あくまで付加価値がつくような古い書物が古書の部類に入ると考えておくといいだろう。
価値のある買取市場における古書とは
では、買取市場でいう古書はどのような書物に多いのかについて述べていこう。
骨董価値の高い古書
骨董品として価値の高い古書は、以下のようなものだ。
- ・歴史的な価値がある古い書物
- ・その時代にしかない装丁本のような武術的価値がある古い書物
- ・初版や絶版などで希少価値がついている古い書物
- ・歴史的な偉人が残したような古い本
つまり、現代にはない書物が骨董品的な書物として、古書という部類に入るだろう。
コレクターが多い本
特に、1920年代後半〜1980年前半に発行されている本、ISBN番号(本の管理番号)などが付いていない本などの書物を収集するマニアやコレクターは多く、その価値は非常に高いため、先述した年代の書物を「古書」と定義する買取業者は多いようだ。
古書はあまりにも価値に差があるため、一概にどのような本が高いかは非常にわかりづらい。下記でどのような古い書物がいわゆる買取事情における古書となるのか、その古書となりやすいジャンルをある程度紹介しておこう。
古書として骨董的な価値が付きやすい書物のジャンル一例
歴史・戦記・宗教・哲学・心理学・語学・古典・社会学・社会・政治・精神医学・占い・易学・漢方・鍼灸・東洋医学・経済・法律・教育・自然科学・山岳・動植物・生物・理工学書・文化芸術・西洋史・東洋史・専門書・研究書・調査報告書・初出版・美術・音楽・映画・演劇・写真・建築・サブカルチャー・文庫・新書・趣味・料理・数学書・数学雑誌・大学参考書・図鑑・事典辞書・全集・スポーツ・空手・拳法・武術・建築・雑誌・絵本・和本・版画・古地図・絵葉書・カメラ・展覧会図録・博物館図録・書道・茶道・将棋・囲碁・鉄道・船・豆本・釣り・飛行機・自動車カタログ・自動車説明書・やきもの骨董・錦絵・洋書・絶版漫画・ブロマイド・ポスター・映画パンフレット・映画チラシ・落語・古典芸術・写真集・麻雀・戦前雑誌
古書の買取査定情報
ここまで、買取市場で骨董的な価値を持つ古書について、簡単にではあるが説明してきた。古い書物=骨董的な価値の古書ではないということだけでも、しっかりと押さえておいてほしい。
次は、古書の査定情報について具体的に紹介していこう。
歴史的・美術的価値を持つかなどで査定される
まず、この古書の買取査定では、その古い書物がどのような書物であるのかが最初に鑑定される。どのような内容なのか、誰が描いた書物なのか、どれくらいの年月に書かれているものなのかなど、鑑定できるスタッフが厳しく査定する。
そのなかで、江戸時代に書かれていたり、現代の技術の礎になるような学術的な内容のものや、歴史上に出てくる人物が書いた書物、書物が発行された年代が珍しい年代で豪華な装丁のもの。
さらには、歴史的な価値や学術本としての価値、美術品的な価値が付加価値として査定され、高額な買取査定となる。
初版本か絶版本かどうかでも査定される
上記では古い書物の内容や年代などによって、歴史的な価値や美術的価値を鑑定されると述べてきたが、その次に査定されるのは、初版本か絶版本かで買取金額は大きく変動するようだ。
この初版・絶版本が高額になる理由は、やはり希少価値という付加価値が、高額買取になる要因だと言ってもいい。世の中にあまり出回っていない古書であればあるほど、需要は高まる。そのため当然、その書物の価値は高騰するのである。
また、初版本に関して何かしら問題があったため、初版以降の書物では内容がカットされている書物も存在し、そのような古書はさらに価値が上がる。そのような出版における事情も価値がつく。
「状態」の査定も大事
そして、買取市場では当然ながら、ものの状態も厳しく査定される。古書である以上、ある程度の劣化や損傷はあるが、そのなかでもしっかり書物としての価値を見極められるだろう。
そのため、現在持っている古書の保管方法には気を配っておくべきだ。
状態の査定ポイント
ではどのように状態を査定されるのかだが、日光には紫外線が含まれているため、直射日光に長くさらされた本は色褪せたり、紙が傷んだりするので、古書の日焼けは厳しく査定される。
また、湿気の高い部屋に長期間置くことにより発生するカビなども査定ポイントとなる。そして、時間経過による劣化なども査定時には気をつけておくべきだろう。
これらの状態の査定は、買取市場では特に大事なポイントとなる。この状態によって、買取金額は下がりやすいものである。
古書が売れる場所とは
ここまで、古書とはどのようなものを指すのか、また、古書が査定されるポイントについて述べてきた。
次は、そんな古書はどこで売れるものなのかについて述べていこう。
総合リサイクルショップ
古書の売却でまず最初に思い浮かぶのが、総合リサイクルショップだろう。リサイクルショップでは幅広いジャンルの買取をおこなっており、古書全般を売ることができる。ただし、一定金額での買取にしかならないケースが多いので注意しておこう。特にここで取り上げている古書の鑑定は非常に難しく、専門に扱っていない業者はもちろん、古書專門で値付けをしている業者でも、適正な市場価値を見誤ることが多いほど鑑定は難しいのである。
