エミール・ガレは19世紀の後半から20世紀初頭に活躍したガラス工芸家である。深みのある色彩や曲線が特徴的な作品を幅広く制作し、熱狂的なコレクターが世界中に多くいる。当記事では花瓶やランプをはじめエミール・ガレ美術工芸品の買取相場や価値を中心にまとめた。
ぜひ参考にしていただければと思う。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
エミール・ガレの経歴と作風
エミール・ガレは世界的に知られるフランスのガラス工芸家である。装飾性の高い新しい芸術アール・ヌーヴォーの旗手としても有名であり多くの功績を残した人物だ。
エミール・ガレの略歴
エミール・ガレは1846年、フランスのナンシーで生まれた。1872年に工房を父から引き継ぎ修業を重ねた。1878年に開催されたパリ万博万国博覧会には酸化コバルトで淡い青色に発色させたガラス器「月光色」を出品。
銅賞を受賞し一躍脚光を浴びる。エミール・ガレはガラス工芸家として活動する一方、1886年には家具工房も立ち上げた。1900年開催のパリ万国博覧会では大量の作品を出品しガラス部門でグランプリを受賞するなどして、一躍世界的有名な作家となった。
1890年代にヨーロッパ全土で装飾的な様式をとり入れた新しい芸術アール・ヌーボーが流行したが、エミール・ガレはガラス工芸分野の第一人者としてその発展に大きな貢献を果たしたとされている。そして1904年にその生涯を閉じている。
エミール・ガレ美術工芸品の特徴
エミール・ガレの美術工芸品は幻想的かつ繊細だ。コバルト酸化物を使用して青色発色の着色ガラスを用いるなどして豊かな色彩を再現。華麗な曲線を使った躍動感あふれるフォルムもまた魅力的だ。
また、植物学や鉱物学の知識も生かし植物や昆虫の幻想的な形態を表現したことにも特徴がある。エミール・ガレの自然を観察することで得られたインスピレーションは抜きんでていた。華麗な曲線や色彩をつかって、装飾的に生き物の生命を表現したのはエミール・ガレならではの表現方法だった。
その装飾的な様式は1890年代にヨーロッパ全土で流行したアール・ヌーボーの発展に貢献し、近代デザインの先駆けともなったことでの評価も高い。
エミール・ガレ美術作品の買取相場とその価値
エミール・ガレは、世界的に有名な作家だ。また、エミール・ガレは弟子をとらなかったことから、現在はガレブランド製品は制作されていない。そのため、美術工芸品の希少性は極めて高い。
そういった背景もあって、エミール・ガレの美術工芸品はさまざまな業者が積極的に買取をおこなっている。買取相場については、買取業者の買取参考価格の一部を後述しているので、それを参考にしてもらいたい。おおむね、数万円~数100万円が買取相場となっている。
美術品の買取業者に買い取ってもらう方法
もしエミール・ガレ作品が自宅などに眠っていて売りたい場合、まずは古美術に詳しい買取業者に問い合わせをしてみるのが確実な方法だと言えるだろう。プロの骨董品鑑定士が在籍している骨董品店、あるいは古美術品店などが適している。そういった買取業者に買取を依頼する場合、出張買取、宅配買取、店頭買取の3種類の買取方法から選べるようになってケースが多い。
それぞれの買取方法の注意点と大まかな流れについて以下述べてみよう。
出張買取の注意点と簡単な流れ
出張買取は買取業者のスタッフが直接自宅まで来て査定してくれる買取方法のことを指す。この買取方法がもっとも推奨できる手段である。なぜならエミールガレの工芸品の多くは破れやすいものであるため、自宅から一歩も出ずにしてできるこの出張買取は破損リスクを避けることができるからである。
出張買取の際は、まずは買取業者に電話やメールを使って問い合わせをおこなって日時を合わせることからだ。出張には古美術に詳しい鑑定士が基本的には来て、鑑定した結果として査定額を知らせてくれる。その査定額に納得いくならば取引成立ということでそれらの美術工芸品のを売る代わりに査定額を受け取ることができる。
なお納得いかない場合はキャンセルすることも自由である。
宅配買取の注意点と簡単な流れ
エミールガレの美術工芸品の場合、どうしても破損のリスクがあるためできる限り出張買取をしてくれる業者を探したいところだ。ただ離島に住んでいるなど近くに出張買取をしてくれる業者が見つからない場合もあるかもしれない。そんなときは宅配買取に対応している業者を探すのも良いだろう。
