翡翠は日本でなじみ深いグリーンのほか、白やイエローなどの様々な色合いで広く愛されている宝石だ。
しかし、翡翠は宝石の中でも本物と偽物の見分けがつきにくい石としても有名で、翡翠に似せた天然石や人工石が本物と混ざって流通している。
ジュエリーや宝石は中古買取に出す人も多いだろうが、査定で値がつかない偽物であったなどと言う事態にならないように、翡翠について勉強しておくと良い。
ここでは、翡翠の真贋を見分ける方法を中心に紹介する。
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まずは翡翠を学ぼう
翡翠はジュエリーのほか、オブジェなどの調度品としても加工される。日本では、縄文時代より勾玉に加工されたりと、古代から馴染みある天然石だ。
一口に翡翠と言っても、2種類に分かれていて、見た目が似ていても石としては別物である。世界中に翡翠と似た石は存在するが、ネフライトとジェダイトと呼ばれる2つの鉱物のみが翡翠として認められている。
ジェダイトは、輝石類に属し日本では硬玉や本翡翠と呼ばれ親しまれてきた。勾玉に加工されていたのはジェダイトで、現在でもジュエリーなどの宝飾品に使用されている。硬度が高い鉱物で、少しの衝撃では割れない性質や、研磨するとツヤのあるガラス光沢を帯びる性質が有名だ。
クロムやチタンなどを含むため、グリーンや日本で人気が高い薄紫などの色となるが、不純物が含まれないジェダイトは白色である。深い色合いのグリーンは翡翠の中で高級な石とされるが、白色は同様に価値が高い。最も希少価値が高いのはエメラルドグリーンで、逆に産出量の多い灰色は価値が最も低く安価となる。
ネフライトはジェダイトよりもモース硬度が低く、若干柔らかい特徴がある。角閃石のひとつであり、ジェダイトとは組成が異なり、カラーリングも少ない。
中国で産出する翡翠はネフライトで、ジュエリーなどに使用されるものよりも彫刻品などのオブジェに使用されているものに高い価値が付く。中国ではネフライトをジェダイトと偽り売られているケースも多いが、全てのネフライトよりもジェダイトの方が高価であるとは言えない。白色の透明度が高い羊脂玉や薄いグリーンで半透明の石は高価な翡翠として知られている。
ジェダイトで良質な石はミャンマーで多く産出され、世界中で流通している翡翠はカナダ産が一番多い。日本では新潟県から富山県までの海岸や、ジルコンを含む翡翠が産出する岡山県新見市などが有名産地として知られている。鑑別書が手持ちの翡翠に付属しているなら産地を確認するとおおよその価値を把握できるだろう。
翡翠ではあるけど価値は低い
様々な偽物が流通している翡翠だが、本物の翡翠であっても価値がある石とない石が存在する。価値が低い石を高級な翡翠と偽って販売している可能性も高いため注意が必要だ。
翡翠は人工処理しやすい性質があるため、様々な加工処理が施され美しく見せかけることが可能だ。石の表面を滑らかにしたり、ツヤが出るようにしたりするほか、ひび割れを避けるために加工されるケースもある。
良く見られるのが、ポリマー加工を行って透明感が増した状態の翡翠や漂泊したものだ。漂泊してから染色されるケースも多い。これらは、B貨やC貨と呼ばれる翡翠になり、宝飾品にするために最低限必要な研磨などの加工以外は一切施されていない天然無処理翡翠とは全く価値が異なる。
天然の場合は数十万程度の値が付けられるケースも多いが、加工されたものは数十円から数千円の値しか付かない。海外で販売されている天然無処理翡翠には非常に低価格のものが存在するが、価値と値段は比例するためB貨やC貨の翡翠である可能性が高い。
天然の翡翠と翡翠を加工処理した価値の低い石を見分けるのは素人には難しいと言える。しかし、天然の翡翠には研磨を行っても表面に窪みが見られるのに加えて、不純物による黒色や茶褐色、黄色などの斑点が見られるのが一般的だ。
このため、表面がかなり滑らかな状態に研磨されていて、更に斑点も見られない翡翠が数千円や数万円程度で天然翡翠として売られていたら価値の低い加工石と判断すれば間違いはないだろう。加えて、翡翠は完全に同じ色をしたものはないため、同色の翡翠が多く販売されている店舗には注意が必要だ。
天然石やプラスチックを使用した偽物の翡翠もある
翡翠で宝石として流通しているのはジェダイトだ。前述したが、ネフライトをジェダイトとして売られているケースは多いので注意が必要である。
また、玉髄の仲間であってオーストラリア翡翠と呼ばれるクリソプレーズや価値の高い翡翠に似せやすいクオーツ、オリーブ翡翠などと呼ばれる蛇紋石など、翡翠ではない天然石を使用して染色などの加工を施し、本翡翠と表示して売られているケースも少なくはない。
天然石すら使用していない偽物の翡翠も存在するので、海外旅行などで土産店で売られている石を購入する際は慎重に選ぶ必要がある。プラスチックやガラスを挟みこんだ偽物や、プラスチックそのものの模造品である場合も少なくはない。多くは海外で偽物の翡翠は流通しているが、信頼できる店舗を選んで購入するのが大切だ。
