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【専門家監修】中古品レンタル業にはどんな資格が必要?

読了目安:11分
更新日:2021/02/15
公開日:2019/10/01
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一度仕入れるとある程度、品質が落ちない限りレンタルをおこなうことができる点でも魅力的な中古品レンタル業に憧れを抱いている人も少なくないだろう。店頭では、レンタルできなくなったものも販売されており、二次利用されているのが目立つ。あらかじめある程度の用意ができるのであれば、開業もさほど難しくないだろう。

ここでは、中古品レンタル業を営む上で必要になる許可について確認していきたい。特に、DVDやCDのレンタル業、レンタカー業については注意しなくてはならない点があるため、個別に触れておく。

中古品レンタル業には古物商許可が必要

中古レンタル業を始める場合、中古品の売買ではないため資格はいらないと思っているかもしれないが、中古品のレンタル業を始めるには必ず取らないといけないものがある。中古品のレンタル業を始めるには、古物商許可という許可を取らなくてはならないのである。

古物商許可と言えば一般的に、骨董品を扱う古物商やリサイクルショップなど、中古品を仕入れて販売するビジネスに必要な資格として知られている。しかし、古物商許可は中古品の販売に従事する者だけでなく、中古品のレンタル業にも必要なものである。中古品を扱うビジネスとして、販売業もレンタル業も同じ考え方といえる

扱う中古品によって申請する品目が異なる

中古品ビジネスの参入にあたり、取り扱う商品によって、営業所または古物市場の所在地を管轄する都道府県の公安委員会(所在地を管轄する警察署を経由)の許可が必要となっている。古物商許可は警察の行政をおこなうのにあたり必要なことから、売買交換などをする営業を許可制となっており、古物営業法によって明確に規定が定められている。古物については古物営業法施行規則により以下の通りのように13に区分されている。

  • ・美術品類
  • ・衣類
  • ・時計・宝飾品類
  • ・自動車
  • ・自動二輪車及び原動機付自転車
  • ・自転車類
  • ・写真機類
  • ・事務機器類
  • ・機械・工具類
  • ・道具類
  • ・皮革・ゴム製品類
  • ・書籍
  • ・金券類の13種

なお、13品目の区分についてはかなり昔に定められたことから、最近になって出てきたものについて、一般の人が区分することが難しくなっている。13品目のうちどれに該当するか不明瞭な場合には、一度警察署に確認すると良いだろう。

中古品のレンタル業の営業を開始するには、古物商許可が必要ということは先程述べた通りであるが、各都道府県にチェーン店を営む場合に、古物営業の許可は都道府県単位となる。したがって、本社が古物商許可を得ていたとしても、各都道府県にある営業所もそれぞれの都道府県の公安委員会の許可が必要となる。

なお、2018年の古物営業法の法改正で、現在古物商を営んでおり、継続して営業する場合に主たる営業所等届出書の提出が義務付けられている。全面施行日(2020年4月まで)により適用が開始された場合に、従来、営業所などが所在する都道府県ごとに古物営業の許可を得ることが必要であったのに対し、主たる営業所のみ許可が必要となり緩和がなされる。

古物営業法の基礎知識

ここでは、古物営業法を理解する上で必要になる、基礎的な用語について確認しておきたい。

古物

古物とは、古物営業法の規制の対象となる物品のことで次の3つを指す

  • ・一度誰かに使用された物品
  • ・誰にも使用されない物品で誰かの使用のために取引されたもの
  • ・上記の1あるいは2に幾分の手入れをしたもの

古物営業

古物営業とは、次にあげる営業のことを指す。具体的には古物を販売・交換または委託を受けて売買・交換する営業(1号営業)、古物市場(古物商間の古物の売買や交換のための市場)を経営する営業(2号営業)。つまり、古物の売買、交換をする場を提供している場合となる。ただし、次の営業形態は除かれる。

  • ・古物の買取をおこなわず、古物の売却だけをおこなう行為(例:無償で引き取り、修理をして販売する行為など)
  • ・自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみをおこなう行為

古物商

古物商とは、営業をおこなう都道府県の公安委員会の許可を受けて古物営業(1号営業)を営む者を指している

古物市場主

古物市場主とは、営業をおこなう都道府県の公安委員会の許可を受けて古物営業(2号営業)を営む者、つまり、古物商間で古物の売買・交換をする市場を経営する者を指す

行商

行商とは、営業所を離れて取り引きをおこなう営業行為で、道路などに設営された仮設の店、いわば露店商も含まる。また従業員二行商をさせるときは、行商従業者証を携帯させなければならない。

