ブランド品の買取でおなじみの「なんぼや」は、みなさんもご存じの方は多いだろう。全国に54店舗(2018年12月現在)のショップを運営することで知られている。
この「なんぼや」を運営する株式会社SOUが2018年3月22日に、東京証券取引所マザーズ市場において新規上場を果たしたのだ。2011年に設立してから、たった7年で200億円以上の売上増を果たしての上場だ。
ここでは、詳しく株式会社SOUに迫ってみて、どのような特徴のある会社なのかお伝えしていこう。
- 本社
- 東京都港区
- 代表取締役社長
- 嵜本晋輔
- URL
- http://www.ai-sou.co.jp/
CONTENTS
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なんぼやとは
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
「なんぼや」とは、全国に54店舗を展開しているブランド品買取専門店である。「ブランド品の高価買取」をモットーとしている買取ショップであるが、LINE査定など現在の価格をすぐに知ることができるという手軽さが大衆にうけているのだろう。
なんぼやはどのようなショップなのか
なんぼやのサイトを見てみると、関根勤をイメージキャラクターにして、ブランド品の買取を強化していることが分かる。「買取専門店 お客様満足度No.1」というキャッチフレーズが目に飛び込んでくるため、好感度は高いのではないだろうか。
ブランド品の買取については、年間査定数83万点とものすごいデータとなっている。買取価格もかなり高額だという口コミも多いために、満足度No.1はステマではないことが分かる。
買取商品は、「腕時計」「貴金属・ジュエリー」「金製品」「ブランドバッグ」「ブランド財布」「骨董品」「着物」「毛皮」「カメラ」「ブランド食器」「ゴルフ」「切手」と、ブランド買取ショップの中でも幅広い。
ほかにも取り扱う商品は多数あるために、気になる人は直接公式サイトで確認してほしい。高価買取してもらいたいのであれば、おすすめできるショップであるからだ。
またブランドについてもかなり幅広く、「ロレックス」「ルイ・ヴィトン」「エルメス」「シャネル」「カルティエ」「ティファニー」といった、一般的に知られているブランドはもちろんのこと、それほど知名度の高くないニッチなブランドの買取までしているから、こちらも公式サイトにて確認してほしい。
この買取品の広さも間違いなく「なんぼや」の特徴で、営業戦略であることは間違いない。
なんぼやの特徴とは
全国に店舗展開しているために、みなさんの中にもショップを訪れたことがある人もいるだろうが、ショップには「なんぼや」だけにみられる特徴がある。それは「買取専門店」であるということだ。一般的なブランド買取ショップやリサイクルショップであれば買取をおこない、その場で販売もおこなっているはずだ。
株式会社SOUには、ほかのショップにおいて販売を強化しているところもあるのだが、「なんぼや」としては買取を専門としている。これは株式会社SOUの戦略であることはいうまでもない。その戦略によって、上場できたのは間違いないが、ブランド品買取市場においてみても、売上高は「コメ兵」に次ぐ第2位に君臨しているのだ。
なんぼやはどのように利益をあげているのか
ちなみに「なんぼや」はどのようにして利益をあげているかというと、いわゆる「業者オークション」を活用している。業者オークションとは、一般向けのオークションではなく、業者向けのオークションであり、会員だけが参加できるものなのだ。
また業者オークションだけではなく、海外輸出にも積極的に取り組む。特にブランド品については、海外でもニーズが高く中古品であっても状態が良ければ高値で売却できるのだ。
このように販売ルートを確保しているからこそ、ブランド品だけに買取商品を絞り、利益を確保しているのだ。
株式会社SOUとは
株式会社SOU(そう)は、「なんぼや」を中心としてリユース事業全般を展開する企業である。後ほど詳しく紹介するが、社長の嵜本晋輔氏は、サッカーJリーグであるガンバ大阪の元MF(ミッドフィルダー)であることで注目を浴びている。
SOUは「なんぼや」によって、腕時計、貴金属・ジュエリー、金製品、ブランドバッグ、ブランド財布、骨董品、着物、毛皮などの買取を主に一般の消費者からおこなっている。
買取った商品は、独自の販売ルートを確保しており、業者オークション、海外オークションなどを活用することによって、一般商品者に向けて小売販売をおこなっているのだ。
もともと社長の嵜本晋輔氏の父親がリサイクルショップを運営していたことからリユース市場に目を付け、単価の高いブランド品に焦点を絞ることで高い利益を叩きだすことに成功した。いわゆる「高級路線」がSOUの特徴であるといえよう。販売時に5万円以上の単価を確保できるからだ。
株式会社SOUが運営するショップとは
SOUが運営しているショップは「なんぼや」だけではない。「なんぼや」は前述したとおり買取専門店であり、独自の販売ルートを確保しているとはいえ、自前の販売店を持っておいた方がより効率的だろう。
