モンブラン(MONTBLANC)は、ドイツを拠点とする高級文具・皮革製品ブランドとして日本でもよく知られている。現在はカルティエやIWC、ジャガー・ルクルトなどとともに、スイスのブランドグループ企業、リシュモングループの傘下にある。
そのモンブランが高級腕時計の製造に乗り出したのは、1997年のこと。それも製造拠点をスイスのル・ロークルにおき、全部品から自社で一貫製造を行うマニュファクチュールの道を歩み始めたのだから、並々ならぬ決意を感じさせる本格的な新規参入である。
さらに2006年にはスイスの名門時計メーカーの1つだったミネルバ(MINERVA)を買収。創業160年に近い歴史に裏付けられた技術力をも手にしたモンブランは、その数年後には自社開発のムーブメントを発表するなど、時計ファンにとっても注目のブランドの1つとなっている。
ここでは、そんなモンブランの腕時計の型番の特徴と、モデル名との関係性について説明していく。腕時計の型番はリファレンスナンバーとも言われ、購入する時にはもちろんのこと、業者に査定をお願いしたり、買取に出す時にも特に重要な要素となるので、どこに書かれているのか、何が書いてあるのかをしっかりチェックしておこう。
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モンブラン腕時計の型番について
モンブランの腕時計には、スマートウォッチ、機械式腕時計、そしてクオーツ腕時計に至るまで、日本版公式サイト(http://www.montblanc.com/ja-jp/)で見る限り、現行で235種の製品を13のコレクションに分類して販売している。各コレクションから数製品をピックアップして、その型番を紹介していこう。モンブランの型番は、公式サイトに「品番」として記載されているので、こちらを参照した。
なお、モンブランの腕時計のケース裏面などにはこうした型番の記載はないので、製品を購入した際には保証書等で型番を確認していただきたい。
モンブラン腕時計の型番は6ケタの数字
- 4810:ref.114857(自動巻)
- ヘリテイジ クロノメトリー:ref.116244(自動巻)
- ヘリテイジ スピリット:ref.110714(自動巻)
- トラディション:ref.117047(クオーツ)
- スター:ref.107314(自動巻)
- ボエム:ref.112556(自動巻)
- スタークラシック:ref.108770(クオーツ)
- タイムウォーカー:ref.116202(自動巻)
- 1858:ref.116479(自動巻)
- コレクション ヴィルレ:ref.109150(手巻)
- ニコラ・リューセック:ref.106487(自動巻)
- サミット スマートウォッチ:ref.117537
モンブランの型番は、上記のとおり6ケタの数字で構成される。ここで見てわかる特徴はあまりなく、掲載していない他のモデルの型番も含めて、その数字はランダムに振られているようだ。機械式やクオーツなどのムーブメントの種類からも型番の法則性は見えなかった。唯一明らかな特徴と言えるのは、「11か10で始まる6ケタの数字」ということぐらいである。
スマートウォッチの型番はある程度限定されている
唯一「サミット スマートウォッチ」のコレクションは、全36製品のうち、「1175××」がメインのナンバーで、他に「1179××」と「1177××」が散見されるだけだった。つまり、OSにAndroid Wear 2.0を搭載するモンブランのスマートウォッチの型番は、「1175××」、「1177××」、「1179××」であるということが言えそうだ。
これが「117×××」になってしまうと、他のコレクションの製品も入ってきてしまうので注意したいところ。ちなみに、通常の腕時計は全製品が「SWISS MADE」だが、このスマートウォッチは中国で生産されている。
モンブラン腕時計の型番
ざっと見渡すだけでは、モンブランの腕時計の型番に大きな特徴は見られなかった。そこでここからは、「サミット スマートウォッチ」を除いた、各コレクションの型番を見ていくことにしよう。
「4810」の型番
- デイト オートマティック:115122/114841/114852
- デイデイト:114853/114854
- クロノグラフ オートマティック:114855/114856/115123
- デュアルタイム:114858/114857
- オルビス テラルム:115071
- ツインフライ クロノグラフ:114859
- エグゾトゥールビヨン スリム:114864
全て機械式の自動巻ムーブメントを搭載するコレクション。「4810」はヨーロッパアルプスの最高峰・モンブランの標高の高さ。だからだろうか、冒頭の「11」の後が「48」となっている型番が多い。これは明らかに合わせてきたと思われる。
