西田俊英は三重県出身の日本画家である。高校生の時に油彩画で中部春陽会賞を受賞するなど若いうちから実力を発揮していた西田俊だが、ヨーロッパ旅行中にルーブル美術館で出会った日本画の美しさに心を奪われ、帰国後に武蔵野美術大学の日本画科に入学する。在学中には再興院展に初入選するなど早くも日本画家としての才能を開花させる。
卒業後には奥村土牛や塩出英雄といった有名な日本画家に師事し数々の賞を受賞。現在は日本画家としてはもちろん、日本美術院同人、武蔵野美術大学の日本画学科教授、広島市立大学名誉教授として活動している。
本コラムでは、西田俊英の日本画の価値や買取相場、買取でのポイントについて詳しく紹介していく。現在、西田俊英の作品の売却を考えているなら本コラムをぜひ参考にしてみてほしい。
本記事のポイント
- 西田俊英は人物画に目覚めた同年に賞を受賞
- その後も受賞歴が多く個展もおこなっている
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日本画家・西田俊英の略歴について
上記で述べたように若いころから日本画家としての頭角を現していた西田俊英だが、ここではもっと詳しく西田俊英について解説していく。西田俊英の歴史や画歴を知っておくことで、西田俊英の作品の価値を知り、またそれが売却する際に基礎知識として役に立つ。
インドとの出会い
1995年、文化庁在外研修員としてインドに絵画留学をした西田俊英は、そこでインスピレーションを受けて人物画に目覚める。同年、プシュカールという村の村長を描いた「プシュカールの老人」で日本美術院賞と第1回足立美術館賞を受賞している。
その翌年の1996年には、青年層を描いた「寂光」で天心記念茨城賞を受賞。このころから人物画を多く制作するようになり、日本美術院同人となってからは花鳥画にも挑戦。ボルゾイ犬やラクダなどさまざまな動物を描いた作品も多い。
2003年には今井美術館、2016年にはそごう美術館で回顧展を開催し、その後さまざまなテーマで百貨店などでも個展を開催している。
西田俊英の受賞歴
ここでは西田俊英の歴代のさまざまな受賞歴を紹介していく。
- ・1983年 山種美術館賞展優秀賞受賞
- ・1984年 東京セントラル美術館日本画大賞展大賞受賞
- ・1990年 両洋の眼・現代の絵画展推奨受賞
- ・1995年 春の院展奨励賞受賞
- ・2002年 院展文部科学大臣賞受賞
- ・2012年 MOA岡田茂吉賞大賞受賞
- ・2014年 春の院展 第10回春の足立美術館賞受賞
- ・2017年 「森の住人」日本藝術院賞授賞
上記のほかにも数々の賞を受賞している。
西田俊英の代表作品
人物画、花鳥画、風景画など、ジャンルを問わずさまざまな作品を制作している西田俊英だが、ここではその中でも特に有名な作品を紹介していく。
- ・聖牛
- ・プシュカールの老人
- ・カルロス
- ・キング
- ・惜別・櫻
- ・きさらぎの月
- ・観
「キング」はインドの公園にいた夫婦の孔雀を描いた作品で、優美な孔雀が澄んだ清らかなタッチで描かれている。
「きさらぎの月」は、散りゆく桜の花びらの中で老馬が目を閉じて立っている作品で、内閣総理大臣賞を受賞している。
西田俊英といえばボルゾイ犬を思い浮かべる人も少なくないだろう。「観」はボルゾイ犬のゼウスが一緒に住んでいる同じ犬種の仲間・タチアナを亡くした後に天井を見上げて寂しそうな顔をしている作品だが、ゼウスを題材にした作品はこのほかにもたくさんある。
「春近し」、「ゼウス」、「ゼウスの世界」などは全てゼウスを題材としており、西田俊英のゼウスへの強い愛情が感じられる。
西田俊英の作品の価値
内閣総理大臣賞や最近では日本芸術院賞を受賞するなど、さまざまな賞を受賞している西田俊英の日本画は人気があり、高額で買い取ってもらえる可能性が高い。日本画は、人気作家や有名な作品ともなると、数百万円から数千万円で取引されることも珍しくない。西田俊英の日本画は、作品の内容やサイズにもよるが人気作は数十万円で取引されている。
西田俊英の作品の買取価格相場
では西田俊英の日本画は、具体的にどれくらいの値段で買取されているのだろうか。
ヤフオクなどネットオークションでの落札事例
過去にネットオークションで落札された金額は以下の通りだ。
- ・「聖牛」20,000円
- ・「木精」25,000円
- ・「双眼の色」27,000円
- ・「藤香」27,000円
