画廊に絵画鑑定を依頼するときの注意点を紹介するにあたって、まずは画廊について説明しておこう。画廊というのは、絵画をメインに取り扱っており、アート作品を販売することを目的にしている場所である。
よくギャラリーと画廊を混同してしまう方が多いが、ギャラリーはあくまでも展示をメインにしている。一方で画廊は、あくまでも販売をメインにしている場所である。そのため、画廊では絵画の鑑定や買取をおこなっているケースも多い。
当コラムでは、画廊に絵画鑑定を依頼するときの注意点 について紹介していきたいと思う。
本記事のポイント
- 絵画は売る場所によって大きく査定額が変わってしまうモノの1つ
- 売る前から査定額を下げないためにできることは?
- 悪質な買取業者を避け、高額買取が期待できる買取業者を探す方法は?

CONTENTS
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絵画を取り扱う上で注意すべきこと
画廊での鑑定となれば、まずはLINE等での簡易査定を行ったとしても、本鑑定は画廊や定期的におこなわれる鑑定会等のイベントへの持ち込み相談となることが予想される。絵画のかけ外しや運搬の際に、作品にキズや汚れがつくなどのアクシデントは絶対に避けたいところだ。
適切な環境で保管すること
絵画には油絵や日本画など様々な技法がある。それぞれ適切な保管方法があるため、コンディションを悪くしないためにも保管の際には適切な温度・湿度で管理したい。例えば、油絵は 20℃前後、湿度50%前後、日本画であれば20℃前後、湿度55%前後とされている。
また、日光は変色や劣化、退色の原因ともなる。直射日光を避け、カビないように風通しの良い場所で保管しよう。通気口等、煙やガスが発生する場所での保管も避けたい。

絶対に作品には直接触れないこと
例えば鑑定の前に作品をきれいにしようと思って直接手で触れる・布でこするなどすると、絵の具を剥がしてしまう恐れがある。そうなれば鑑定時に大幅な値下がり要因となる。また、素手で触ってしまった場合には、手の油などが付着することで、変色などの思わぬ事態を招く可能性もある。絵画は額から出さずに、本体には何も触れることが無いようにしてもらいたい。
しかし、額のホコリは落とした方が、大切にされてきた作品であるというアピールや、状態がわかりやすくなるためなるべく掃除はすべきだろう。その際は作品を傷めない範囲で行うことを心がけよう。

額装を変更しない
元から額に入っていた作品は、額から出さずにそのまま査定へ出そう。 額も作品の一部である。 額を含めての鑑定となることを押さえておこう。
特に、その額が有名な画廊や美術館での展示会に使用されたものである場合、額の有無はもちろん、コンディションも鑑定額に影響してくる。だからこそ、購入時に付いている額は作品同様大切に扱うようにしたい。そして、もしも額が傷んでしまっている場合であっても、一緒に査定へ出すべきだ。>また、

鑑定実績のある画廊を選ぶ
売却を考えた際には、まず、鑑定してもらう画廊を選ぶ必要が出てくる。基本的には鑑定実績のある画廊を選ぶようにしておきたい。鑑定実績に関しては、ホームページなどで公開しているケースもあるため、そういったものを参考にしていきたいものである。
大手の画廊から老舗の画廊まで様々
画廊と一口にいっても様々なものがある。全国的に展開している規模の大きなところもあれば、規模は大きくないものの古くから画廊として活躍しておりいわゆる老舗となっているところもある。基本的にはこのふたつから選んでいくといいだろう。
鑑定実績というのは、その画廊の信頼性にもつながってくる部分になる。全国展開しているところであればデータもかなり多くなるだろうし、老舗であれば鑑定士とのコミュニケーションにじっくりと時間をかけることもできるだろう。

また、比較的新しい画廊であっても、多くの経験を積んだ上で独立して画廊をおこなっているケースもあります。どんな人が扱っているのか確認してみるのも良いでしょう。
ベテラン鑑定士を探そう
美術鑑定士は鑑定対象となる美術作品について、芸術的価値や世界的な価値と商品としての価値を見極めていく。適正な価格を算出するためには、繊細な注意力と絵画や美術の豊富な知識が必須で、そのノウハウは経験によって培われていくものだ。
特に、老舗の鑑定士というのはやはり絵画というものの価値をよくわかっているベテランが多いため、老舗は鑑定においてはかなりレベルが高いものと思っていいだろう。長年営業しているということはその中で培ってきたノウハウがあるということである。長く営業をしているからこそ、その中でさまざまな絵画を鑑定してきているはずだ。
簡単に言ってしまえば、目が肥えているのである。絵画というのはその価値というものを本当に見極めてくれる人に鑑定してもらわないと意味がない。そういった意味では、老舗というのは選択肢の中でもかなり有力になってくるのである。

