ピカソの代表作といえば、歴史的背景をもととした、スペインで実際にあった事件を元に戦争の悲惨さを描いた絵画『ゲルニカ(Guernica)』が特に有名である。そのほかにもキュビスムの原点ともいわれる『アヴィニョンの娘たち(Les demoiselles d'Avignon)』も代表作に挙げられることもある。
キュビスムとは、ピカソとその友人ジョルジュ・ブラックにより創設した技法で、いろいろな角度から見た物の形を一つの画面に収めるというものである。この技法は斬新なものの、現代美術にも大きな影響を与えた。
このように影響力を持ったパブロ・ピカソの絵画は、どれほどの価値を持っているのだろうか。本コラムでは、ピカソの絵画を売却したいという方に向けて、その価値と買取相場、また査定実績について紹介する。
本記事のポイント
- パブロ・ピカソは原画であれば数億〜数百億の値段がつく
- リトグラフでも数百万の査定額がつくことがある
- 作風などにより4つの時代に分類されることが多い

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パブロ・ピカソのプロフィール・経歴
パブロ・ピカソは、スペイン生まれの芸術家で、主にフランスで活動していた。生い立ちは画家父のもとに生まれているため、幼少期から絵画に触れており、幼少期から高い画力を有していた。20世紀を代表する芸術家で、上記のように新たな技法「キュビズム」を生み出した偉大なアーティストであると言える。

斬新で特徴的な表現であるキュビスムの抽象画や肖像画・人物画が有名だが、の作品は、絵画をはじめ、版画、挿絵、彫刻、皿などの陶器にまで及ぶ。あまりに作品数が多いことから、最も多彩な芸術家として、様々な世界記録を収める本として知られるギネスブックにも掲載されたほどである。
現実的でないバランスで描かれた絵など、「子供の絵のよう」「よくわからない」ととも捉えられる絵をピカソのようだということもあるが、それだけ彼の作品は世に知られているとも言える。売れた理由については、三次元のものをいかに二次元でうまく表現するか問われていた時代、発想を転換した作品を描いたからと考えられている。作品数の多さもピカソのすごさ、天才と呼ばれる一因だろう。
パブロ・ピカソの有名な絵画や代表作品、傑作
- 『アルルカン』
- 『アヴィニョンの娘たち』
- 『海辺の母と子』
- 『戦争と平和』
- 『闘牛』
- 『花束を持つ手』
- 『平和の顔』
- 『貧しき食事』
- 『夢』
- 『ゲルニカ』
- 『ゴンゴラの詩』
- 『座る道化師』

パブロ・ピカソの本名
ピカソとして知られているパブロ・ピカソだが、正式名称は「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンディシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」と、大変名前が長い。
作風や画風の変遷・変化での4つの時代
パブロ・ピカソの作品は時代によって作風が異なることが特徴として挙げられ、その時代を分類するために4つの時代として分類されることがある。しかし、パブロ・ピカソの作風は変遷が多いため、実際には4つ以上の時代に分類される。主な時代としては青年期から晩年にかけて以下のように分類されることがある。
ピカソの変遷・時代区分
- 青の時代
- ばら色の時代
- アフリカ彫刻の時代
- キュビスムの時代
- 新古典主義の時代
- シュルレアリスム時代
このあとにゲルニカなど、戦争関連の代表作品を制作し、陶芸家としての活動を始めた後、晩年期へとなる。
なお、キュビスムの時代をさらに細分化すると、プロトキュビスムの時代、分析的キュビスムの時代、総合的キュビスムの時代となる。

