衣服、バッグ、コート、帽子、アクセサリー、宝石、時計など、ファッションの分野では、高級品を制作するブランドの人気が高い。
その中でも一流と目されるブランドともなると、その動向が一般のニュースとして配信される事もあるなど影響が大きく、ファッションにそれほど興味がない人でも、ブランドの名前を聞いたことがあるほど高い知名度を誇っている。
ブランドの人気が高い理由はいくつかある。まず、流行の最先端のアイテムを制作していること。一流ブランドが季節ごとに開催している制作発表会である「コレクション」は、その次にくる流行の傾向が見えてくることもあり毎回大きな注目を集めている。
また、最先端のデザインのアイテムだけでなく昔に制作され、以降長く使用されている伝統の定番アイテムも人気が高い。
そして、一流ブランドが制作するアイテムが、どれも高価であることも人気の理由となっている。
一流ブランドのアイテムを身に着けると、それだけで注目を集めステータスとなる場合も多い。バッグでもアクセサリーでも時計でも、やはり高級品である一流ブランドが制作したブランド品のほうが周りから視線を集める事も多く、それだけブランド品を持つことによるステータスが大きいといえる。
そんな高い人気を誇るブランド品であるが、その人気を利用してブランド品の偽物である偽ブランド品が市場に流通することがある。
偽ブランド品は本物のブランド品に比べ安価に製造されていることが多く、製品としての価値は本物のブランド品には遠く及ばない。しかし、安価であるがゆえに偽ブランド品を販売することによる利益は大きく、偽ブランド品を根絶するのは現状かなり困難であるといっていいだろう。
この偽ブランド品の問題は、制作したブランドやブランド品を購入する消費者だけでなく、ブランド品の買取を行う質屋やブランド品買取ショップにとっても、厄介な問題である。万が一、偽ブランド品を本物のブランド品として買取を行ってしまった場合は、それを中古品として販売することはできず、買取した金額だけ損となってしまうのである。
一目で偽物とわかるような粗雑な偽ブランド品なら間違えることもないが、なかには本物と簡単には区別がつかないような精巧な偽ブランド品もあり、ブランドの真贋の判定が難しい製品も流通している可能性もある。
そこで、質屋やブランド品買取ショップはブランド品を鑑定するブランド品鑑定士を店舗に配置していることが多い。ブランド品の鑑定を専門に行うブランド品鑑定士により、買取を依頼された製品が本物か偽ブランド品かを判別し、偽ブランド品の買取を防ぐ狙いがある。
それに加えブランド品鑑定士はブランド品を査定し買取金額を決めることも有り、質屋やブランド品買取ショップにとってブランド品鑑定士はなくてはならない人物といっていいだろう。
今回はブランド品鑑定士になるためにはどうすればいいか、について記載していく。
CONTENTS
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ブランド品鑑定士とは
ブランド品鑑定士とは質屋やブランド品買取ショップにおいて、買取を依頼されたブランド品の真贋を鑑定する人を指す。また、本物のブランド品である可能性が高い場合は、ブランド品の状態や中古市場での人気などから査定し、買取価格を決定することもある。
ブランド買取ショップはブランド品の買取を行って、それを中古品として販売することが主な業務。そのため、ブランド品の艦艇や査定を行うブランド品鑑定士は、ブランド品買取ショップにとって重要な位置を占める人物といえる。
ブランド品鑑定士になるのに必要な資格とは
ブランド品の鑑定や査定を行うブランド品鑑定士であるが、ブランド品鑑定士になるにはどのような資格が必要であろうか。
ブランド品鑑定士に資格はいらない
例えば、土地や建物の価値などを鑑定する不動産鑑定士は、国土交通省土地鑑定委員会が実施する国家試験である不動産鑑定士試験に合格し、さらに実務修習を実施し修了考査に合格することで、初めて不動産鑑定士として活動することができる。
では、ブランド品鑑定士はどうかというと、実はブランド品鑑定士と呼ばれるような資格はない。つまり、ブランド品鑑定士になるのに、不動産鑑定士のような試験に合格したり実務修習を実施したりする必要はないのである。
協会基準判定士という資格がある
ただ、偽ブランド品の流通防止と排除を目的とした一般社団法人の日本流通自主管理協会という団体が、ブランド品鑑定士を対象とした講習や試験を実施している。その試験に合格すると「協会基準判定士」に認定してくれるので、民間資格ではあるが協会基準判定士の資格を持っていれば、ブランド品買取ショップなどに就職する際には便利かもしれない。
ブランド品鑑定士になるには
前述のように、ブランド品鑑定士になるのに必要な資格はない。では、ブランド品鑑定士になるのはどうしたらいいか。
買取ショップに就職する
手っ取り早いのが、質屋やブランド品買取ショップにブランド品鑑定士として就職することであろう。求人サイトには、ブランド品買取ショップなどからのブランド品鑑定士の求人が数多く掲載されており、そこで就職すればブランド品鑑定士となれるのである。
ただ、ここでブランド品の鑑定経験がない人間をブランド品買取ショップが雇うか、という疑問が湧いてくるが、前述のブランド品買取ショップの求人には未経験者でも可、と記載されている場合が多い。
実際、大手ブランド品買取ショップに在籍するブランド品鑑定士の多くは、就職するまでブランド品の鑑定などしたことがない未経験者だった、とブランド品買取ショップのサイトに記載されている。
ブランド品買取ショップの多くが研修制度を設けており、未経験者であってもブランド品の鑑定方法や査定手法などを学習できる環境を整えており、未経験者でもブランド品鑑定士になれるような体制となっている。
つまり、ブランド品鑑定士になるには質屋やブランド品買取ショップに就職して、研修などを受けてブランド品鑑定士となるのが、手っ取り早いとなるのである。
自分でショップを立ち上げる
その他に、ブランド品買取ショップなどを開業するのに必要な古物証許可証を申請し、許可がおりたらブランド品買取ショップを立ち上げてブランド品鑑定士となる方法もある。
前述のようにブランド品鑑定士になるのに必要な資格はないので、極端な事を言えばブランド品鑑定士を自称すればブランド品鑑定士になれるのである。
その場合、自分でブランド品の鑑定方法や査定方法などを学習しなければならないが、前述の日本流通自主管理協会のようにブランド品鑑定士を対象とした研修を実施する企業や団体もあるので、そのような場所で学習するのもいいだろう。
まとめ
ブランド品鑑定士になる方法などについて記載したが、ブランド品鑑定士になるには必要な資格などなく、質屋やブランド品買取ショップなどに就職するのが一番早いといえる。
もちろん、ブランド品鑑定士として生きていくためには、ブランド品鑑定士になっただけは不十分で研修などを通し、ブランド品の関する知識やブランド品の鑑定の方法を学んでいくことが必要である。
さらに実務をこなすことで、ブランド品鑑定や依頼人とのコミュニケーションといった研修だけでは習得できない経験を積んでいくことで、ブランド品鑑定士として必要な能力を習得することも必要であるといえる。
ブランド品鑑定士に興味がある場合は、まずは求人を出しているブランド品買取ショップなどに連絡して、仕事内容や待遇などを確認して、問題なければ就職してみるのもいいだろう。