不要になった着物を手放す際、着物に付随する和装小物の取り扱いに迷うケースは非常に多い。しかし、和装小物の中には材質や作者によって非常に高い価値を有するものもある。
鹿の子留(かのこどめ)と呼ばれる簪(かんざし)もその代表であり、ものによっては数万円単位の価値がつく場合もある。単なる髪飾りではない、鹿の子留がもつ歴史や魅力について触れたうえで、売却する前に知っておきたい査定情報についてまとめてご紹介していく。
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かんざしの魅力
昔から女性の髪を華やかに彩ってきたかんざし。同じように見えるかんざしにもさまざまな種類があることをご存じだろうか。鹿の子留もそのひとつ。
それぞれのかんざしならではの特徴や役割がある。鹿の子留の価値を知るために、まずはかんざしそのものについて理解を深めていこう。
かんざしの歴史
さまざまな種類のかんざしが登場し始めたのは、江戸時代中期~後期にかけてだといわれている。古くは魔除けの道具として生まれたが、女性のヘアスタイルの変化とともに装飾品として親しまれるようになった。
髪に挿して着飾ることから「髪挿し(かみざし)」と呼ばれていたものが「かんざし」へ変化したという説や、植物の花や枝を髪飾りとしていた「花挿し(かざし)」がもとになっているという説も。いずれにせよ、古くから日本女性たちに愛され続けてきたことに間違いない。現代においては、日本の伝統を感じさせるお土産品として外国人からの需要も高まっている。
かんざしの種類
かんざしの種類とすると、平打かんざし、玉かんざし、チリカン、ビラカン、松葉かんざし、吉丁、びらびらかんざし、つまみかんざし、鹿の子留、薬玉、位置留、バチ型、立挿し、両天かんざし、銀製葵かんざし、武蔵野かんざし、江戸銀かんざし、櫛、笄など、実に多くの種類が存在する。
時代とともに流行する女性のヘアスタイルに合わせ、かんざしの種類も増え続けてきたのだ。明治以降に主流となった洋風のヘアスタイルにも合うよう、種類だけでなくヘアセット方法も変化している。
鹿の子留とは?
特に芸者や舞妓にとってかんざしは大きな意味を持つ装飾品であり、自分のキャリアを示す大切な存在。鹿の子留はその代表ともいえるかんざしである。
鹿の子留は舞妓の必需品
鹿の子留とは、「割れしのぶ」と呼ばれる若い舞妓の髪型には必ず用いられる特別なかんざしだ。手絡(てがら)と呼ばれるかんざしを抑えたり飾るための布を留めるために用いられる。手絡には「鹿の子絞り」を施した縮緬が良く使われるため、鹿の子留と名付けられている。
多くのかんざしは髪に対して横向きに挿すことが多いため、横向きに装飾が施されている。一方で鹿の子留は、飾りに対して髪に挿す耳かき部分が垂直についているのが特徴だ。
銀製もしくはプラチナ製の台に、ヒスイやサンゴ、琥珀(こはく)などで花や蝶、孔雀などのこまやかな細工を施してあるものが多い。かんざしの中でも高級品といわれ、その美しさはもはや芸術品とも呼べるほどのものも存在する。
髪型でわかる舞妓の芸歴
鹿の子留をあしらった「割れしのぶ」と呼ばれる髪型は、まだまだ見習い舞妓であることを表している。実は、舞妓の芸歴はメイクや髪型、着物ですぐわかるよう表現されているのだ。
修業期間である見習いの見習いは、髪も結わずメイクもしない。厳しい修業期間を経て、やっと見習い舞妓として髪を結うことを許されるのだ。このときに結う髪型が「割れしのぶ」と呼ばれるもの。鹿の子留はこの期間に必須となるかんざしだ。
その後、数年の見習い修業を経て、やっと一人前の舞妓として表舞台に立てるようになる。髪型も「割れしのぶ」から「おふく」と呼ばれる結い方へ。この風習は現代も変わらずに守り抜かれているため、舞妓を見かける機会があれば、かんざしに注目してみてもいいだろう。
鹿の子留の査定情報
鹿の子留の特徴や魅力がわかったところで、実際に鹿の子留を売却する場合の査定情報についてお伝えしていく。着物や帯とはちがい、かんざしをはじめとする和装小物は買取取引に出すこと自体なじみのない人が多いだろう。
