古くからある陶磁器のひとつ「信楽焼(しがらきやき)」。「コレクションを処分したい」「使ってないから処分したい」「新しいものが欲しいので処分したい」と考えたとき、買取に出して現金化したいという人は多いだろう。ただ、どこに売ればいいのか、どうやって売ると得なのかがよくわからないこともある。
買取に出す場合、何の下調べもしないで売ってしまうと、大きく損をしてしまうリスクが高くなる。買取を考えたときは下調べをして、ある程度のポイントはおさえておきたい。そこで、買取における基本的な知識やポイントについて紹介していく。信楽焼を高く売るために必要なこととは、一体どんなポイントなのだろうか。
本記事のポイント
- 信楽焼は「信楽と李朝で死ねる」という言葉が有名
- 「古信楽」は高額査定になりがち
- 4つの鑑定ポイントとは?

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信楽焼とは
信楽という地域は、滋賀県の最南部に位置している。信楽焼は、「古信楽」と呼ばれる古琵琶湖層の粘土層を利用して、信楽特有の土味と素朴であたたかい情感を醸し出している。陶土に木節(きぶし)、実土(みづち)、蛙目(がいろめ)などの粘土や原料を合わせて練るため、コシがでて、肉厚な焼き物や大きな焼き物を造ることができる。信楽焼の代名詞のようになっているのが、頭に笠をかぶって小首を傾げる姿が愛らしいたぬきの置物だ。

日本古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの窯である「日本六古窯(にほんろっこよう)」のひとつに数えられる。六古窯の他の5つは、瀬戸焼、常滑焼、越前焼、丹波立杭焼、備前焼だ。
信楽焼の歴史
信楽焼のはじまりは742年、聖武天皇の紫香楽宮造営にあたり瓦を焼いたことによる。時代の変遷とともに焼窯の形状や技術も変わっていき、茶道が流行り出した室町・桃山時代には、茶湯の中核を担う京や奈良とも近い場所にあり、良好な土も多くあったため、茶器の生産が盛んになった。江戸時代には登り窯が誕生したことで大物の陶器が焼かれるようになる。明治時代には神仏具や酒器も焼かれ、太平洋戦争時期の火鉢生産に関しては昭和の中頃まで主力製品として全国的に普及した。

信楽焼の特徴
信楽焼の特徴は「一窯」、「二土」、「三細工」といわれ、土そのものの風合いを生かし、あまり色付けはしないスタイルである。焼かれる際に生じる火色のグラデーション、灰が降りかかって生じるビードロ釉(うわぐすり)の着色、灰に埋もれることで黒褐色になる焦げなど、ほとんどが炎一つによって生じる色合いだ。
伊賀焼とよく似ているが、伊賀焼と比べ、形が単純素朴で土のきめが粗く、重量が比較的軽い。また、灰釉の調子がやや黒ずんでいるなどの特色がある。茶陶器においては、この信楽焼の焦げ部分のさびた趣きが珍重されている。
土について
約400万年前、この地にあった琵琶湖の湖底に堆積してできた古琵琶湖層から採る。この土が、信楽焼独特の野趣あふれる肌と温かみのある火色を生み出す。火に強く、小物も大物もを造ることができる土でもある。
ビードロ釉について
一般に陶磁器は吸水を防ぎ、強度や装飾性を高めるために釉薬(ゆうやく)を掛け、ガラス質の皮膜で素地をコーティングする。信楽焼は本来は無釉だが、窯の中で、炎の中で灰と土が反応することでガラス化し、緑色のビードロ釉と呼ばれる古信楽の代表的な質感が生まれる。窯の温度や薪の種類などで様々に変化し、灰に埋まる部分が黒褐色になる「焦げ」も信楽焼の特徴だ。
現在の信楽焼
古くから千利休や昭和天皇といった多くの茶人・文化人を愉しませてきた信楽焼だが、現代に即したものも多く作られている。先に挙げたたぬきの置物をはじめ、傘立てやふくろうの形をした焼酎サーバーなどがある。特に、焼酎などの蒸留酒は陶器に入れて寝かせると味がまろやかになるという特性があることから、自宅で焼酎をより楽しみたいと思う人たちから、信楽焼の焼酎サーバーは人気を呼んでいるようだ。また、信楽焼の土鍋でごはんを炊くとふっくら美味しく炊き上がるため、人気が高い。