宅配買取は美術工芸品を直接買取業者に郵送しておこなう買取方法である。その際ダンボールや緩衝素材を使って梱包をおこなって送るわけだが破損しないよう細心の注意を払うことが必要となる。買取業者に美術工芸品が到着したら鑑定士からの連絡を待とう。
査定額を知らせてくれるので納得いけば売却する代わりに査定額が指定された銀行口座に振り込んでくれる。なおキャンセルする場合はその返送料については査定を依頼する側が負担することが少なくない。美術工芸品の運送料は保険などの問題から一般的な商品より高くつく。
もしキャンセルする可能性がある場合は事前に買取業者に返送料について確認しておくのがよいだろう。
店頭買取の注意点と簡単な流れ
店頭買取は買取業者に実店舗がある場合、直接持ち込んで査定してもらう方法だ。その場合、店頭で鑑定士が査定をおこなってくれるので、すぐに現金化したいときなどには便利な手段と言えよう。ただ、店頭買取は自宅から美術工芸品を持ち出すことになるので、くれぐれも破損しないよう気をつけて運搬するようにしたい。
買取業者の紹介
エミール・ガレの美術工芸品は日本でも高く評価されており、買取をおこなっている業者は多い。ここでは、エミール・ガレに関する美術工芸品の買取実績のある業者と買取参考価格の一部をいくつか紹介しよう。なお、買取参考価格は、美術工芸品の場合、時代による作家の人気度などによって変動するので、あくまでも参考価格として捉えるのが良いだろう。
八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
八光堂は40年以上の歴史があり本店を東京の銀座に構える業者だ。東京都のほかには、大阪府、神奈川県、愛知県、京都府、広島県、富山県、福岡県に店舗がある。出張買取、店頭買取に対応。
エミール・ガレ鑑定のスペシャリストも多数在籍しているのが特徴だ。エミール・ガレ作品の買取参考価格としては、例えば「アサミとみつまた文 花器」が40万円、「ランプ 被せガラス 酸化腐食彫り 木瓜の花」150万円、「ノウゼンカズラ文 ランプ」100万円、「白鳥に湖水風景文 花瓶」100万円など。ほかにも、蝋燭台、天吊灯、時計、テーブルほか広範に取り扱っている。
Dan-Sha-Ri
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
Dan-Sha-Riは東京都の銀座に実店舗を構えるエミール・ガレ買取の専門店である。出張買取と宅配買取に対応している。エミール・ガレ専門店だけあってエミール・ガレの買取実績は非常に豊富である。
エミール・ガレ作品の買取参考価格は、「オンぺル文花瓶」が82万円、「チューリップ文花瓶」110万円、「木瓜文双灯テーブルランプ」65万円、「キキョウ文三灯式天吊灯」60万円、「クロッカス文ヴェイユーズ」17万8,000円などとなっている。
エコリング
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
エコリングは骨董品の買取に定評のある業者である。骨董品専門の鑑定士が在籍している。買取方法は店頭買取、出張買取、宅配買取に対応。エミール・ガレの美術工芸品についても積極的に買取をおこなっている。
買取参考価格の一例としてはエミールガレの「花瓶 ガラス工芸」12万円ほか。
査定額アップのためのポイント
美術工芸品を買取業者に査定してもらう場合、1円でも高い金額で査定してもらいたいと誰もが考えるところだろう。ここでは査定額をアップさせるためのポイントについていくつか説明してみたいと思う。
付属品や箱をそろえて査定に出す
作品だけでも査定をしてもらうことは可能であるが、説明書など付属品や箱がついてるほうが査定額がアップする確率が高い。付属品があまりそろっていなければ、鑑定士からするとその真偽を確かめにくいことにもなりかねない。だから、付属品は汚れていたり破れていたりしても気にすることなく一緒に査定に出すのがよいだろう。
適した環境で保管する
こちらは美術品全般に言えることだが、できるだけ綺麗な状態で査定に出す方が査定額アップにつながりやすい。保管場所としては、直射日光の当たらない、風通しのよい場所が適している。なお、エミールガレの美術品は破れやすくデリケートであるから破損しないように日頃から気をつけておくというのも必要になる。
傷が入っていたり欠損していたりすると査定額が下がることは言うまでもない。
