いろんなものがあふれていて必要なものはすべて手に入る現代社会だが、そんな時代だからこそ新しいものを次々に求めるのではなく、中古でも本当に気に入ったものを求める人が多くなってきている。特にファッションについては個人の好みの差が激しく、古着でも気に入ったものがあれば買う人は多い。
古着屋の需要はそんな現代社会の需要とマッチしており、全国に多数古着屋が存在している。ファッションに興味のある人や古着が好きな人で、一度は「古着屋を経営してみたい」と思ったことがある人は多いのではないだろうか。
しかし大半の人は「古着屋をやってみたい」と思っているだけで本当に行動に移す人は少ないようだ。その理由として、「どうしてかわからない」、「本当にうまくやっていけるかわからない」というのがあげられる。
そこで今回は、古着屋の仕組みから、成功事例、また事業計画書のサンプルなどを詳しく紹介していく。古着屋の仕組みについて詳しく知っておくことは、商売を軌道に乗せる上でとても重要になってくる。また、成功例を知っておくことでそれをモデルに事業を展開していくこともできる。
古着屋をこれから起業したいと考えている方はぜひ参考にしてみてほしい。
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古着屋とは
古着屋とは、ユーズド品やヴィンテージ品をバイヤーと呼ばれる人が海外などで買い付けしてきて販売しているお店のことだ。ダメージのある服や古い年代に作られた服に価値が付く。ユーズドというのは中古品のことで、ヴィンテージは特定の古い時代に作られた服のことを指しており、現代ではあまりみられない造りや風合いの服が魅力的だ。
古着屋の特徴としては、一点ものに出会えるという点があげられる。特に50年代、60年代のファッションが好きな人にはたまらない空間だろう。古着屋とリサイクルショップを混同している人も少なくないが、リサイクルショップの場合はお客がいらなくなった品物を持ち込んでそれを買い取るという点である。
リサイクルショップの特徴は、現在流行っているものを定価より安く買える点だ。また、リサイクルショップにもまれにヴィンテージ品を置いてあるところも存在する。どちらにせよ、大量のアイテムの中から自分のお気に入りの一枚を探す作業はとても楽しく、古着屋の需要はますます増えることが予想される。
古着屋の魅力
古着屋の魅力といえばやはりすべてが一点ものだということではないだろうか。人と服装が被るのが嫌いな人や流行りとらわれず自分のファッションを貫く人にとって古着というのはとても相性が良く、多様性を重視する現代にとてもマッチしている。また、値段も新品のものより安いのも魅力の1つだ。
中古品といっても中には1回しか着用していないような美品も数多く存在するので、それを見つけだす作業も楽しいだろう。古着屋を経営する側からの魅力は、人件費などの経費があまりかからないことだ。もちろん、人を雇うとなると人件費はかかってくるが、古着屋は基本的に買い付けから販売までを一人でおこなえることが多い。
飲食店などに比べて開店の際に用意するものも少ないので開店資金も少なく始められる。また、最近では実店舗を持たない古着屋も存在する。インスタグラムやツイッターなどのSNSを使って自社サイトに集客できれば、実店舗を持たなくても古着を販売することができるので開業費をグンと抑えることができる。
古着屋を起業する際の手続き
古着屋は古物商という事業分野に該当する。古着屋を起業しようと思ったらまず警察署で「古物商許可証」を取得しなければならない。この古物商許可証がないまま開業すると無許可店とみなされて営業停止となってしまうので注意が必要だ。
警察署に行って申請用紙に必要事項を記入し、必要書類と一緒に提出すれば約1か月ほどで営業許可が下りる。申請にかかる費用は19,000円だ。申請書の書き方がよくわからないという場合は、行政書士に相談するという手もある。資金に余裕のある場合は活用してみよう。
古着屋の仕組み
これは古着屋だけに限らず小売業ならどこでもそうだが、古着屋は商品を安く仕入れて高く売ることで利益を生み出している。ここでは古着屋がどうやって商品を買い付けているのかなど古着屋の仕組みについて詳しく紹介していく。
さまざまな仕入方法
古着屋を経営する際は、まず売る商品の古着を仕入れなければ始まらない。その仕入れ方法はさまざまで、海外に直接行き現地で自分の目で見極めて古着を買い付ける方法やネットオークションやフリマサイトでの仕入れ、お客から持ち込まれた古着を買い取る方法などがある。
