ブランド品やジュエリーの買取・販売「買取販売のタマ」を運営している株式会社TAMAが、中古ブランドバッグを中心とした新たなオークションを主催する。
実店舗は静岡県伊東市に2店舗だけの地域密着型。しかし、自社サイトや楽天市場での取引を積極的に展開して、今や全国にファンをもつ中堅ブランド買取店に成長している。

引用:https://www.tama-auction.com/smart/
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
初心者にもやさしい「TAMAオークション」
今回株式会社TAMAが主催する「TAMAオークション」は、一言でいえば、「初心者にもやさしいオークション」といえる。
全国各地で様々な業者・団体が同様のオークションを行っているが、大手業者の多くは「大会」と呼ばれる形式をメインにしている。一方「TAMAオークション」が行う形式は「平場」と呼ばれるもので、初心者でも参加しやすいものとして知られている。
「平場」形式の利点
「大会」と「平場」にの大きな違いは、その主要参加者である。
上級者向けの「大会」
「大会」はその名の通り、大きな商いを行う場となる。出品点数は非常に多い。 品物は事前に集荷されそれを下見する期間が設けられる。そこで入念なチェックが入るのだが、行うのは各社選りすぐりの熟練バイヤーたち。場合によっては海外からのバイヤーの姿も見受けられる。他社よりも1円でも安く落札し、または1円でも高く売却するのが彼らの使命。まさに「戦い」ともいえる状況が本番直前、さらに本番の競りにおいても展開される。
したがって、相場も高値になりやすく、それらに慣れていない初心者は雰囲気に飲まれるばかりで入札すらできないといったこともある。それゆえ、大会は上級者のオークションといわれている。
初心者でも競り落としやすい「平場」
一方の平場は、出品する品物の量が大会と比べると少なく、内容や相場はやや下がるものとなる。事前の集荷・下見は基本的になく、開催当日までに品物が搬入されればよいことになっている。
参加者は当日になって初めて品物をみることになるわけで、入札金額もその場で決めることになる。大会に比べると熟練バイヤーの参加比率は大きく下がりがちであるが、ゼロではなく、初心者と一緒に競りに参加する。
メリットとしては、熟練バイヤーが競り合っている価格帯で入札すれば、初心者でも適正価格で競り落とせる可能性が高まる点があげられる。その商品に対する目利きが不十分でも、結果的には問題なく買えてしまうのである。そこが平場が初心者向けといわれる所以である。
気軽に参加できる仕組み
TAMAオークションではその平場の利点を生かし、より多くの人が気軽に参加できるような仕組みを用意している。
創業以来「お客様の満足と感動を一番に考えよう」を理念としている同社は、オークションを通じて売主・買主双方に利益が出ることこそ大事と考えている。今回開かれることになったオークションでも、それは反映されている。
女性が来店しやすい雰囲気
初心者が参加しやすい平場市としたことは、女性が気軽に参加しやすいような環境にもつながっている。女性でも安心して来店できるようにと、伊東市の実店舗においては売り場スタッフの多くが女性となっているが、TAMAオークションにおいても運営スタッフの大半を女性で構成している。
女性ならではの視点を生かして、他とは違った柔らかなオークション環境をつくろうという意図が垣間見える。
独自の手数料設定
また、誰もが参加しやすいということでは、初期費用や歩銭(手数料)の設定も、他社と一線を画している。
必要な手数料
入会費・年会費は0円。参加費として3,980円(税別)を毎回支払う。参加費としては他社に比べると1,000円前後高めだが、これには、当日の昼食代とおやつ、ドリンク代も含まれている。
歩銭とは…
オークションでは売買が成立した際、オークション元に払う手数料、すなわち歩銭という制度がある。
落札金額に対して数パーセント払うのが通例となっているが、TAMAオークションでは、買い歩(落札した場合の手数料)、売り歩(出品者が払う手数料)ともに0%となっている。さらに落札金額により、出品者にキャッシュバックする仕組みがとられている。
TAMAオークションの歩銭
TAMAオークションでは3~10万円までの落札金額に対してはその3%を、10万円以上になると5%をボーナスとして追加することとしている。他社ではおおよそ5~10%程度を売り歩として課しているところが多い。
