縄文時代から日本に存在している「壺」は、人類の生活や文化を語る上で欠かすことのできない骨董品の一種である。古伊万里や古備前、古丹波といった名高い窯元で作られた壺の中には、1,000万円~2,000万円という衝撃の鑑定額がつくものもある。またマイセンなどの壺は西洋アンティークしての価値もあるため、一般の骨董品と比べて投資や売買によるメリットが得られやすいモノと位置づけて良いだろう。
今回は、「壺の鑑定額は何によって決まるのか?」という角度から、高価買取の基本となる査定基準の話をしていきたい。
本記事のポイント
- 日本六古窯や有名作家、明治以前の壺は高額査定になりやすい
- 中国壺を狙うのも一考。その理由は?
- 金継ぎという技術について

CONTENTS
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鑑定額を決める方法・基準
今もなお多く生産されている壺は、素人目では良し悪しがわかりにくいモノの1つと言えるかもしれない。査定の際には、どのようなポイントが注目されるのだろうか。一例を紹介する。
産地や作家
九谷焼や有田焼などの有名産地は高額査定になりやすい。よく知られるものとして、中世から現在まで続く代表的な6つの窯「日本六古窯」がある。中でも、歴史的価値が高い古い陶器については、「古」という字をつけて区別されることがある。
越前
平安時代を起源とし、鎌倉時代中期には現在のような焼き物が製造され始めた備前焼。表面にガラス質や光沢をもたせるために使う釉薬を使わず、装飾である絵や柄もつけないため、土や焼成時の風合いが強く出ることが特徴だ。
瀬戸
瀬戸の地域で焼き物が作られるようになったのは古墳時代まで遡れるという。鎌倉時代の頃には、唯一釉薬を施した作品が作られていた。この頃から瀬戸焼の特色を持ち始めた。大きな特徴は、磁器も陶器もあるということだ。
常滑
常滑焼は平安時代末期を始まりとする。釉薬を用いず「焼締」による焼き物が特徴である。もともと貴族や寺社向けに生産をおこなっていたが、地元からの需要に伴い日用品も作るようになった。地層に鉄分を多く含み、低温でも焼き締まるため大きな焼き物を作るのに向いている。
信楽
13世紀ごろ(鎌倉時代)に常滑焼の技法の影響を受けていた信楽焼は、14世紀になって信楽焼き固有の特徴を持ち始める。明治時代以前は釉薬をかけなかったが、釉薬を用いるようになる。長石と石英の砂粒が混ざった肌合い、焼成で色味が変化する火色(緋色)などが特徴である。
丹波
鎌倉時代にできたとされていた丹波焼だが、新たな史料発見により平安時代末期まで遡ることができた。釉薬は使わず、紐づくりのロクロ仕上げでおこなわれる。限度の鉄分と溶け合って、緑色などの色合いが出る自然釉(ビードロ釉)が特徴となっている。
備前
備前では古文時代から作られていると考えられるが、いわゆる備前焼は平安時代まで遡れる。明治から昭和初期に衰退したが、金重陶陽が備前焼を盛り上げ、彼自身もまた人間国宝に指定された。絵付けや釉薬を使わないのが特徴である。
作家
井上萬二、金城次郎、徳田八十吉といった著名作家によって作られた壺は、高価買取に繋がりやすいという特徴がある。特に著名作家の落款は、制作年代による変遷を確認する上で欠かせない要素となるため、作家の年表などを見ながら「勢いのある年代の作品を買うこと」も、納得の鑑定額に繋がる良策であると言えるだろう。





修理や金継ぎの有無
壺の鑑定額を高めるためには、ひび割れや金継ぎの履歴のない「より良いコンディション」も大事な要素となる。また初心者が施した金継ぎや金繕いは、ひび割れの放置以上のマイナス査定要因になるため、「そのまま持ち込む」か「金継ぎのプロに任せること」がコンディションの悪い壺との上手なつきあい方と考えて良いだろう。プロによる金継ぎには、1箇所数千円~数万円の費用がかかることもあるため、依頼前に費用対効果も想定すべきである。