海外に買い付けに行く場合、自分の目で直接確かめられ、現地でしか出会えないヴィンテージ品との出会いがあるかもしれないというメリットがある。しかし反対に時間や旅費を膨大に使うことになり現地に行ってみないと良い古着に出会えるかどうかがわからないというデメリットもある。
また、言葉の壁や穴場の仕入れ先を見つけられるかも重要になってくる。慣れていない場合は現地で一緒に行動してくれるパートナーやコーディネーターを雇ってみるのも1つの手だろう。ネットで商品を仕入れる場合、最大のメリットは安く仕入れができるというところにある。
交渉次第では相場よりも安く古着を仕入れることができ、思わぬ高額アイテムが安価で仕入れられるということもある。オークションやフリマサイトに出品している人の中にはあまり相場を気にせずに出品している人も多く、仕入れの穴場ともいえるだろう。
しかし、一気に大量に仕入れることができないのと良い商品がいつでも出品されているとは限らないので仕入れまでに時間がかかるという点がデメリットとしてあげられる。自分に合った仕入れ方法を見つけよう。
確かな目利きが必須
古着屋を経営していく上で最も重要となってくるのが目利きだ。たくさんある古着の中から価値のあるものを見つけだし、ニーズに合わせた適切な価格で販売することが大事で、それができなければ古着屋は成り立たないだろう。
お客が求めているものを先回りして感じ取り、それを仕入れることでリピーターも増え売り上げにつながる。また、ヴィンテージなどの年代物には熱心なファンも多く、それだけに客側の知識も豊富なので年代物を仕入れる際は熱心なリサーチが必要となる場合も多い。
立地選定は慎重に
古着屋を出店するにあたって、どこに店舗を構えるかは非常に重要になってくる。お客に店に来てもらうことが重要なのでできるだけ古着屋が密集している場所に店舗を構えるようにしよう。
周りにライバルの古着屋が多数ある場所で店舗を構えるのは集客が難しくなると考えがちだが、逆に古着好きな人が集まりやすいので工夫次第でたくさんの集客が見込める。他店と差別化して固定のファンを作ろう。
古着屋の成功事例
全国に数多く存在する古着屋。開業してすぐに潰れる古着屋もあれば成功して利益をたくさん上げている古着屋もたくさんある。ここでは古着屋の成功事例を紹介していく。
古着屋を起業したいと考えているなら、成功例から学んでみてはいかがだろうか。
「インスタ起業」で古着屋をオープン
人気SNSのインスタグラムを使い古着を着た女性をたくさん掲載し、古着好きのファンを獲得。ECサイトで古着を販売し成功している例だ。驚くのは初期投資が0円ということ。最初は副業として始め、フォロワー数を順調に集め起業。その後投資家から資金調達をしECサイトを本格的に立ち上げた。
その人気はとても高く「インスタ映え×古着」の発想がマッチしアカウントの開設からわずか5か月でフォロワー数10万人を越える人気アカウントとなった。女性の顔は写っておらず、古着だけに集中できる世界観を作り出している。
SNSをうまく活用してブランディングに成功しファンを獲得することは、SNSが欠かせない現代社会とうまくマッチしており合理的といえるだろう。これから古着屋を起業しようと考えているなら、SNSでの集客は必須といっても過言ではない。
着物を世界へ発信
古着というとヴィンテージを思い浮かべる人が多いが、着物も古着として需要が高い。日本のマンガや和食などが世界各国に広まったことで、海外からの人気が特に高くそこに着目して古い着物を買取、海外へ販売するという方法で成功している例もある。
日本人が着物を着る機会はめったになく、母や祖母の着物が押し入れに眠っているがどうしていいかわからないという人は多い。そんな人々から着物を買取、着物の熱狂的ファンがいる海外に販売するというビジネススタイルで、需要と供給がうまくマッチし売り上げを上げている。
お客とのコミュニケーション
人気のある古着屋の多くはSNSやブログなどで最新の入荷情報や古着についての情報発信をこまめにおこなっている。こまめに情報を発信することで最新の情報を発信できるのはもちろん、お客との距離も縮まり最終的に集客へとつながる。
古着の話題で盛り上がれる空間を作り「また、あの古着屋さんに行きたい」と思ってもらうことが重要だ。
古着屋の事業計画書サンプル
ここでは古着屋を起業する際に必要な事業計画書の書き方などについて紹介していく。
そもそも事業計画書とは?
