古物(こぶつ)市場は日本全国に大型リサイクルショップから店舗を持たないネット古物商と様々な参加者がいるが、北海道の状況はどうだろうか調べてみた。古物を買取・販売するには北海道警察公安委員会に「古物商許可申請書」を申請・取得する必要がある。
平成30年4月25日現在、北海道では、個人・法人合わせて1,434箇所のホームページ利用取引を行う古物商が活動している。古物商の許可を取得するときには、扱う古物の種類(13種類)をあらかじめ決め、後々変更や追加したいものがある場合はあらかじめその種類を併記して申請したほうが良いだろう。
札幌駅前 / Fushichiyo
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
北海道の古物市場の状況
全国に古物市場は1,500ほど存在しているが、北海道では例年45箇所程度で推移している。北海道は全国一広大な敷地面積があるが、その人口(538万人)は全国8位で、そのほとんど(36%)が札幌市(195万人)に集中している。全道にある古物市場のうち60%が札幌市に集中している。
古物市場は全国的に一見さんお断りとか、会員以外お断りのケースが多く、一般のユーザーにはその市場の存在さえ分からないことがあり、閉鎖的な市場と言われている。北海道でも例外ではないが、開放的で門戸がオープンにされている市場も存在しているので、古物市場を主催する企業のホームページに公開されている古物市場の情報を抜粋する。
北海道古物商業協同組合
- エリア
- 北海道札幌市
- 取扱品目
- 家具/家電/雑貨/ブランド/厨房機器/オフィス家具/衣料
- 時間
- 11:00~終わりまで
- 会場住所
- 北海道札幌市東区北48条東5-2-21 事務局・物流センター
- 参加条件
- 入会金は賛助会員1万円、組合員1万5000円。年会費は賛助会員1万円、組合員1万5000円。参加費は賛助会員1000円(食事無し)、組合員は無し
- 特徴
- 家具、家電、衣類、ブランド品、貴金属などが取引される。
- 古物商許可
- 必要
札幌古物中央市場
- エリア
- 北海道札幌市
- 取扱品目
- 家具/家電/雑貨/着物/ブランド/宝飾品/時計/美術品/骨董/衣料/古本
- 時間
- 10:00~お昼頃まで
- 会場住所
- 北海道札幌市中央区南5条東2-11-1 シティビル2F
- 参加条件
- 入会金、年会費無料。参加費1000円。食事なし。
- 特徴
- 500円程の安い商品でもどしどし出品可能。1Fにはカフェも有る。
- 古物商許可
- 必要
札幌BJKオークション
- エリア
- 北海道札幌市
- 取扱品目
- 宝石/貴金属/ブランドバッグ/骨董/美術品/刀剣武具類/きもの/毛皮/海外ブランドのバッグ/時計並びに宝石/貴金属/きもの/毛皮
- 時間
- 10:00~お昼頃まで
- 会場住所
- 北海道札幌市中央区南7条西6-289-6 カンエイビル1階
- 開催日
- 毎月7日、19日、20日、22日
- 入会金
- なし
- 年会費
- なし
- 参加費
- 3,000円(昼食付)
- 古物商許可
- 必要
旭川リサイクル古美術親交会
- エリア
- 北海道旭川市
- 取扱品目
- 家具/家電/雑貨/骨董
- 時間
- 9:00~終わりまで
- 会場住所
- 北海道旭川市東光12条6丁目203番地 ダイイチ東光店内
- 開催日
- 毎月第1・3木曜日
- 参加条件
- 入会金、年会費無し。参加費2500円(食事有)
- 特徴
- レトロ雑貨、骨董書画等、リサイクル品(家具、家電)を扱う。毎年5月と9月の第3木曜日は、大会形式で行う。
- 古物商許可
- 必要
北海道の市場状況とリストの入手
北海道での古物市場状況について調べてみた。
北海道の古物市場情報の入手方法
北海道では、古物市場の情報は一部のオープン市場を除き一般には公開されていないので、北海道警察の「警察情報センター」、「方面本部の情報コーナー」、「警察署の情報コーナー」の窓口に必要事項を記入した「公文書開示請求書」を提出し取得することになる。事前に北海道電子自治体共同システムへの利用者登録を行えば、電子申請による開示請求もできる。
情報公開請求の書類作成や請求業務は、作成に専門知識を要するため一般の人では難しく、代行業者に頼めばサインと押印だけで済むので、自身で作成するより消費する時間を考えると経済的である。
市場リスト
公開請求を行い過去に入手された資料によると北海道での市場リストは、平成23年9月は44の市場が、平成27年10月は49の市場があり若干増加しており、平成30年では公開請求未請求のためはっきりとわからないが平均年45の市場開催で推移しているため、今年も同様の古物市場が開催されていると考えられる。
古物市場の一覧リストをホームページ上で公開している都道府県が10県あるが、北海道は公開していないので、情報公開請求を行い古物市場リストを入手する必要がある。古物市場リストの入手のための情報公開請求書の作成には専門知識がないと結構手間がかかり面倒だが、今ではインターネット上で全国の古物市場リストが購入できるし、また、無料でも一部の市場リストが公開されているので、それを入手すれば時間と資金の節約になるだろう。
古物市場への参加
古物市場への参加は、古物商の申請を行い許可を受けることが条件であり、許可後6か月以上営業しない場合は許可を取り消されるので積極的に参加することが必要である。