- ・「睡蓮」76,500円
買取業者や美術オークションの取引事例
西田俊英の日本画の買取金額に関してはピンからキリまでさまざまで、買取業者での買取金額は非公開にされていることが多い。しかし、いくつか確認できたものとして、「花䕃」420,000円(SHINWA AUCTION)という落札や、「骨董買取ナビさん」というサイトで、相場として20,000〜100,000円前後を掲載していることなどがある。
当然、作品や状態によっても買取金額は大きく異なるため、上記の金額はあくまで目安としてとどめておいた方がいいだろう。買取サービスを利用する際は相場を把握しておき、査定の際に参考にしてみてはいかがだろうか。
西田俊英の作品の価値を決めるポイント
比較的に高値で取引されている西田俊英の作品だが、作品の内容や状態などさまざまな要素で価値は決まる。ここでは西田俊英の作品の価値を決めるポイントについて詳しく解説していく。
状態の良い作品
どんな作品にも共通して言えることだが、作品の状態が良いほど高額で買取されることが多い傾向にあるようだ。反対に、シミや破れ、日焼けやカビなどが生えている作品の場合は作品の価値が下がってしまい買取金額も低くなる可能性が高い。
シミやカビの発生原因は保管状態が関係していることがほとんどだ。作品を保管しておく際は細心の注意を払い、湿度が低く日のあまり当たらない場所で保管するようにしよう。また、こまめに状態を確認し、日ごろから手入れを怠らないことも作品を綺麗に保つ重要ために重要なことだ。
人気の高い作品
西田俊英は数々の作品があるが、その中でも特に有名な「聖牛」や人気の高い「きさらぎの月」などは需要が高く、その分買取金額も高額になることが予測される。また、希少性の高い作品なども買取金額は高額になる。
西田俊英は人物画や花鳥画、風景画、動物画などさまざまなものを描いているが、どの作品も人気があり、西田俊英が手掛けた作品で状態が良ければ高額買取が期待できる。
西田俊英のサインや落款がある作品
作中に西田俊英のサインや落款がある作品は需要が高く、取引価格が高くなる可能性があるようだ。作品の価値は、内容や状態によって決まるところが大きく、サインや落款の有無はそこまで買取金額に大きな影響を与えるものではないが、愛好家はサインや落款のある作品を求める傾向があるので、それが買取金額に影響する場合もある。
共箱や共シールがある作品
日本画を入れておく桐箱には作者がサインや作品名などを記載するが、これを共箱(ともばこ)と呼ぶ。共箱は作者がその作品を認めた証でもあるため、作品と共箱を一緒に査定に出すことで価値が高まり、買取金額も高値になる。
箱に入りきらない作品などには、作品の裏に作者がサインや作品名などを記載した紙片を貼る場合があるが、これを共シールと呼ぶ。この共シールも共箱と同様に、作者がこの作品を認めた証となるため作品の価値が上がり、その分買取金額も高額になる可能性がある。西田俊英作品を売る際は、一度共箱や共シールの有無を確認してみよう。
買取業者を選ぶコツ
日本画家として知名度の高い西田俊英の作品を買取している業者は数多くあるようだ。ではたくさんある買取業者の中からどのように業者を選べばいのだろうか。
複数の買取業者を比較する
西田俊英の作品を売りに出す場合、最初から1社に絞って査定を依頼するのではなく、最低でも3~4社の買取業者を比較するようにしよう。1社に絞って買取を依頼してしまうと、買取相場を知ることができず後々後悔してしまう場合もある。そうならないためにも、めんどくさがらずに複数の買取業者に査定を依頼して買取相場を自ら把握することが重要だ。その中でも一番高い買取金額を提示した買取業者に買取を依頼しよう。
最近では出張買取や宅配買取に力を入れている買取業者が多く、それらを賢く利用すればより複数の買取業者を手軽に比較することができる。
日本画の買取実績が豊富な業者を選ぶ
また、査定を依頼する際は西田俊英の作品を過去に買取したことのある買取業者に依頼するようにしよう。西田俊英の作品の買取実績がなくても、日本画に詳しく、価値のわかる鑑定士がいる買取業者に依頼することで、正確な査定額を出してくれるため、安心して査定に出すことができる。
ネットオークションやフリマアプリを活用
買取業者に買取を依頼する以外の方法としては、ネットオークションやフリマサイトに出品して作品を売るという方法もある。 過去にはオークションで西田俊英の作品も数々落札されているため、参考にしてみてはいかがだろうか。