そのため、もしかしたら非常に価値が高いかもしれない古書を売るのであれば、このようなリサイクルショップで売るのは避けたほうがいいかもしれない。
古美術、骨董品、古書を取り扱っているショップ
上記では、総合リサイクルショップでは売れるが、売却を避けたほうがいいと述べた。その理由として、古書は専門的な業者で売るほうがいいからだ。
古書の買取に力を入れている業者
古書は、古書を取り扱っている本屋で買取をおこなっている。だが、それだけではなく骨董品的な価値や歴史的な価値、美術品的な価値を持つ古書は、骨董品や美術品を取り扱っている業者でも売れる。
というよりも、骨董品や美術品を取り扱っている業者の大半が、この古書の買取に力をいれているのだ。
適正価格になりやすいのは専門性の高いショップ
専門性の高い業者では、鑑定できるスタッフが駐在しているため、市場価値での買取がされやすい。そのため、できるだけ専門性の高い業者で古書を売るほうがいいだろう。
ただし、この古書買取では業者によって専門分野などの偏向もあるので、複数の業者に査定依頼することをおすすめする。
ネットオークションやフリマアプリ
現在、利用者も増加しているネットサービスであるヤフオク!などのネットオークションやフリマアプリのメルカリでも古書が売れるだろう。
ネットオークションでは、個人同士での売買交渉となるので、自分の希望に沿った金額や、それ以上で古書が売れる可能性が高いのが魅力だ。また、ISBN番号で商品単位が管理されている古書はAmazonマーケットプレイスにて高額販売することができる場合もある。
価値を理解していないと損をすることも
ただ、フリマやオークションで売る場合、自分がその古書の価値をしっかりと理解していないと、非常に高価な古書の値付けを失敗して、安い金額で売ってしまうリスクもある。
当然、業者買取よりもネットオークションのほうが高い金額で売れる可能性はあるかもしれないが、損をしてしまう可能性の方が高いのだ。なので、業者の買取査定に依頼をして、その金額が低い古書などであれば、このようなネットオークションで売るのがいいだろう。
骨董品的な価値がありそうな古書を査定もせずに売るのは避けたほうがいい。
古書の買取金額の相場
では、古書がどれくらいの買取金額で売れているものなのか、古書の買取金額相場について述べていこう。
買取相場は鑑定してみないとわからないのが現状
この古書の買取金額相場についてここで紹介していくわけだが、骨董的価値があるような古書の買取相場は、買取査定に依頼してみないとわからないのが現状だ。古書の買取をおこなっている業者のほとんどが、古書の買取金額を開示していないのである。
骨董品のような商品の査定をしたときに、その金額の開示を業者は伏せる傾向にあるようだ。買取相場はわからないため、詳細な金額を知りたいのならば査定してもらうほかないだろう。
骨董的な価値のある古書は数十万円で売れる可能性は高い
ただし買取相場は出ていないが、このような骨董品的な価値がある古書は非常に高い金額で売れることが多いだろう。というのも、価値ある古書の販売価格が高い傾向にあるからだ。
数万円~数十万円の金額で売れている古書が多いため、それくらいの金額で売れることもある。下記でネットオークションにおいて売れている金額を紹介しておくので、その金額も参考にするといいだろう。
ネットオークションでの入札金額一例
ここで、ネットオークションで入札されている古書の入札額を紹介するので、目安として参考にしてほしい。
商品名 | 入札額 |
---|---|
江戸期 『 吉良上野介屋敷絵図(赤穂浪士討ち入り) 』 古文書 | 10.3万円 |
武具絵入 全18巻10冊揃 江源武鑑 日次記 江戸明暦版和本古文書 | 3.16万円 |
上山城主 松平家 家老・重臣書状 まとめて一括 古文書 | 1.55万円 |
南総里見八犬伝/52冊 曲亭馬琴・天保十三年刊 | 3.9万円 |
幕末動乱記7冊 異国船新選組禁門の変古書 | 4.04万円 |
智恵の海12冊 医学料理呪詛造園 挿絵多数古書古文書 | 10.6万円 |
古書の買取におすすめの業者
先程述べたように、古書の売却は専門性の高いショップで鑑定してもらうのがおすすめだ。より高値で売りたいなら、複数社で査定を受けるとよいだろう。
以下では、古書の売却におすすめの業者をいくつか紹介しておこう。ほかの業者について知りたい人は、以下のコラムも参考にしていただきたい。
埼玉の三月兎之杜
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
三月兎之杜は、年間5,000件以上の高額買取実績をもつ古書の専門店だ。古書と聞いてイメージしやすい歴史書や専門書をはじめ、身近な印象を抱く雑誌や楽譜なども買取対象となっている。
経験知識が豊富なスタッフが、1冊1冊の古書を丁寧に査定してくれる点が強みだ。三日月兎之杜では2022年8月現在、学術書や専門書の買取を強化しており、公開されている買取価格は以下のとおりだ。
商品名 | 買取価格 |
---|---|
意釈黄帝内経太素 全3冊揃 | 2.1万円 |
意釈医経解惑論 玉函書1 | 1万円 |
難経稀書集成 全7巻揃 | 3.8万円 |
野口晴哉 療病談義 1冊につき | 1.2万円 |