乾拭きをして査定に出す
査定に出す前に乾拭きをしておとしておくとよいだろう。それだけでも買取店の鑑定士からすると、美術品を丁寧に保管したということが伝わり、印象が良くなるからだ。とはいえ、無理に表面をきれいにしようとするのは避けておきたい。
表面の塗料が剥がれてしまったら元も子もないからだ。あくまでもほこりを払う程度にしておきたい。なお、汚れている場合、洗剤などを使って汚れを落とすということは絶対にしないでおきたい。
もし色落ちや変色などしてしまえば査定額が下がってしまうからだ。
美術品の情報を初期の段階で多く伝えておく
買取業者には、査定してもらいたい美術工芸品の情報をできるだけ多く伝えておきたい。例えばタイトル、作家名、付属品の有無などだ。あとは、作品を入手した時期、どの店舗で購入したか、いくらで買ったか、あるいは誰から譲り受けたのかなども伝えておきたい。
美術品に関する情報や入手ルートが明確になることで鑑定の精度が高まり、査定額もアップしやすいのだ。
ヒビが入っていても修復せずに査定に出す
花瓶やランプ壺などは特にそうだが、工芸品の場合、割れ物であるため、ヒビが入っていたり欠損したりしてしまっているかもしれない。人間の心理として、査定額アップのために補修して出したいと考えるものだが、それは避けておきたい。なぜなら素人が補修をすれば、かえって美術品本来の美しさが損なわれ逆に査定額が下がってしまうケースがあるからだ。
もしひび割れがあったり欠損していたりしても気にせず査定に出すことをおすすめしたい。
複数の業者に査定してもらう
エミール・ガレの買取をおこなっている業者はたくさんある。だから査定に出す業者を一社に限定する必要はない。複数の買取業者に査定してもらって高い査定額を提示してくれた業者と取引することで少しでも高い値段で売却することが可能となるだろう。
まとめて査定してもらう
もし査定してもらいたい美術品が複数あるならばまとめて査定してもらうことをおすすめしておきたい。もちろん一点だけでも査定してくれるだろうが、もしたくさんあれば、高い査定額がつく場合があるからだ。なぜなら買取業者からすると複数の美術品を所有しているということはお得意様になる可能性が高いと判断するからである。
そうすると、この顧客を逃してはいけないという心理が働き、少し高い金額で査定額を出す場合があるのだ。
オークションを活用して売却する
美術工芸品の買取業者に買取を依頼しないときはオークションを使って売るという手段もある。ここでは美術品の公開オークションと個人でおこなうオークションについて述べてみたい。
美術品の公開オークションに出品する
ひとつ目の方法は、シンワアートオークションや毎日オークションなどの美術品の公開オークションに出品することだ。それらのオークションには、美術品コレクターや買取業者など購買意欲の高い人々が集まっている。それだけ目の肥えている人が集まるわけなので、価値の低い商品に対してはシビアだが価値のある商品に対しては驚くほど高額で落札される場合もある。
例えば2008年に開催されたシンワオークションの公開オークションでは「藤文彫テーブルランプ」の落札価格は1,100万円、「蝶文マルケットリー花器」は落札価格は1,000万円だった。公開オークションで落札されたとき、落札額から委託料や諸経費が差し引かれた金額が入金されるというシステムになっている。
ネットオークションに出品する
エミール・ガレの美術工芸品はヤフーオークションなどネットオークションにも出品されている。落札相場は数万~数10万円である。例えば「エミール ガレ(Galle) スフレ技法 葡萄紋 花瓶(箱付)」は283件の入札があり65万円で落札されている。
ネットオークションはパソコン操作が得意な人なら、個人レベルで気軽に出品することができるのがメリットだ。ただ、発送や梱包も自分でやらなければならないし個人同士のやり取りとなるためトラブルが起きる可能性があることは考慮していたほうがよいだろう。
まとめ
エミール・ガレは世界的に高く評価されているガラス工芸家である。作品には、花瓶、ランプ、テーブルなど色々あるが、希少性が高く、数万円~数百万円が買取相場である。美術品の公開オークションによっては1,000万円を超える値段で落札されたケースもある。
エミールガレの美術工芸品が自宅など眠ってる場合、まずは古美術品に詳しい買取業者に問い合わせをしてみたい。