しかしネットオークションやフリマサイトは自分で作品の写真を撮り、説明文を考え、質問が来たら返すなど手間も多い。時間がない方や早く売ってしまいたい場合いなどには不向きかもしれない。
LINE査定に対応している買取業者
ここでは日本画の買取をおこなっている業者を複数紹介していく。自分に合った買取業者を見つけて、査定に出す際は参考にしてみるのもいいだろう。
総合美術買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
総合美術買取センターは、絵画や骨董品などの美術品の買取をおこなっている買取業者だ。日本画のほかにも中国美術や西洋アンティークなどさまざまなジャンルの美術品を取り扱っている。総合美術買取センターではそれぞれのジャンルに精通した知識豊富な鑑定士が在籍しており、専門的で正確な査定をおこなっているため安く買い叩かれる心配も少ない。また、クーリングオフ制度を導入しており、契約内容に納得が行かなかった場合8日以内なら無条件で契約を解除できる。
まずは査定を申し込んでみよう。電話かメール、LINEで売りたい作品の詳細や写真を送ると鑑定士がおおよその査定額を出してくれるので、その査定額に納得がいけば作品を送るだけだ。出張買取もおこなっている。
鑑定料や作品を送る際の送料は全て無料なので、気軽に査定に申し込んでみよう。
八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
八光堂は、美術品や骨董品を取り扱っており40年以上の実績を持っている大手買取業者だ。多数メディアにも登場している。店舗は東京や大阪を中心に、神奈川や富山、名古屋などにも展開している。八光堂では長年培ってきた鑑定スキルと独自の販売ルートの確保から高額買取を打ち出している。自社でオークションを開催しているため最新の買取相場をいち早く把握し適切な買取金額を提示してくれるので安心だ。
また、過去の取引データを商品管理システムで管理することで効率を上げ、コストも削減しているのでその分買取金額に上乗せできる。
過去の買取実績もホームページ上に多数掲載しているので参考にしてみてはいかがだろうか。
買取方法は店舗買取、出張買取がある。そのほかメール査定やLINE査定もおこなっているので気軽に利用してみよう。
出張買取に対応している買取業者
ギャラリーホープ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ギャラリーホープは、日本画や洋画、コンテンポラリーアートなどさまざまな絵画のジャンルを扱う買取業者だ。高額絵画や美術品も即現金買取してくれるので早急に作品を売ってしまいたい場合などにはとても便利だ。ホームページでは買取強化作家を掲載しており、市場の需要などから現在高く売れる作家を知ることができる。買取強化中の作家は不定期で変わるので、西田俊英の作品を売ろうと考えている場合は一度「買取強化作家」を確認してから査定に出すようにしよう。
全国どこでも無料で出張買取をおこなっているので、近くに店舗がない場合や作品が大きくて店舗まで運ぶのが難しい場合も便利だ。LINE査定にも力を入れており、こちらも無料なので賢く利用しよう。
やましょう
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
やましょうは、骨董や古道具などを多く取り扱う買取業者で日本画の買取にも積極的だ。過去の日本画の買取実績も豊富で、目の肥えた鑑定士が丁寧に鑑定してくれる。また、共箱などの付属品がない場合でも買い取ってくれるため、他では付属品がないからと断られてしまった場合でもやましょうでなら買い取ってくれる可能性が高い。買取方法は店舗買取、出張買取、宅配買取の3つ。出張買取は関東を中心におこなっており、それ以外にお住いの場合は宅配買取が便利だ。出張料や鑑定料、キャンセルの場合の返送料などすべて無料である。
まとめ
本コラムでは西田俊英の日本画の買取相場や価値について紹介してきた。日本画の買取は非常に難しく、多くの買取業者は明確な買取金額を公開していないため、西田俊英の日本画を売りに出そうと思っている方は、本コラムで紹介した情報や知識を参考にしてみてほしい。人気の高い西田俊英の作品は需要もあるため、それだけ高値で買取されることが予測される。今一度お手元の日本画を確認してみよう。