「 へリテイジ クロノメトリー」の型番
- オートマティック:116481/114869/112519/112520/112521/112532/112533
- ツインカウンターデイト:114872/114873/116244
- デュアルタイム:112540/112648
- デュアルタイム ヴァスコ・ダ・ガマ スペシャルエディション: 113779/113780
- カンティエーム コンプリート:112538/112647
- カンティエーム コンプリート ヴァスコ・ダ・ガマ スペシャルエディション:112539
- ウルトラスリム:112515/112516
- カンティエーム アニュアル:112534/112535
- カンティエーム アニュアル ヴァスコ・ダ・ガマ リミテッドエディション:112536/112537/113355
- クロノグラフ アニュアルカレンダー:114875/114876
- エグゾトゥールビヨン ミヌート クロノグラフ:112542
- エグゾトゥールビヨン ミヌート クロノグラフ ヴァスコ・ダ・ガマ リミテッドエディション:113356
「ウルトラスリム」のみが手巻き式のムーブメントで、他は全て自動巻きムーブメントの腕時計だ。インデックスの違い、ブレスレットとストラップの違い、ケースの素材の違いなどの場合には、型番が連番になる傾向が見られる。ケース素材がステンレススティールからレッドゴールドになり、価格が飛躍的に上昇しても型番自体は連番となっているケースもあった。
「ヘリテイジ スピリット」の型番
- オートマティック:110695/111622/111623/111580/111581
- ムーンフェイズ:110699/111620/111621/111184/111185
- デイト オートマティック:111624/111874/113705/111875/113706
- オルビス テラルム:112307/112308/112309/116534/116532/116533
- パーペチュアルカレンダー:110714/110715
- パーペチュアルカレンダー サファイア:112310
- パルソグラフ:111626
全て自動巻きムーブメントの製品。「オルビス テラルム」はラテン語で「地球」と「世界」を意味し、自社開発したマニュファクチュールコンプリケーションにより24のタイムゾーンで時間を示し、世界中の昼と夜の変化も表示してくれる。
「トラディション」の型番
- デイト:112635/112633/112636
- オートマティック:112609/112610/112611/112632/116482/116483/114366
- クロノグラフ:117047/117048/114339/114340
- デイト オートマティック:114957/114367/114368/114369/114336/114337
「デイト」と「クロノグラフ」はクオーツ駆動の製品。「114336」と「114368」は同デザインのケース直径が異なるペアウォッチと思われるが、型番としてみた時には特に関連性は見られない。他にもそのような例は見られた。
「スター」の型番
- デイト:108762/108763/108761
- デイト オートマティック:107314/107315/107115/107114
- オートマティック "カルぺ・ディエム":113849
- ローマン スモールセコンド "カルペ・ディエム”:113879
- ローマン スモールセコンド オートマティック:111921
- トラディショナル クロノグラフ オートマティック "カルぺ・ディエム ":113847
- クロノグラフ UTC オートマティック:110590/107113
- ローマン クロノグラフ UTC オートマティック "カルペ・ディエム":113880
- トラディショナル ツイン ムーンフェイズ "カルペ・ディエム エディション:113848
- カンティエーム コンプリート:108736/108737
- ローマン カンティエーム コンプリート "カルペ・ディエム”:113691
- ツイン ムーンフェイズ:110642
スペシャルエディションの“カルぺ・ディエム”。型番も似ているかというとそうではないモデルもある。
「ボエム」の型番
- デイト27mm:111206/111207
- ムーンフェイズ クオーツ27mm:112496/111960/111961
- デイト オートマティック30mm:111055/111056/111057/111059
- デイト オートマティック28mm:116498/116500/116501
- デイ&ナイト30mm:114730/114731/114732/111214/111058/114732