買取ショップとしては「なんぼや」の他にも、ブランド買取専門店「BRAND CONCIER」を有する。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
こちらのショップは「予約可能な買取ショップ」として「なんぼや」よりもさらに高級路線を行く。接客と店舗空間に力を入れており、「なんぼや」とは違う層をターゲットにしていることが分かるが、これも「なんぼや」で得た高級路線の経験を活かしているのだろう。
そのほかにもSOUが運営しているショップはいくつか存在する。
スターバイヤーズオークション(STAR BUYERS AUCTION)
これは東京で開催している自社オークションである。買い取った商品を売却するために開催している業者オークションだ。
ブランドリセールショー ZIPANG
人気の有名ブランド品を販売している専門ショップである。大阪に存在するショップであるが、りんくうタウンという便利な中にあるために近隣の人であれば訪れたことのある人も多いだろう。
ヴィンテージセレクトショップ ALLU (アリュー)
海外に向けて、日本でのリユース品を販売するというショップである。近年では中国からの購入が増えており、中国消費者向けのアプリ「豌豆公主 (ワンドウ)」への出品・販売を本格化させている。
マイニー(miney)
「世界中のプライスをもっとオープンにし、売買をスマートにする」という経営理念を掲げているスマートフォンアプリの「マイニー(miney)」である。「LINE査定」と「資産管理アプリ マイニー」を連携させることで、「なんぼや」のLINE公式アカウントへ査定依頼した商品は、マイニーへ登録できるようになっている。LINEで現在の自分の商品がどれくらいの価値があるのか確認し、マイニーで現在価格を確認しながら売りどきを判断することできるものだ。
古美術八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
古美術八光堂は、骨董品や美術品を高価格で買い取る古美術商である。買取実績は40年あるショップなのだが、SOUが2017年2月に全株式を取得して子会社化したのだ。元々なんぼやでは古美術品の買取も積極的におこなっているが、古美術八光堂を子会社化したことによってさらに販売網が広がった。
株式会社SOUの会社概要(2018年12月現在)
- 企業名
- 株式会社SOU(そう)
- 企業理念
- そうきたか!をつくる。
- ヴィジョン
- 世界中のプライスをもっとオープンにし、売買をスマートにする
- 会社URL
- http://www.ai-sou.co.jp
- 事業内容
- ブランド・貴金属・骨董品等の買取・販売
※「なんぼや」「BRAND CONCIER」「スターバイヤーズオークション(STAR BUYERS AUCTION)」「ブランドリセールショーZIPANG」「ALLU (アリュー)」「マイニー(miney)」 - 本社所在地
- 東京都港区港南一丁目2番70号品川シーズンテラス28階
- 社長
- 嵜本晋輔(きさもとしんすけ)
- 設立年月
- 2011年12月28日
- 従業員数
- 342人
- 従業員平均年齢
- 30.8歳
株式会社SOUは、サッカー J リーグ・ガンバ大阪に所属していたミッドフィルダー嵜本晋輔氏が社長を務めているということで話題となっている。
プロスポーツ選手は引退後、厳しい社会人生活を強いられる人も多いなかで、ベンチャー企業の経営者に転身し上場したと言うことで注目されている。
株式会社SOUの創業は2011年であるが、わずか7年程度で上場したということは大変驚きである。リユース市場の中でもコメ兵に告ぐ第2位を確保しているために、これからも市場の中心となっていくだろう。
ブランド品の買取や販売においては、一般的な事業でありライバルも非常に多い市場ではあるが、特に株式会社SOUの戦略として「高級路線」であり、高単価の商品を扱うということが上場に至った要因と言えるだろう。
また運営の中心である「なんぼや」はブランド品の買取のみをおこなっているショップであり、別に独自の販売ルートを持っているということは、リユース市場においても珍しい。
特に近年では海外に向けての販売網も構築しており、海外でも注目度の高いブランド品については 市場が衰退することはないだろう。つまりこれからも注目に値する企業であるのだ。
株式会社SOUの企業業績・時価総額
株式会社SOUの企業業績・時価総額をお伝えしよう。
上場前である2013年11月期の売上高を見ると約63億5000万円であったのだが、上場後の2018年8月期には約315億円(前期比約30%増)にまで増収していることが分かる。営業利益約17億円(前期比約64%増)、経常利益約17億円(前期比約50%増)、当期利益約11億円(前期比約96%増)という高い伸びを示しているのだ。
- ・株価(2018年12月13日現在):7,310円
