<本記事は現役のコスプレイヤーが執筆しています>
年末年始はオタクにとって財布の紐が緩む季節だ。本記事執筆時点の年の瀬には国内最大級のアニメイベント、「コミックマーケット」が東京ビッグサイトで開催された。十年程前、初めてこのイベントを訪れた筆者は、そこで紙切れのごとくに飛び交う諭吉の姿に、日本でも東京ビッグサイトでのみ局地的にインフレが起こっているのかと錯覚した程である。
コスプレイヤー達も、一年の「コス納め」として、自慢の衣装をこのビッグサイトで披露したことだろう。イベントに三日間連続で参加した筆者も、溢れる美男美女の姿に鼻の下が伸びっぱなしであった。
さて、そうして沢山のグッズや同人誌を購入し、またコスプレを楽しんだアニメファンの方々の中には、ダブってしまったグッズや不要になった衣装を整理したいという方もいることだろう。本稿では、数あるアニメグッズ売買サイトを比較しながら紹介する。フリマアプリなどスマホアプリがあるものに関しては、アプリの使い心地も5点満点で採点した。
最後に、どんなグッズを売るのかを場合分けし、それぞれおすすめの売却先、売買サイトについて順位付けしている。アニメグッズ、コスプレグッズを売る事を考えている方々の参考として頂ければ幸いである。
CONTENTS
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比較対象となる売り先
本コラムで比較するのは以下の売却先である。
検討していく売却手段のリスト
- 1.ヤフオク
- 2.オタマート
- 3.メルカリ
- 4.コスプレイヤーズアーカイブ
- 5.実店舗・買取サービス(駿河屋、K-BOOKS)
- 6.(番外編)Twitter
なお、以下コラムも合わせて確認してみると良いだろう。

1.ヤフオク
言わずと知れたヤフーオークション。個人間の売買サイトの老舗である。PC、モバイル、どちらからも利用、出品が可能。
ヤフオクの長短
- ○幅広いジャンル、購入者層の厚み、オークション形式、複数商品の出品
- ×出品までが一手間
ヤフオクはPC、アプリ含めてのユーザー数が多く、出品した際に多くの人の目にとまるというメリットがある。 また、扱うジャンルも幅広く、老若男女幅広いユーザーを購買層としてターゲットに出来る。
そしてなにより、定価出品だけではなく、オークション形式に対応していることと、同一商品の複数個出品が可能な事がヤフオクの強みだ。
ヤフオクがおすすめの出品事例
- ・男女共に人気のあるアニメ作品のグッズを出品する
- ・中身の見えないトレーディング商品で、同じキャラクターが複数被ってしまった場合
- ・需要過多で、値段の天井が図りづらい場合(→オークションで買い手同士を競わせることが出来る)
- ・供給過多で、安値でもいいから売りさばきたい場合(→1円スタートで売る事で、市場が求める最適価格で売り切ることが出来る)
以上のような場合には、ヤフオクでの出品がおすすめだ。
ただし、出品のためには、
- ・Yahoo! ID
- ・Yahoo!プレミアム会員登録(月額費380円(税抜))
が必要となるため、出品までに一手間かかることには注意しておきたい。
アプリの使い心地:3.5/5点
出品時の日数などのオプションは、前回利用時のものがストックされて自動入力出来るが、商品説明に関しては毎回打ち込まなければならないのが少し面倒。アプリ版では写真の正方形へのクロップなども簡単で、使い心地は概ね快適である。
ヤフオクの出品代行サービス「オクサポ!」
オクサポ!: https://econet-trading.jp/
オクサポ!は、ヤフオク!への出品代行に特化したサービスだ。オークション出品の際にかかる、面倒な作業をすべて代行してくれるので、ユーザーは品物を送るだけでOK。ヤフオクでの代行販売数は10万件を突破している。
2.オタマート
オタマートは現在モバイルアプリのみでの展開となっている、アニメグッズ専門フリマサービスである。オタクのフリマ、と題しており、出品カテゴリーも、缶バッジやキーホルダーなど、オタクグッズに特化している。
