日本でもっとも知名度のあるカードゲームに遊戯王カードがある。実は今、遊戯王カードはバブルの真っただ中なのだ。実際に数年前まで30万円で取引されていたものが、5年後には100万円で取引されていることがあるため、一部カードについては資産運用としての信頼度は高いといえる。
そこで今回は、遊戯王カードを資産運用先として投資に使う方法について解説していく。記事の後半では、転売のように短期間で稼げる方法も解説しているので、遊戯王を資産運用として利用したい方はぜひ参考にしてほしい。尚、2020年には遊戯王投資がTwitterに突如現れた投資家じゅんじゅん氏やゆきちオリパ氏のYoutubeなどをはじめとして盛り上がりを見せ、予想しにくいステンレス製カードの高騰、ホログラフィックカードの高騰、未開封品の高騰、WCSの高騰、純銀青眼、純金青眼、ステンレスブラックマジシャンガール、ステンレスレッドアイズの大高騰などが起きた。ひどい時では2週間で値段が3,4倍に膨れ上がるなど異常なペースで進んでいた。
また、遊戯王カードはトレカ専門のフリマアプリ「magi(マギ)」でも高値で売れる。個人の取引を検討しているならば、まずは出品してみてほしい。
引用:magi
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遊戯王とは
遊戯王とは、1996年9月30日から週刊少年ジャンプに連載された人気漫画である。連載当初は、気弱な主人公武藤遊戯がさまざまなゲームで敵を倒し、罰ゲームを与えるというストーリーだった。これが、いわゆる初期遊戯王だ。
やがて、ストーリーが進むにつれて架空の対戦型カードゲームマジック&ウィザーズが登場した。これが読者の間で好評を呼び、遊戯王はトレーディングカードゲームへと路線変更したのである。
2000年4月18日には、テレビ東京にてアニメ版遊戯王が放送され始めるとともに、人気が爆発。作中登場するカードはそのまま商品化され、今や世界規模で人気なマジック・ザ・ギャザリングに次ぐ知名度を勝ち取ったのだ。
つまり遊戯王カードの成功は、アニメのブームによって約束されたのである。現在、アニメ版は最新シリーズの遊戯王VRAINSが放映中で、トレーディングカードのほうも3か月に1度のペースで新拡張パックが発売されている。
遊戯王カードは、まさに日本でもっとも知名度のあるカードゲームだといえよう。最初期のカードが販売されてからすでに20年以上経過しているが、その人気が冷める気配はまったくない。
遊戯王カードの問題点
遊戯王が面白いカードゲームなのかというと、それは必ずしもそうとはいえない。もちろん、これほどの人気度があるのだから面白いには違いないのだが、遊戯王デュエルモンスターズはいくつかの問題点がある。
実は、その問題点の1つが遊戯王に資産運用としての可能性を与えているのである。それではこの遊戯王が抱える問題点について、具体的に確認していこう。
ゲーム内容が複雑すぎる
遊戯王カードの問題点1つ目は、ゲーム内容が複雑すぎることだ。遊戯王カードの複雑さはトレーディングカードのなかでも随一である。何しろ現役遊戯王プレーヤーでもルールを把握しきれていないことさえあるのだ。たとえば起動効果や誘発効果、誘発即時効果、永続効果、発動タイミングを逃す、対象を取る・取らないやチェーンブロック、スペルスピードなど日頃から遊戯王に触れない人にとってはまったくもって意味不明な言葉だろう。
このような遊戯王独自のルールに加え、カードによっては特殊裁定と呼ばれるものが存在する。特殊裁定とは、カードテキストによって読み取れない処理や事態に対する公式見解のようなもので、主にカードに書かれているテキストの不備が原因となって発生する。
こういった自体が発生したときの対処法は、遊戯王カードWikiを閲覧するか、販売元であるKONAMIに連絡するか、審判に確認するかのどれかである。また、カードのなかには未だに裁定が下されていないものもあり、そういったカードはどのような対応を取ればいいのか誰もわからない。
これほどゲーム内容が複雑であるため、小さな子供たちはルールがよく分からないままゲームをしている場合が多い。もしかしたら知らぬが仏なのかもしれないが、ゲーム自体の複雑さによってゲーム本来の魅力が損われているのは残念な限りである。
ゲームスピードが早すぎる
遊戯王カードの問題点2つ目は、ゲームスピードが早すぎることだ。遊戯王カードは、ときにソリティアやジャンケンゲームと揶揄されることがある。要するに、相手に何もさせず一方的にゲームが終わってしまうことが多々あるのだ。
たとえば、多くのトレーディングカードゲームではマナと呼ばれる消費性のコストが導入されている。マナとはゲームの高速化を防ぐためのもので、これがあることによって1ターンで使えるカードの枚数に制限が生まれる。しかし、遊戯王には厳密な意味でのコストは存在しない。