例えば、同じ10万円で落札されたとしても、TAMAオークションでは10万円にプラスして5,000円、合計で10万5千円の手取りとなるのに対して、他社では9万円から9万5千円となり、最大で15,000円近く差がつくことになる。
ハイブランドだけでなく、アクセシブル・ラグジュアリーも 幅広い分野を網羅
オークションではハイブランドバッグが最も多い出品となるが、その枠にとどまらず、各種ファッションアイテム全体も用意される。
バッグは一番人気のルイ・ヴィトンをはじめ、エルメス、シャネル ……といった名の知れたハイブランドを数多くそろえるほか、アクセシブルラグジュアリーとして大人気となっているコーチ、フルラやマークジェイコブスといった比較的近年注目されるようになったもの、さらにはクロムハーツや4℃のアクセサリー、ロレックスの腕時計、バカラのグラスまでと、幅広いブランド品を出品する予定となっている。
品物は主催するTAMA株式会社が運営する買取店舗「買取販売のタマ」から2000点ほどが既に用意されている。また、大手買取店や中古ブランド品専門業者からも2000点ほどが出品されるので、合計で4000点以上のラインナップとなる。
毎月第3火曜開催、大手町開催で交通の便もよし
会場は大手町にある多目的スペース「ビジョンセンター東京」。2017年末に増床、リニューアルしたばかりの注目スポットである。
JR東京駅や東京メトロ京橋駅からも近く、徒歩3~4分程度の好立地。オークションは月1回。第3火曜日、ビジョンセンター東京7階で開かれる。参加申込はwebで受け付けている。
副業ユーザーの参加も増加傾向に
「ヤフオク!」や「メルカリ」といったネットオークションが市民権を得て久しいが、業者価格で品物を仕入れ、これらのサイトで転売する「副業ユーザー」が増えているという。
今回のTAMAオークションを含め、中古リサイクルに関わるオークションに参加するには「古物商許可証」が必要である。各種必要書類が多く、入手・記入・提出といった手間と時間がかかるが、試験などはなく基本的には誰でもとることができる。
TAMAオークションでは、それらの副業ユーザーやオークション初心者に向けて、同業者交流会や各種無料相談も開催する。また、実際に買取業務を行っている鑑定士を講師とした実践講座も開講し、業界人材の育成にも一役買う意向である。
ブランドバッグをもっと市場への思いから、オークション開催へ
株式会社TAMAは、ジュエリー・ブランド品を販売する会社として1995年に創業した 。当初は大半をジュエリーの販売にあて、ブランド品の取扱量は全体の3割程度、あとは各種輸入雑貨を取り扱うといったものだった。
量こそ多くないものの、ルイヴィトン、シャネル、エルメスやプラダといった高級ブランド品を扱う機会は度々あり、代表の齋藤誠治氏は、自ら取引に参加するうちにそれらがもつ独特の魅力に取りつかれていったという。
中古市場への進出
当時、国内外のバイヤーが見つけてくる新品を仕入れて販売していたが、齋藤氏にはどうにも不満な点があった。よい品質の品物であることに間違いはないのだが、ラインナップに面白みが欠けていた。そこで、目を付けたのが中古市場だった。
中古市場の方がより多彩な品物が手に入るのではないか。そう思った齋藤氏は、リサイクル業界でもトップレベルにあった豊島会や本所百貨市場と取引を重ね、中古市場について学んでいった。
2007年、静岡県伊東市に中古ブランド品買取・販売を行う実店舗「買取TAMA」をオープン。市内に2店舗を展開したほか、楽天市場にも出店した。また、中古ブランドオークション最大手の一つであるオークションワイズにも参加し、齋藤氏自らオークショナーをつとめることもしている。
今後の展開にも注目
実店舗、楽天市場含め、買取点数は現在週に500点を数えるまでになった。そのようななかで、今回オークションを開催するに至ったのは、ひとえに多彩な魅力あるブランド品をもっと市場に流通させたい、という齋藤氏の思いが結実したにほかならない。
「世の中では売れているにも関わらず、古物市場に出品できず行先に困った商品を集めたい」(齋藤氏)
これまで20年以上平場市に携わり経験を積み重ねたうえで、満を持しての自社主催によるオークション開催。現在は月1回となっているが、回数や運営方針など今後どうなっていくのか、斎藤氏の手腕に引き続き注目していきたい。