近頃、遺品整理に頭を悩ます人が増えているように思う。遺品とは、要するに亡くなった人が生前持っていたもので、一般的に動産を指す。
故人が、いわゆる「ミニマリスト」であったのであれば遺品整理も簡単に済むだろうが、もし「汚部屋の住人」であったのであれば、もはや遺族の手に負えず、業者に頼むケースもある。こうなれば、遺品整理に葬儀並みの費用がかかることもあるのだ。
遺品によって遺族に負担がかかるのでは、たまったものではない。とりわけ、金銭的な負担を減らすためにも、そんなときは「遺品であっても売却できる」ということを覚えておこう。
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遺品を売却してもいいの?
まず、遺品と聞くと、所持して丁重に保管しておかなければならないと思いがちだが、最近ではそのような感覚は薄らいでいるようだ。別に遺品だから売ってはいけないというルールがあるわけでもない。特に家具や家電の大型のものであれば、保管するにも限度があるだろう。
また、最近では、断捨離ブームが流行ったことからか、ものを持たないことを美徳とする考えも浸透しつつある。それならば、いっそのことお金に換えて(売って)、有意義に使ったほうが故人も喜ぶのではないか。そんな風に思う人も、今や少数ではなくなっている。
相続放棄をするわけでもなく、遺産分割協議にしっかりと従っているのであれば、遺品の売却について、誰かにとがめられる筋合いはない。もちろん、故人の遺志を尊重することは大切だが、故人も遺品によって相続人が困ってしまうことは望まないのではないだろうか。
どんな遺品が高く売れる?
「遺品は売ってもいい」、そう考えると遺品整理も多少気楽になるのではないだろうか。「宝探し」は言い過ぎかもしれないが、多くの場合、売れるものが残されている。ここでは、よくある「高く売れる遺品」を紹介していきたいと思う。
バッグや財布
遺品の中でもよくあるのがバッグや財布といったものだ。元値が高額なブランドものである場合、買い取ってくれる業者が多く、もっとも換金しやすい遺品とも言えるだろう。
買取額は、そのブランドやシリーズ、状態によって大きく変わってくるが、買ってからあまり時間が経っておらず、使用感もさほどなければ、元値の半分以上で買い取ってもらえることもある。付加価値がついて元値以上になることはあまりないが、ブランドもののバッグや財布は流通性が良いため、換金率が高いのが特徴だ。また、流行性も大きく買取額に影響を与えるので、なるべく早く査定に出してみよう。
査定に出すときは、拭き取れるシミや汚れは適切に拭き取っておこう。このとき、必ず所定のやり方を確認し、特に薬剤の使用は場合によっては変色や痛みなどがあるので、気をつけるようにしよう。
ただし、穴があいているからといって、自分で補修するのは控えよう。売れるものも売れなくなってしまう。また、付属品や箱があるなら、一緒に査定に出すとよいだろう。逆に、付属品や箱がなくても、バッグや財布は買い取ってくれる業者が多いので心配無用だ。


宝飾品
指輪やネックレスなどの宝飾品は、デザインに流行こそあれ、その素材自体に価値があるので、高価で売れるケースが多い。その最たるものは金(ゴールド)だろう。
金はそれこそ何世紀にも渡ってその価値がある程度保証されている素材だ。開発途上国はもちろん、経済先進国においても自国の通貨より金を信頼し、資産を金に換えて保持する人が今昔とても多い。
金は一定以上の価値があるうえ、需要を露骨に反映して価格が上がることが多い。例えば、米ドルなどの主要通貨に不安要素が生じた場合なんかには、マネーが金に流れ、金価格が上昇することも最近ではよくあることだ。そんなとき、金は高く買い取られ、それは宝飾品に使われている金であっても例外ではない。
指輪のアームはシルバーや金でできており、当然シルバーより金の方が価値が高く、18金(18k)であれば割と高く買い取ってくれるだろう。もちろん10金(10k)も買取対象になるが、相対的に安くなるのは自明の理だ。
また、プラチナにも同じことが言える。プラチナは金よりも希少な金属で、金よりも高価だ。しかし、流通性や産業上の役割で言えば金には劣るため、換金率は金ほどではないかもしれない。結婚指輪や婚約指輪では、プラチナを選ぶ人が大多数なので、頭の片隅にでも入れておこう。