インターネットで口コミ・評判をチェックしておく
画廊で絵画を鑑定してもらうにあたって、その画廊の口コミというものをインターネットでチェックしておきたいものである。インターネットで検索するのであれば、絵画の相場なども調べておくといいだろうが、絵画の相場というのはあってないようなものである。あくまでも参考程度に見ておくといいだろう。

口コミの中でも見るべきチェックポイント
画廊の口コミに関しては、どのような対応だったのか、鑑定額に満足できたのか、他の画廊に比べて鑑定額はどうなったのかといったところを見ていきたいものである。特に、「他の画廊では○○円の鑑定額だったのに、この画廊だったら鑑定額がアップして△△円だった」といった口コミは要チェックである。
実際に、他の画廊よりも高い鑑定額が出ているというのは非常に有効な情報である。絵画をきちんと鑑定してくれる、また鑑定できるだけの目を持っているということでもある。

古美術など、高額が見込まれるモノは、残念ながら買取業者が強引な買取をしてしまうことが少なくありません。「知識がないから足元を見た買取をされた」「今決めれば高く買い取ると言われて売ってしまった」「出張買取が強引だった」「LINE査定をお願いしたのに、査定されずに出張買取に誘導された」などはよくあるトラブルですので、こういった口コミがないかも確認してみることをお勧めします。
正確性はそれなりにあるのではないか
インターネット上の口コミというと、適当なことばかり書いてあるようなイメージがあるかもしれないが、絵画というジャンルはややニッチなジャンルになる。そのため、わざわざ画廊の口コミでふざけたことを書くような暇人はいないと思っていいだろう。
もちろん、だからといって口コミがすべてであるかのような受け取り方をしてもいけない。それぞれで持っている絵画も違えば、その保存状態も異なってくる。口コミ通りの展開にならなかったからといって、気を悪くしないようにしよう。

鑑定希望絵画のジャンルに適した画廊を選ぶ
画廊と一口にいってもさまざまなタイプがあり、それぞれに得手不得手がある。絵画であれば何でも査定しますと謳っていたとしても、実際にはすべてを適正に鑑定することは不可能に近い。絵画の中でもこの画家のものだけといった条件を設けているようなところもある。
また、日本画・油絵・版画のどれに強いのか、日本の作家と海外の作家のどちらが得意か、メインで扱うのはいつの時代の作品なのか、大御所作家との交流があるか、若手が得意なのかなど、さまざまな括りで画廊ごとの得意な領域というものがある。

ピカソの絵画はピカソ専門の画廊に持ち込もう
極端な話をしてしまえば、ピカソの絵画を持っているのにも関わらず、ミュシャの絵画しか取り扱っていない画廊に持っていったがために鑑定してもらえなかった、もしくは二束三文の鑑定額だったという可能性もある。
ピカソの絵画というのは、一般的に考えても高い鑑定額が出るものである。それを求めていない画廊に持っていったところで、なかなかいい鑑定額は出ない。もっと極端なことを言えば、美術品や絵画を専門としていないリサイクルショップなどに持ち込んだ場合にも、同様の傾向が見られる。
それならば、ピカソの絵画を積極的に集めている画廊に持っていったほうがその絵画の本来の価値というものをしっかりと見出してくれることだろう。
ウェブサイトか問い合わせで事前に専門ジャンルを確認しよう
このように持っている絵画に適した画廊を選ぶということも非常に重要なポイントになってくる。その画廊がどういった作品を求めているのかというのは、ホームページなどを確認すればだいたいわかるだろう。
もしわからない場合には、直接画廊に問い合わせてもいいだろう。絵画というのは高い鑑定額の出る可能性のあるものだからこそ、慎重に売却先を選んでいきたいものである。複数の画廊での鑑定額の比較というものも忘れないようにしておこう。
画廊の得意ジャンルを確認する際の指標となるキーワードをあげた記述があったので、まとめてみた。画廊選択の際に役立ててほしい。
- ・日本画、油絵、版画のどれが得意か。
- ・日本の作家と海外の作家のどちらに強いのか。
- ・メインで扱っているのはいつの時代の作品なのか。
- ・現代アートを扱っている場合は、大御所作家との交流があるか若手が得意なのか。
- ・50号以上の大型作品を扱っているか。
- ・営業ルートはデパート、美術館、個人客、業者相手などのうちどれか。