それを象徴するものが先行1ターンキルである。先行1ターンキルとは、その名のとおり、先行時の最初のターンのうちにゲームを決めてしまうというもので、これが遊戯王がジャンケンゲームと揶揄される所以となっている。遊戯王においてこの手の先行1ターンキルは、日常茶飯事といって良いだろう。
ちなみに、厳密なカードコストを採用していないカードゲームとしてはポケモンカードが挙げられるが、それでもこちらは往復6ターンは最低限約束されている。しかし、遊戯王において往復6ターンはかなり長丁場であるといえよう。このことからも、遊戯王カードのゲームスピードの早さがお分かりいただけるはずだ。
禁止カードという甘い罠
遊戯王カードの問題点3つ目は、禁止カードの存在だ。通常、遊戯王は同名カードを3枚までデッキにいれることができるが、なかには強力すぎるあまり、デッキに組める枚数に制限をかけているものがある。それが禁止カード、制限カード、準制限カードである。
禁止カードや制限カードといったレギュレーションの本来の目的は、ゲームの高速化を防ぐとともに、デッキの多様性を守ることだ。これだけを聞けば、禁止カードはゲーム環境を維持するために必要不可欠な存在であると思われるかもしれないが、問題は販売元であるKONAMIの企業姿勢にある。
実は2019年7月現在、禁止カードに指定されているカードは合計で73枚、これはトレーディングカードゲームのなかではトップクラスに多い。さらに、そのなかにはなんと登場してから半年以内で指定されてしまったカードがあるのだ。これは、KONAMIのデザインミスに起因しているといえよう。
また、半年以内で禁止カードにされてしまったカードは合計で4枚も存在することから、遊戯王プレイヤーの間では「KONAMIはデザインミスをしても禁止カードにしてしまえばいいと簡単に考えている」という悪評が流れている。何よりも問題なのは、せっかく高い額を支払って購入したカードが、ある日を境に紙切れ同然になってしまう恐れがあることだろう。これは後述の資産運用に関わる話でもあるが、ともかくこの禁止カードが、現在の遊戯王の大きな問題点になっているのは間違いない。
一部カードが高額すぎる
遊戯王カードの問題点4つ目は、一部カードが高額すぎることだ。遊戯王デュエルモンスターズは、コレクションも楽しみの1つであるため、高レアリティカードや人気カードが高騰してしまうのは仕方がない。
しかし、問題なのは単純に強いカードすらも高騰してしまうことだろう。その代表的な例が、ラヴァルバル・チェインというカードである。このカードはその汎用性の高さから、一時期はどんなデッキにも採用されるほどのパワーカードだった。
しかし、ラヴァルバル・チェインはDUEL TERMINALという専用のゲーム筐体からでしか入手できなかった。そのため入手難易度が非常に高く、禁止カードに指定されるまでは1枚5,000円以上もの額で取引されていたのである。
これでは、経済力に乏しい子供たちは強いデッキを作れないといっているのも同然だろう。2019年7月現在もこの流れは加速する一方で、子供たちのカードゲーム離れが懸念されている。
資産運用先として投資に使う方法
最後に、遊戯王カードを資産運用先として投資に使う方法について解説していく。遊戯王カードは、資産ゲームや株と揶揄されることもあるくらいなので、投資として使うことは十分可能だ。しかし遊戯王カードは価格の変動が大きく、またその下げ幅も決して馬鹿にはならない。
そのため最初から資産運用として考えるよりも、まずは好きなカードをコレクションとして収集し、飽きたら売却するというのが基本的な流れになる。よって、株のように運用するのではなくあくまで遊びの延長線として考えるのがおすすめだ。
強力な効果をもつカードを買い占める
遊戯王カードを資産運用先として投資に使う方法1つ目は、強力な効果をもつカードを買い占めることだ。これは、先ほど挙げたラヴァルバル・チェインの例からも分かるとおり、強力な効果をもつカードは、それだけで需要が高い。
さらに、この強力な効果に入手難易度やレアリティの高さが加わるとカードの値段は爆発的に高騰していく。ただし、この方法には2つの問題点がある。
1つ目は、遊戯王カードのゲーム環境は短期間で大きく変わりやすいため、普遍的に強力な効果というものが存在しないこと。そして2つ目は先述の禁止カードの存在である。つまり、いかに強力な効果をもっていようと、販売元であるKONAMIのさじ加減によってカードの価値が大きく変動してしまうのだ。
そのためこの方法を取る場合は、遊戯王のゲーム環境とKONAMIの動向を観察し続けなくてはならない。また、遊戯王カードに対する知識を身に着ける必要があるうえ、長期運用に向かないのも大きなマイナス点だ。
特典カードがついたVジャンプを買い占める
遊戯王カードを資産運用先として投資に使う方法2つ目は、特典カードがついたVジャンプを買い占めることだ。実は、Vジャンプには定期的に遊戯王の特典カードが付属されてくるのだが、この特典カードは後々価格が高騰する傾向にある。