金やプラチナは、指輪のアームやネックレスのチェーンに使われるが、これら宝飾品の主役は石だ。とりわけダイヤモンドは、オーソドックスながらも普遍的に価値があり、ダイヤモンドの質によっても買取額は大きく変わってくる。
ダイヤモンドは4C(カラット、カット、カラー、クラリティ)と呼ばれる要素で価値が決まる。簡単に言えば、重く、形状がよく、色味がなく、不純物が含まれていなければ価値が高い。カラットは有名だが、カラットだけがダイヤモンドの価値を決めるわけではない。そのため、大粒ダイヤモンドがついていても、過度な期待は禁物だ。
なお、宝飾品に関しては、鑑定書があると査定が有利に進むことが多いので、極力探し出しておこう。


美術品・骨とう品
美術品や骨とう品は、「お宝」として、思いもよらぬ高額で買い取られることもある。また、例え贋作であっても、出来がよければ高額で買い取ってもらえることもあるので、この類のものが出てきたときは専門の業者に査定を依頼しよう。
美術品・骨とう品の価値を見極めるのには、相当な専門性(鑑定力)が必要になってくる。業者からしても、悪意があろうがなかろうが、適正価格で買い取るのはなかなか難しい。そのため、査定はなるべく複数の業者に出して、それぞれの鑑定結果を聞くようにしよう。
また、もし大きくて壊れやすいもの(壺や大皿など)である場合は、自分で何件もの業者の査定に出向くのもリスクがあるので、なるべく出張査定を依頼するとよいだろう。

着物
故人のタンスを着物が占めていた、押し入れが着物の衣装箱だらけであった。故人が高齢であった場合、よく聞く話だ。
最近、巷では着物の買取も活発だ。何十年も前に購入したものなのに、買い取ってもらえるのか・・といった声がとても多いが、着物の買取においてこの類のものはとても多く、たいていの業者では柄や色が古くても、買い取ってくれている。また、紋付でも買い取ってもらえることがあるので、心配する前に業者に問い合わせてみるのがよいだろう。
さらに、業者によっては、草履や扇子、かんざしやバッグも買い取ってくれることがあるので、あわせて査定に出してみるとよいだろう。
着物は、元々が高価な品ということもあり、状態が良ければ高額買取が期待できる。そもそも、着物を適切に保管するのは結構手間がかかる。もし不安であれば、カビたり、虫に食われないうちに、売却してみてはいかがだろうか。

家具
遺品として処分に困るのが家具の存在だ。家具はとにかく大きいうえに重いので、捨てようと思っても粗大ゴミとして有料になる場合がほとんどだ。この場合、文字通り「負の遺産」となってしまうので、売れるのなら売ってしまう方が好都合だろう。
家具の場合、残念ながら何でもかんでも買い取ってくれるわけではない。そのほとんどが、有名ブランドの家具やデザイナーズ家具といった高級家具である場合に限るだろう。
例えば、カッシーナのソファやカール・ハンセン&サンのチェアなどであれば、中古であっても欲しがる人は多く、家具買取専門店はもちろん、総合的なリサイクルショップでも買い取ってもらえるケースがある。
しかし、ニトリやIKEAなど、いわゆるファスト家具だと、元値が安い分、なかなか買い取ってもらえないと思っておいた方が無難だ。 もし、買い取ってもらえないのであれば、フリマアプリやオークションサイトなどを使って売るのも一手だ。例えば1円で販売して、送料は購入者または落札者負担とすれば、結果的に処分料が浮くことになる。
家電
家具と並んで、遺品として必ず発生するのが家電だ。一口に家電といっても幅広く、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、掃除機、レンジ、炊飯器、ガスコンロ、ミシン、ゲーム機、ブルーレイレコーダー・・・最近ではAIスピーカーなどもある。高値で売れる家電は、「高機能」または「多機能」のもので、発売から時間があまり経っていないものだ。
例えば、洗濯機でいえば、二層式のものでも買い取ってくれる業者がなくはないものの、やはりドラム式の方が換金率はよいだろう。元値が高い分、買取値にも期待がもてる。テレビであっても、小型の液晶よりも、大型の有機ELの方が望ましい結果につながりやすい。