信楽狸は縁起物
信楽焼の代名詞、狸の焼き物。「信楽=狸」というイメージは、昭和26年、昭和天皇の信楽に行幸の際、日の丸の小旗を持ち沿道に延々と並んで天皇を歓迎する信楽狸が全国に報道され、定着したと言われている。その姿かたちは「八相起縁」と呼ばれる縁起を表している。
八相起縁とは?
- 笠:思いがけない災難を避けるため、身を守ってくれますように
- 大きな目:周囲を見回し気を配り、正しい判断ができますように
- 笑顔:常に愛想よく笑顔でいることで商売繁盛につながりますように
- 徳利:飲食に困らないよう、徳を持てますように
- 通い帳:世渡り上手は信用第一
- 大きなお腹:常に冷静沈着に、大胆に決断し行動できますように
- 金袋:金運に恵まれますように
- 尾:何事も大きく太くしっかりと事を終えることができますように
信楽焼の狸は、商売で心がけるべき教えが表されている縁起物なのだ。
信楽焼は人気の骨董品として高値で売れるものが多い
信楽焼を買取依頼へ申し込む前に、「できるだけ高く売りたい」と考えているのであれば、買取市場における信楽焼の価値を知っておくべきだ。買取市場において高級信楽焼は高価買取をされることが多い。
「日本人は信楽と李朝(李朝朝鮮の焼き物)で死ねる」という言葉が、骨董マニアの間にある。 これは死ねるほど日本人の骨董マニアは信楽と李朝を愛してやまないということを表しているのだろう。
信楽焼は工芸品でありながら、その職人の技術から生まれる、シルエットの美しさ、絵柄など芸術品として見られている側面を持つモノでもある。そして、信楽焼を作っている作家も多く存在している。高価な信楽焼であれば、金粉をあしらったモノなどあり、買取市場で数百万円で取引されるものもある。
買取されている信楽焼一例
- 信楽しのぎ大壺
- 炭化肩衝壺
- 窯変砧花入
- 窯変丸壺
- 窯変菱口花器
陶器の査定基準・ポイント
査定基準や納得がいく金額で買い取ってもらうためのポイントとして、以下のようなものがある。
信楽焼を専門とする骨董品・古美術品業者か
まず、信楽焼を買取依頼に出そうと思ったときに、どこで買取の査定をお願いするべきなのか。信楽焼のような芸術品を買取に出す場合には、骨董品、芸術品、美術品を専門で買い取っている業者の買取依頼に申し込んだほうがいいだろう。ネットオークションやフリマアプリなどで出品した場合、信楽焼の本当の価値がわからず損をするリスクが高くなる。
というのも、信楽焼のような骨董品の価値はプロの目利きでさえも難しいものだ。それだけ、骨董品、芸術作品の価値を量るには、膨大な知識や情報などが必要であり、経験もいるため、信楽焼の本当の価値は、素人にはわかりづらい。
複数で見積もりをしたか
出来るだけ高く売りたいと考えるのであれば、複数の買取ショップや業者へ買取依頼を申し込むべきだ。その理由は、信楽焼の目利きは非常に難しいもので、買取金額も業者によって大きく違うからだ。
業者によっては信楽焼の需要度が高く、買取強化している場合もあるだろう。そういったところでは、市場の相場よりも少し高い買取金額が期待できる。ショップや業者によって、必要しているモノが違うため、買取金額が数万円変わる場合もある。できるだけ多くの店舗やショップの買取査定で比較検討すべきだろう。
有名作家や人気の窯元か
古いものというだけで高額査定は期待できるが、わかりやすい指標に有名作家が作ったものかどうかという点も査定では重要だ。
有名作家例
- 北大路魯山人
- 上田直方
- 古谷道生
- 辻清明
- 小川得斎
- 高井明山
- 谷井直方
- 奥田三楽
- 神崎紫峰

「状態」が良好か
買取査定で、重要視されるのは現物の「状態」だ。これは、買取市場での基本的なポイントとなる。買取では現物の「状態」が非常にシビアに査定されるため、良い状態で買取へ出すほうがプラス評価となりやすい。
例えば、信楽焼の査定で、汚れ、ホコリ、欠け、割れなどがある状態が少しでも見つかれば、マイナス評価となり買取金額も減額となる。保管の状態は日頃から気を配り、買取へ出す前にはキレイな状態で出せるよう、細かいところまで掃除をしたほうが、買取査定で良い評価を得られるはずだ。出来るだけ良い状態で、買取査定へ出すようにしよう。