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古物営業を営む際の導守事項

古物営業を営む人は、古物営業法に定められたルールを守らなければならない。以下に示すルールのほか、行商や競り売りの際の許可証などの携帯義務、営業の制限、名義貸しの禁止、立ち入りや行政処分に関する規定などが定められている。

標識の掲示

営業所や露天、古物市場の見やすい場所に、国家公安委員会規則で定める様式の標識を掲示しなければならない。

管理者の選任

営業所または古物市場ごとに、業務を適正に実施するための責任者として管理者1人を選任しなければならない。また古物商や古物市場主は、取り扱う古物が不正品かどうかを判断するために必要な知識や技術、経験を管理者に習得させる努力義務がある。

確認などの義務

古物商が古物の買い受けや交換などをおこなう際には、相手の身分証明書を確認するか、署名文書を受領する義務がある。また、インターネットを利用することにより相手と面接しないで古物取引をする場合は、相手方による電子署名がおこなわれた電磁的記録の提供を受けるなど、国家公安委員会規則で定める方法により相手を確認する必要がある

申告、品触れ、差し止め

古物商が古物の買い受けや交換などをおこなう際に、その古物が不正品の疑いがあると認めるときはただちに警察官にその旨を申告しなければならない。また、盗品などの発見のために計算署長などからその有無の確認や届け出を求められることがある。これを品触れと言う。なお、盗品または遺失物の疑いがある古物については、警察署長が古物商に対して一定期間の差し止め(保管命令)をおこなう場合がある。

古物商許可の返納義務

古物商許可は営業するために必要な許可であるため、引き続き6ヵ月以上営業しない場合は返納しなければならない。また、古物商として個人で契約していた人が亡くなった場合に、親族や法定代理人が返納しなくてはならない。

これが一連の申請手続きや尊守事項の流れとなる。全ての書類が整い準備ができれば、営業所の管轄の警察署に予約の電話を入れ、今までに用意した書類一式と、訂正用の印鑑(書類に使った印鑑)を持参して手続きをおこなう。

審査料は都道府県の証紙で支払いをおこなう。書類を提出して40日~50日程度で許可の通知くるとされている。古物商許可が発行されてから、事業をはじめることができる。

初めて事業をおこなう人は、営業所の管轄する税務署に対して開業届を提出する必要があるため、必ず届をおこなうようにしよう。また、利益が出れば翌年度の確定申告で税務署に申告をおこなわなければならない。

古物営業の許可申請の手続き

古物営業を始める場合に、営業所または古物市場の所在地の所轄警察署の署長を経由して公安委員会に対し、原則として正副2通の許可申請書を提出しなければならない。また、1都道府県に2つ以上の営業所または2つ以上の古物市場を有する場合には、いずれかひとつの営業所または古物市場の所在地の所轄警察署の署長経由で、同様の許可申請書を提出しなければならない。

さらに業務内容に変更があった場合にも、原則として許可申請書を提出した警察署長に変更届を提出する必要がある。更新手続きを怠ると違反となり罰則を受けることもあるため注意が必要だ

古物商として使える営業所とは

古物商許可が取れるかどうかは、古物商として使える営業所があるかどうかということになる。実際には営業所あり・なしを申請書類で記入する欄があるが、現在は営業所なしというのはないと考えても良いだろう。

営業所の定義

なお、古物営業法でいう営業所の定義は、中古品を仕入れたり、中古台帳(売買を記録したもの:帳簿など)を保管や管理をする場所を指し、古物商プレート8(標識)も掲示する義務もある。インターネット通販専門店で、顧客の出入りが無い場合でも、古物商許可を取るためには必ず営業所が必要となる。

また、営業所は日本全国に何カ所も設置しても問題ない。しかし、それぞれに許可申請が必要となり常勤できる古物管理者を全ての営業所に配置しておかなくてはならない。

営業所にできるかどうかの判定基準

そして、営業所として使用できるためには、営業所となる物件の所有者が誰なのかによって判定方法が変ってくる。判定方法についても合わせて確認していこう。

自己所有の物件の場合

分譲住宅を購入した場合などになるが、自身(古物商許可を取りたい人)が登記上の所有者となっている物件は、基本的に営業所として使用することができる。しかし、地域(都市計画法など)やその建物内(分譲マンションなどの組合など)で商行為を禁止されているなどの特別な決まりがある場合は事前に確認しておくことが大切となる。