また、掃除機なんかでは、国内メーカーのものよりも、ダイソンのようなブランド化に成功しているようなものの方が高く売れるのが通常だ。ゲーム機では、次世代機が発売されると、古い方は買取額が下がる傾向にあるので、売りそびれないように気をつけよう。
家電も家具と同様、自分で廃棄処分する場合には料金がかかることが一般的だ。家電リサイクル法の対象4品目(エアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビ)であれば、リサイクル料金の名目でかなりお金がかかるので、売れるなら売った方がよく、売れなくても引き取ってもらえるようであれば、それだけでも負担がなくなる。
スマートフォン
家電の延長とも言えるが、故人が使用していたスマートフォン端末ももちろん売ることができる。今日、スマートフォンの買取競争は激しく、数多くの業者が買取に力を注いでいる。スマートフォンは、とにかく進化の速いアイテムなので、なるべく早いうちに売った方が高値につながるのは間違いない。
しかし、スマートフォンを売る場合には、データの取り扱いに注意が必要だ。最近では、スマートフォンにあらゆる個人情報を保存している人が多い。そのため、スマートフォンを売るために安易にデータを削除してしまうと、取り返しのつかないことになりかねない。
スマートフォンに保存されているデータは、パソコンやクラウド上など、できるだけ別の場所にコピーしておくのがベターだ。もちろん、タブレットでも同様だ。また、スマートフォンを売却するまえに、死亡による解約手続きを取ることを忘れないようにしよう
食器
贈答品用の皿やグラスなどは、遺品の中でもいい値段で売れることが多い。というのも、もらったはいいけど、未開封・未使用のままというケースが多いからだ。
食器は一度使ってしまうと、どんなに高級品であっても、それなりに値が落ちてしまう。しかし、未開封・未使用であれば、場合によっては元値の半分ほどで買い取ってもらえるケースもあるようだ(ブランドによる)。
特に慶事などでは、いまだに皿やグラスなどの食器を贈ることが多い。しかし、高級な皿やグラスは日常的な使い勝手がよくなく(割れやすく、洗いにくいなど)、結局はいつも使っている食器を使い続ける人が少なくないようだ。かくいう筆者もその一人で、慶事で幾度となくブランドものの皿をもらったが、結局は使わずに押し入れにそのまま保管している。
調理器具
鍋やフライパンなどの調理器具を買い取ってくれる業者は多い。しかし、現実的には数千円で購入したような「民生品」扱いの調理器具では、なかなか値がつかないものだ。では、どのようなものが高値になるかというと、最近流行りのホウロウ鍋や機能性のある圧力鍋などだろう。
ホウロウ鍋は昔からあるものだが、最近になって「インスタ映え」するということからか、人気が再燃しているようだ。
例えば、ル・クルーゼのホウロウ鍋はシンプルながらも素材感もよく、その魅力はとんでもなく重いというデメリットすらも払拭しているようだ(筆者は片手で持ったところ手首を捻りそうになった)。また、圧力鍋は、調理器具の中でも高機能品で、元値も高いので、結構な値段で買い取ってくれたと喜ぶ声をよく聞く。
ワイン
ワインは投資対象にもなるぐらい、市場的な価値が残るものだ。高名なワイナリーで作られた出来のいい希少なワインなんかでは、何万円、何十万円で販売されることもある。
もし故人がワイン好きであったのなら、ワインセラーなどにどんなワインが残っているか見てみよう。ひょっとしたら、高額で売れるようなワインがもったいなくて飲めずにそのまま残っているかもしれない。
ワインを売る場合も、やはり専門店で買い取ってもらうのが無難だ。個人経営のリサイクルショップなどでは、「ただの酒」として買い取られかねないので、気をつけよう。
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楽器
故人が楽器をたしなんでいたのなら、その楽器も売れるかもしれない。しかし、楽器は詳しい人でなければ、なかなかその価値がわからないものだ。そのため、素人判断することなく、気になる楽器があれば、できるだけ業者に査定してみてもらうのが無難だ。
また、この時、総合的なリサイクルショップでは適正な価値がわからないかもしれないので、やはり楽器買取専門店にもっていく方がよいだろう。