しかしお伝えしてきたように、かんざし一つにしても、専門家による査定次第で数万円の価値がつくことはよくあることだ。
和装小物にも価値がある
かんざしだけでなく、和装小物は現代においても一定の需要が見込まれるため、中古だとしても高い価値がつくものがある。帯留などがその代表例だ。
物によっては数十万円単位の値がつくこともあるため、安易に近所のリサイクルショップに持っていくのは得策とはいえない。鹿の子留は和装小物の中でも高級品に当たるケースがあるため、手放す場合は売却先をしっかりと見極めるようにしよう。
小物だけでも売却可能
着物とセットにとらえがちな和装小物だが、小物だけでも買い取ってくれる業者は数多く存在する。「わざわざ小物だけを査定に出すのはちょっと……」などと考えず、売却前に一度は専門家の査定を受けることをおすすめする。
一方で、希少価値の高い小物の中には、本物の素材を精巧に模倣したコピー品が出回っている場合がある。和装小物の場合、コピー品か本物かどうかを見極めるのは専門家でも至難の業だ。
業者によっては、少しでも疑わしいものは買取を拒否されてしまう可能性も。鹿の子留を含む和装小物を査定に出す場合は、1社ではなく複数の買取業者に依頼することが望ましい。
鹿の子留の買取相場
かんざし全般でみると、買取相場はおよそ3,000円~8,000円で取引されることが多い。使用されている材質が金やプラチナ、サンゴなどの効果なものになるほど、買取相場は高くなっていく。
べっ甲や漆塗りのものであれば10,000円前後。本珊瑚や18金が使用されているものであれば20,000円以上の値がつくこともある。鹿の子留はかんざしの中でも高級品に分類され、材質や造りにこだわったものが多いため、高額な買取取引が期待できることも。
和装小物こそ専門買取業者へ売却するべき
小さなかんざしに使われている材質までを素人が判断することは難しい。本当の価値がわからないまま個人の判断で手放してしまっては、数万円単位で損をしてしまう可能性もあるのだ。リサイクルショップやネットオークションなどではなく、価値の鑑別が難しい和装小物ほど、専門の買取業者へ売却するのが得策だといえる。
鹿の子留を少しでも高く売却するには?
かんざしの中でも高価な買取取引が期待できる鹿の子留。そのままでも十分に価値がつきやすい貴重なものであることは間違いないが、ちょっとしたポイントを押さえることで査定評価をぐっと高められる可能性がある。
せっかく手放すのであれば、少しでも高く売却したいと考えるのは自然なことだろう。査定に出す前に、下記にてご紹介する高価買取のポイントをぜひとも確認してほしい。
保存状態は重要な査定ポイント
査定評価の基本となるのが、売却する小物がどのように使用・保存されてきたかという状態チェックだ。保管環境が悪ければ、シミやカビ、傷や汚れがつく原因となる。
どんなに価値の高いものだとしても、状態が悪ければ査定評価はガクッと下がってしまう。売却を検討する場合は、査定前になるべく良質な状態に近づけられるよう注意しておこう。
外箱や証紙をつける
和装小物を売却する場合、付属品となる外箱や証紙がセットになっているだけで査定評価はぐっと跳ね上がることがある。重要無形文化財や伝統工芸品、有名作家の作品とわかる証紙や落款がある場合は、かなりの高額な取引が期待できると考えていいだろう。外箱の傷やゆがみも査定対象となるため、こちらの保管状態にも注意しておくことが望ましい。
フリマアプリやオークションでの売却は難しい
わざわざ買取業者へ売却せずとも、スマホやインターネットから手軽に売却することももちろん可能だ。しかし、鹿の子留をフリマアプリやネットオークションで売却するのは難しいと考えたほうがいい。
現代もファッションアイテムやお土産品として高い人気を集めるかんざしだが、ネット上では手ごろな値段で新品を簡単に手に入れることができる。鹿の子留の相場に見合った価格で売却しようとしても、なかなか売りにくいのが現状だ。実際に人気の高いフリマアプリやオークションサイトをリサーチしたが、2019年4月13日現在、鹿の子留の売買取引を見つけることはできなかった。