あるいは、地元で根強い人気を持っている画家というのも少なくありません。こういった画家は、地元以外の地域で売るよりも地元で売る方が高額になることが多いため、その画家の地元で売るルートを持っている画廊の方が高額買取ができる傾向があります。
複数の画廊に見積もり査定を依頼する
売却先をはじめから1店舗にしぼろうとしても素人には難しい。そこで、まずは見積もり査定を依頼してみることをおすすめしたい。 少し手間がかかるとしても、 複数の見積もりを比較することで納得のいく取引ができるはずだ。
その際は、最近主流になりつつある宅配買取を利用するのもいいだろう。自宅近くに画廊がないという場合や、画廊へ絵画を持ち込む時間がない場合、鑑定を希望する絵画の点数が多く後込むのが困難である場合などに便利だ。
さらに、ホームページ上で専用フォームに情報を入力するだけで見積もり査定をしてもらうことができる。もちろん、見積もり鑑定額が気に入らない場合には、取り引きを断ることができる。

LINE査定に対応している買取業者
【ヒカカクおすすめ店】総合美術買取センター
買取価格
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ポリシー
ウイルス
対策
東京都品川区にある、絵画や骨董品などの美術品専門の買取業者である総合美術買取センターは、20年以上の歴史がある絵画が主力の買取店だ。絵画・美術品の買取相場の高さがピカイチで、サービスも良いと評判である。当サイトではベスト3に入る人気店で、おすすめの鑑定業者だ。絵画を高い金額で売りたいならば、まずは総合美術買取センターの無料見積もりを依頼してみてはいかがだろうか。
また、クーリングオフ制度があるため、初めてでもトライしやすいかもしれない。ホームページ内に買取を強化している作家名を掲載しているため、該当する作家の作品があるようなら査定してもらうといいだろう。
翠波画廊
買取価格
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ウイルス
対策
1990年創業の翠波画廊は、東京都中央区に画廊を構える美術品売買業者だ。20世紀前半でパリで活動していた、「エコール・ド・パリ」と呼ばれる画家たちの作品などを扱っているため、そういった作品の買取・取扱いに優れていると言えるだろう。
LINEによる買取査定を行っており、現地に出向かなくても大まかな査定金額を知ることができるため、とりあえず査定金額を参考にしたい場合でも気軽に利用することができる。
出張買取に対応している買取業者
ギャラリーリッチ
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ウイルス
対策
画廊・ギャラリーリッチは大阪・淀屋橋で営業している。数々の作品を取り揃えるほか、絵画・美術品の買取・査定・委託販売・オークション代行なども実施。メール・電話による査定は無料のようだ。
出張査定買取については、「相続・贈与・減損会計の際の査定」の欄に、「出張による査定の場合、車および電車で所要時間1時間以内は料金内に含まれますが、ご遠方の場合は、実費交通費を請求させていただきます」「出張査定の結果、作品の買取をさせていただいた場合は、上記出張代金はかかりません。但し、ご遠方の場合は実費交通費をご請求させていただきます」とある。
おいだ美術
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対策
おいだ美術は東京銀座のマロニエ通りに画廊を構えている。東京メトロ銀座線の銀座駅から徒歩5分なため、好立地といえるだろう。インターネットを活用したでの美術品売買実績が業界内で多いという特徴を持つ。
全国各地での出張買取サービスを行っているため、売却したいものが多かったり、サイズが大きかったりして持ち運びが困難でも、売却することができる。
適切な買取業者を探そう
絵画の買取は複雑であり、そもそも絵画の買取を主としていないと査定額が非常に低くなる傾向があるだけでなく、画廊をはじめとした絵画を買い取る業者であっても、作家の得意・不得意によって査定額が影響してしまうことが多い。
納得のいく売却をおこなうためにも、買取業者選びのポイントを押さえた上でリサーチし、複数者を検討した上で売却先を決めるのが望ましい。