事業計画書とは、簡単に言えば古着屋を経営していくにあたっての採算性や現実可能性を具体的にかつ客観的にまとめた書類のことだ。この事業計画書を作成することで頭の中を一旦整理することができ、問題点なども改めて洗い出すことができる。
また、資金調達の際に銀行などから融資を受ける場合はこの事業計画書が必要になってくる。事業計画書の内容がはっきりしていて将来性のある事業だと証明できれば審査にも通りやすくなる。事業計画書は読む人がわかりやすいように作成するのが好ましい。
事業計画書の書き方
では具体的に事業計画書はどうやって書けばいいのだろうか。項目別に詳しく解説していくので参考にしてほしい。
会社概要
会社概要というのは、会社のプロフィールのようなもので会社の所在地や電話番号、URL、主要取引先などを記載する。起業前であれば予定のものを記載するようにしよう。ここでは事業に対する想いをどれだけアピールできるかが重要となってくる。
事業コンセプト
事業コンセプトを伝える場合は、できるだけハッキリとなぜこの事業を始めようと思ったのか、強みは何か、顧客に何を与えられるかを記載しよう。それらを明確することできちんとした事業計画を持っていることがアピールできる。
事業ビジョン
事業ビジョンも具体的に記載することで将来のビジョンをハッキリさせることができる。「3年後、ヴィンテージ物のジャケットに特化した古着屋を提供することで年商1000万円を達成」などといったように、具体的な数字を記載することが重要だ。もちろん数字は達成可能と思われる数字であることが大事で、無理に大きな数字を書く必要はない。
対象顧客について
ここではどんな客層をターゲットに事業を展開していくのかを記載しよう。また、顧客から選ばれる理由や、顧客にとってどんなメリットがあるかを記載しておくことでより事業計画が明確になる。
事業リスクとその対応について
古着屋を経営していく上で起こりうるリスクを記載し、そのリスクに対する対処法について詳しく解説しよう。予めリスクと対処法を考えておくことでいざという時に慌てずに問題解決にあたることができる。
収支計画
事業計画書の中でも一番重要な項目であるといっても過言ではない収支計画。ここでは収入と支出を表などにまとめ、具体的にどれくらいのお金が残るのかをまとめよう。ここで将来どれだけ利益をあげることができるかを数字化することは、融資の際の審査にとても重要視される。
上記のように事業計画書は記載することが多く、初めての人は難しく捉えてしまいどうやって書けばいいかわからなくなってしまう場合も少なくない。そんなときは事業計画書の作成を代わりにおこなってくれる代行サービスを使うという手もある。資金に余裕がある場合は相談してみるのもいいだろう。
まとめ
本コラムでは古着屋の仕組みや事業計画書の具体的な書き方について詳しく紹介してきた。古着屋はほかの業種に比ると開業がしやすく、SNSなどを使って、うまく集客することができれば商売を起動にのせることも可能だ。
また、個性を重要視する現代の風潮から古着屋の需要は、今後ますます増えていくことが予想される。古着屋をこれから起業しようと考えているなら、本コラムをぜひ参考にしてしっかりとした事業計画を練り、唯一無二の古着屋を目指そう。