仮に売却できたとしても、本来よりも低い価格で買い取られてしまう可能性も十分あるため、希望すればすぐに売却が可能な買取業者へ依頼するのがもっとも有効な手段だといえる。
和装小物をまとめて売却
和装小物の買取取引においては、1点のみの売却ではなく複数の品物をまとめて売却したほうが価格が上がりやすいといわれている。買取業者の査定に要する時間や労力を削減することで、節約された費用を買取価格に上乗せしてくれることがあるためだ。
着物や和装アイテムを専門とする買取業者の場合、着物に関するアイテムなら一緒に買い取ってくれる可能性が高い。また、ブランド品や洋酒、骨とう品などを広く取り扱う業者であれば、この機会に売却できるものを断捨離してしまうことも可能だ。いずれにせよ、少しでも高値での売却を希望する場合は、ほかに買取に出せるものがないかを確認してみるといいだろう。
複数の買取業者を比較する
鹿の子留をはじめとする和装小物は、専門的な知識がなければ本当に正しい価値を判断しにくい、鑑定の難しいアイテムだといえる。各業者には買取実績の豊富な鑑定士が在籍していることがほとんどではあるものの、買取額に差が生じる可能性は十分考えられる。
少しでも自分にとってメリットの大きい業者を選択できるよう、売却する場合は複数の買取業者へ査定を依頼するのが鉄則だ。相見積もりを取ることで、査定時の金額交渉を優位に進めることもできるため、必ず買取業者を比較検討するようにしよう。
高価買取が期待できるおすすめ業者
専門業者への査定を検討する場合、どの業者に頼むべきか迷ってしまう方がほとんどではないだろうか。そこで最後に、鹿の子留をはじめとする和装小物の買取実績が豊富なおすすめ業者を紹介していく。
買取プレミアム
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
買取プレミアムは全国どこでも申込が可能な着物専門の買取業者である。査定方法を出張買取・宅配買取・持込買取の3つの方法から選べるため、自分に合った査定を受けることが可能だ。
確かな買取実績や納得の査定価格は業界トップ水準であるうえ、丁寧なアフターフォローが受けられることも魅力のひとつ。一方的な取引ではなく、本当に納得したうえで売却を進められる点がおすすめの買取業者だ。
福ちゃん
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
着物専門の買取業者として200万件をこえる豊富な実績を持つ福ちゃんでは、和装小物の買取も積極的に受け付けている。依頼主が安心して取引できるよう「おもてなし」を重視しており、はじめて着物を売却する方におすすめできる優良な買取業者だ。
買取価格も業界最高水準をほこるうえ、本格的な査定前に金額の目安を知ることができる簡単無料査定も高い人気を集めている。
BUYSELL(バイセル)
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
バイセルは着物や和装小物の買取実績が豊富であり、専門知識と経験を持ち合わせた鑑定士による査定を受けることができる。一番の特徴は出張買取サービスが充実している点だ。
タイミングが合えば最短30分で自宅に訪問してくれるスピーディーさが魅力。出張料、鑑定料は無料であるため、気軽に査定を依頼することが可能だ。
まとめ
鹿の子留をメインに、和装小物の買取・査定情報についてまとめてお伝えしてきた。さまざまな思い入れのある着物、和装小物だからこそ、適切な価格で取引できる安心・安全な方法を選ぶことが望ましい。
鹿の子留はかんざしの中でも高価取引が期待できる高級品だ。ファッション性を重視した一般的なかんざしと同じように中古販売してしまうのは非常にもったいない。納得した売却取引ができるよう、複数の専門業者を比較検討することをおすすめする。