質屋を開業しようと考えている人の中で、開業資金はいくらぐらい必要なのか、開業するにあたって必要な資格や許可はあるのかという疑問を持っている方は多くいる。
中には、質屋は少ない資金で簡単に始められると勘違いしている人もいるが、正しい知識を身に着けず、なんとなくで質屋を開業することはおすすめできない。そこで、今回は、質屋を始めるために最初に用意しておきたい資金と、必要な資格や許可などについて詳しく解説していく。
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開業資金はどのくらいがベスト?
質屋を始めるにあたっての開業資金はいくらくらい用意すればよいか紹介しよう。
開業資金はどれくらい用意しておくべきか
質屋を開業するための資金は、どれくらいの規模で事業展開したいのか、どこに店舗を構えるのかなど、それぞれの開業プランによって異なるが、大体1000万円から3000万円程度の資金を用意しておくことがおすすめだ。
というのも、質屋を開業するためには土地代や質蔵、備品などの初期投資が必要である。開業してすぐに従業員を雇おうと考えているのであれば、開業してすぐには利益が出ないこともあるため、数カ月先までの人件費を確保しておくことも大事になってくる。
更に、開業して間もない時期に何人もの従業員を雇ってしまうことは危険である。安定した利益が出ていない時に従業員を抱えてしまうと、人件費が必要以上にかかってしまうからだ。そのため、人件費や設備費などの資金配分には十分な注意が必要になってくる。
高価な商品を扱う場合
また、開業後にブランド物や高価な商品を扱おうと考えている場合には、更に資金が必要になる場合もある。土地代や備品代などで開業資金を全額使ってしまうことは避けるべきだ。
質屋というのは、商品を預かってお金を貸し出す場合もある。そのため、ある程度の余剰資金を用意しておくことが大事なのだ。余剰資金があれば、想定外のことが起こっても対処できる場合もあるが、ギリギリの資金で営業していた場合、想定外の事態に対応できなくなってしまい、最悪の場合、廃業に追い込まれてしまう可能性もある。
また、ある程度の余剰資金があれば精神的にも余裕を持つことができる。ビジネスをする上では、精神的な余裕はとても大事で、切羽詰まってしまうと冷静な判断ができなくなってしまうことも考えられる。そうなってしまうとミスが多くなったり、資金や商品の管理に不備が出てきてしまったりすることもあるため注意が必要だ。
中には、あまり高額な資金を準備できないという人もいるはずだ。そのような場合にはフランチャイズ加盟店になって開業をするという方法もある。
開業資金の集め方
質屋を開業するためには、決して安くない資金が必要になる。その資金をどのようにして集めようか悩んでいる人も多くいるはずだ。
家族や知人から借りる
中には、家族や知人から借りようと考えている人も多くいる。家族から借りることができれば気分的にも楽だ。しかし、質屋の開業資金を家族や知人などから借りることについては注意すべき点がある。
借用書など正式な書類などを揃えておかなければ、後になって贈与とみなされ贈与税の対象とされてしまう可能性があるのだ。また、書類の作成をしていないとトラブルにもなりやすく、最悪の場合、関係がこじれてしまうことも考えられる。
そのため、家族や知人から開業資金を借りる場合であっても、法的な書類に記載して、事実を明白にしておくことが大事になってくる。更に、万が一のことが起こっても、返せる範囲の金額を借りるということも大事だ。
銀行で借りる場合
また、銀行から借りようと考えている人もいる。しかし、銀行でお金を借りるためには審査に通過する必要があるのだ。銀行の審査では、返済能力があるか、社会的信用はあるか、などといったことを審査される。
更に、開業資金という目的で借りるのであれば、事業計画書の提出を求められ、具体的にしっかりと記載していないとそれだけで借入を断られてしまうこともある。事業計画書を自分で書くことに不安を感じる人は、専門家に依頼することも大事になってくる。
仮に、銀行の審査が通り、開業資金を借りられたとしても、忘れてはいけないのは金利だ。借りた金額が高ければ高い程、金利もバカにならない。そのため、銀行から融資を受ける前にしっかりと金利の計算をして、返済の見通しを立てておくことが大事である。
借りたお金は必ず返さなければならない
誰かから借りるということは、必ず返さなくてはならない。質屋を開業する前から多額の借金を背負ってしまうと、精神的な余裕もなくなる。そのため、開業資金はできるだけ自分で貯めることがおすすめだ。
もちろん、全額貯めることは難しいという人もいるはずだ。全額でなくても、ある程度の頭金は自分で作っておき、足りない分だけ貸してもらうという方が現実的である。
また、最初のうちは融資は受けず、自分が貯めてきた資金でコツコツと営業していくという人もいる。経営方針は人それぞれだが、自分にあった開業プランを考えることが大事になってくる。自分で用意できる資金はどれくらいか、どれくらいの利益を上げたいのかなどを具体的に考えておくことが必要になってくる。
資格や許可は必要?
