中古着物の「東京山喜株式会社」は、4月20日付で東京地方裁判所へ民事再生法の適用を申請したことが明らかになった。3月に入り新型コロナウイルスの影響で臨時休業や営業時間が短縮となった他、催事も中止となるなど、売り上げが大幅に減少したことにより、今回の措置となったようだ。今回は「たんす屋」について紹介していきたい。
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たんす屋について
たんす屋は、中古着物の販売・買取を手掛けるリサイクルショップだ。たんすに埋もれていたきものや帯をリサイクルするために誕生した。1999年(平成11)にリサイクルきものショップ「たんす屋」1号店を船橋にオープンした。その後拡大した店舗は100を超えている。大正13年創業の老舗、中古着物のパイオニア的存在の民事再生は衝撃を与えている。
新型コロナウイルスによる倒産状況は
コロナウイルスによる倒産件数は、発生日ベースで、2月が2件(構成比1.8%)、3月が29件(同26.6%)、4月が78件(71.6%)となり、日を追うごとに急増している。
また、今年の倒産件数をまとめると、、1月(713件)、2月(634件)、3月(744件)と推移している。さらに、年同月比の数値を見ると、1月(2.7%増)、2月(2.3%増)であったのに対し、3月(14.3%増)と、コロナ倒産の影響もあり急増しているという結果だ。
倒産を防ぐには
倒産を防ぐには何よりまずは借入の実行や在庫の処分が重要である。借り入れについては日本政策金融公庫など、中小企業向けの借り入れの相談窓口が世の中で増えてきているので片っ端から相談していくことをおすすめしたい。どこも現在対応に時間がかかる所が多いので、この相談は辛抱も必要である。
日本政策金融公庫の融資情報
最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少しており、業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は、最近1ヵ月の売上高が次のいずれかと比較して5%以上減少している企業であれば融資の対象となる。
(1)過去3ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高(2)令和元年12月の売上高
(3)令和元年10月から12月の平均売上高
経営者の私物売却や在庫処分・流動化
それ以外には経営者が私物を売却するなどで食いつないでいるケースも存在する。また、会社として在庫を抱えているリユース企業が多いと思うので、商品を少しでも高く売却を早くしていき、現金を一旦作ることも大事であろう。リバリューという在庫処分サービスについてもおすすめしたい。カードショップなどにおいても、普段無尽蔵に並んでいるカードなどをオリパ・福袋という形式にして売りさばくケースもあるようだ。類似のことを他のリユース領域でも検討する余地はある。
まだまだ続くコロナ倒産
今後はリユース業界においてもあらゆる企業で倒産の危機が迫ってくるだろう。特に店舗での事業をメインとしている企業がこの業界には多く、モロに打撃を受ける企業が多い。買取がまずは減り、店舗での販売も難しいといった状態になりやすい。一刻も早い新型コロナウイルスの収束を願いたい。