ピアノやヴァイオリン、チェロ、コントラバス、ギター、ベース、サックス、トランペット、トロンボーンなどの洋楽器から三味線や三線、琴、太鼓などの和楽器まで、小道具的なパーカッション(おもちゃのカスタネットやマラカス、シェイカーなど)をのぞいて、ほとんどの楽器は買い取ってもらうことができる。
基本的に、どんな楽器であっても最近では楽器本体だけで買い取ってもらえるが、もちろん専用のケースや付属品があるに越したことはない。故人が楽器を持っていた以上は、きっとケースもあると思うので、探しみるとよいだろう。
なお、弦楽器については、査定に出す際に弦を取っておくべきか迷う人がいるようだが、基本的に弦は張りっぱなしでOKだ。仮に弦が張っていないと、正常に音がでるか判断がつきづらいし、錆びている弦が張ってあろうが、新品の弦が張ってあろうが、通常再販時には弦を新しく交換しているので、深く気にすることはないだろう。
また、楽器があれば、譜面台や楽譜などの関連品もあるかと思う。業者によっては、これらもまとめて買い取ってくれるところがあるので、頭に入れておくとよいだろう。もし楽器本体の買取しか扱っていないといわれたら、それはそれで別の買取業者に問い合わせてみよう。
古銭・古紙幣
故人が高齢の場合、古銭や古紙幣が出てくることがある。これらは、額面以上の価値が出ることもあるので、やはり専門の買取業者に査定してもらうのがよいだろう。
例えば、軍票(軍が戦地で発行する手形)や記念貨幣、外国古銭などの収集家や愛好家はいつの時代もいて、貴重なものであれば数万円で取り引きされることも珍しくない。また、骨とう品や古美術品と違って、古銭・古紙幣というのは、どこの家にもあったりするものだ。高齢な方からすれば、当時のお金が手元に残っていても、特段不思議に思わないだろうが。
古銭・古紙幣には、どこか人を引き付ける意匠がこらされており、魅力を感じる人が多い。筆者もかつて実家から大量の古銭が出てきたことがあり、見た目にも美しいのでそのまま所持していたのだが、飾るわけでもないので、思い切ってまとめて専門業者に買い取ってもらった。
数百枚はあっただろうか、ほとんどは希少性がなく値がつかなかったのだが、記念硬貨数枚が数千円で買い取ってもらえた。
書籍・CD・ビデオ
書籍やCD、DVDやブルーレイなどのビデオは近くのブックオフやTSUTAYAなどで買い取ってもらえることは周知のことだと思う。これらはなかなか付加価値が付きづらく、一つひとつに対して高額買取は期待しない方が無難だ。
そのため、時間や労力の節約のため、一気にまとめて売ってしまうのがおすすめだ。もし相当な量になるようなら、宅配買取や出張買取を行っている業者に買い取ってもらうとよいだろう。
金歯
驚くかもしれないが、実は金歯は売ることができる。「宝飾品」の項目でも説明したが、金(ゴールド)はその素材自体に価値があるので、形がどうあれ、金を抽出できる以上、価値があるのだ。そして、それは故人の口の中にあった金歯でも例外ではない。不衛生だからといって捨ててしまうのは、お金を捨てているのと同じであると考えよう。
収集品
人は大なり小なり、コレクションに財を費やす傾向にあると思う。故人は、周りから理解されないようなものを集めていなかっただろうか?
切手、鉄道模型、ミニカー、人形・フィギュア、クラシックカメラ、映画ポスター、鉱石、万年筆、モデルガン、トレカなどなど。これらは、世界中にコレクターが存在し、インターネットを介して、収集活動が活発になっている。
そのため、もし故人に何かしらのコレクションがあるのであれば、ゴミと判断せず、まずはそれが価値あるものかどうか調べてみよう。例えば、フィギュア一体が何万円で売れた、というのも全く珍しい話ではない。

【まとめ】遺品を売って負担を減らそう
上記のとおり、今やほとんどの遺品が売ることができるし、場合によっては高い値がつくこともある。人が亡くなると、何かと出費も多くなる。もし金銭的に負担を感じるようであれば、遺品を売ってカバーしてみてはどうだろうか。また、売って得たお金で、故人の好きだったものを墓前に供えるのも、きっと意義あることだと思う。
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