五千言坊玄通子 五嶽眞形図説 | 1.2万円 |
三日月兎之杜では古書の希少性や使用性を優先的に考慮し、最後に状態を見るので、多少の汚れは「あって当たり前」と判断してくれる。幅広いジャンルに対応しているので、自宅に「古そうな本」があれば、まずは気軽に相談してみよう。
宅配買取のもったいない本舗
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
もったいない本舗は、文庫本やCD、古書などの幅広いアイテムを取り扱っている買取業者だ。宅配買取サービスが特徴で、自宅にいるまま古書を買い取ってもらえる。15時までに申込みすれば、最短当日の集荷OK。郵送用のダンボールとガムテープを依頼すれば、無料で送ってくれる点も魅力だ。
もったいない本舗では、ISBNがないものを「古書」と定義している。大手チェーンでは買い取ってもらえないケースが多いISBNがない古書でも、もったいない本舗では買い取ってもらえるから安心だ。
ただし、もったいない本舗では古書の買取相場がみつからなかった。希少性やコレクター関連などの「目利き査定」はおこなっていないので、高く売りたい人よりも多数の古本を手間なく売りたいという人におすすめだ。
千代田区の長島書店
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
長島書店は、明治35年創業の歴史ある古本・古書買取専門店だ。買取は、江戸時代の歴史書や理工書、古い漫画まで幅広く扱っている。査定は経験年数20年以上の専門スタッフがおこなうため、ほかの買取店では扱えない珍しいものでも高額買取してくれる。
長島書店では一部の買取参考価格を公表しているので、古書の売却を検討している人はぜひ検討してほしい。
商品名 | 買取価格 |
---|---|
平成新修旧華族家系大成 全 | 28万円 |
原始仏典 全7巻・Ⅱ全6巻 全13冊揃い | 4万円 |
大日本古記録 | 30万円 |
月に吠える 萩原朔太郎 | 10万円 |
風の又三郎 宮沢賢治 | 1万円 |
宅配買取なら、全国どこでも買取可能だ。東京都の近隣県の場合は出張買取も対応してもらえるので、プロによる査定・適正価格での買取を希望する人におすすめだ。
神奈川にある古本買取の東京書房
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
古本買取の東京書房は、昭和23年創業、年間2,000件以上の買取実績を誇る古本・古書買取専門店だ。戦前の古書から最新刊まで幅広く買取を受け付けているが、中でも心理学や哲学書の古書の買取に定評がある。
目利き査定ができるので、ISBN(本の管理番号)がない古書でも問題ない。東京書房では、買取の方法を次の3つから選べる点も特徴だ。
- ・店頭買取:1冊から
- ・宅配買取:50冊から
- ・出張買取:200冊から(首都圏以外は2,000冊以上)
残念ながら、東京書房での古書の買取価格は見つからなかった。しかし査定のプロが在籍しているため、古書の種類や種類によっては高額買取が期待できる。
東京の古本買取 くまねこ堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
古本買取 くまねこ堂は、これまでに1万件以上の買取実績をもつ骨董品・古書の買取専門店だ。マニアックな本や珍しい古書など、希少性の高いものも目利き査定によって高額買取してもらえる。査定は基本的に豊富な知識と実績を持つ店主がおこなうため、価値ある古書を見逃さない。
くまねこ堂の買取上限価格がいくつか公開されているので、参考にしてほしい。
商品名 | 買取価格 |
---|---|
特高月報 昭和48年復刻版 全15函揃 | 15万円 |
戦史叢書 全102巻揃 附図付き完品 | 20万円 |
「大唐三蔵聖教序」 漢籍 唐本 中国書法 法帖 | 10万円 |
査定では希少性や需要を重視するため、場合によっては経年劣化があっても問題ないようだ。
千葉のBOOKOFF(ブックオフ)
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
BOOKOFF(ブックオフ)は、全国800店舗以上で展開している古本買取店だ。漫画やゲームの買取イメージが強いが、ものによっては古書も買取してもらえる。店舗買取だけでなく宅配や出張買取なども選べるので、古書の持ち出しに困っている人でも安心だ。
ただし、ブックオフではISBNやバーコードがない古書は買取対象外なので注意しておこう。古書の買取価格は、残念ながら見つからなかった。古本や比較的新しい古書(ISBNやバーコードがあるもの)を売りたい人におすすめだ。
まとめ
本コラムでは、古書の買取情報として、査定や買取金額相場などについて紹介してきた。古書買取は非常に鑑定が難しいものであるため、専門で取り扱っている本屋や買取業者でも、買取金額は違うようだ。また、買取相場に関しては伏せている業者が多く、相場も掴みにくいのが現状である。
そのため、古書を売るなら業者やショップでの査定金額を参考に比較検討したほうがいいだろう。なお、以下のコラムでは宅配買取でおすすめの業者を紹介しているので、合わせて確認してみてほしい。