大量に売れ残ってしまった在庫を処分したい、事務所移転に伴う備品の一斉処分をしたい、走行距離が多い営業車を売却したい等の場合、どのような書類が必要でどういう流れで買取されていくのか、見当もつかないとお悩みではないだろうか。何かと面倒に感じてしまう法人買取だが、売却したいものによって必要になる書類が少し違ってくる。
そこで今回は、法人買取時に必要な書類や手続きの流れについて解説していく。これさえ読めば、大量在庫処分も車の買い替えも怖くはない。最後までぜひご一読いただきたい。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
法人買取とは
まずは、法人買取とは何か・個人の買取との違いとは何かについてお伝えしておこう。そもそも個人の買取は、不要になった商品を1点または数点を買取業者に売却する。その際には運転免許証や健康保険証、パスポートなどの本人確認書類が必要だ。個人の買取は売却したい商品が1点1点違うことが多く、必要書類は本人確認書類だけでいいという特徴がある。また、買取金額も比較的少額なことが多い。
一方の法人買取とは、在庫処分や備品の買い替えに伴う処分など、大量に同一商品を売却することが多いという特徴がある。売却するものによっては必要書類が違っていることが多い。また、大量に買取するため、金額が高額になりやすいという特徴もある。
このように、買い取る商品や金額に大きな違いがあるため、個人顧客を対象としている店舗に大量に商品を持ち込んだり、買取を依頼したりすることはできない。そのため法人は法人買取窓口へ依頼しよう。
法人買取に必要な書類
ここからは、法人買取時に必要となる書類を確認していこう。一般的に法人買取では、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)、印鑑登録証明書が必要となる場合が多い。履歴事項全部証明書、印鑑登録証明書とはどのような書類なのか詳しく見ていこう。
履歴事項全部証明書とは
法人買取には登記簿謄本が必要だと聞かれたことはないだろうか。登記簿謄本は、商業登記法の改正後に電子データ化されており、登記簿謄本自体を取得することはできなくなっている。
では、その替わりになるものは何かというと、登記事項証明書という書類になる。この登記事項証明書には、
- ・履歴事項全部証明書
- ・現在事項証明書
- ・代表者事項証明書
- ・閉鎖事項証明書
という4種類の証明書がある。履歴事項全部証明書には、商号や本店所在地、代表者の名前、法人の目的などが書かれており、これらの内容に変更があった際の履歴もすべて記録されている。
現在事項証明書は、履歴事項全部証明書の履歴事項がない証明書だ。また、閉鎖事項証明書は現在効力がなく、履歴事項全部証明書には記載されていない過去の情報が記載されている。そして代表者事項証明書は、代表者に関することだけを記載した証明書となる。
一般的に、法人買取時に登記簿謄本が必要だと言われた場合には、履歴事項全部証明書を取得すればいい。
履歴事項全部証明書は、法務局へ行けば誰でも発行可能となっている。現在では法務局へ行かなくても、オンラインで請求すれば郵送してもらえるサービスがあるので、法務局へ行く時間がないときには利用してみよう。
印鑑登録証明書とは
法人の印鑑登録証明書は、法務局の窓口で申請する方法、オンラインで申請する方法の2種類がある。窓口で申請する場合は、先に法務局で交付を受けていた
- ・印鑑カード
- ・印鑑登録証明書交付申請書
- ・手数料分の収入印紙
があれば発行可能となっている。
印鑑登録証明書交付申請書には、会社の商号、所在地、代表者の資格(代表取締役、取締役など)、代表者氏名と生年月日を記入する必要がある。そのため、代理人が発行手続きに法務局へ行く場合はこれらの記入事項をメモしておこう。また、印鑑カードがあれば委任状は不要だ。
オンラインで請求する場合は、まず専用ソフトをダウンロードしなければならない。少し手間がかかるが、一度ダウンロードして電子証明書を所得しておけば、次回以降は法務局へ行く必要がなくなり費用を抑えることができるため、面倒だがメリットが大きい。印鑑登録証明書の発行を急いでいないのなら、登録しておくとあとで何かと便利だ。
履歴事項全部証明書、印鑑登録証明書は、業者によっては発行日から6ヶ月以内の原本、または3ヶ月以内の原本と決められているため注意が必要だ。また、社員証のコピー、名刺などを要求されることがあるため、事前に用意しておいたほうがベターだろう。
なぜ買取に書類が必要?