オタクというと男性ユーザーが多いような印象を受けがちだが、実際には女性ユーザーが過半数を占めている。最近では「痛バッグ」という、好きなキャラクターの缶バッジやキーホルダーを大量につけたバッグを持ち歩く女性が増えている。そうした女性オタク達が、好きなキャラクターのグッズを買い、他のキャラクターのグッズを売る場として使うケースが多いようだ。
オタマートの長短
- ○簡単な出品、無料キャンペーン
- ×独特の取引習慣、やや女性向け
非常に便利な機能が豊富
オタマートでの出品はいたって簡単だ。スマホで商品の写真を撮る。アプリ内で、アップロードした商品画像の明るさや彩度の変更も出来る。驚きな事に撮影時に画像の向きが横になってしまっていたりしても、自動で正しい方向に回転補正してくれる、非常に優秀な機能である。
商品説明は、テンプレートが用意されていたり、前回使った文章をコピーして使う機能がついていたりと、これまた使いやすい。
次に、商品のカテゴリーと検索用のタグを登録するが、オタクグッズ専用アプリという事で、カテゴリーも細かく分かれていて、かつ選びやすい。タグに関しても、商品名から自動でキャラクターの名前などを抽出して候補表示してくれるため、便利である。
基本定額出品で、オプションとして値下げを受け付けるか受け付けないかが選べる。現在一月末までキャンペーンで一切の手数料が無料。つまり、無料で出品出来て売れた額がそのまま懐に入って来る。これは美味しい。なお、本来は売り上げの10%が手数料としてオタマート側のものとなる。
不便な所
以上の紹介文だけ見ると非の打ち所がないようにも見えるオタマートだが、実際出品して購入希望者と取引する段に移ると、少々厄介である。何が厄介なのかというと、簡単に言ってしまえば、「買い手と売り手のコミュニケーションが人間的」なのだ。
買い手が売り手に申請許可をしてもらう
オタマートでは、希望する商品に、買い手側が「購入申請」というものを行い、それを売り手側が「承認」する形で取引がスタートする。 しかし、大抵の場合、買い手は実際の申請前に、コメント欄から、「申請してもよろしいでしょうか」と売り手側にお伺いをたてるのが慣習となっている。
取り置きなどの手間がかかることも
また、コメント欄の方から「すぐに振込が出来ないので一週間程取り置きしてもらえないか」などと質問される事も多い。 そうした場合には、商品名を編集して「(買い手の名前)様専売」として他の人の購入申請を事実上阻んだりといった作業が必要になる。
初心者には少しむずかしいかも
複数の商品のリストをひとつの商品として出品し、コメント欄から「リストの①を3個、リストの②を4個」というように希望を伝え、それに応じて別途、「○○様専用ページ」という名前で商品を出品する、というやり方も見られる。こうした独特の出品方法や買い手との取引の進め方が、慣れるまでは少し分かり辛いかもしれない。これは、オタマートのユーザーに、缶バッジやアクリルキーホルダーを交換し合う女性アニメオタクが多い事も関係しているのかもしれない。
オタマートの利用がおすすめの出品事例
- ・缶バッジなどの量産品
- ・ブーツや簡単なコスプレ衣装
アプリの使い心地:4.5/5点
筆者はこれまでに複数のコスプレ・ゴスロリ衣装やブーツ、アニメの缶バッジなどを出品して来たが、出品自体は1分程で完了し、いずれもすぐに買い手がついた。

3.メルカリ
メルカリもまたモバイルアプリのみのフリマサービスで、基本的なサービス内容はオタマートと同じである。すなわち、スマホで写真を撮り、カテゴリ―等を選択して出品する。ただし、扱う商品はアニメグッズに限っていない。
売り上げの10%がメルカリ運営サイドのものとなる。フリマアプリとして国内最大規模であり、モバイルアプリに限った部分ではヤフオク以上のユーザー数を有する。オタマートよりもユーザーの母数が大きいため、商品がより多くのユーザーの目に触れる事が期待出来る。
まとめると以下のようになる。
メルカリの長短
- ○広いユーザー層
- ×独特の取引習慣