パブロ・ピカソの絵画の値段は?
名前を知らない人の方が少ないであろうと思われるほど、世界的に有名な芸術家であるパブロ・ピカソ。彼の絵画の価値は、一体どれくらいなのだろうか。
高額なほど価値も高い絵画の世界
絵画の価値を表す1つの指標として、売買される価格がある。つまり、その絵画が売買されたときの価格が高額であるほど、絵画が持つ価値は高いといえる。
ゴーギャンやセザンヌなど有名画家の代表作が、天文学的数字の価格で売買された、とニュースとなることがあるのはご存知だろうか。パブロ・ピカソの絵画も同じく天文学的数字の価格で売買された、とニュースになったことがある。
歴代トップランキングに入るほどの価格で売買された絵画
2015年5月に1億7900万ドルで売買された『アルジェの女たち(バージョンO)』や2013年3月に 1億5500万ドルで売買された『夢』。これらの作品はこれまで売買された絵画の価格の歴代トップ10に入るほどの高額だった。
また、20代中盤の頃に描かれた、明るい色調の作風が続いたばら色の時代の代表作である『パイプを持つ少年』も1億420万ドルという高額で売買された。
前述のように絵画の数が多いパブロ・ピカソは、その分高額で売買される絵画の数も多く、価値が高い絵画の多い芸術家と言えよう。
パブロ・ピカソの絵画の買取について
パブロ・ピカソは、言うまでもなく世界的に著名な画家であり、貴重な絵画ともなれば、前述のように天文学的な数字となる場合もある。また、そうでない絵画であっても日本円で億の値段が付くことも珍しくはない。
以下のようなことは買取査定の依頼の段階で問われることも多い。こういった情報はまず最初に控えておいた上で依頼をしよう。もちろん、探してもわからないこともあると思う。そのような場合は、業者にそう伝えよう。業者によってはLINEやメールで絵画の写真を送ると、それを元に鑑定・査定を行なってくれる場合もある。このように、売却がしやすいような方法も用意されているので利用するといい。
銅版画などリトグラフなら現実的に手が届く
そのため、パブロ・ピカソの絵画はほとんど流通していないが、前述のように数多くの作品を残した芸術家である。パブロ・ピカソが手掛けた作品群の中でもリトグラフ・エッチングといった版画は市場に多く出回っている。
そちらは、現実的に手が届く範囲の価格であることが多い。もちろん作品にはよるが、多くのものは5桁から6桁ほどで販売されている。
原画はやはり高額な買取価格
絵画や版画の原画については、その貴重さから非常に高額となることが多い。リトグラフ・エッチングについても、状態などにもよるが高額となることが多い。具体的な値段の例をあげると、あるエッチングが120万円で買取されたという報告もある。