なぜ個人では本人確認書類、法人での買取には登記簿謄本(履歴事項全部証明書)や印鑑登録証明書が必要になるのだろうか。それは、古物営業法によって身分証明書の提出が義務付けられているからだ。
古物営業法では、古物商を営むものは原則として古物を買受、交換、売却するときには相手の真偽を確認するため、相手方の住所、氏名、職業及び年齢を確認すること、また、それらの記載された文書の交付を受けることとされている。そのため、買取業者は古物営業法にのっとり、売却する個人または法人の本人確認書類の提示がなければ買取拒否せざるを得ないのだ。
また、買取時に本人確認書類の提示を求めることを、法律で義務付けるには意味がある。中古品を買い取る場合、いつ、誰が、何を売却したのかを正確に把握できれば、窃盗などの犯罪防止につながり、万一盗品だった場合は警察に通報し被害者に返還することができるようになる。
このように、買取時の必要書類提示は営業法によって義務付けられている。法務局へ行ったり手数料がかかったりと何かと面倒だが、なぜ必要なのかがおわかりいただけたのではないだろうか。
売却するものによって違う必要書類
では、ここからは売却するものによって違う必要書類についてご紹介していこう。個人が売却する際の書類とあまり変わらないが、法人の場合は一部相違点があるため注意しよう。
普通自動車の場合
普通自動車を売却する際には、以下の書類が必要になる。
- ・印鑑登録証明書
- ・履歴事項全部証明書
- ・自動車検査証(車検証)
- ・自賠責保険証明書
- ・納税証明書
- ・リサイクル券
これらの書類の他にも、譲渡証明書や委任状といった書類が必要だが、買取業者が用意することが多いため割愛する。
軽自動車の場合
軽自動車を売却する際には、以下の書類が必要となっている。
- ・履歴事項全部証明書
- ・自動車検査証(車検証)
- ・リサイクル券
- ・自賠責保険証明書
- ・納税証明書
なお、軽自動車は普通車の売却とは違い、印鑑登録証明書は不要だ。
建設機械・重機の場合
建設機械・重機を売却する際には、以下の書類が必要となる。
- ・履歴事項全部証明書
- ・印鑑登録証明書
- ・運転免許証や健康保険証、パスポートなどの身分証明書
通常、履歴事項全部証明書は発行日から6ヶ月以内のものという期限が決められていることが多いが、買取業者の中には、発行日から3ヶ月以内という場合もあるため、売却する場合は一度事前に確認しておこう。
備品や余剰在庫などの一般的な商品の場合
事務所移転の際の備品や余剰在庫などは、一般的な買取業者で買取可能だ。その際には、以下の書類が必要となる。
- ・履歴事項全部証明書または印鑑登録証明書
- ・担当者の運転免許証や健康保険証、パスポートなどの身分証明書
- ・担当者の名刺や社員証のコピー
なお、こちらも買取業者によっては履歴事項全部証明書の期限が発行日から3ヶ月以内というところもあるので注意しよう。
買取手続きの流れ
法人買取の必要書類についてはご理解いただけただろうか。ここからは、手続きの流れについてご説明していこう。
問い合わせ
電話やホームページから買取依頼の問い合わせをしよう。買取業者の中にはホームページ内で商品名や型番を入力すれば、買取可能かどうかやおおよその金額がわかるようになっている場合がある。
概算見積もり・必要書類の準備
売却したい商品名や型番で問い合わせをした見積もりが提示される。金額に納得できるようなら次のステップへ進もう。
ただし、この見積もり金額は付属品がそろっていたり、動作確認に問題がなかったりする場合の金額である。正式な買取金額ではないことは覚えておきたい。
また、前述した通りの必要書類、履歴事項全部証明書や印鑑登録証明書を準備しておこう。
