世の中に流通する製品の多くは、メーカーなどが生産して出荷した、誰も使用していない新品である。しかし、中には、誰かが一度使用した後に売却され流通した中古品も存在する。
食品や消耗品などは新品以外使用できないが、自動車や家電、ブランド品や高級時計、宝飾品、本、食器などは、機能や見た目が問題なければ、中古品でも十分使用することができる。
そのため、中古車販売店やリサイクルショップ、中古ブランド品ショップなど前述の中古品を扱う中古品ショップもあり、中には全国に店舗を展開しているような大規模な中古品ショップも存在する。
そんな中古品ショップであるが、店頭で販売するための中古品を入手するためのルートを確保している場合が多い。
利用者から買取をした製品を中古品として販売する場合もあるが、それだけでは、店頭で販売するだけの数は確保できない。それに、利用者が売却する中古品はショップ側では選択できないため、買取では、欲しい中古品を入手できない場合がほとんどである。
その中古品ショップが中古品を入手するルートは色々あるが、その中の1つに「業者オークション」がある。
業者オークションは、文字通り、中古品を扱う業者が中古品を取引するオークションで、中古品ショップは、業者オークションに参加することで、店頭で販売するための中古品を入手するのである。
今回は、業者オークションについてと、業者オークションの1つである日本ブランドオークション(JBA)について記載する。

引用:http://www.brandauction.jp/
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業者オークションとは
業者オークションは、中古品を扱う業者が、中古品を取引するオークションである。業者が中古品を扱う場所としては、「古物市場」と呼ばれる市場があるが、業者オークションは、古物市場と同種のもので、全国各地で開催されている。
業者オークションが扱う中古品は、ブランド品、高級時計、宝飾品、中古車、中古オートバイなどがあるが、どの中古品を扱うかは、業者オークションを開催する企業などが決定している。
そのため、業者オークションに参加する場合は、自分が目的とする中古品を扱う業者オークションに参加することになる。例えば、中古車販売業であれば、中古車などを扱う業者オークションに参加することで、店頭で販売する中古車を入手することができるのである。
業者オークションは、中古品を取引する市場であるが、中古品を取引する場合は、古物商許可証という資格が必要であるため、業者オークションに参加できるのは、古物商許可証を所持する企業や個人事業主などに限られ、一般人は参加することはできない
さらに、業者オークションによっては、古物商許可証のほかに独自の参加条件を設けている所もある。例えば、中古品販売業として創業から1年以上経過し、さらに中古品を販売するための常設の店舗を営業している、などがある。
そのため、業者オークションによっては、参加条件を満たすことができず参加できない場合もあるので、業者オークションに参加を希望する場合は、事前に目的とする業者オークションの参加条件などを業者オークションの主催者に確認したほうがいいだろう。
主な業者オークションについて
国内で開催されている主な業者オークションについて記載する。ただし、ここに記載する業者オークションは、実際に開催されている業者オークションの一部であり、この他にも多くの業者オークションが開催されている。
業者オークションで多いのが、中古車、中古オートバイを扱う業者オークションで、自動車メーカーのディーラー系オークションである日産オートオークション、ホンダオートオークション、いすゞオートオークションのほか、中古車、中古オートバイを扱う企業系オークションであるJUコーポレーション、USS(Used Car System Solutions)、オークネットなどがある。
また、ブランド品、高級腕時計、宝飾品などを扱う業者オークションも多く、日本ブランドオークション(JBA)、オークネットブランドオークション、Komehyoオークション、スターバイヤーズオークションなどがある。
今回は、その中から日本ブランドオークション(JBA)について記載する。
日本ブランドオークションとは
日本ブランドオークション(Japan Brand Auction、JBA)は、株式会社ブランドオフが主宰する業者オークションである。
2007年8月に開催したブランド品のバッグ、時計、宝石の手ぜりオークションが始まりで、「しがらみのない開かれた市場」を掲げ、古物商許可証を所持していれば、誰でも参加できるというオープンな市場となっており、現在は、会員数1,200社以上を誇る国内最大級の業者オークションとなっている。
日本ブランドオークションで主に取引される中古品は、ブランド品のバッグ、高級腕時計、宝石などであり、それ以外の、中古車、中古オートバイなどは取引されていない。
また、日本ブランドオークションが開催するオークションに出品される中古品は、日本ブランドオークションが検品する、厳しい出品基準をクリアしたもののみとなるので、安心して取引することができるといえる。
日本ブランドオークションが開催するオークションは、「JBA手ぜりオークション」、「JBAリアルライブネットオークション」、「B to B ネットオークション」の3つのオークションで構成されている。
それぞれのオークションについて記載する。
JBA手ぜりオークション
JBA手ぜりオークションは、日本ブランドオークションが用意したオークション会場にて行われるオークションで、日本ブランドオークションが最初に開始した手ぜりオークションが、そのままJBA手ぜりオークションとなったものである。
会場は、石川県金沢市で開催される「金沢オークション」と東京都中央区銀座で行われる「東京銀座オークション」の2会場がある。
2会場でブランド品のバッグ、時計、宝石のオークションが開催されるが、開催日はそれぞれ日程が異なるので、事前にブランド品のバッグ、時計、宝石のオークションがいつ開催されるか確認したほうがいいだろう。
参加条件は、前述のように古物商許可証を所持していることのみとなる。
JBA手ぜりオークションに参加するための費用としては、入会費は必要なく、年会費として10,000円(税別)を支払う必要がある。
オークション当日に必要となる費用は、参加費は必要なく、取引が成立した場合、出品した場合は落札価格の3%、落札した場合は落札価格の8%を手数料として、それぞれ日本ブランドオークションに支払う必要がある。