賃貸物件の場合

不動産会社や知人・友人から物件を賃貸している場合になるが、借りているのは誰か、借りている目的(使用目的)は何かということが確認事項となってくる。物件の借主は、古物の申請書でなければならない。また、使用目的については、賃貸借契約書の使用目的の項目に、古物の営業所として使える契約になっていれば問題はない。

しかし、住むために借りているような契約となると、使用目的は居住用となっているケースが多くなる。そのような場合は、古物商の営業所として使ってもよいという内容の使用承諾書を作成し、貸主の署名捺印を貰う必要がある。

家族や知人が所有している物件

家族や友人・知人が所有している不動産の全部あるいは一部を古物商の営業所として使う場合に、古物商の営業所として使ってもよいという内容の使用承諾書を作成し、所有者の署名捺印が必要となる。しかし、最近よくあるレンタルオフィスは基本的に営業所として設定することができないとされている。

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レンタル業やレンタカー業の注意点

中古レンタル業には必要な資格がなく、古物許可だけを得られれば良い。しかし、CDやDVDのレンタル業をおこなう予定の人やレンタカー業をおこなう予定の人は注意が必要だ。それぞれ、順を追って説明していく。

CD・DVDレンタル業をおこなう上での注意点

CDやDVDは著作権で保護されている。したがって無断使用は許されず、著作権を管理している団体から許可を得る必要がある。CDの場合には、レンタルCDの卸業者に申請し、著作権を監視している団体に許可を得てもらうことになる。

DVDの場合には、邦画は日本映像ソフト協会に加盟することとなる。その後、仕入れたいメーカーと個別に契約を結ぶこととなる。日本映像ソフト協会のホームページへは以下のリンクからも飛ぶことができる。

日本映像ソフト協会のホームページ

洋画などは、各仕入れ先と契約を結ぶ必要がある。なお、アダルト関連のDVDについては、アダルトメーカーとここに契約をおこなう必要があるため、煩雑になることが予想される。

レンタカー業をおこなう上での注意点

レンタカー業をおこなう場合に、運輸局で自家用自動車有償貸渡業許可が必要になる。許可名から自動車のみが必要だと思われる人もいると思うが、バイクでも同様だ。

国土交通省から必要書類はダウンロードできる。下記は東京運輸支店が出している様式のリンクである。各都道府県によってフォーマットがかなり異なるようであるため、注意が必要だ。

東京運輸支店の様式

古物商の許可申請と比べると、比較的簡単な印象を受ける。ただし、登録免許税が90,000円かかるため、費用面は古物商と比較すると高価だ。自家用自動車有償貸渡業許可も別途、欠格事由について下記のように記載されている。

  • ・1年以上の懲役または禁固の刑に処されて2年経過していない者
  • ・一般旅客自動車運送事業、特定旅客自動車運送事業、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業又は自家用自動車の有償貸渡しの許可の取消しを受けて2年経過しない者
  • ・成年者と同一の能力がない未成年者又は成年被後見人であり、法定代理人が上記2つの要件いずれかに該当する場合
  • ・法人の場合に役人が上記3つの要件いずれかに該当する者

まとめ

中古品レンタル業を営む上では古物商が必要となる。欠落事由と該当の品目を確認すれば、申請自体はさほど難しくないだろう。許可が降りるまでに40〜50日を有すると言われているため、あらかじめ計算した上で開業準備をおこないたいところだ。

CDやDVDのレンタル業をおこなう場合には、著作権に注意して管理元に許可を得て契約を結ぶ必要がある。レンタカー業の場合には、自家用自動車有償貸渡業許可が別途必要となり、古物商とはまた異なる欠格事由が存在するため、よく確認した上で準備をしよう。



この記事を監修した専門家

自身でアンティーク古物を扱うかたわら、古物査定士認定協会広報担当をしているフリーライター。現在は『手続きドットコム 古物商』『和樂web』等で執筆をしているほか、古物商系企業で出資を目的として投資家向けに動画原稿を作成している。国語(中高)、書道(高)、司書教諭、司書免許所有。「日本の伝統文化の保持」に関する論文で受賞経験あり。 古物査定士認定資格証会員番号:1179026007
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