高額で売却できる絵画の特徴について
高額で取引されることの多いパブロ・ピカソの絵画だが、常に高額というわけではない。
状況によっては、思ったより高額で買取されない場合もある。絵画の買取価格を決める要素がいくつかあり、その要素が悪いと著名なパブロ・ピカソの絵画といえど、買取価格が下がることがある。
下にそれらのポイントを挙げるため、売却前に確認しておくことをおすすめする。
絵画の状態がよいこと
絵画はデリケートなものなので、保管状態が悪ければ、当然状態は悪化してしまう。買取業者による絵画の査定では、絵画に傷やシミ、カビ、ホコリが付いていないか、また損傷はないかなどが確認される。このような劣化の印があるとマイナス査定になってしまうので、気をつけたい。いくら希少価値の高い貴重な作品であれ、状態が悪いものはその分買取価格が下がってしまうものである。そうなってしまっては、せっかくの作品が勿体無い。
特に、パブロ・ピカソの絵画は新しくても50年以上が経過しているため、日焼けや経年による劣化などが生じている可能性はある。反対に、状態がよければ買取価格も上がる。そのため、普段から保存状態に気をつけ、高温多湿を避けて綺麗な状態を保ち、査定の前にはホコリを落とすようにするといいだろう。
絵画の種類により価格が違う
また価格は状態だけでなく、絵画の種類(油絵、水彩画、版画)などによっても変わってくる場合がある。作者にもよるが、一般的に水彩画より油絵のほうが高額な傾向がある。
版画については、基本的に版画よりもその原画のほうが版画より高額である。自分が所有している絵画がどのような種類の絵画か、確認したほうがいいだろう。
サインがないと買取価格に大きな影響
リトグラフ・エッチングなどのオリジナル版画には、エディションナンバー(限定枚数)と作者の直筆サインがあることが多い。
作品に作者のサインがない場合もあるが、そのような版画の価値は大幅に下がることになる。その場合は当然、その版画の買取価格も下がることとなる。サインの有無は、買取価格に大きな影響を与えるのである。
エディションナンバーが少ないほど価値が高い
エディションナンバーは、その版画がどれくらいの枚数を刷られたかを示すものである。エディションナンバーが少ないほど刷られた数が少ないため、その分版画の価値は上がり、買取価格も上がることもある。
版画の買取を検討している場合は、作者のサインの有無とエディションナンバーを確認したほうがいいだろう。
見積もり額を比較するべき
繰り返しになるが、パブロ・ピカソは、世界的に著名な芸術家であり、天文学的数字で売買される作品もある。その一方で、現実的に手が届く価格のリトグラフ・エッチングなどの版画も多く手掛けており、あのパブロ・ピカソの作品を手にすることができるということで、常に需要が高い芸術家である。
そのため、前述にあげた条件が良ければ、思わぬ高額で買取されることもあり得るのである。
また、パブロ・ピカソを取り扱う買取業者も多い。そこで、1社だけでなく複数の買取業者の見積もりを比較して、一番高額を提示した買取業者に買取を依頼するといいだろう。
無料査定をスタートしよう
まずは作品の価値を知るために無料で鑑定して貰おう。価値を知ってから売るかどうかは決めればよい。まずは電話やメールで無料査定が出来る総合美術買取センターで問い合わせてみよう。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
こちらの総合美術買取センターは、絵画を中心に取り扱っている。専門の鑑定人が鑑定を行うため、きちんと価値に見合った判断を下してもらえることが期待できる。こちらで特徴的なのがクーリングオフ制度を導入していることである。契約から8日以内であれば、無条件でキャンセルを受け入れている。そのため、最初に鑑定・査定を依頼するのにはもってこいの業者とも言える。
買取を決めた場合、その方法は宅配または出張となっている。
LINE査定に対応している買取業者
また、この他にもいくつか、パブロ・ピカソの取り扱いがある買取業者を紹介する。見積もりの依頼にぜひ参考にして欲しい。
おいだ美術
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
銀座にある20年来のギャラリーのおいだ美術は、日本画・西洋画・現代アート等の絵画を中心に扱う。セラミックや銅版画を含む多くのパブロ・ピカソ絵画を買取してきた実績を持つ。メール・電話・LINEで無料スピード査定をおこなっているほか、出張・宅配・持ち込み買取に対応している。
八光堂
買取価格
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許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
大手で買取件数が多い八光堂は、『Deux Femmes』280万円、『347シリーズ裸婦』20万円、『不明』15万円などの買取実績を掲載している業者。LINE査定や電話相談を実施しているほか、全国を対象とした出張買取もおこなっている。
出張買取に対応している買取業者
ギャラリーホープ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ギャラリーホープは、名古屋・東京・大阪を中心とする買取業者。買取方法は出張・宅配・持ち込みの三種。これまで「A Glass by the Lamplight」や「156シリーズ」などを買取してきた。
アート買取協会
買取価格
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手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
絵画・骨董品・西洋アンティークの買取を行なっているアート買取協会。これまでに買取しているパブロ・ピカソの作品は70点以上あり、リトグラフやエッチングといった技法のものが多い。パブロ・ピカソの作品買取専用のウェブサイトも用意しているくらいなので、需要が大きいのもわかる。全国へ出張できるほか、宅配や持ち込みでの買取も可能だ。
まとめ
今回は、パブロ・ピカソの絵画作品の価値・買取相場・査定実績について紹介してきた。これまでに売買された絵画の金額歴代TOP10に入るほどの価格で取引された実績もあるほど、高額になり得るパブロ・ピカソの作品。しかし作品や保存状態などによって買取価格は異なってくるので、売却はきちんとした鑑定・査定ができる専門業者に依頼した方が良いだろう。