本物かどうか自分でテストする
自分が持っている翡翠が本物かどうか試す方法はある。
まず、翡翠を照明器具などを使って明るく照らし、光に透かせてみると良い。プラスチックやガラスなどを素材に作られた模造品であれば気泡が混入している可能性が極めて高い。透明感が高く、色にムラが全くない状態であるかも同時に確認すると良い。天然石にしてはビビットな色合いで美しすぎる状態だと感じたらほぼ人工的な模造品と言えるだろう。本物であれば、価格は数千万円以上になると考えて良いので、美しくて値段が安い翡翠は偽物と考えるべきだ。
また、光に透かせて見る場合は、宝石鑑定に用いられるルーペを用いると、翡翠の内部構造を観察しやすい。翡翠であれば、フェルト状であったり繊維状であったりする結晶が絡まって見える。素人にはジェダイトかネフライトかの区別や翡翠と同様の微結晶質を持つクリソプレーズなどとは見分けるのが難しいが、そのほかの天然石や人工物であるかの見分けは可能だ。
ジェダイトであるかを調べるにはスクラッチテストと呼ばれる方法を行う。ジェダイトは硬い性質があるため、金属やガラス窓等に擦りつけると傷をつけられる。硬度の高い他の天然石の可能性もあるため、前述した光を使ったテストも併せて行うと良いだろう。
ネフライトの場合だと石の方へ傷がつく可能性が高く、オブジェやアクセサリーが傷ついてしまうので、テストを行う際には注意する必要がある。
スクラッチテストは翡翠の目立たない面へハサミの背を使って傷がつくかを調べると簡単だ。傷つかなければジェダイトの可能性が高いが、白色の粉が付着する場合もある。ハサミが傷ついて出た金属粉であるケースもあるため、白い傷が見えたら布等で石を丁寧に拭き取り、傷が消えるかどうか確認する必要があるだろう。
かつてプロの間でも行われていたテストは、翡翠を真上に放り投げ、手の平に落とす方法だ。密度の高い翡翠は見かけのサイズよりも重く感じられるのが一般的である。サイズが大きい翡翠を投げて重みを感じられなければ偽物の可能性は高い。
翡翠にプラスチックをぶつけることで密度の高さを測る方法もある。まず、プラスチック製のビーズなどを2つ以上用意して、ビーズとビーズがぶつかり合う音を良く聞く。今度はビーズを本物と思われる翡翠へぶつけてみて、先程行ったビーズ同士をぶつけるテストで聞いた音と比較する。
同じような軽めの音が聞こえたら、その石は翡翠ではないと判断でき、響くような深い音がしたら本物の翡翠だと判断しても良いだろう。翡翠を2つ以上持っているなら翡翠と翡翠をぶつけてみるのも良い。天然の翡翠であれば、澄んだ音がキンと聞こえると言われている。
石に触ってみるのも真贋を試すのには大切だ。翡翠は食器としても加工されるが、翡翠製の盃に冷酒などを注ぐと冷たい温度が維持されやすい。これは、翡翠の熱伝導率が比較的高いからだ。このため、翡翠に触れると手の体温が奪われ、冷たさを感じるのが一般的である。
また、触った感触は石鹸に似た滑らかさがある。プラスチックの模造品やポリマー加工などを施したB貨翡翠、翡翠だと偽って売られている別の天然石などであれば温い感触があるため、天然翡翠ではないと判断しやすい。本物の翡翠を持っているなら触る機会を増やすと、石に触れただけで真贋が分かりやすくなる。
中古買取で翡翠のジュエリーなどを査定見積もりする前に、自分で真贋を見極めておくと査定内容に納得しやすい。素人でも簡単に行えるため、適正価格での買い取りや高価買取につなげるためにもテストを行うのは大切だ。
翡翠を売るならどんな業者を選ぶべきか
翡翠は偽物と本物が見分けにくい天然石のため、鑑別書が付属したものを購入すると信頼度が高い。
また、中古買取業者に売る際は、査定人が宝飾品へ知識が高い人物かを見極める必要もある。翡翠は肉眼のみで本物であると判断できる天然石ではないと知っていれば、持ち込んだジュエリーを見ただけで査定の評価を提示し始める査定人を信頼してしまうことはない。提示された買取り価格を鵜呑みにせず、納得できなければ売らないことが大切だ。
宝飾品に関する知識が豊富な査定人が在籍しているほか、ジュエリーの買い取りに強みのある業者を幾つか選んで、より多くの査定を行うようにすると高価買取になりやすい。また、翡翠は色石であるため、ある程度の評価基準はあっても統一された市場はない。
このため、買取業者が持つ販売ルートによって買取価格は異なる傾向があり、販売ルートを国内外に多く確保している業者は査定額を高値にできると言える。中古買取業者のホームページなどを事前にチェックして、業者の規模や買取実績などから翡翠を高価買取にできるかを判断するのも大切である。
中にはダイヤモンド以外の宝石は買取しない業者もあるので、翡翠を売りたい場合は慎重に業者を選ぶ必要があるだろう。買取り実績については、より具体的な買取例を表示している業者はある程度宝石の査定に自信があると考えて良い。

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