ニーズ
高い鑑定額が出やすい壺カテゴリーは、さまざまな人・場所への需要がある。鑑定士自ら壺や陶磁器の収集をしている買取店で査定を受ければ、コレクターと直接交渉しているようなイメージで高い鑑定額が得られることだろう。
また、近頃では日本に本物の中国陶器を買い求める中国人観光客も多く訪れているため、「日本人の好む壺=需要の高い壺」ではない実情がある。特に世界中の富裕層が壺などの骨董品投資を行う今の時代は、中国人を中心とした世界的なニーズに合った壺を収集することが、売却によるメリットを高めるコツと考えて良いだろう。


希少性
江戸時代や明治時代に作られた壺は、現存数の少なさによって高い鑑定額が出やすい存在となっている。また同じ作者や窯元でも「江戸時代初期よりも中期の方が良い」といった年代による価値の違いもあるため、壺や陶磁器の売買で高価買取を狙うなら、その産地や陶芸家に関する歴史を必ず勉強しておくようにして欲しい。
明治以降の作品であっても、例えば1920年〜1930年に作られたと考えられている「板谷波山の葆光彩磁花瓶」は、「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京系)にて、7,000万円の評価額が出てかなり話題になった。
江戸時代や明治時代の壺の買取例
- 作者不明「大明嘉靖年製 壺」400万円(八光堂)
- 河井寛次郎「灰釉花鳥紋扁」240万円((発行堂)
「開運!なんでも鑑定団」の評価額例
- 室町時代後期「古丹波の壺」350万円
- 室町時代後期に「古備前の茶壺」200万円
- 室町時代初期「古丹波の壺」150万円
- 江戸時代前期「古伊万里の壺」120万円
- 室町時代「古備前の壺」80万円
- 明治時代「古伊万里の小壺」50万円
- 約400年前「古備前の大壺」35万円
※一般的に評価額は査定額よりも高くつける。

偽物の壺には値がつかない?
鑑定士によって見分けられた真贋は、壺を高く売る上で欠かせない要素となる。明らかなコピー品と判断された壺には、どんなに高額で購入したものであっても「普通の陶器」としての実用的価値しかつかない。

これに対して有名作家や窯元で作られた本物と判断された壺の場合は、作品や歴史的付加価値がつくため、偽物と比べて10倍~100倍以上もの高価で価値判断される。精巧なコピー品が急増傾向にある今の時代は、「正しいルートで本物を買うこと」というコレクターにとっての新しい心構えが生まれている。

