鴨居 玲は石川県の金沢市に生まれ、1928年〜1985年の間を生きた洋画家である。1946年に金沢美術工芸専門学校に進学し、宮本三郎に師事する。1948年に第2回二紀展に「青いリボン」を出品し、初入選を果たす。
卒業後は上京し、東京にて乃村工芸社に入社して主に看板絵などを作るが納得はいかなく、翌年の1951年には実家に帰る。1952年には芦屋田中千代服装学園の講師として就職。1959年にはフランスへ渡理、1961年に帰国。その後創作活動がスランプに落ち入り、1964年にパリやローマ、果ては南米といった世界各地を転々とする。
1965年にふたたび帰国後、1968年に初の個展を開くまでになる。ちなみにこのとき、下着デザイナーである姉の鴨居羊子を通じて、小説家の司馬遼太郎との親交を深める。独特の作風で一度見たら忘れられない鴨居玲はいったいどんな特徴を持っていて、現在の市場相場ではどのような価格がついているのか、調べてみた。
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鴨居玲の絵の作風、特徴
実際に絵を一度でも見たことがある人に記憶に一発で残ってしまう独特のダークな作風は、人間と社会の闇を的確に捉えている。ギャンブラーや酔っ払いをモチーフとして描いたりして、人の愚かさ、醜さ、弱さをまざまざと見せつけてくれ、そのことによって自己の内面の本質を突くことを意識していた。彼の作品に出ている人物は、すべて彼の分身だとも言えるだろう。
描く対象はほとんどが人間だったが、若い女性は皺が無いのでモチーフにする気がなかったと語っている。反面老人の皺には人間が現れていて好きなようだ。描かれる自画像も同様に暗く、端正な顔の目には常に何か問いかけるような瞳が宿されている。
子供の頃から細身で華奢であり、姉の鴨居羊子は活発な性格をしていた。そうしたギャップも大きく影響したのか、自分にとっては絵の世界こそが自己表現できる場所だと思うようになる。自分に対するコンプレックスは凄まじく、自殺未遂を何度もおこなって作風にもダイレクトにその欲求が出ているようにしか見えない。酒を大量に飲むことも多々あったようだ。
絵の描き方も極端であり、下書きはイメージが降ってくるまで何ヶ月間も完成させず、イメージができるようになった瞬間殺気立つ雰囲気で一気に絵を描き上げていく。この作風が災いするのか、インスピレーションが降りてこないときの鴨居玲はひどく不安になり、スランプになると先述したようにパリやローマ、南米といった場所に刺激を求めに行ったりしていた。
美術評論家の坂崎乙郎と親しく、よく二人で語り合っていたが、鴨居玲はそこで「心地いい絵があってもいいが、自分の場合は文学の様に見ている人に人間の本質に迫るようなショックを与えなければならない」といったことを語っている。「アパートの壁紙になるな」といったピカソのセリフが、鴨居玲の一番好きな言葉だそうだ。坂崎乙郎は「絵を描いていく過程で生より死の方向へ向かっていく人が多いと思うが、鴨居さんの場合、死から出発している」と鴨居玲のことを評論している。二人は自殺についての話も度々語っていたらしい。
1979年には神戸市茸合区熊内町にアトリエを持ち転々と自分の居場所を変えて作品作りに励む。1985年に絵画に対するインスピレーションが出てこないことを悩みに、酒と睡眠薬を飲んだのち、車内でのガス自殺にて没する。これは昔から自分がイメージしてた死に方らしい。その後を追うように坂崎乙郎も首吊り自殺によって死んでしまう。
鴨居玲の査定に関する情報
調査したところ、2万5千円〜85万円といったところで取引されていたが、鴨居玲の代表作のひとつである「私の話を聞いてくれ」については、なんと800万円もの金額がついている。私が過去に調査した日本作家の中でも最高レベルの値段である。
査定の際に鑑定士はいったいどういうところを見て値段をつけるか、お分かりだろうか。まずは作者が有名か無名か、というところである。残念ながら自分ではとても気に入っているという素晴らしい絵でこれは高く売れると思っても、作者が無名であれば、有名な画家の1／30～1／50程度の値段でしか取引されるとさとはない。もちろん、鴨居玲は高いレベルで有名の部類に入る。
次にその作品の歴史的価値だ。同じ作者が描いたものでも、やはり代表作とそうで無いものの間には大きな値段の差がつく。「私の話を聞いてくれ」が800万円の値段がついたのも、こちらが鴨居玲の代表作であるからだ。
そして、最後は希少性である。たとえば名前こそ超有名な画家だとしても、その画家の現存する絵がほとんど残ってないとなれば、その絵の値段は格段に上がることとなる。そして絵画の状態や保存状態の良さによっても値段は大きく変わる。破れていたり、色落ちしていたり、ヤケがあったりカビが生えていたりなど、絵画はデリケートなものなのですぐに状態が悪くなってしまうので注意が必要だ。
保存する際の湿度は50％〜60％が理想だが、日本の場合湿度が高い国なのでなかなかこれを維持するのは難しい。しかしカビに関しては、絵画を修復する際にとても取り除き難い要素なので、気をつけておかないと買取価格ががくっと下がりかねない。湿気を溜めないためには、晴れた日に虫干しをしたり、ときには除湿機を使ったり、保管場所を風通しの良い場所にしよう。