- デイト オートマティック34mm:114733/114734/112499
- デイ&ナイト34mm:112512/112501/112500
- ムーンガーデン:112554/112555/112556
- ブルー:111291
- パーペチュアルカレンダー ジュエリー:113830/112503
- パーペチュアルカレンダー ジュエリー リミテッドエディション:116495
- エグゾトゥールビヨン スリム:116494/114736
- エグゾトゥールビヨン スリム ジュエリー:114737
全てケースサイズが直径40ミリ以下の女性向けのコレクション。型番はどちらかというとバラついており、コレクションの特徴はあまりみられない。
「スター クラシック」の型番
- レディ:108764/108765/110304/110305
- デイト:108768/108770
- オートマティック:107073/110589/107309/107916
- デイト オートマティック:110717/113823/113824/112145
時・分・秒表示のスタンダードな時計のコレクション。
「タイムウォーカー」の型番
- デイト オートマティック:116057/116058/116059/116060/116061
- クロノグラフ オートマティック:116096/116097/116098/116099/116100/117051
- クロノグラフ UTC:116101/116102
- クロノグラフ ラリー タイマー カウンター リミテッドエディション:116103
- エクゾトゥールビヨン ミヌートクロノグラフ リミテッドエディション:114925
クラシックカーレーシングの黄金時代をテーマにしたという「タイムウォーカー」コレクション。クロノグラフはレーシングカーの計器をモチーフにしてデザインされている。このコレクションになって初めて型番に統一性が見られることに。型番「1160」と「1161」始まりは、「タイムウォーカー」コレクションの型番だ。
「1858」の型番
- オートマティック スモールセコンド:115073/115074
- マニュアル スモールセコンド リミテッドエディション :113860
- マニュアル スモールセコンド:112638/112639/113702/114958
- オートマティック:116241
- オートマティック デュアルタイム:116479
- クロノグラフ タキメーター リミテッドエディション :114086/112637
「1858」は、かつてのミネルバの製品を現代的なヴィンテージ感を添えて復活させたコレクション。「116241」と「116479」はケースの一部にブロンズを使用しており、ヴィンテージ感溢れる注目モデル。
「ヴィルレ」の型番
- エグゾトゥールビヨン ラトラパンテ:111823
- タイムライター I : メタモルフォシス:106168
- トゥールビヨン バイ-シリンドリック:106494
- グラントゥ-ルビヨン ウールミステリューズ:109268
- エグゾ トゥールビヨン クロノグラフ:109156
- クロノグラフ レギュラトゥール:109433
- ヴィンテージ タキデイト:107341/107342
- タイムライター II: クロノグラフ バイーフリークエンス1.000:107343
- トゥールビヨン シリンドリック ナイトスカイ ジオスフェール リミテッドエディション:115053
スイスのヴィルレにある旧ミネルバの工房が作り出す超複雑時計の数々を集めたコレクション。1点ものがほとんど。
「ニコラ・リューセック」の型番
- クロノグラフ オートマティック:106487/102337/109996
- オマージュ トゥ ニコラ・リューセック:111012/111592
- オマージュ トゥ ニコラ・リューセック II リミテッドエディション:111873
クロノグラフを開発した時計師ニコラ・リューセックにオマージュを捧げたモデル群。こちらはル・ロークルのモンブランのマニュファクチュールで作られている。
まとめ
前章でモンブランのスマートウォッチ以外の腕時計の型番を紹介したが、外見が特徴的な「タイムウォーカー」を除いて、コレクション毎の型番の統一性は見られなかった。全体としても、他のブランドでよくある冒頭にアルファベットがつくというわかりやすさもないので、モンブランの腕時計の型番に関しては、前述のとおり、「11か10から始まる6ケタの数字がモンブランの型番」ということで覚えておくしかないだろう。
一方でモンブラン腕時計は、コレクションは異なっても似ているデザイン、機構のモデルが数多いので、製品を特定するためには型番(=品番)は欠かせないツールとなることは間違いない。気になる商品があれば、型番をしっかりチェックしておくことをおすすめしたい。