- ・発行済株式数(2018年12月13日現在):6,070,510株
- ・時価総額:432億8300万円
2018年3月の年初来安値は3570円であったが、高い伸びを示していることが分かるだろう。ちなみに上場時の公開価格は3300円で、初値は4100円がついている。
調達した資金の使途については、商品を買い入れる店舗の新規出店のための設備投資、業務効率化などを含む既存システムの強化及び販売促進に向けたソフトウェア開発のための投資、広告宣伝費に充当する予定であるとのことだ。
さて、業績の原動力を見てみよう。
株式会社SOUの主力ショップである「なんぼや」の出店が積極的に続いており、この記事を執筆している2018年12月を基準にしてみると、2018年9月には「なんぼやNANBAなんなん店」を新規オープン、11月には「なんぼやマルイシティ横浜店」「マルイファミリー溝口店」と2店舗を同時にオープンさせている。
またヴィンテージセレクトショップ「ALLU (アリュー)」においては、2018年9月に心斎橋にオープンさせている。
地方にどんどん「なんぼや」を出店させ、一般ユーザーから自宅に眠っているブランド品をどんどん買取し、業者や海外に向けて販売網を拡大するという戦略を感じられる。さらにこれからも新規出店ラッシュ、販売促進が続くであろう。
代表取締役 嵜本晋輔(さきもとしんすけ)とは
会社概要においても簡単に説明はしたが、ここで株式会社SOU代表取締役 嵜本晋輔氏とはどのような人物であるのか見ていきたい。
嵜本は、1982年に大阪府で生まれている(2018年現在では36歳)。Jリーガーとして活躍した経歴から、上場企業の社長になったということで、かなり注目されている人物だ。
高校時代、関西大学第一高等学校サッカー部で活躍していたが、3年生のときにガンバ大阪からスカウトされて、2001年に入団している。2001年にはリーグ戦2試合、天皇杯1試合の計3試合に出場、2003年にはリーグ杯1試合に出場し、Jリーグの公式戦としては4試合出場している。
なかなかJリーグでは出場機会に恵まれずに21歳で退団、2004年には佐川急便大阪SCに入団するもシーズン終了後に現役を引退している。自分自身を客観的に見て、プロサッカー選手としては通用しないと悟ったようだ。
リユース事業については、もともと父と兄がリサイクルショップを運営しており、サッカー引退後はその事業の手伝いをしていた。そこでリサイクルショップのノウハウを学んでいき、2007年に「なんぼや」を大阪にオープンさせたのだ。2009年には東京進出。そして、現在の株式会社SOUを2011年に設立し、代表取締役社長に就任している。
このようなサクセスストーリーからメディアからも注目されており、たびたび雑誌やテレビなどに出演し話題となっている人物なのだ。
公式サイトには「近い将来、私たちはリユース業界にとらわれない新しい事業にも挑戦する」と記されている。今後の株式会社SOUからは目が離せない。
株式会社SOUはどのようにして上場したのか
代表取締役の嵜本晋輔氏は、もともとリユース市場に興味があり進んだのではないことは、先ほどの章でもお分かりになるだろう。高校時代には真剣にサッカーに打ち込んで、プロのJリーガーとして活躍するほどの選手だったのである。
しかしサッカー選手を引退する頃に、兄と共に父親の経営するリサイクルショップを法人化し「MKSコーポレーション」という会社を立ち上げる。これが現在の株式会社SOUの前身になったことはいうまでもない。兄はその後、リユース業界から離れ、洋菓子の会社を立ち上げている。
元々父親が経営していたリサイクルショップは、厨房機器や家電を中心としたものであった。厨房機器はとても重く、在庫スペースが必要であったために、ショップ運営としては効率がよくなかったようだ。
そこで目を付けたのが「ブランド品」である。在庫スペースは少なくて済むし、何よりも高単価が魅力であったのだ。
株式会社SOUが創業わずか7年程度で上場したのにはわけがある。そもそもブランド品の買取価格には、他店と比べてそれほど大きな差があるのではない。これは市場のニーズを見ると分かるだろう。SOUは、この買取価格を調整したのではなく、接客の質をあげて他店との差別化を図ったのだ。
一般の買取店を見た場合、カウンターにおいて買取作業がおこなわれる。買取査定額を示され、満足いくものであればそのまま買い取られるという流れだ。
しかし「なんぼや」をはじめとする株式会社SOUが運営するショップはまったく違う。すべて個室で行われるという丁寧ぶりだ。「丁寧」ということで見れば、買取ショップの中ではトップレベルだろう。業界1位のコメ兵に並ぶ勢いであることは間違いない。
まとめ
「なんぼや」を運営する株式会社SOUについてお伝えした。
元Jリーガーが創業したという上場企業であるがゆえにとても注目されている企業であるが、決して色ものではなくブランディング戦略がうまい企業であるといえるだろう。
2018年12月現在においてリユース市場は、コメ兵に次ぐ業界2位となっている。しかし出店も相次いでおり、今後も目が離せない企業であるだろう。