明治時代~昭和の時代に作られたマッチのラベル(燐票/りんぴょう)は、古書店を中心に多くの業者が注目する話題のコレクターズアイテムだ。
Kanematsu Matches / fo.ol
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マッチラベルへの注目度が高まる時代
国産マッチの生誕130年を記念したバーチャルミュージアム「マッチの世界」が開設された現在では、選りすぐりのマッチラベルやコレクター達の愉しみ方を通して、この市場に魅了されるユーザが増え始めている。また2016年の9月には、国内最大手メーカー・兼松日産農林がマッチ製造販売事業からの撤退を発表しているため、こういった市場動向も根強いファンの心を刺激すると考えて良いだろう。
今回は、古書店や骨董品店などで「紙物」として買取られることの多いマッチラベル(燐票/りんぴょう)について、意外な需要の高さや査定情報を紹介していく。
マッチラベル(燐票/りんぴょう)が高く売れる理由とは?
マッチ箱を覆うラベルに高価買取実績が多い背景には、下記3つの理由と需要が大きく関係している。
デザイン性の高さ
日本を代表するマッチラベルコレクター(燐票蒐集家)・加藤豊は、商業デザインを学ぶ中でマッチラベルに魅了されたプロのグラフィックデザイナーだ。明治~昭和時代のポスター素材として使われることもあったマッチラベルのデザインは、プロの制作者が感心するほど面白く、完成度の高い仕上がりとなっている。また戦後になると、朝日新聞や資生堂といった企業イメージをデザインした広告マッチも増えているため、グラフィックデザインや広告デザインを専門に行なうデザイナーたちも燐票の素晴らしさに魅了される傾向が高いと言われている。
歴史的価値の高さ
マッチの生産量や市場動向によってデザインが大きく変わるマッチラベルは、日本の輸出産業を語る上で欠かせない存在だ。明治後期~大正前期に渡って黄金期が続いたマッチ産業も、第一次世界大戦や太平洋戦争、世界恐慌といった転機により、何度も産業全体の方向転換を余儀なくされている。また戦後になるとさまざまなメーカーが広告マッチを作り始めているため、日本全体だけでなく企業の歴史や広告戦略を語る上でもマッチラベルは大変重要な研究材料になっているようだ。
世界一のマッチラベルコレクターは日本人
国内外、多種多様な燐票を収集し続けた吉沢貞一は、ギネスブックにも掲載された世界一のマッチラベルコレクターだ。これに対して前述の加藤豊は、会社のブランドと同じように商標登録されている販売用マッチのラベルに特化した収集や研究を行っている。このように人によって収集する範囲が全く異なるマッチラベルは、それだけ多くの価値と需要、可能性を秘めたコレクターズアイテムだと考えて良いだろう。
高価買取の期待できる有名マッチラベル(燐票) まとめ
ここからは、マッチラベルの魅力と商標登録についてイメージするために、歴史的価値の高い燐票をいくつか紹介してみよう。
寝獅子
真ん中に横向きのライオンが描かれた「寝獅子」は、明治18年6月20日に日本で初めて商標登録されたマッチのデザインだ。日本のマッチ王とも呼ばれた瀧川辯三の清燧社は、上海、南洋諸島、香港といった幅広い地域にこのデザインが描かれたマッチの輸出を行っていた。
月琴
明治33年5月21日に商標登録された「月琴」は、海外マッチ市場開拓のきっかけとなったデザインだ。上海、香港、カルカッタ、マニラの市場を占有した三井物産合名会社のマッチは、現在でもフィリピン国内で「月琴」のマークが使い続けられている。
白桃
明治25年に商標登録された「白桃」は、現代における市販マッチの中で最もポピュラーなデザインといっても過言ではない。数多く図案化された白桃デザインは、1966年に横尾忠則によって制作された劇場用ポスターの中でも強い存在感を醸し出している。また白桃デザインは、経済的な120本入り細軸マッチの開発とも時期的な繋がりがあるため、マッチ市場の転機を語る上でも欠かせない存在だと捉えて良いだろう。
マッチラベル(燐票/りんぴょう)の買取実績、買取相場
マッチラベルの買取実績は、数十枚~数百枚が一気に持ち込まれるケースがほとんどだ。また中には、駅弁票や煙草のラベル、薬のパッケージといった紙物全般や古書と一緒に査定依頼に出すユーザも多く見受けられる。このようにセット売りがほとんどのマッチラベルは、一般商品のように「1つあたりの買取相場」の把握が難しいと言えるだろう。
宣伝用マッチラベル66点
人気テレビ番組・開運なんでも鑑定団の鑑定実績の中には、宣伝用のマッチラベル66枚に120,000円もの金額がついた事例がある。1枚が大変小さく経年劣化の生じやすいマッチラベルは、ファイルなどにきちんと入れて保管をするのが理想と言えそうだ。またファイルを使って管理をしておくと、オンライン査定時の写真なども撮りやすくなる。
ゴジラの宣伝用マッチラベル
青空古道具店のブログ内では、昭和29年に封切られた「ゴジラ(第一作目)」の宣伝用マッチが、最終的に102,100円もの高額で落札された事例が紹介されている。この業者では歴史的価値や希少性の高いマッチラベルを1枚1,000円で買い取っているため、査定士に自慢できるほどのレアアイテムを所有しているなら、ぜひとも問合せをしてみると良いだろう。
マッチラベル(燐票/りんぴょう)買取に積極的な業者 まとめ
この市場の意外な需要や査定情報を把握したところで、最後にマッチラベルを積極的に査定する専門店を4つ紹介しよう。
おたからや
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
幅広い買取品目で知られるおたからやは、マッチラベルの買取も歓迎している。コレクターズアイテムの販売ルートが豊富なおたからやを利用すれば、自慢のマッチラベルを高額査定に繋げやすくなる。また方南町店では台紙に貼られた177枚もの出張買取実績があるため、おたからやは燐票が確実に売れるショップと位置付けて良いだろう。
いわの美術
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
いわの美術のサイトでは、燐票家や愛燐家等に関する話がコラム記事の中で紹介されている。商品知識に詳しいコレクターは、査定士との蜜なコミュニケーションにより価格交渉なども上手に行なう傾向にある。またコラム記事の中では、マッチラベルの簡単な歴史についても書かれているため、売却だけでなく収集力を高めるためにいわの美術のサイトを覗いてみても良いだろう。
ビーバーズブックス
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
マッチラベル、チラシ、ポスター、包装紙といった幅広い「古い紙物」を歓迎するビーバーズブックスは、柔軟性の高い対応を行なう古書店だ。書籍については他店で断られたものも買取OKとしているため、経年劣化によってボロボロになったマッチラベルであっても持ち込みやすいお店と捉えて良いだろう。
ハモニカ古書店
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ハモニカ古書店でも、昭和初期までの燐票を買取ジャンルに並べている。宅配買取の送料や出張買取(近畿一円)の交通費、諸経費は全て無料となっているため、自慢のマッチラベルをより高く売りたいと願うユーザにとっても有り難い業者になると言えそうだ。
まとめ
プロの商業デザイナーも注目するマッチラベルは、マッチ市場規模の縮小に相反して注目度の高まるコレクターズアイテムと捉えて良さそうだ。出張買取や宅配買取が人気の近頃では、長年収集してきたマッチラベルや古書を一気に手放すユーザも増加傾向にあるため、本棚などに不要な紙物がある場合は、「捨てる前に査定士に見てもらうこと」を徹底してみて欲しい。