JBA手ぜりオークションは、他の業者オークションや古物市場でも用いられている、中古品を取引する場合の一般的な取引方法のため、中古品の取引などの経験豊富な業者などが多く参加することから、JBA手ぜりオークションは、日本ブランドオークションの中のプロ向けのオークションと位置付けられている。
JBAリアルライブネットオークション
JBAリアルライブネットオークションは、インターネット回線を利用したネットオークションである。
パソコンやスマートフォンで専用にサイトにアクセスすれば出品、落札をすることができるため、手ぜりオークションのように会場まで行く時間や費用などが必要ない、というメリットがある。
ただ、会場まで行かないと出品物の下見が出来ないが、専用のサイトにて事前に画像見て下見をすることができる。また、日本ブランドオークションも事前出品物の検品を厳しく行っており、検品をクリアした確かな中古品のみ出品されることから、安心してインターネットオークションに参加することができるといえる。
JBAリアルライブネットオークションは、A~Dの4レーンでオークションを実施している。
Aレーンは、時計や宝石が出品されるレーンで、Bレーンは、高級腕時計のROLEXのみが出品されるレーン、Cレーンは、ブランド品のバッグが出品されるレーン、Dレーンは、高級ブランドであるLouis Vuittonのみが出品されるレーンとなっている。
元々、JBAリアルライブネットオークションは、AレーンとCレーンの2レーンのみだったが、ROLEXとLouis Vuittonの出品が多いことから、これらの専用レーンを作って、オークション開催期間中の出品量を多くするようにしているようだ。
JBAリアルライブネットオークションに参加するため条件は、古物商許可証を所持していることのみとなる。
JBAリアルライブネットオークションに参加する費用であるが、入会時に入会金として30,000円(税別)が、また、年会費として、40,000円(税別)が、それぞれ支払う必要がある。
JBAリアルライブネットオークション参加時は、参加費は必要ないが、取引成立時に、出品時は、出品手数料として落札価格の2%(落札価格が20,000円以下の場合は400円均一)の支払いが必要となり、落札時は、落札手数料として落札価格の5%(ROLEXは4%、落札価格が10,00円以下の場合は500円均一)を支払う必要がある。
さらに、JBAリアルライブネットオークションに出品した中古品が落札されなかった場合は、引き手数料として、中古品一品につき500円支払う必要がある。
B to B ネットオークション
B to B ネットオークションは、大手ネットオークションであるヤフオク!のシステムを利用したインターネットオークションである。
オークションは、ヤフオク!上で行うが、会員以外が、B to B ネットオークションのページにアクセスしようとしてもエラーとなってアクセスすることは出来ず、会員だけが、ヤフオク!上のB to B ネットオークションのページから出品、落札することができるようになっている。
出品や落札は、ヤフオク!上で行うため、他のオークションに比べて気軽に参加することが出来ることから、日本ブランドオークションの中では、セミプロ向けと位置付けているオークションである。
ネットオークションに場合は、出品された中古品の状態などが問題になることがあるが、B to B ネットオークションは、日本流通自主管理協会が定める基準に合格した「基準内商品」のみが出品されるため、安心して落札することができるといえる。
また、出品者で落札者の間でトラブルがあった場合は、問題解決までフォローするなど、アフターサービスも万全となっている。
オークションの形式は、通常のように一番高額の価格を付けた人が落札する競り方式のほか、即決価格を設定して、即決価格以上の価格が付けられたらその時点で落札される方式も選択できる。
B to B ネットオークションに参加するための条件としては、古物商許可証を所持していることのみとなる。
B to B ネットオークションに参加するための費用であるが、入会費などは必要ない。B to B ネットオークションを利用する場合の費用であるが、利用料は必要なく、取引が成立した場合、出品した場合は、落札価格の5%を売り手数料として支払う必要があるが、落札した場合の買い手数料は必要ない。
JBAオンライン相場表について
日本ブランドオークションで取引される中古品のうち、金沢オークションとJBAリアルライブネットオークションの取引相場は、JBAブランドオークションが作成する「JBAオンライン相場表」にて確認をすることが出来る。
JBAオンライン相場表は、金沢オークションとJBAリアルライブネットオークションで取引されたブランドバッグや時計、宝石の相場をパソコン、スマートフォンからいつでも確認することができるもので、画像付相場表は過去1年間、テキストの相場表は過去5年間の相場データを確認することができる。
このJBAオンライン相場表を利用すれば、例えば、相場がわからずどの程度の落札価格となるかわからない中古品でも、最新の相場を確認することで、どの程度の落札価格か予想できるため、それに向けて準備すれば、落札できる可能性が上がる、といえる
JBAオンライン相場表は、JBAブランドオークションに入会しているJBA会員以外の人も一般会員として利用することができるが、入会の条件としては、他のオークションと同じように古物商許可証を取得していることが必要となる。
JBAオンライン相場表を利用する場合の費用であるが、入会費は必要ないが年会費が必要となり、金額は、JBA会員と一般会員で異なり、JBA会員は、年間60,00円(税込)、一般会員は、81,600円(税込)となる。
まとめ
業者オークションについてと主な業者オークション、そして日本ブランドオークションについて記載したが、日本ブランドオークションは、3つのオークションで構成され、それぞれ特徴があることから、自分にあったオークションを選択することができるのは、業者オークションを選ぶうえで大きいかもしれない。
それに、日本ブランドオークションは、もともと「しがらみのない開かれた市場」を掲げ、古物商許可証を所持していれば、誰でも参加できるというオープンな市場であることから、参加もしやすいので、参加を検討してみるのもいいだろう。