商品の発送・正式査定
出張買取の場合は、日程調整をおこなって業者の訪問を待とう。宅配買取の場合はダンボールなどに商品を詰めて発送する。その際には必要書類を入れるのを忘れずに。
そして商品が買取業者の元へ届くと正式な査定となる。傷の有無や状態を確認して正式な買取金額の提示がある。金額に納得できれば買取成立だ。
入金
正式査定後、法人口座に買取代金が振り込まれる。振込までに何営業日かかるのかは業者によってまちまちだ。早ければ1~2営業日以内、なかには月末締めの翌月末払いという場合もあるので注意しよう。
店頭買取を利用する際の注意点
法人が店頭買取を利用する場合は、担当者の運転免許証や健康保険証といった身分証明書が必要となる。また、法人の履歴事項全部証明書や印鑑登録証明書も必要だ。代表者以外が来店する場合、買取時には必要な書類を忘れずに携帯すると共に、買取金額が200万円を越えてしまうと法人の委任状が必要になるため、前もって準備をしておいたほうが賢明だ。
個人の買取では、出張買取、宅配買取、店頭買取の3つのパターンが多いが、法人買取の場合は、そのほとんどが宅配買取となっている。なかには店頭買取をしている業者もいるため、事前に確認をしておくとよいだろう。
ただ前述の通り、法人買取は余剰在庫の処分や事務所移転に伴う備品の一斉売却という龍で大量買取という場合が多い。そのため、個人客を対象とした店頭での買取は混乱を招きかねないため、法人買取はおこなわれていないことがほとんどだ。間違っても個人客対象の店舗への大量持ち込みは止めておこう。
出張買取を利用する際の注意点
出張買取を利用する場合は、会社の所在地が利用したい買取業者の出張可能エリアかどうかを確認しておく必要がある。首都圏や都市部なら買取業者の数も多いが、地方では法人の出張買取をしている業者が少ない。宅配できるようなスマホやタブレットといった小物の場合は宅配買取を利用しよう。
売却したいものが重機や自動車、パソコンといった大型の物なら、地方であっても買取可能という業者があるため、ぜひ一度当サイトで買取業者を検索してみてほしい。また、出張買取は出張費を負担しなければならない業者と、出張費を負担してくれる業者がある。したがって、こちらも必ず事前に確認しておこう。
宅配買取を利用する際の注意点
一番利用するケースが多い宅配買取だが、いくつか注意点がある。それは万一、正式査定金額に納得できなかった場合の返送料だ。
返送料は無料だとしている買取業者もあるが、なかには返送料は自己負担、あるいは着払いで返送というところもある。返送してもらう量が多いと必然と返送料も高くなってしまうため、買取を依頼する際には絶対に確認しておくべき重要事項だろう。
さらに注意しておかなければならないのは、商品発送後の正式査定で買取不可のものがある、または値段がつかないと言われてしまった場合の処分費用だ。1つや2つなら処分費用もそれほどかからないが、万一多くの商品が買取不可である、または値段がつかないと言われてしまった場合は、処分に多額のお金がかかってしまう。処分費用はどちらが持つのか必ず確認しておこう。
また、輸送時の事故についても考えておきたい。通常の宅配では30万円未満であれば補償がある。だが、30万円を超える高額商品を送る場合は、別途運送保険を適用することで補償が受けられるのだ。もし買取業者から運送保険の話がなければこちらから提案してみよう。
まとめ
法人買取時に必要な書類や手続きの流れ、そして買取方法別の注意点について解説してきた。法人買取では、在庫処分や決算前にはどうしても処分しなければならないものが出てきてしまう。
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