「オタマートでは買い手がつかなかった商品にメルカリだと買い手がついた」ということもある。専売や購入申請の慣習についてはオタマートと同様である。
アプリの使い心地:3.5/4点
オタマートと異なり、写真の回転や編集がアプリ内で行えないのが少し不便である。テンプレートの使い回し機能もついていない。 出品のしやすさで言うと、オタマートの方が使いやすく感じた。
メルカリ利用がおすすめの出品事例
- ・缶バッジなどの量産品
- ・ブーツや簡単なコスプレ衣装
メルカリを使うかオタマートを使うかは難しいところだが、インターフェースが自分にあった方、あるいは、オタクグッズ以外で使う事が多いか否かによるだろう。オタクグッズしか出品しないのであれば、オタマートの方が使い勝手がいい。
4.コスプレイヤーズアーカイブ
Disney Princesses poolside / greyloch
コスプレに限られてしまうが、衣装やブーツ、コスプレ関連の小物の出品であればおすすめなのがこのコスプレイヤーズアーカイブである。
コスプレイヤーズアーカイブは、コスプレイヤー向けのSNSであり、現在約14万人のコスプレイヤーが登録している。
その中のサービスの一つとして、「コスプレフリーマーケット」というものがあり、無料で衣装の出品、売買が可能だ。
コスプレイヤーズアーカイブの長短
- ○コアユーザーが買い手のため、高めの値段設定が可能
- ×コスプレイヤー、又はユーザーとしての登録が必要。
- ×自分のコスプレ写真やプロフィールを充実させておかないと、信用度が下がり売買が成立しにくい。
- ×取引制度がなく、メッセージで振込先などをやりとりするため、たまに未入金や未発送のトラブルが生じる。
コスプレイヤーズアーカイブ利用がおすすめの出品例
- ・トレンドの作品の衣装
- ・古い作品だが衣装が貴重な衣装
先に述べたように、コスプレイヤーズアーカイブはサイト自体がコスプレイヤー向けSNSのため、習慣的に趣味としてコスプレを行うヘビーユーザーがターゲットとなる。 そのため、「今流行っているため、すぐに衣装を入手してコスプレしたい」「古い作品だが、好きなのでどうしてもその衣装を着たい」といった強いニーズを持つ買い手が多く、値段については少々強めに出ても買い手がつく場合が多い。
フリマアプリとの比較
なお、メルカリ(オタマート)などのフリマアプリとコスプレイヤーズアーカイブでコスプレを出品するとしたら、どちらがいいのだろうか。メルカリとコスプレイヤーズアーカイブの両方を使っているというコスプレイヤーにインタビューをしてみたところ、以下のような意見が出て来た。
メルカリでコスプレグッズを売る時の評判
- ・グッズはメルカリで旬ジャンルのものならそれなりに売れる。
- ・利用者が多いため、売る時のポイントは
- 『ほんの少しだけ周囲の値段設定より低めor同値段』
- 『送料込みにする(これ重要)』
- 『検索にひっかかりやすいようにワードを何種類かで説明文に入れる』
- ・古いものは売れにくい。使いやすさ故に古いものを掘り返して買う人は少なそう。
- ・そもそもメルカリは基本的にグッズ中心。コスプレへの需要が薄そう。テラテラの衣装でガチのレイヤー向けじゃないようなものや、状態のあまりよくない自分も安く買ったウィッグなど、ハロウィンや宴会でコスプレをする層が対象。そのまま捨てるよりは、安値で誰かに譲れたらラッキーみたいなのを安く出して売った。
コスプレイヤーズアーカイブ利用者の声
- ・アーカイブのフリマでは割と強気の出品が可能。
- ・レイヤーばかりが見てるというのもあるが、古い作品でも他に出品がないマイナーものだったりしたら出品されてること自体ラッキー!と割と買い手がつく。
- ・すぐにお金が欲しい時は向かないが、割とぽろっと売れる。
- ・人気ジャンルで自作のものとかも、作るのが面倒なものだったら高値で買う人が誰かしらいる印象(アーカイブ)。
- ・元値1万強とかで15,000円で売れたりする。
- ・武器や靴、ウィッグ等セットで売ると、作る時間がないけどお金はある社会人が高値でも買ってくれる。
