コロナ下で買取りのルールを見直す事業者が増えているようだ。販路が減少しつつあることによる影響だ。今回は仕入れに影響が出ている商材についてみていきたい。
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家具が買い取れない事例
遺品整理現場で家具買い取れないといった事例が出てきているようだ。理由は、輸出が止められているからだ。フィリピンでは3月半ばから都市封鎖となり、古物市場が休会。従来は月にコンテナ3〜4本を送り、1本で最高手取りが100万円にもなっていたが、今は現金化ができず売上が立っていないという事例がある。
遺品整理は家1軒で20万円程度の片付け費用が顧客にかかる。それを買取で片付け費用を差し引いているという優良な事業者も多いが、現状は家にモノがあっても買取りには応じてあげられない状況と語る。また、買取を制限まではしないものの、買取価格を調整せざるをえないという声もある。買取利用客による店内混雑や長居を防ぐ観点からも、買取りに応じる商材幅や買取対応時間を制限するなど、店舗側には対応の変化が求められているだろう。
古着の持込に予約制導入
マレーシアの都市封鎖の影響も大きいようだ。現地では洋服店などの販売施設が休業状態であることに加え、これまでマレーシアがハブとなって近隣諸国に古着を行き渡らせる役割を担っていたが、それができずにいる。 マレーシアに商品を流す事業者は、店頭買取を再開したものの、すべて予約制とし、買取を制限している。ネット上から希望日時を選択するだけだが、対応できるのは1店で1日18枠のみ。これまで休日で最大50組が買取りで来店していたが、当面は今の仕組みで客数を限定し買取量を抑える。仕入れの制限に加え、店頭での密集と感染を防ぐことも目的だ。
古着店チェーンを展開するKurokawa(兵庫県高砂市)では、キングファミリーの直営・FC全店の8割以上で買取定休日の設定や買取時間の短縮をしているようだ。同社では買い取った生活古着の7割をカンボジアやマレーシア等に流しているが、現在は現地の経済活動停滞の影響で状況は苦しいとのこと。 国内の販売では3月以降は売上が例年の半分程まで落ち込んだ店舗もあったが、買取は例年の9割程度と影響は軽微。これが物語るように有事での買取需要は底堅さを見せたが、例年買取ピークを見せるゴールデンウイークは今年、買取休止をした店舗もあった。結果GW明けには、1日の持込量が例年の1.5〜2倍となる店舗が出るなど、外出自粛による断捨離ブームの影響が数字に現れた。 現在は店舗によるが、1家族の持ち込みを5袋に限定したり、1kg150円の量り買いを1kg50円に変更したりするなどしている。
東南アジアのコロナウイルス最新情報
今回の買取見直しの事例において、東南アジアのコロナウイルスによる都市閉鎖の影響が大きい。ここからは、東南アジアのコロナウイルス最新情報を確認しておきたい。
日本経済新聞の新型コロナウイルス感染世界マップによると、フィリピンでは、2020年6月も平均500人程度の感染者が確認されている。また、マレーシアでも二桁人程度の感染者が確認される日が続いているようだ。 こうした状況を踏まえると、決してまだ終息しているとは言い難く、各国政府も現状の対応の継続の姿勢をとるのではないだろうか。
参考:https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_4852.php