付属品は買取金額に大きく響く
基本的に買取市場では付属品は揃っていると買取金額も数万円上乗せになることが多い。逆に付属品が揃ってない場合にはマイナス評価となり、買取金額も減額となってしまう。信楽焼の付属品であれば、箱、説明文などの書物があるだろう。買取依頼に出す際には、そういった付属品を忘れずに一緒に出そう。
信楽焼の鑑定ポイント
信楽焼の鑑定ポイントはいくつかある。ここでは、それを順に紹介する。
1.長石が全面に出ている
これは信楽のもっとも代表的な鑑定ポイントだ。つぶつぶの大きな白い長石 が肌から全面に吹き出ているように出ている。壷ならかなりの確率で信楽である。
2.ウニ
信楽の土は粗めの風化花崗岩で、粘土の中に風化しきってない木の節が混ざっているものがある。節が粘土の中に入ると、燃焼したときに高温で燃えてしまう。するとその節があったところは空洞になる。これを「ウニ」という。大きな「ウニ」になると中から外へ と穴が抜けてしまっているものがある。 多くの信楽焼にはこのウニが表面や裏側に見ることができ、マニアの間で「ビスケット肌」ともいわれて愛玩される。
3.美しいビードロ釉
信楽の大きな魅力の一つである、ビードロ釉。 独特の白い木節粘土に薄い透明感の強い独特の釉薬が流れ、そのコントラストにファンが多い。

4.檜垣文
室町の信楽作品に多く入っている檜垣文。多くは二重線の間に ×印が連続した文様のこと。通常は肩に近いところに入るが、少し古いものでは壷の腰からやや下のあたりに檜垣文が入る場合がある。この檜垣文は陰陽道などによる魔よけの×印とも考えられている。
信楽焼の相場情報
一概に信楽焼といっても、歴史が長いため歴史的価値や製作者によって大きく価値が異なる。ここでは、買取価格を公表している買取業者の買取情報や提示している買取相場を元に相場例を確認していきたい。
信楽焼の相場例
- 北大路魯山人「信楽焼蹲壺」85万円(八光堂)
- 辻清明「信楽徳利」6万円(八光堂)
- 上田直方「信楽茶碗 鵬雲斎書付」6万円(八光堂)
- 小川得斎「壺」5万円(かぐら堂)
- 杉本貞光「信楽茶碗」5万円(八光堂)
- 高橋楽斎「信楽茶入」4万円(八光堂)
- 神崎紫峰「信楽広口水指」3万円(八光堂)
- 保庭楽入「信楽旅枕花入 久保宗成(尋牛斎)書付」3万円(八光堂)
- 四代上田直方「信楽捌目茶碗」5,000円(緑和堂)
- 作者不明「信楽焼 花瓶」4,000円(ハロッズ)
- 作者不明「信楽焼たぬき置物」3,000円(リユースボックス)


LINE査定に対応している買取業者
【ヒカカクおすすめ店】総合美術買取センター
買取価格
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総合美術買取センターはLINE査定はもちろん、さまざまな買取方法で日本全国対応している。信楽焼の買取実績もあり、運営コストを下げることで高価買取を実現したり、クーリングオフ制度が導入されており安心だ。
株式会社かぐら堂
買取価格
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対策
LINE査定を行っているかぐら堂は出張買取や宅配買取のお客様負担額ゼロをうたっており、信楽焼の壺や骨董品の鑑定ポイントが記載されている。小川得斎や高井明山などの作家のことにも触れており、信楽焼の買取に力を入れていることがわかる。
出張買取に対応している買取業者
てんま屋
買取価格
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アンティークてんま屋では出張訪問費用無料で全国47都道府県にて対応している。ホームページに買取実績の表記はないが、様々な当信楽焼の説明や買取に関するアドバイスが詳細に記載されている。
八光堂
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創業40年。骨董品、美術品の買取を行っている東証マザーズ上場の全国規模の会社である八光堂は、大手の安心感があるだろう。信楽焼の買取にも力を入れており、北大路魯山人、辻清明、上田直方、他多数の作家の紹介やその作品、参考買取価格が掲載されている。
信楽焼の買取を行っているショップ・業者を紹介
ここで、信楽焼をおこなっている買取業者の一部を紹介。どの業者も評判の高い買取業者なので押さえておこう。
日晃堂
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古美術 やかた
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小川処堂
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なんぼや
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春福堂
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まとめ
ここまで、信楽焼の買取で押さえておきたいポイントについて紹介してきた。信楽焼のような骨董品の買取では、ある程度ポイントを掴んでおこう。そうすることで、高額買取となる可能性があるからだ。また、こういった基本的な知識や注意点を押さえておかなければ、大きく損をしてしまうリスクも高くなる。基本を押さえておくことは、損をするリスク回避にも繋がることなので、この機会にしっかりとポイントは押さえておこう。
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