例えば、2019年5月21日に発売されたVジャンプには、抹殺の指名者と呼ばれる特典カードが付属されていた。この抹殺の指名者は非常に強力な効果をもっていたため、各地でVジャンプ7月号が売り切れるという事態に発展した。
さらに驚くべきことに抹殺の指名者は、Vジャンプ7月号が発売されてから3日後の2019年5月24日時点で、1,400~1,700円もの値段で取引されていたのだ。Vジャンプの定価が500円であることを考えると、まさに異常事態だ。そのため、一部では錬金術と揶揄されることもある。
ただし、これは資産運用というよりも転売に近くなるだろう。もちろん商売目的で商品を転売する場合は、古物商許可の申請をおこなわなくてはならない。そのため確実性はあるが実践するには多少手間がかかる方法だといえよう。
高レアリティカードを保管しておく
遊戯王カードを資産運用先として投資に使う方法3つ目は、初期ウルトラレア、初期レリーフ、ホログラフィック、20thシークレット、プリズマシクなど高レアリティカードを保管しておくことだ。実は遊戯王の高レアリティカードや人気カードは市場価値が年々上がり続けているため、それらのカードは十分投資に使えるのである。
ブラックマジシャンガールを寝かせるとかなりの利益に
その代表的な例がブラックマジシャンガールである。ブラックマジシャンガールとは、遊戯王の主人公武藤遊戯が愛用するカードの1つで、遊戯王カードのなかでも屈指の知名度と人気度を誇っている。実は、今でこそブラックマジシャンガールはさまざまなパックや特典に再録されているが、元々は2000年8月26日に開催された公式大会の参加賞および優勝賞品だったのである。
このブラックマジシャンガールは、高いモノで主にシークレットレアと字レアの2種類が存在しており、現存しているのは多く見積もっても3210枚である。とくに、貴重なのはシークレットレアのほうで、5年前の2014年頃は約30万円で取引されていたが、2019年の相場はなんと100万円である。その後さらに高騰し、2020年には300万円から700万円へと一気に高騰を見せた。トレカ専門フリマアプリmagiでは封筒付きの美品クラスが750万円で落札されている。尚、字レアのガールについても2021年現在で40~60万円程度の価値がついており、完美品に近いほど高価格で売買されている。
このような高レアリティカードの価値はゲーム内の環境から影響を受けないため、安定して資産運用ができるといえよう、また、遊戯王のなかには、1枚9億9,800万円で販売されたカードもあるため、一攫千金も夢ではない。
2020年に起きた20thシクや未開封品バブルの崩壊
2020年には20thシクであり、限定配布セットであるWCSの性質を持つWCS2018(青眼の白龍20thシク、ブラックマジシャン20thシクのセット)、ステンレスブラックマジシャンガール未開封をはじめとして、WCS系統のセットや未開封カード、20thシクなどが大高騰した。代表格のWCS2018については、10万円未満の価格から最も高騰した時点では50万円まで達した。なんと1年かからず5倍以上である。
このような高騰トレンドは値上がりの期待を前提に、様々なコレクターや投資家、Youtuberやnote執筆者が値上がりを煽り、「今のうちに買うべきカードを紹介します!」といった形で価格操作に直接的・間接的に影響した部分が大きい。コレクターに関しては本意では無かっただろうが、高額であっても美品クラスのカードを手にした時や超高額カードを購入したことをツイート発信することで、みんなが「自分も早く買わないと買えなくなってしまう」という焦りを覚えたことは間違いないだろう。とはいえ、それで実際にバブルになってしまうほどの過熱ぶりであったことが伺える。誰か一人が騒いだところで値段は動かないが、人々が実際に「売り切れてしまったら買えなくなる」といった焦りから高額でもどんどん落札していく事態となってしまったのだ。
しかしながら、2020年10月より下落し始め、一時30万円近くまでの値下がりが起き、遊戯王バブルの崩壊などと騒がれている。これまで長い間高騰し続けてきたトレンドが大きく下落する展開となり、損失を大きく出した人も多い。なるべく早くさばき切れるかどうかという勝負となったため、一気に急落したことが予想される。中には損失が大きすぎて塩漬けのまま寝かせている人もいる。カードラッシュやカードショップすぱいらる、メルカードなどの強化買取ツイートも全く行われなくなり、一気に売買速度が低迷してしまった。主に影響していたであろう投資家は現在ポケモンカードの投資へと移行している様子だ。
まとめ
この記事では、遊戯王カードを資産運用先として投資に使う方法について解説した。遊戯王は株としての側面をもっているため、資産運用に使うことは十分可能だ。しかし一部の高レアリティカードや人気カードでもない限り、カードの価値は大きく変動してしまうので注意しよう。市場動向をしっかりとよみながらカードの価値についても調べて損をしない取引ができるようにしてほしい。