古物商の許可
古物商を営みたい者(リサイクルショップ等の法人または個人)が自分の取り扱いたい古物の種類を記した許可申請書を警察の窓口に届け出る。
古物の種類と許可申請
古物市場で取り扱う古物の種類は、美術品、衣類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車及び原動機付自転車、自転車類、写真機類、事務機器類、機械工具類、道具類、皮革・ゴム製品類、書籍、金券類の13種類に分類されている。
その中から古物で自分の売りたい、買いたい品目を古物商の許可申請時に届出ることである。許可証に記載されていない古物は取り扱いができないので、許可申請時の古物の種類を予め多く掲げることも視野に入れるべきである。
(注)取り扱う種類を多く掲げて古物市場に参加した場合に、自分の取引外の品目で窃盗の容疑で警察の介入を受けることもあるので程々にしておくべきである。
積極的に参加する
北海道内での古物市場は、そのほとんどが札幌市に集中しているが、他の地域でも積極的にオークションに参加し(欲しいものがなく取引しなくてもよい)、主催者や参加者と顔合わせを行い信頼関係を構築すれば、閉鎖的な市場へも参加が可能となるだろう。
欲しいものを安く仕入れ、欲しい人がいる市場への出品が可能となり、商売の幅が広くなればなるほど利益も上がるだろう。人付き合いの苦手な人も、今はインターネットの時代であるため、簡単にオークションに参加することができるだろう。とにかく積極的に参加することである。
まず「平場」から参加しよう
古物市場の入札は、その市場によって入札形式が、「平場」、「大会」、「競り上がり」、「本ヤリ」とその方式によって形式が違う。
オークション初心者の場合は「平場」から参加しても、ベテランやプロと競り合うとなかなか勝てないだろうし、勝っても適正価格を超えてしまうこともあるため、自分の目標とした価格を設定し落札を目指すことである。注意したいのは、古物商申請で許可された古物の種類以外は参加できないので注意することである。
慣れてきたらその他の方式に挑戦しよう
「大会」とは出品リストが提示され現物確認後入札が行われる形式で、出品された品への相場感が重要となる。また、出品者は出品予定品を入札日の数週間前から預けなければならないため品物数の確保が必要となる。
「競り上がり」とは発句と呼ばれる始め値から声を掛け合いながら値を段々と上げていく上げていく(競り上げる)方式で、初心者でも参加できる。
「本ヤリ」とは発句の値から参加者が一斉に入札額を発声し、最高値をつけた参加者が落札する方式で、かなり早いスピードで進んでいくため、初心者には難しいだろう。
古物市場にはたくさんの種類と出品品があり、在庫を豊富に抱えているときや品不足による補充のため、また、相場感を磨くためにもたくさんの古物市場に参加し、さらに上の市場を目指すべきである。
これからの古物市場
現在は使い捨ての時代から「もったいない」時代へ変化して行き、「リュース(繰り返し使う)」、「リバイ(積極的に購入・利用する)」意識の高まりを受け、「リュース」を推進する中核をなすのが古物商(業者・個人)である。
インターネットオークション
インターネットオークションは今後、手軽に行えることから市場の数が増加すると思われる。自分の所有している不要物を出品する場合は古物商許可は必要はないが、販売目的で購入し出品した場合は古物商許可が必要となる。
古物商を営むには事務所の設置を届出る必要があるが、個人では届出事務所が自宅(パソコンを使用する場所)で申請できる。賃貸住宅に居住している場合は貸主の使用承諾が必要となる。
インターネットオークションの普及により、一般のエンドユーザー同士が古物の売買を行うため、古物市場が品薄となり必要数確保のため、古物市場での取引が必要かつ重要になるだろう。
フリマアプリ
2013年に若い女性の間で流行し、その後利用者が爆発的に増加し今では、メルカリ・フリル・ショッピーズといったアプリがある。フリマアプリ最大級のメルカリは出品数が多く、アプリダウンロード数が5000万を超えている。因みにフリルのアプリダウンロード数は850万を超えている。そのほかにもアプリはあるが、やはり気に入った物を探すには出品数が多く、利用者も多いアプリを利用するのが良いだろう。
取引は、CtoC(個人間取引)で行われるが、インターネットオークションと異なり、競り上がりがなく出品者の希望価格で購入者が買いたいと決めたら、その提示価格で直ちに購入し、代金をサービス提供者が一時預かり、製品到着後出品者に支払う仕組みとなっている。
リュース市場
プリマアプリの目を見張る躍進によりCtoCが増加し、この傾向は今後も増大していくと考えられている。更なる新しいスマホ・アプリが提供されインターネット上での販売がメインとなり、リュースの経験者数が増加しリュース市場はますます成長するだろう。
まとめ
今回は、北海道の古物市場についてご紹介した。ご紹介した古物市場では取り扱い品目が多岐に渡るため、自分が売りたい・買いたいものに合わせて問い合わせたうえで市場に参加してみても良いだろう。
また、今後の古物市場を見ていくと、インターネットオークションやフリマアプリといった市場も取引の選択肢として考えてみてもいいかもしれないだろう。自分の取引が納得のいく形になるよう、事前によく調べて利用を検討していただきたい。