近年は日本でもM&Aが行われるケースが増えており、同業他社の事業統合や合併はさほど珍しいことではなくなりました。このような傾向は、買取業者の間でも少なからず見られます。例えば2017年に浮上したのが、大手買取サービスの大黒屋とブランドオフの合併に関する話題です。このニュースは経済誌などでも度々取り上げられ、注目を浴びました。
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最終的にタイアップに至らなかった大黒屋とブランドオフ
2017年6月に発表されたニュースでは、大黒屋とブランドオフの合併についての話題が報じられました。大黒屋とブランドオフは、いずれも買取業界で上位にランクインするサービスです。有力な2社がタイアップすることで買取業界にも少なからず影響が出ると考えられていましたが、十分な協議の結果、両社は最終的に合併をしないという結論に至ります。
2017年11月、大黒屋がブランドオフの買収を取りやめることを正式に発表し、今回のM&Aに関する話題は1段落をしました。大黒屋とブランドオフにはそれぞれ強みがあり、2社が手を組むことによりサービスが充実するという見方もありました。しかしながら、最終的に合併に至らず、引き続き両社は自社の路線でサービスを展開している状況です。今回の合併に関する話題には、日頃から大黒屋やブランドオフを利用している一般の方からも関心が寄せられていました。合併の話をきっかけに、両社が行っている買取サービスに注目し始める方も見られ、それぞれのサービスの特徴などが話題になっています。
買取品目が多いのが大黒屋の特徴
ブランドオフの買収で話題になった大黒屋は、東京都千代田区に本社を置きます。北海道から沖縄まで全国に200店舗以上の拠点を持ち、様々な品物を幅広く買取しているのが大黒屋の特徴です。ブランドのバッグや時計はもちろん、金やプラチナなどのジュエリーも買取しています。また、スマホやパソコンなどの家電製品、電動工具なども買取の対象となる品の1つです。その他、エレキギターなどの楽器、各種チケット、お酒の買取にも対応します。このような多種多様な品をまとめて売れるのが、こちらの大黒屋の魅力と言えるでしょう。
大黒屋ならではのサービスに挙げられるのが、質融資のサービスです。腕時計やジュエリーなどの品を預かり、低金利で融資を行うのがこのサービスの概要となっています。サービスを利用すると、急きょ現金が必要になった時に品物と引き換えにお金を借りることが可能です。そのまま品物を売却すれば、融資されたお金の返済が不要になるという典型的な質屋のシステムが導入されています。
また、大黒屋では買取した品物の販売も一部展開中。ホームページなどにアクセスをすると、販売されている品物の画像を見ることが出来ます。ブランドのバッグや時計は言うに及ばず、チケットや航空券、家電製品を割安で手に入れたい時にも一覧する価値があるのが、大黒屋のホームページです。ネットワークの広さや経営基盤の大きさを利用して、様々なサービスを提供しているのが大黒屋と言えます。
ブランド品に強いブランドオフ
石川県金沢市の本社を拠点としてサービスを展開しているのが、ブランドオフです。銀座にも本店があり、東京近県でもブランドオフのサービスは有名です。近畿や東海、北陸にも数々の拠点があり、ブランドオフの場合も全国をサービスエリアにしています。台湾や香港などの海外に多くの拠点を持つところは、ブランドオフならでは。
買取の対象となっているのは、主にブランド品のバッグや時計、洋服などの品々です。シャネルやエルメスといった有名ブランドの品については、買取強化品として特に高価買取を行っています。ゴルフクラブやお酒、着物なども買取の対象になっていますので、こちらのサービスでもまとめ売りは可能です。買取サービスを利用する場合、実のところまとめて売ると査定額が上がることがあります。大黒屋同様に、ブランドオフでもジャンルの異なる品物を一緒に買取に出すことが出来ます。まとめ売りの機会を利用して査定額をアップしてもらえる場合もあることから、サービスを利用する時には焦らずに対象となる品物を見ておきましょう。
ブランドオフでもホームページ上にオンラインショップを開設しており、品物の販売を同時に手掛けます。市価よりも大分安く購入出来るのが、この手のオンラインショップです。掘り出し物などが出てくる可能性もあり、安くブランド品を購入したい方にとっては特に便利なサービスです。販売も同時に行う買取サービスの場合、売却したお金で新たに商品を購入することも出来るため、ブランド品の買い替えなどがしやすくなります。
大黒屋とブランドオフの共通点と相違点
どのような買取方法が選べるかは、買取サービスを選ぶ時にもチェックしておきたい点です。いつも利用しているエリアに店舗があれば、店頭に直接商品を持ち込んで買取を依頼することも出来ますが、地方に住んでいる場合はこのようなやり方が難しいこともあるでしょう。複数の買取方法の中から選べる点は、大黒屋とブランドオフの共通点の1つ。両社では複数の買取方法を用意していますので、地域にかかわらず買取を依頼することが出来ます。買取サービスを利用する時には、こういった買取方法の選択肢も見比べておくと役立ちます。
大黒屋では、持ち込みの他に出張や宅配での買取が可能です。メールやLINEで無料査定を受けられるので、他のサービスと査定額を比べてみたいという時にも便利です。ブランドオフの場合も、大黒屋と同じく宅配や出張での買取に対応しています。ブランドオフでは法人を対象にした大口買取を行っており、秘密厳守で在庫処分の相談にも随時応じているのが大きな特徴と言えるでしょう。
ブランドオフでは、大黒屋のような質融資のサービスや外貨両替などは手掛けておらず、ブランド品の買取や中古販売にポイントを絞ってサービスを行っています。海外にも拠点を持っており、大黒屋とはまた違ったスタイルで買取サービスを提供しているのが特徴と言えるでしょう。国内の店舗数は大黒屋よりも少ないですが、各エリアの主要都市には大体拠点がありますので、大きな不便を感じることなく利用が出来る買取サービスとなっています。
それぞれの買取サービスには強みや得意分野がある
合併話が浮上した大黒屋とブランドオフには、それぞれ異なる特徴がありました。出店しているエリアやサービス内容にも違いがあり、合併をすることで他社に大きく差をつけるサービスが可能になったことも考えられます。買取サービスは一見似ているようでも、対応力や買取を強化している品には差が出ます。したがって、売却する時には品物に合わせてサービスを選ぶのが現実的な方法になるでしょう。
例えば鉄道模型やカメラといった品を売る時には、評判の高いリコマースやトリオカメラなどを選ぶのが1つの選択になります。一方、ブランド品の時計やバッグを処分したい場合は、おたからやなどに相談をすると良い査定が受けられるでしょう。ヤフオクなどを見ておくのも1つの方法になるでしょう。
大黒屋やブランドオフのように販売を行うサービスを利用すれば、売却する品の市場価値が容易に分かります。ブランドオフではオークションのサービスも行っていますので、大黒屋と合併した暁には単なる買取を超えた新しいサービスがスタートした可能性も。それぞれの買取サービスの強みや得意分野、特徴などを知りたい時には、比較サイトが大いに活躍してくれます。高く売りたい品物がある時には、各サービスの情報収集を手始めに、売り時のチェックや価格交渉の準備、品物のクリーニングなどを順次進めていきましょう。