壺をより高く売るためには
ここまで、壺の査定基準について紹介してきた。ここからは、壺をより高く売るためのポイントについて紹介するのでぜひ参考にして欲しい。
袋や箱などの付属品を一緒に査定に持ち込もう
壺が入っていた箱や袋、説明書や鑑定書などは、一緒に査定に出すとプラス査定が見込まれる。壺のコレクターは、付属品の有無にこだわる人が多い。付属品があるのとないのとでは、数万円もの差が生まれることもあるので、もし保管している場合は一緒に査定に持ち込んだほうが良いだろう。
ホコリは取り除いておこう
壺は、長年使われていない倉庫などで保管されている場合が多いだろう。長年保管していると、知らぬ間にホコリがたまっているケースがある。査定前に、ホコリは必ず取り除いておいたほうが良い。乾いた布で軽くホコリを拭きとるようにして、無理に磨くなどは絶対にしないようにしよう。また、経年劣化についてはそのままで査定に持ち込んだほうが良い。
不要と感じたらすぐに売ろう
状態によって買取価格が異なってくる壺は、不要と感じたタイミングで売るのがおすすめだ。壺などの陶磁器は、非常に湿気が多く、湿度の高い倉庫などで保管してしまうとすぐに劣化してしまい、気付いた時には傷んでしまったというケースも多い。「いつか使うのではないか?」と長年保管しておくのではなく、出来る限り早く売ってしまうほうが良いだろう。
骨董品を専門で扱っている買取店に査定を依頼しよう
壺などの骨董品の査定は、非常に難しいと言われている。そのため、素人が判断すると損をする場合が多い。メルカリやフリルなどのフリマアプリや、ヤフーオークションなどは自分で買取価格を決めることができるが、壺自体の価値に気付かず適正価格より低い金額で売ってしまう場合もある。経験や知識が豊富な鑑定士が多数在籍している買取店に査定は依頼したほうが良いだろう。
1社だけではなく、複数の買取店に査定を依頼しよう
高価買取を狙うためには、1社だけではなく複数の買取店に同時に査定を依頼するのがポイントだ。複数社に依頼することで、売りたい壺の価値に気付くことがある。また、相見積もりをとることで、自分が最も納得できる高値で買い取ってもらえる可能性が高まるのだ。
まとめ売りも検討してみよう
売りたい壺がいくつかある場合、まとめ売りを検討してみても良いだろう。まとめ売りとは、1つの壺だけではなく2つ以上の壺をまとめて売る方法である。まとめ売りとして査定してもらうと、買取価格がやや高くなることが多い。買取店からすると、コストを削減しながら一気に商品を手に入れられるのである。
おすすめの買取店
最後に、壺を売却する際に知っておきたい買取店を紹介しよう。以下の業者では目利きのプロによる丁寧な鑑定が人気である。売却時には、ぜひ参考にしてみて欲しい。
総合美術買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
東京都品川区にある総合美術買取センターは、当サイトではベスト3に入る人気店で、おすすめの買取店である。電話、メール、LINE、訪問などのさまざまな査定方法と買取方法を選ぶことができ、スピード査定、スピード回答も行っているため、急ぎの人にもおすすめの買取業者である。壺を高い金額で売りたいならば、総合美術買取センターの無料見積もりを依頼してみてはいかがだろうか。
かぐら堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
陶器や壺の買取を専門で行っているのが、かぐら堂だ。在籍している鑑定士の鑑定歴は、約10~20年。ベテランの鑑定士が査定してくれるので、安心して査定を依頼できる。また、年間買取数は300件以上。成約率も80%以上である。宅配買取、出張買取、店頭買取の3つの買取方法を採用していて、出張買取の場合でも出張料や交通費などはすべて無料である。ベテランの鑑定士に査定してもらいたい人には、非常におすすめの買取店である。
日晃堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
骨董品と古美術の買取を専門で行っているのが、日晃堂である。日晃堂は、日本だけではなく中国や欧米にも独自の販売ルートを持っているため、高価買取が実現できるのが特徴。東京都上野にある店舗での買取に加え、宅配買取と出張買取も実施している。出張買取の査定料・出張料・キャンセル料まですべて無料で、全国に対応している。家が地方にある場合は、ぜひ日晃堂に査定を依頼してみてはいかがだろうか。
LINE査定に対応している買取業者
岩田美術
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
岩田美術は、姫路市周辺で骨董品や美術品を高額で買い取っている業者だ。不要になった骨董品や陶磁器、美術品や絵画など幅広いジャンルの買取に対応している。便利な出張買取は無料で対応。オンライン査定だけではなく、LINEでの査定も行っているため、気軽に査定を依頼してみると良いだろう。
愛研美術
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
愛研美術では様々な骨董品や美術品のLINE査定をすることができる。もちろん壺も対象となっているため、気軽に査定を依頼することが可能だ。
出張買取に対応している買取業者
バイセル
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
バイセルでは北海道から沖縄県までの日本全国を対象に、電話一本で査定員が自宅まで無料訪問し、査定・買取を行う出張買取を行っている。壺の買取にも力を入れており、人が壺を欲しがる理由や高価買取できる壺の種類、相場、高価買取のポイントなどがホームページに丁寧に記載されている。
八光堂
買取価格
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手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
大手買取業者の八光堂は、出張買取時のクーリングオフ制度にも対応している。壺の買取りには力を入れており、多くの作家の作品の買取相場価格・実績もホームページに掲載されている。
まとめ
会社のエントランスや床の間などにも飾れる「壺」について、多くの鑑定士が実践している査定基準を紹介してみた。これらのポイントを重視すれば、高価買取に向けた行動を起こしやすくなる。
近頃では出張買取サービスを行う業者が増えているため、大きな壺の運搬や移送に不安がある場合は、無理に運ばないことも効率のよい売却に繋がると言えるだろう。遺品整理や蔵の片付けによって壺や骨董品がたくさん出てきた場合は、宅配買取や出張買取を使ってセット売りによる付加価値を付けてみても良さそうだ。