そして最後に最も大事なのが、タバコなどの煙だ。くれぐれも絵のある部屋ではタバコは吸わないように注意していただきたい。もし状態があまり良くない鴨居玲の絵を持っていて、これじゃあ売れないな、と思っても鴨居玲ほどの有名画家なら多少状態が悪くとも価値があり、修復作業に回すので、臆せずに美術品買取業者に連絡をしてみよう。
鴨居玲の絵画を高く売る方法
絵画の値段は業者によって鑑定士の判断などが大きく変わるため変化する。また需要と供給の問題もある。あまり今では買取手のいないような画家の絵は、鑑定士からこれはあまり必要ないと判断されて安く値段をつけられてしまうかもしれない。それでは、鴨居玲の絵画を売るにあたって、どうすれば少しでも高く売ることができるのか、二つの方法があるので見てみよう。
中古買取業者に売る
現在ではインターネットから簡単に査定申込をおこなうことのできるのが、美術品査定業者だ。インターネットで「絵画 買取」と入力して検索すると、実にさまざまな美術品買取業者が出てきて、一体どのサイトで申し込めば良いのかわからなくなるだろう。そんなときは気になった業者にどんどん査定を申し込めば良いのだ。今では中古品の査定ではそれが常識になりつつある。
複数査定をすることのメリットは多い。まず査定はどこも無料なので、遠慮なく頼むことができ、業者の方針やプロの鑑定士の目利きだったりによって、値段の差は有名画家なら下手すると数十万近く変わることだってある。そのため、必ず複数の買取業者に頼むようにしよう。そして査定してくれた中で一番高額をつけてくれた業者に売却するのが基本である。
業者は業者でライバル関係に勝ちたい、という思いもあり、ギリギリまで出せる価格を勉強して出してくれるかもしれない。それでも面倒くさいと思う人は、LINEで絵画の画像を送るLINE査定を試してみよう。自分が想像していたよりも業者ごとの値段の差があることを、身をもって知れるかもしれない。
オークションにかける
鴨居玲のような一部に熱狂的なファンがいるタイプの絵画は、欲しがっていた絵画がオークションに出れば是が非でも手に入れたい、と思うような人もいるかもしれない。そんな人が金に糸目をつけない裕福な人だったら、これは最高だ。
オークション会場には、独特の熱い雰囲気がある。オークションを実際におこなうのなら、毎日オークションが有名でありおすすめである。リクナビグループが運営していて、会社で自前のオークション会場まで持っているのが大手の強みだ。
実際に出品依頼をした際の売上手数料として、毎日オークションは下記の料金がかることとなっている。しかし中古買取業者だってマージンはかかっているようなものなのでどちらを選ぶかはあなた次第である。
- ・～70,000円…10,800円
- ・70,000円～500,000円…16．2％
- ・500,000円～…10．8％
鴨居玲の絵画を売るおすすめ業者
鴨居玲の絵画を売る際に、どの美術品中古買取業者に査定に来てもらえば良いか。それぞれの特徴を解説していこう。
本郷美術骨董品館
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
本郷美術骨董品館は安定の美術品買取ショップである。ナンバーワンの美術品の買取実績を誇っているため、まずは査定に来てもらうのも良いだろう。信頼の実績から安心して自分の美術品を任せることができるのも強みだ。絵画を専門家とした鑑定士も多数本郷美術骨董品館 には在籍していおり、全国への出張査定に無料で対応しているのが王者の余裕を感じさせる。
電話で絵画についての詳細情報を伝えたりすることや、LINEでの画像送信といった手軽な手段でも、簡易査定をしてくれるのも嬉しい。実際の査定は訪問、配送、出張どれも全て無料である。出張査定の場合は詳細情報を詳しく伝えて置くことで、鴨居玲についての専門知識を持った鑑定士が出張査定の際に選出されやすく、レベルの高い査定をおこなってもらうことが期待できる。
買いクル
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
買いクルは無料出張買取サービス専門に特化した業者である。独自のサービスによって他者と差別化を図っているのが最大の特徴である。
他のお店よりも一円でも安ければ相談をしてくれるのが最大の売りであり、複数査定において絶対に査定に来てもらいたい美術品買取業者である。鑑定士の法令厳守が徹底されているのも特徴であり、出張買取の際にありがちな感じの悪い鑑定人がくるなんてことは少ないと言える。
八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
八光堂は40年という業界での長い実績を持っている。在籍している鑑定士たちの鑑定のレベルはその長い歴史の中で非常に高い経験を積んでいて、またお店としてのノウハウの蓄積も高い。8日以内なら売却した後でもキャンセルすることが可能だというのがこの業者の最大の売りである。
1,000万円を超えるような美術品の場合でも、現金での取引対応が即時可能である。鴨居玲絵画は1,000万を超える可能性もある絵画なので、すぐにでも現金化をしたい人にとって大変嬉しいサービスである。
まとめ
見た者全員に強烈なインパクトを残す鴨居玲の絵画はまさに文学やロックのような、死の雰囲気が漂っている。そんな鴨居玲の絵画に見惚れたファンは少なくない。もしあなたが鴨居玲の絵画を所有しているのなら、さまざまな方法を試してみて高く売る方法を考えてみてほしい。買取方法もたくさんあるため、自分の生活ペースに合った方法を選択することが可能だ。