質屋を開業するためには、質屋営業許可を取る必要がある。リサイクルショップなど金銭の貸し出しをしないのであれば、この許可は必要ない。しかし質屋は預かった商品を担保にお金を貸し出すこともあるため、許可を取っておく必要があるのだ。
この許可を取るためには、公安委員会への届け出が必要だ。中には、届け出をすれば簡単に許可が下りると思っている人もいるが、保管設備や防災設備、質蔵などの設備がしっかりと整っていなければ許可は下りない。
また、設備や質蔵だけでなく、しっかりとお金や商品の管理ができる人かということを審査をされる場合もある。質屋営業許可が下りるには、約2カ月程度の期間を要するため、開業の準備と合わせて申請を行っておくとスムーズに開業することができる。申請の方法がわからないという場合には、専門家に相談をすることもおすすめだ。
質屋営業許可以外に必要な資格はとくにない。破産宣告者や犯罪歴があって一定期間経過していない人など、一部を除けば誰でも開業することができるのだ。しかし、古物商や米国宝石学協会の鑑別資格などを取得しておけばお客さんからの信用が上がる場合もある。
経験も必要
質屋を開業するのであれば、資金や設備、許可や資格などももちろん大事だ。しかし、それ以外にも経験がとても重要になってくる。
例えば、お客さんの中にはブランド物のコピー品や精巧に作られた偽物を持ってくる人もいる。それを見抜けずに、買い取ってしまった場合や、お金を貸し出してしまった場合には、多額の損失を被ってしまう場合もあるのだ。貸し出すお金も、どれくらいか妥当なのかを正しく判断することが必要となる。
更に、買い取った商品が必ず高値で販売できるとは限らない。そのため、その商品の現在の価値を把握して、今後の価値を予測できるスキルが必要になってくる。このスキルを修得するためには、経験がとても大事になるのだ。
いきなり質屋を開業するのではなく、まずは他の質屋で修業を積んでから開業することがおすすめだ。色々な質屋の経営方針や査定の仕方などを勉強しておけば、自分が質屋を開業するときのノウハウとして役立てることもできるからだ。
まとめ
質屋を開業するためには不測の事態にも対応できるくらいの資金を用意することが重要となってくる。どの程度の開業資金が必要かを算出するためには、開業後の明確な計画を立てておくことが大事だ。
開業後の明確なプランを立てていなければ、最悪の場合廃業せざるを得ない状況に陥ってしまう。自分だけで計画を立てるのが不安なのであれば専門家に相談しながら考えていくことが大切だ。
開業資金の調達方法はいくつかある。知人や家族から借りるのであれば、法的な手続きをとっておくことが重要である。また、必要以上の金額を借りることはおすすめしない。
銀行から借りる場合には、審査を受ける必要がある。現在の自分の資産状況や返済能力の有無、社会的信用度などを総合して審査される。
資金だけではなく、開業に必要な質屋営業許可をとることも忘れはいけない。この許可をとるためには、公安委員会に届け出をする必要があるので、わからない場合は専門家に相談することも大事である。