- ・アーカイブは送料別が基本。振込してもらうため、信頼関係でやりとりだし着払いが安心。
コスプレイヤーズアーカイブにはモバイルアプリは無い。インターフェースもレスポンシブルではないので、携帯からの出品が多いユーザーには少し使いづらいかもしれない。
5.実店舗・買取サービス
オンラインではなく、オフラインで売るというのも売る際の候補となる。
- ○データの入力などが不要で簡単、トラブルが発生しない
- ×売り物を店まで持って行く必要がある、安値で買い叩かれる可能性、店舗ごとに扱う商品が違う
時間のない人、商品説明文などの作成が手間だと感じる人は、実店舗に商品を持ち込んでしまうのも良いかもしれない。
トイフォレストなら自宅で簡単に売却ができる
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
コスプレグッズを売るのにおすすめの買取ショップがトイフォレストだ。こちらはホビー用品を専門に買い取っている買取ショップで、フィギュアやドールなどの買取も行なっている。トイフォレストは高額買取が特徴で、ベテランのスタッフがしっかり鑑定してくれるため高値買取を実現してくれる。そのため、利用者の満足度も高く、リピーターも多いとのこと。
こちらは宅配と出張の2つから買取方法を選ぶことができる。事前見積もり料金が1,000円以上であれば、送料や査定料などの手数料が無料となる。また、宅配キットも提供してくれるので、面倒な梱包作業を省けるのも嬉しいポイントだ。
複数者に見積もりをして買取額を比較しよう
最近では「駿河屋」がコミックからアニメグッズまで幅広く買い取りを行っているが、K-BOOKSも、コスプレ、アニメグッズ、同人誌、漫画と多様なジャンルを買い取っているためオススメだ。なお、各社郵送買い取りを行っているが、商品数30点以上で着払い分の配送料無料、など条件は会社によって異なるため注意が必要である。
買取価格
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ポリシー
ウイルス
対策
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ポリシー
ウイルス
対策
6.Twitter
番外編であるが、特に缶バッジやキーホルダーに関してはTwitter上で売買のやりとりを行う人も多い。商品名やキャラ名をキーワードとして入れる。フォローしてない人からのコンタクトも受け付ける場合には、「検索からも歓迎」などとしておけば、検索から辿り着いて買い手が連絡をくれることもある。
ただしこれは「旬ジャンル」と言われる、流行かつ発売されたばかりの検索ワードになりやすいグッズが対象である。
まとめ:グッズごとのオススメ出品先
Dragonball figures / Japanexperterna.se
ここまで各売却先について解説してきた。オタクグッズ、アニメグッズの何を売るかで場合分けし評価してみた。その順位を確認してほしい。尚、あくまで売値が高いかどうかという観点で見ているに過ぎない。オークションやフリマアプリには手間暇があり、一概に高く売れるからといって本当に良い選択なのかはわからないところである。それを差し引いて見てほしい。
1.グッズを売却する際
グッズ(缶バッジ、キーホルダー、タペストリー、フィギュア等)を売る時の優先度を独断で決めるなら、オタマート>ヤフオク>メルカリ>実店舗となる。
2.コスプレ衣装を売る時
売る時の優先度を独断で決めるならコスプレイヤーズアーカイブ>実店舗>オタマート>メルカリ>ヤフオクとなる。
番外編:同人誌の出品はマナー違反
なお同人誌の出品も多く見かけるが、同人誌はマナーとしてオークションやフリマへの出品を禁止しているクリエイターがほとんどなので、専門の中古買い取り店舗(K-BOOKSやまんだらけ等)に持ち込んだり、郵送買い取りをしてもらうのが基本なのでご注意を。
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